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最上位ULTIMATEシリーズは遂に合計370GB。インストゥルメント&エフェクトが65種類も収録されたミュージックプロダクションスイート。世界の音楽シーンを牽引するサウンドクオリティを持ち、作曲、プロデュース、サウンドデザイン、ミキシング、マスタリング、ライブ演奏まで多彩にこなすことが可能。サウンドブラウズ、またはサウンド編集時はMASCHINEシリーズと完全に同期します。 多種多様なプラグインの活用法を紹介するRock oNオリジナルUstreamセミナーをアーカイブ放送中。是非試聴いただき制作に活用下さい。

あらゆるシーンに適応する音源、エフェクトを備えた汎用性の高さ。そして何より業務スタジオとのプラグイン互換性の高さにおける評価の声が最も多かったのが印象的です。特に前シリーズからエフェクトに磨きがかかっており、Manley Massive Passive EQやSolid State LogicのBus Compressorを模したモデルなど本格的なプラグインエフェクトの追加も見逃せません。Ver.8、9と大幅なプラグイン追加を伴ったアップデートを続けられる開発力の高さにも脱帽です。

単なる音楽制作用インターフェース機器ではなく、本物の楽器として感性を表現できるMIDIキーボード。木製鍵盤のRM3グランドⅡ鍵盤を搭載。積層の木製鍵盤、シーソー構造、3つのセンサー、異なる支点位置、レットオフフィール、アイボリータッチなど、RM3グランドⅡ鍵盤はそのほとんどがMIDIキーボード史上初の贅沢な仕様を採用。コンピュータやレコーディング機器などのデジタル機材に囲まれながらも本物のピアノに座ったような感覚を味わっていただくために、グランドピアノを思わせるデザインコンセプトを採用。シンプルな外観デザインの中にも、プロフェッショナルなエッセンスが詰め込まれています。

信頼あるピアノブランドがコンピュータ制作環境に切り込む突破口として、これまでに培って来た最高級の鍵盤クオリティーを全面に打ち出した製品コンセプトが見事でした。グランドピアノの感触を再現するために搭載された多くの技術のクオリティーの高さは、世界に誇るピアノブランドの実力を証明しています。また、メーカーの開発スタッフが営業戦略まで考え、見事にマーケットで花開かせた情熱に拍手を送りたいと思います。

4枚の長方形ダイヤフラムを採用し、音の透明感と深み、その絶大な存在感を細部まで体感できるハイエンドマイクです。40シリーズのダイアフラムを進化させた革新的な「ダブルウェーブ」加工により極限のS/Nを実現し、137dBという圧倒的なダイナミックレンジを誇ります。また円筒形となる特徴的なボディを支えるマウントも独特なスリットを入れる事で共振を最大限に抑え、さらに着脱の利便性も確保されています。ひとつひとつ手作業による組み立てと徹底した品質管理によって生み出された、日本が誇る革新的なコンデンサーマイクです。

NEUMANN U87から綿々と続くコンデンサーマイクのダイヤフラムの系譜を断ち切り、同社の最新の技術と、弛まぬ努力によって蓄積された研究結果のデータベースが融合し、それらが熟練の職人さん達の手作業で革新的で最新鋭のマシンとして結実した、歴史的な価値のあるプロダクト。日本が世界に誇るモノ作り精神の神髄を見た思いです。

名器MS-20が現代の制作スタイルにマッチするミニ鍵盤採用のコンパクトなボディをまとって復刻。当時の音を余す事無く蘇らせるために、音の要になるオペアンプに「JRC(新日本無線)のNJM4558」、フィルターにはMS-20前期の「KORG35チップ」という当時と同じものを調達し、全体の約80%ものパーツにオリジナルと同じものが使用されました。柔軟なパッチングは音作り本来の楽しさを呼び起こします。

明らかに2013年のアナログシンセブームを牽引した製品。当時の部品を使うなど徹底的に仕様にこだわり、昨今流行のメモリー機能を搭載しなかった点にメーカーとしての伝統の強さと企画力の柔軟さを感じました。プリセットに頼らない音作りの楽しさと大変さを現代に伝える名器と言えると思います。

DSPベースのデジタルオシレーターを搭載し、これまでのProphetシリーズとは全く異なる構造のフラッグシップシンセ。現行のProphetサウンドの特徴を決定づけていたカーティスチップフィルターの前段階に5つのデジタルエフェクトを設ける事で、フィルター入力前に倍音や歪みを付加する事が出来ます。またアナログ的に操作出来るステレオ4タップデジタルディレイを搭載する事でよりライブでのトリッキーな演奏が可能になりました。

往年のProphetサウンドと言えば誰もが知っているシグネチャーサウンド。そして前モデルであるProphet 08が世界的な評価を得た中で、その巨大なプレッシャーをハイブリッドという大胆な発想で打ち破った点を高く評価しました。アナログシンセがブームになる中、その代表格とも言えるブランドが自身のサウンドキャラクターを一新させて新たなレールを提示した点は圧巻の一言。

人間工学と音響科学に基づいた、傾斜角度を調整可能なデスクトップ用モニター・スピーカー・スタンド。軸上エネルギーを吸収しながらも軸外のエネルギーに抵抗するという優れたデザインにより、スピーカーをデスクトップや棚などの面部から効率的にアイソレートし、スピーカーキャビネットのエネルギーの周囲への転移を防ぐ事でデスクトップ上でもサウンドの解像度を高く維持します。

スピーカースタンドと言えば「重い、固い」という常識を全く新しい発想で覆し目から鱗がボロボロおちたプロダクト。スピーカーユニットと逆に動いて共振を押さえる構造には本当に驚きました。また昨今のD™、ひいては日本の住居やスタジオ事情に完全に対応したラインナップ、手頃な価格設定などヒットして当然の製品と言えるでしょう。

RME MADIface XTは世界で初めてUSB3に対応した、世界最小のポータブル・オーディオ・MADIインターフェイスです。最大196入力 / 198出力のオーディオ・チャンネルに対応。ライブやスタジオで完全なI/Oセットとして利用できるように、デジタル制御されたマイク/ライン・プリアンプを2系統、バランス出力2系統、ステレオ・フォン出力1系統を備えています。さらにMADI経由でリモート・コントロールすれば完全スタンド・アローン操作が可能となり、PCとの接続でTotalMix FXを駆使すれば無制限のミキシング、ルーティング、プロセッシングが可能になるなど、活用方法は無限大です。

今後さらに広がるネットワークオーディオの大きな起爆剤となる製品。同社が長年温めてきたMADIの技術を親しみ易いUSB3.0フォーマットに繋げ、独自のPCI ExpressポートでThunderboltにも対応。簡易ホームレコーディングから大規模録音までを驚くほどシンプルかつ低コストで実現するニュースタンダードとして選出されました。

BFD3は、リアリティーを徹底的に追求したアコースティック・ドラム音源です。専用に新しくレコーディングされた付属のキットは、世界的に名の知れたL.A.のOcean Studiosとメリーランド州のOmega Recording Studiosで収録され、様々なパターンのシグナル・チェインとルーム・アコースティックが収録されています。好みの音色でドラムのピッチチューニングからエフェクトを駆使したサウンドまで幅広く対応します。

演奏のリアルさとエディットの自由度が群を抜いており、ドラマーが使いたくなる音源。またマルチサンプル音源のネックとなるメモリー消費量についても2Gと4Gを選べるようにする事で解消されており、スペックに頼らない「使える」音源としてまとまっている点がポイント高かったです。

最大PCM 192kHz/DSD5.6MHz 録音が可能な高機能マスターレコーダー。様々スタジオ機器との接続を想定し豊富なアナログはXLRおよびRCA、デジタルはS/PDIF RCA COAXIALおよびAES/EBUに対応するXLR端子に加えて、DSDデジタル接続も可能。またデュアルモノーラルサーキット仕様の高品位DAを搭載しモバイルも可能なDA/DAコンバーターとして、またスタジオのモニタリングシステムの要として活躍します。

ハイレゾリューション録音ができるDSDマスターレコーダーとして、またハイクオリティなDA/ADコンバーターとして使えるという昨今のニーズを見事に先回りした斬新なコンセプトが好印象でした。これだけの機能を詰め込みながら高いコストパフォーマンスを維持している点もユーザーに寄り添ったプロダクトですね。

Avid Pro Tools 11は、新しくパワフルなオーディオおよびビデオ・エンジンを搭載しており、64ビットで動作致します。さらに新しいS6コントロール・サーフェスにより再びミキシングが再定義されました。革新的な新モジュール設計は、直観的でリアルな操作を可能にする、人間工学に優れた高性能なスタジオ・コントロールを現代のサウンド・エンジニアに提供します。Pro Tools 11とS6の組み合わせによりプロジェクトを素早く完成させるために必要なパフォーマンスと最高のサウンド・ミックスを提供します。

AvidのHDI/Oから始まった64bit化に向けての機材更新の総仕上げ。HD I/Oが出てHDXが出てそしてこのソフトウェア単体版のPro tools 11が遂にリリースされました。一新されたサウンドエンジンはもちろん、オフラインバウンスの装備には業界が沸きました。さらにそれに加え、2014年に予想されるネットワークソリューションを象徴するかのようなAvid S6。ブロック構造によるカスタマイズ性とモジュールごとに装備した高視野性のディスプレイがフィジカルなワークフローをも改善。この2製品に共に賞を与えます。

ユーザー投票

竹:ではいってみましょうか。ユーザー投票はどうでした?

富:得票数のトップはNative Instrument Komplete 9でしたね、はい。やっぱりこれだけボリュームがあると『助かる』という意見が多かったです。

ユーザーコメント
Komplete 9
「抜群のコスパ」
「KONTAKT5、BATTERY4などおいしいところを抑えつつ、使い切 れないほど豊富な音源、エフェクトに大満足です」
ほか

富:2位は同票数でいくつかが争っています。まずKAWAI VPC1、当然ながらProTools 11Cubase 7.5、あとMICROBRUTEです。

ユーザーコメント
VPC1
「自分を含め確実に欲しい人がいた商品だと思いました。 MIDIキーボードになかなかなかった、非常にセンスの良いデザイ ンも個人的にとても好きです。」
「タッチが格別。MIDIキーボードの歴史を変える製品だと思います。」
「今までありそうでなかったソフトウェアとの連携性を重視しているポイントが気に入りました!」

白:AWARD 2013ではMINIBRUTEが受賞してましたね。

富:「アナログでこの小型化はすごい」っていう感じの投票理由が多いね。

竹:3位はMASCHINE STUDIOMS-20 miniAT5040。これは「メイド・イン・ジャパンの精神」みたいなコメントが印象的ですね。MASCHINE STUDIOはもっと票があってもいいと僕は思ったんですが。

ユーザーコメント
AT5040
「『マイクロフォン=海外初、日本製品は物まねである』という考え方においてなお、模倣のベクトルからしても『あの強いニッポンのMADE IN JAPAN』みたいな精神を感じちゃいました」
「Made In Japanの挑戦ということで一票!」
ほか

白:まあ、Komplete 9にこれだけ票が来ちゃいましたからね。

竹:そしてここからが大体同じくらいの得票数になっていくのですが、Fireface UCX、Ableton Push。

富:これって製品は自由に選んでいいってことになってるんですよね?

竹:そうですよ。だから、MergingのHorusに一票入れた人がいました

一同:「おおおーー」

赤:Rock oNセミナーの講師をしてくれている方からも来てますね。

洋:あ、ほんとだ。○○さんだ。

竹:プロの方からもいくつか票が来てますよ。

富:BassStation IIの人はすごく熱い長文を書いてくれていますね。

ユーザーコメント
Bass Station II
「20年の時を経て帰って来た後継機は、デザイン、音色、機能の全てにおいて初代を上回る素晴らしい後継機として生まれ変わった。今から20年前、当時の自分は初代Novation Bass StationとDoepfer MS-404を試奏しまくって迷った挙げ句、結局後者を選びましたが、あの時このBass Station IIと同じデザイン、音色、機能が備わっていたら、きっとこちらを選んでいた事でしょう。Bass Station IIは音や機能だけの止まらず、この20年間を取り戻してくれた様な、そんな素晴らしいシンセサイザーでした。」

恒:じゃあ総評にいきましょうか。ユーザー投票はどういう印象でした?

竹:まあ言い出すとキリが無いですが、全体的に割と定番で王道なものが選ばれていますが、エンジニアリングよりも制作寄りの製品が多い。必然的にデジタルものの製品に人気が集まりました。

KOMPLETE9

竹:では続いて、Rock oNスタッフに聞きましょうか。ズバリ、みなさん2013年で一番印象に残ったものは?

恒:ユーザー票も多かったKomplete 9は外せないですね。発売された直後、知り合いのミュージシャン、クリエーターが、いい意味でインストール作業に巻き込まれてたんです。Twitter上でも沢山、「ただいまkomplete9インストール中」ってつぶやかれてました。ここまで行くとクリエータの1日までも変えてしまう製品で、大きな力を持った製品ですね。計画的に製品リリースが行われて行く事自体、すごいことだと思うんですが、毎回、前回以上のボリュームアップを果たすので驚かされます。Komplete 9 Ultimateは370GB。専用のHDDで販売したのはKompleteシリーズで今回が初めてですよね。

赤:そう、毎回ボリュームが増えていきますよね。こんなにてんこ盛りで、なおかつお値段はそのまま、ということに大きなバリューを感じます。

富:意外と知られてませんけど、SSLやMANLEY MASSIVE PASSIVEをモデリングしたプラグインはSoftubeが作っていて、量だけでなくクオリティーにも大きな裏付けがあるんです。

竹:もう1つ、昨年のNative Instrumentsの新製品で大きな動きだったのがMASCHINE STUDIOです。Komplete 9が発売され一段落した頃にMASCHINE STUDIOが出てきた。発売タイミングについて、市場の流れを切らないような工夫を感じました。MASCHINE STUDIOは、操作時にPCをまったく見なくても作業が出来るようになったというところが大きいです。

TRAKTORとの連動性がもっとできたら完璧だなとは思いますけど、ビートマシンとして考えられる機能が全て入ってます。CEOのDaniel Haverさんへの取材時に聞いた話ですが、Komplete 9-MASCHINE-TRAKTORの連携をさらに密にしていくことがテーマだと言っていました。今後は、そこの部分がどういうふうに進化して行き、僕らユーザーを驚かしてくれるか楽しみです。

富:そう、Danielさんは「『KOMPLETE』『MASCHINE』『TRAKTOR』が一つになる」って言ってましたよね。あの言葉の真意が完成するような製品がもっと出てくるんじゃないかと楽しみでしょうがないです。

VPC1

恒:僕がシルバーあたりに推したいのはVPC1ですね。KAWAIはピアノとか他の楽器分野では信頼されたブランドですけど、それがコンピューターの音楽制作シーンにやってきた!っていう感じ。マーケティングが上手かったんだと思いますけど。VPC1が全面に出してるのはやっぱり鍵盤の良さっていうところです。その打ち出し方がうまくてすごい。製品のコンセプトも含めて、完成形が高かったと思います。

白:長年ピアノに注力して製品開発を行ってきたKAWAIだったから鍵盤には期待していましたけど、これは予想以上のデキでした。それに鍵盤のタッチだけじゃなくて、圧倒的に他と違うのはPianoteqやIvory IIみたいなピアノ音源固有のヴェロシティカーブをプリセットとして搭載しているところです。

たしかにちゃんとピアノ音源に合わせてあげるとレスポンスが全然違う。メゾフォルテとメゾピアノの表現が他の鍵盤とは格段の差。そこに惚れ込んで買って行くお客様がとても多いよ。ツマミとかベンドバーが付いてないのも潔いね。

竹:開発担当スタッフが企画から考えてやったっていう、KAWAIという会社を動かしたプロダクトなので、評価したいと思います。実際に物の良さが今のセールスに繋がっていると思います。

AT5040

赤:あれ?AT5040って前回のAWARD取ってないんでしたっけ?

竹:取ってないですよ。実物が公開されたのがAWARD 2013の発表が終わってからだったので時期的にしょうがなかったんですよ。惜しかった。

ユーザー投票に「メイド・イン・ジャパンの精神」みたいなコメントが来ていたのが印象的でした。Proceed Magazine 2013 Summer号では(audio-technica社の)成瀬事業所にインタビューにも行ったんですけど、audio-technica製品は、最新の技術と蓄積された研究結果のデータベースが、最新鋭工業マシンと職人さん達の手作業で形になる。そんな印象でした。新しいものと伝統的なものの両方から成り立った製品作りが日本的だと思いました。

白:開発者の沖田さんには何度もお世話になりましたね。

竹:AT4050に続くフラッグシップの開発は相当な苦労があったようですよ。結果的に従来製品以上のS/N比とダイナミクスレンジを稼ぐために、「長方形ダイヤフラム」と「ダイヤフラム4枚使い」っていう違うラインで進んでいた研究が一つになった。
富:どうしてそうなったんでしたっけ?

白:通常の丸い大型ダイヤフラムのさらに上をいく性能を出したかったんだけど、単純にそれを大きくしただけだとカプセルに収まりきらなかった。だから長方形に。

そしてただ大きいだけだとレスポンスが悪いので小さいサイズを4枚使うことになった。AT5040に限らず他の製品(縦型コンデンサーマイク)にも表面積を稼ぐために波形の凸凹が折り込まれてるんですよね。

竹:ウェーブ加工だね。ちなみにAT5040はさらにこのウェーブの数を2倍にふやした「ダブルウェーブ加工」がされてる。

白: U87から続くコンデンサーマイクのダイヤフラムの系譜を断ち切って新たな方向性を見出したというのは歴史的にも意味のあることですね。

MS-20 mini

富:僕の印象に残ったのはアナログシンセ。これまで以上に大きな収穫となりました。その中でもイチオシなのはMS-20mini。それからvolcaシリーズは熱かったです。KORGのこの辺の話題性は2013年を印象付けた。

製品発表の時、元祖MS-2000の開発者の西島さんにインタビューさせてもらいましたし、MS-20miniのハンズオンレビューもやりました。だからって訳ではないんですが、これにはとても思い入れがあります。MS-20miniってプリセットが無いんですよね。当たり前ですけど。だからセッティング次第でまともに音が出なかったりするし、逆に音が止まらなくなったりする。ソフトシンセ世代にはめんどくさいかもしれないけど、そういう状態から音を作っていくためにアナログシンセの構造を理解して、チャレンジしていくことって大事だと思うんですよ。

あるプロ作家さんは「自分で作った音は大切に使う」って言ってました。似たような音はソフトシンセにもあると思うんですけど、自分で作った音には思いが入るから、楽曲のデキを左右すると思います。シンセのフレーズ一つじゃなくて、それをどう使うかっていう楽曲全体という意味で。

白:店頭で若いお客様が口を揃えて「これがアナログサウンドかあ」って。言うんです。MOOGとかとも違って価格も手頃だからここからアナログシンセを始めるのもいい。

富:MS-20を復刻させるのに一番問題になったのが、当時と変わらないパーツの調達だったそうです。開発者の西島さんがサウンドの肝になる「JRCのNJM4558(オペアンプ)」やフィルター段に入る「KORG35チップ」をかき集めてようやく製品化が実現したとおっしゃてました。これも受賞させてあげたい!

Prophet 12

白:シンセといえばDSIのProphet 12は店頭にやってきた時は沢山のお客様が触りにいらしてました。話題といえばあれも話題。

恒:Prophetシリーズとはいえデジタルオシレーターということであまり期待はしてなかったんですよ。正直なところ。でも実際に音を聴いてみて、やっぱりDSIだな、と思った。もちろんProphet 5と比べるものじゃないんだけど、さすがはフラッグシップだというか、MOOGやKORGとはちがうアナログシンセのオイシイサウンドをたっぷり聴かせてくれる。

IsoAcorstics

恒:それから予想を上回る大ヒット製品がこれ。次から次に新しいサイズがリリースされて、いろんな大きさのスピーカーで使える。市場ニーズに非常にマッチしてます。

それにデスクトップ専用スタンドっていうところが日本のホームスタジオの環境にフィットしたという気がします。公式Webサイトに(この製品の)使用前/使用後の音が聴き比べられる動画なんかもあって、これまでのスピーカースタンドとは違う売り方をしていうのも印象的です。

白:スピーカースタンドなのにあえて軽量というのは新発想。かつてないかもしれない。スピーカーとほぼ同じ設置面積でデスクトップに置ける。

パっと見た目は「これで大丈夫かな?」って思うんだけど、デスクの天板に反射したり共振してブーミーになる中低域をスッキリさせる。これすごいよ。動画で見てその変化が分かるくらいだから。

竹:簡単な構造に見えますけど、あの4本足がスピーカーユニットの動きに対して真逆方向に動くキャビネットの動きを吸収するんですよ。そのおかげでいらない共振を抑えることができている、と。

MADIface XT

竹:MS-20miniが大きな収穫だったら、昨年豊作だったオーディオI/Fで印象的だったのは?

白:RME MADIface XTでしょ。やっぱり。MADIと言えば…のテクノロジーファーストRMEから遂に出た!っていう。RMEは長くMADI製品を開発してきて、USB3.0っていう一般的に親しみやすいフォーマットにつなげて来た。

(I/Oさえ用意すれば)最大196in / 198 out。あのサイズで、USB3.0で、超大規模な同時録音ができる。これは驚きですよ。TECH AWARDで決まりですね。

竹:昨年からの流れで今年さらに一般的に広まって行くネットワークオーディオを助長する製品になるんじゃないかな。ネットワークオーディオ、これは今年のキーワードになる。

ショーレポートでもおなじみ、プロダクトマネージャーのMaxさんにまた今年もトロフィーを渡すことになりそうですね。昨年Fireface UCXへ贈ったTECH AWARDを連続受賞する感想を聞いてみたいね。

赤:RMEならMADIface USBも現場で話題にはなってますよ。業販だと現場で収録するような人たちってMADIのトラブルが起きると結構手一杯になっちゃって、64回線全部がお手上げになることがあるんですけど、これはそのままスタンドアロンで使えるので、そのリクロックに使えるというところがすごい助かる、と皆さんおっしゃってます。同期ずれとか、機器の相性の問題がこれ一個でかなり減ります。オーディオI/Fではないですが、私はこれを推したいです。

BFD3

恒:2013年は例年になくRock oNセミナーを開催したよね。Ustream生放送のこともだいぶ広めていただいて、毎回大好評です。この場を通じて視聴してくださっている皆さんにお礼を言いたいな、と思います(笑)

富:V-Drumsを使ったセミナーが大好評でしたね。

恒:あれは面白かったね。BFD3は生(?)で叩いてもクオリティに遜色ない。

富:とはいえやっぱり使うのはDAWで打ち込んで行くスタイルだと思いますけど、BFDシリーズって初代から徹底的にドラムサウンドをエディットして追い込めるところが評価され続けてますよね。他にはないというか。もちろんサクサクと簡単にドラムを作りたいなら他の音源でも事足りるんだけれど、ドラムサウンドが曲の世界観を作っているような最近の曲だとBF3の多様さは武器になりますね。

恒:BFD3はタムの共鳴とかとハットのスウェル奏法とか、また一層の表現力アップをさせてきたね。あそこはセミナーで(V-Drumsを叩いていた)PD安田も感心してた。ああいうところで全然リアリティが変わる。嬉しいのが、この2つの表現をこれまで発売されていたBFD拡張音源でも使えるっていうところ。

富:あとメモリの最大使用量を2G/4G/フルで使い分けられるんですよね。書き出しはもちろんフル設定でサンプルレイヤーを全部活かすけど、作曲中は2Gにして軽快さを重視。そんな使い方ができるようになったことも大きいです。

DA-3000

富:それから、KORG MR-2000Sから始まったDSDレコーダーの流れをTASCAM DA-3000が盛り上げてくれましたね。テープベースのDS-D98に始まり前進のDSDレコーダー DV-RA1000HDを経て、このDA-3000ってところが感慨深い。

でも圧倒的なのは圧倒的な多機能高性能を持っているのにコストパフォーマンスが高いところ。最大PCM 192kHz/DSD5.6MHz 録音で、DSD5.6MHzのネイティブ再生。マスター以上のマスタリングクオリティで録って残せる。

そしてDAコンバーターとしても使えて、TCXOジェネレーターでマスタークロックアウトできるからスタジオ全体のサウンドクオリティの向上や、モニタリング環境の大幅なレベルアップが期待できる。これで¥99,800ですもんね。「レコーダー買ったらシステム全体の音質が上がりました」っていう。これはユーザーにとっては嬉しい。

ハードウェアのマスターレコーダーって業務レベルだと必須になりますけど、これはいまのDAW環境で制作を行っている人達みんなに効果的なものだと思います。こんなマスターレコーダーを待ってました!

恒:これ複数台つないで同期させたらマルチトラックのDSDレコーダーとして使えるんだよね。一回やってみたいなあ。

富:開発秘話や製品コンセプトをProceed Magazine2013-2014号で特集してるので、多くの人に読んでもらいたいです。

Pro Tools 11 & S6

洋:みんな大事なやつを忘れてるんじゃない?僕はGoldはやっぱりProTools 11かなと。AvidのHDI/Oから始まった機材更新の総仕上げって意味で、すべての仕上げが終わったって感じがしますね、64bit化に向けて。HD I/Oが出てHDXが出て、そしてソフトウェアが出て。
それから、最近のAvidに感じることは、これまでのAvidはあまりにもちょっとブロードキャスト寄りにいきすぎていたように思います。でもまたいま少しミュージックマーケット向けにも、舵を戻しつつ有るかという感じ。

赤:私もProTools 11を挙げたいです。64bitに対応したのもそうなんですけれども、本当にユーザーさんが待望のオフラインバウンスができるようになったというのが、非常に大きなポイントだなと思っています。

洋:そして2013年Avid最大の新製品がS6。IBC2013で登場してからAES2013でもたっぷりとレポートをしてきたけど、やっぱりS6の注目度は高いよ。S6はまさしく現代のニーズに合わせたイノベーションあるプロダクト。スケーラブルなモジュール構成をとっているので、幅広い層に受け入れられると思います。

各モジュールがブロック構造になっているからユーザー本意のカスタマイズが可能になった(上位機種M40のみ。M10は構成が予め固定されています)。System5とおなじ東京光音製のフェーダーとか、視野性の高いOLED(有機EL)を採用したりとか、パーツ一つをとっても高いクオリティとして仕上がってる。

それから、オペレーションするモジュール側に多くの情報表示が可能なように考えられている、これもフィジカルな導線を徹底的に考えた結果。集中ディスプレイだと、目線をそちらに持って行ったり、手元に戻したり作業に集中できない環境。それをS6は最小限の目の動き、そして身体の動きで作業できるように、デザイン段階から徹底したこだわりを持って察慶されている。
あとこれは秘密情報だったんだけど…。近々S6を渋谷店で展示します!本物に触れてS6の魅力に迫りましょう!

僕はこのPro Tools 11とS6をセットで、表彰してあげるといいかなって思う。ソリューションとしてね。希望があるとすれば、ミュージシャンの手に届くような製品、プライスもサイズももっとダウンしたやつを早めにリリースしてほしいかなというのもありますよね。

もう一つテクニカルなトレンドして忘れてはならないのがネットワークオーディオ。さっきも誰かが言ってたけど、今年はネットワークオーディオが「来る」と思うんですよ。ひろく広まるという意味で。さっきのRME はMADIなので、多チャンネルという部分は同じだけれども、それよりもう一歩先を行くAoIP(Audio over IP)の技術が製品としてリリースされた年でもあったと思います。Focusrite RedNetシリーズやMERGING HORUS、YAMAHA CLシリーズはもう現場で稼働中。そしていよいよ今年出てくるSoundGrid Serverにも期待。製品が色々と登場することで、USB,FWに変わる次の世代のソリューションとして今年はEthernet接続のAudio I/Fに注目しています。

MADIはPtoPでの64ch接続なんですが、ネットワークオーディオ系の『Dante』『Ravenna』などはether ケーブル1本で256chの同時入出力に対応できたり、オプティカル(光-LC)ファイバーケーブルで最大1kmまで引き回せたりとスペックが向上しています。ネットワークオーディオ化の最大のメリットは、従来のPtoPの接続ではなく機材同士を1対多で接続できるということ。複数のI/Oからの信号を自由に分配もできる。もしもこれからネットワークオーディオに対応したスピーカーやマイクが登場したら、それら機材を繋ぎ直したりすることもなくEthernet Switchに接続するだけで自由自在なルーティングでスタジオをフレキシブルに構築できる。これにはGENELECやSCHOEPSも賛同しているし、SHUREからはすでにワイヤレスマイクのレシーバーが発売済み、夢の様なシステムが既に現実になっています。

2013年12月31日以前の記事は消費税5%の表記価格となっている場合がございます。ご了承ください。
販売価格はeStoreもしくは渋谷店にお問合せください。

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