Digidesign Pro Tools 7.4

今回のAESの目玉!オーディオを自由自在に扱える超強力な新機能「エラスティック・タイム」を搭載!!!

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間違いなく今回のAESの目玉でしょう。Pro Tools Softwareが待望のv7.4(以下、PT 7.4)へと進化を遂げました!!! 現時点ではDigidesignのWebサイトにも大まかな情報しかなく、その内容を完全に把握しているわけではあ りませんが、ここでは判っている範囲で、注目の新機能をお伝えすることにしましょう。

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PT 7.4で搭載された新機能の中で、一番の注目は何と言っても「エラスティック・タイム」です。DigiZineの最新号で、デイブ・ラボルト氏 (Digidesign GM)が次期PTの新機能の1つとして、エラスティック・タイムについて触れていたのを読んだ人はいるでしょうか? 公言どおりエラスティック・タイム は、PT 7.4に確かに搭載されたのです。

それでは「エラスティック・タイム」とは、一体どのような機能なのでしょうか。

従来のPTでオーディオ・リージョンの長さを変更するには、TCEトリム・ツールを使用するか、任意のAudioSuiteプラグイン(Pitch’n Timeなど)を使用するしかありませんでした。つまりはタイム・ストレッチに関わる操作の実行が必須だったわけです。
しかしPT 7.4では、セッションのテンポを変更すれば、オーディオ・リージョンの長さも自動的に追随するようになりました。勘の良い人ならお気づきでしょう。 ACIDやLive、SONARといった、いわゆるオーディオ・ループ・シーケンサーと同等の機能が、遂にPTにも統合されたというわけです!
実際にはPT 7.4の新しいオーディオ機能は、既存のオーディオ・ループ・シーケンサーをはるかに上回る柔軟性、操作性、音質を備えています。Digidesignは この新しいオーディオ機能のことを、「エラスティック・タイム(Elastic Time)」と呼んでいるのです。エラスティックとは「伸縮性がある」という意味ですが、「ゴム製の」とか「弾力のある」という意味もあり、実際に v7.4ではオーディオをまるでゴムを扱うかのように自由に伸び縮みさせることが可能になります。

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それではエラスティック・タイムは、具体的にどのように機能するのでしょうか。デモを見で判った情報を紹介することにします(もしかしたら誤りもあるかもしれません。その際はご容赦ください)。

まずオーディオは、セッションに録音/インポートした段階で、自動的に解析されます。つまりエラスティック・タイムが機能する「下地」は、最初の段階で出来上がっているというわけです。
エラスティック・タイムが適用するタイム・ストレッチのアルゴリズムは、計4種類用意されており、オーディオの内容(ボーカルやドラムなど)に合わせて最 適なものを選択することができます。このアルゴリズムは、なんとトラックごとに設定することが可能。タイム・ストレッチのアルゴリズムはいずれも最高水準 のものとのことで、トラックごとに設定できることと合わせ、エラスティック・タイムは音質も十分に考慮された「便利機能」であることが伺えます。

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以下、デモを見て、エラスティック・タイムの凄い!と思った点を挙げてみました。

● DigiBaseブラウザ上で完全な試聴ができる

オーディオはセッションにインポートする前に、DigiBaseブラウザ上でテンポを変更して試聴することができます。もちろん4種類のタイム・ス トレッチ・アルゴリズムを切り替えることも可能。驚くべきは、あるボタンを1つクリックするだけで、DigiBaseブラウザ上のすべてのオーディオを特 定のテンポで試聴できる点。例えテンポを揃えられたとしても、実際に重ねてみると良くなかった……ということは多々あります。しかしPTなら、セッション にインポートする前に、耳で聴いて確認することができるのです。

● オーディオの余白/不要な部分を自動的に削除してインポートできる

サンプリングCDからリッピングしたフレーズ・サンプルには、先頭と尻尾には必ず余白があります。このようなフレーズ・サンプルをセッションにイン ポートした場合は、まずは手動で余白部分のトリミングをしなければいけませんが、エラスティック・タイムは余白部分をほとんど自動で削除してくれます(も しかしたらワン・アクションくらいは必要かもしれません)。詳しくはデモ・ムービーをご覧ください。

● オーディオ・リージョンを分割しないワープ・マーカー

オーディオ・リージョンには、自由な位置に「ワープ・マーカー」と呼ばれる区切り線(?)を付けることができるようになりました。トランジェントの位置を感知して自動で、あるいは自由な位置に手動で付けることができます。
これによってオーディオ・リージョンは、ワープ・マーカーの位置で自由にクオンタイズできるようになるのです。またワープ・マーカーは、手動でドラッグし て移動することも可能。例えばスネアを前ノリにさせたいと思ったなら、任意のワープ・マーカーを少し前にドラッグすればいいのです。もちろんワープ・マー カーを境に隣り合ったオーディオは、待ち時間ゼロでタイム・ストッチされます。僕の稚拙な文章では上手く伝わらないと思いますので、これもデモ・ムービー をご覧ください。
ワープ・マーカーは、あくまでもマーカーであり、オーディオ・リージョンは決して分割されない……という点が肝です。しかし必要であれば、ワープ・マーカーで囲まれた範囲を削除して、オーディオ・リージョンを分割することもできます。

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このエラスティック・タイムは、本当に凄い機能です。AES会場にやって来る目の肥えた人たちも、デモを見て一同唖然とした表情になってました。とにかく、デモ・ムービーを見て、その凄さを感じていただけたらと思います。

もちろんPT 7.4の新機能は、エラスティック・オーディオだけではありません。LE/M-Poweredは、本バージョンで遂にWindows Vista(Ultimate/Business、32bit版のみ)に対応しました。現在リリースされているメーカー製PCは、9割以上がVistaプ リ・インストール・マシンなので、この日を待ち望んでいた人は少なくないでしょう。おそらくはHDの対応もそんなに先のことではないのではないでしょうか (v7.4.1あたり?)。

巷ではReason 4のリリースが話題ですが、PT 7.4ではReWireサポートも強化されました。接続されているReWireアプリケーションからMIDIデータ(ノート・データ、コントロール・デー タなど)を受信し、それをそのままMIDI/インストゥルメント・トラックにレコーディングできるようになったのです。これにより、Reasonや LiveのシーケンサーでプログラミングしたMIDIデータの移行が簡単に行えるようになりました。MaxMSPなどもReWireに対応しているので、 アルゴリズム系のパッチで生成したMIDIデータを直接受け渡すことできます。

また、PT 7.4ではポスト系の機能もさらに充実しています。今回、003およびMbox 2ファミリーでAvid Mojo SDIがサポートされ、セッション内でAvidビデオを活用できるようになりました。加えてIntel Macプラットホームのシステムは、Avid Mojo/Avid Mojo SDIに直接対応、WindowsプラットホームのシステムではAvid Unity ISIS(Avidの業務用共有ストレージ・システム)へのダイレクト・レコーディング/再生も可能になりました。さらには完全なユニコード対応により、 トラック名やコメントなどに、あらゆる言語(日本語、フランス語、ギリシャ語、ロシア語、ヘブライ語など)を使って、文字を打ち込めるようになっていま す。

今回のAESではD-Controlのバリエーション・モデル、D-Control ESが登場しましたが、PT 7.4では、1台のD-Controlから複数台のPro Toolsシステムを切り替えてコントロールすることが可能になるようです。1つの部屋に複数台のPro Toolsシステムが当たり前のポストプロの現場では歓迎される機能でしょう。

……このようにPT 7.4での機能強化は多岐に渡っていますが、やはり目玉はエラスティック・オーディオということになると思います。以前のバージョンからのアップグレード は有償となるようですが、十分にお金を払うだけの価値がある内容になっていると言えるでしょう(特にLiveやACIDを持っていない人にとっては、アッ プグレードするだけで、それ以上のオーディオ機能が手に入るわけですから!)。リリースが非常に待ち遠しいですね。

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