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Rock oNではおなじみのSSL本社のJames Motley 氏が、現在のSSLのラインナップについて語りました。
現在制作の現場で必要となっているのは、エンジニア自身が『LEGOブロック』のようにパーツを組み合わせて理想の環境を構築するスタイルだと言うJames 氏。そのLEGOブロックのパーツとなる製品を、高いクオリティーでリリースしているのがSSLだとお話いただきました。
詳細はまず、こちらのビデオを御覧ください。
【翻訳】
こんにちは、Rock oNへようこそ。
SSLでXLogicのプロダクトマネージャーをしているジム・モトレーと申します。
本日は、SSLのサウンドについて少しお話したいと思います。
SSLのスーパーアナログとは何か?
SSLのクラシックアナログサウンドとはどのようなものか?
まずは皆さんご存知のSSLのラージコンソールのサウンドから。
これは非常に大きなコンソールで、104ch仕様の8000シリーズ、LAのOceanwayスタジオに設置されているコンソールです。
しかし、SSLは大きなコンソールだけを作っている訳ではありません。
1991年、SSLはGシリーズコンソールのEQやバスコンプレッサーのアウトボードを発表しました。
20年以上にわたって、私達は大きなスタジオと同様、プロジェクトスタジオ向けにも製品を開発してきました。
2003年には、スーパーアナログが搭載されたアウトボードを発表しました。
これが、SSLの新たなコンセプトとなりました。
通称「LEGOスタジオ」という考え方です。
ミキシングデスクをチェーンソーで切り刻んで、LEGOブロックのようにセクションごとで分けるようなイメージを想像してみてください。
SSLの小さなブロックからスタジオを組み立てていくことが可能なのです。
しかも、大きなコンソールのサウンドと同じクオリティで。
実際、私達のスタジオでは、X-DeskとX-PandaとX-Rackを組み合わせてLEGOコンソールを作っています。
これにより、SSLサウンドが表現できるのです。
SSLは、大きなスタジオと同様、ハイブリッドスタジオ向けにも製品を開発しています。
この写真は、ルック・スミスのハイブリッドスタジオです。
SSL製品を所有しており、この2つのスタジオはそれぞれ異なるモジュール、アナログシンセサイザー、アウトボードで構成されています。
右はフィンランドのイースタジオです。左と似たセットアップですが、異なる方法でLEGOスタジオが構成されています。
左の写真はもう少し小規模ですが、素晴らしいジャズファンク・キーボードプレイヤーのサイモン・グレイのスタジオ。
右はまた別のサンクチュアリスタジオです。
この2つは異なるLEGOスタジオを構成していますね。
最後にひとつ、とてもクレイジーなLEGOスタジオをご紹介します。
オーストラリアの友人の所有するスタジオです。全てのアウトボードが異なるチャンネルに接続可能となっています。
これもまたLEGOスタジオのひとつです。
私達は、スタジオをまるでLEGOのようにさまざまな目的に合わせて組み立てていくことができるのです。
SSLのLEGOスタジオには3つのサウンドがあります。
1つめはスーパーアナログサウンド。
1994年、Jシリーズコンソールから始まり、2002年のKシリーズ、AWS、そしてDualityへと受け継がれてきました。
スーパーアナログにはいくつかのサウンドカラーがあり、色づけを全くしないモニタールームと同じサウンドであったり、マイクに合ったサウンドカラーであったりと、変化をさせていくことが可能です。
まずはじめに、スーパーアナログにはトランスが使用されていません。
それによって高域における歪みが抑えられ、非常にクリアなサウンドが得られます。
次に、フェーダー部には従来のVCAが使われていません。
それによってノイズが最小限に軽減されています。
そして最も重要なのが、音声の通る部分にコンデンサーが使用されていないこと。
コンデンサーが使用されていると、まるでEQを使用した時のように、オーディオサウンドが変わってしまいます。
スーパーアナログサウンドは、低域から高域まで、周波数特性が非常にフラットなのが特徴です。
例えばX-Deskを例に挙げると、6Hzから174kHzまで-3dBというレベルがフラットに保たれています。
つまり、クリティカルレンジ(20Hzから20kHzまで)がフラットな状態です。
スーパーアナログの上質なサウンドのもう1つの要因は、フェイズです。
この青い線はフェイズを表しています。
100Hzから10kHzまでフェイズが非常にフラットな状態であることがわかります。
これはLR(ステレオ)のバランスが良いということを意味します。
ヒップホップのミュージシャン達がSSLを好む理由がそこにあります。
彼らの多用する低域成分を多く含むサウンド(KICKやBASS)をより効果的に再生できるためです。
スーパーアナログはSSLのモダンサウンドです。
音域が広く、音が速く、くっきりと明瞭なサウンド。
しかし、もう1つ異なる種類のサウンドがあります。
スーパーアナログのLEGOスタジオで作業する時、例えばX-Rackシステムでマイクプリアンプ、コンプレッサー、EQ、もしくはステレオコンプレッサー、ステレオEQをレゴのように組み立てて作ることができます。
ミキシングエンジニアの中には、クラシックSSLサウンドが特にロックに適しているという人がいます。
1977年、SSLは4000Bを発表し、1981年には4000E、1989年に4000Gシリーズを発表しました。
これらのクラシックSSLのサウンドは、非常にクランチで、バイトで、パンプな要素を持っています。
もし、よりカレッジで、アグレッシブで、ロールなサウンドを求めているのであれば、4000シリーズのLEGOスタジオが活躍するでしょう。
X-Rackは、このようなサウンドを提供します。
4000シリーズのダイナミクスとEQです。これにはオリジナルのEシリーズのサーキットが搭載されています。
EQには、ブラウンノブとブラックノブの2つの異なったEQが入っています。
そして、クラシックSSLのバスコンプレッサーです。
このデザインは、これまでに開発したすべてのコンソールと同じデザインです。
ここで作り出されるSSLのミックスバスのシンプルなサウンドを、エンジニアはオーディオグルーヴと呼びます。
しかしながら、スーパーアナログのサウンドと、4000シリーズのクランチなサウンドに加え、SSLのサウンドを変えるもう1つのテクノロジーがあります。
それがVHDです。
VHDとは “Variable Harmonics Distortion (Drive)”の略称です。
VHDはマイクプリアンプに搭載されています。
良いエンジニアリングをする時、メーターはグリーンを保ち、クリーンで、速くて、ニュートラルなプリアンプです。
真空管サウンドのようなヴィンテージサウンドや歪んだサウンドが欲しい時は、VHDを使用します。
このVHDを使うと、ハーモニクスの成分(倍音)が足され、結果としてディストーションサウンドのような効果が得られます。
2ndハーモニクスにした時は真空管サウンドのようになり、3rdハーモニクスにするとトランジスタサウンドのような効果が得られます。
これらを好きな割合で混ぜることができます。
VHDはあたたかいサウンドであったり、ハードでディストーションなサウンドを作ることができます。
これはレコーディング時のドラム録りに最適です。
録音したサウンドをミックスする際にも適していて、ドラムサウンドを攻撃的にしたり、ギターをLow-Fiにしたりすることができます。
このVHDはDualityに搭載されています。
彼はケヴィン・シャーリー、アイアンメイデンやブラックサバス、オジー・オズボーン等を手がける有名なロックエンジニアです。
彼はこのVHDが好きで、マリブのホームスタジオでDualityを使っています。
レゴスタジオプロダクトにもVHDが搭載されています。
これはVHDプリアンプ、Alpha Channel、そしてX-RackのVHD Input Moduleです。
Alpha ChannelにはGシリーズEQ、リミッター、ADコンバーターも搭載されています。
しかしLEGOスタジオの中で最もVHDサウンドのテイストを持っているものはVHD Moduleです。
ドライブサウンドに歪みを加えるだけではなく、SSLならではのリッスンマイクコンプも搭載されています。
リッスンマイクコンプはドラム等にとてもハードにコンプレッションをかけることが可能で、SSLサウンドを付け加えていくことも可能です。
最後に、SSLは3つのアナログサウンドを持ちあわせています。
速く、Hi-Fiで、モダン、ポップ、ヒップポップなサウンドのスーパーアナログ。
クランチでクラシックなEシリーズは、ロックミュージックやオールドスクールに適しています。
そしてVHDは、さまざまな異なるトーンのサウンドを作ることができます。
これらの便利な機能をぜひお試しください。SSLサウンドを聞く一番の方法は、実際に体験することです。
ここRock oNの素晴らしいデモルームにお越し下さい。スタッフがSSLのアナログサウンドをご紹介します。
どうもありがとうございました。
Super Analog回路:
9000シリーズで採用された、限りなくピュアで色付けのないアタックの強いサウンド。位相の狂いがない現代のHip HopやDance Musicに最適なサウンド。
現行でのSuper Analog採用機種は、X-Rack Module Mic Pre、EQ、Dynamics
Super Analog採用機種の詳しいスペック&在庫状況はこちら!
Legend SSL Sound:
伝説の4000E,4000Gと代々受け継がれてきたサウンド。Blue、Rockなどに最適なパワフルサウンドは現代でも多くのファンを持っています。
現行ではX-Rack Module E-Series EQ、E-Series Dynamics、Stereo Buss Compに採用
SSL Legendサウンド機種の詳しいスペック&在庫状況はこちら!
VHD回路:
Duality等現行のコンソールラインナップで採用され、高い評価を得ている2次倍音、3次倍音を付加するVHD回路。変幻自在のそのキャラクターは全ての音楽に味わいをもたらします。
現行ではAlpha Channel VHD pre、X-Rack Module VHD Inputに採用
伝統的なSSLサウンドから新たなる提案。そして、コンソールで培ったデジタル制御技術を応用したNucleus、MatrixといったDAW向けコンソールライン。更には、それらをつなぐX-Patch、X-Deskといった商品郡。今後も制作環境の中心にはSSLがあるということでしょう。
一度はSSLのサウンドを実際にお使い下さい。そして何故、このサウンドがWorld Standardになり得たのか?今がそれを考えるいい機会なのだと感じます。
Pro Tools HDXという全く新しい、ありのままのサウンドを残せるレコーダーがデビューした今だからこそ、SSLのサウンドは見直される時期なのではないでしょうか。アナログのマルチトラック・レコーダーとともに成長し、デジタル録音時代にSuper Analogで答えを提案したSSL。アナログのサウンドに近いとも言われるHDXにこそ、再度SSLサウンドが必要なのではないでしょうか?
SSLでは今後も、数多くのリリースを予定しています。過去を振り返るのではなく、新しい取り組みを続け『Amazing』なプロダクトを提供すると力強く語って頂きました。ジム氏は「もちろんユーザーからの声、意見がSSLの開発の原動力、アイディアの源になっているので、これからもSSLに対しての期待不満どんなものでも声をとどけて欲しい」と言っていました。
Rock oN Companyではこのような声を集め、どんどん実際の開発現場に届けていきたいと考えています。ユーザー皆様の声、意見がこれからの商品開発の原動力となり、Rock oN Companyにとってもご提案の礎となります。是非とも様々なご意見、ご要望、こんなことがしたい、夢をお伝え下さい。
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