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ハイトーンボーカルと浮遊感漂美しいう楽曲で人気上昇中の『ROTH BART BARON』。ボーカル/ギターの三船 雅也 氏とドラムの中原 鉄也 氏による音楽ユニットが、KORGとコラボして一晩だけのスペシャルライブ「KORG SESSION」を開催しました。
このライブは、PolysixやMS20、DeltaなどのKORGビンテージシンセと、minilogueやelectribe samplerなどの最新シンセを一つのステージに展開。サポートメンバーを従えたROTH BART BARONの名曲とKORGシンセのサウンドが交わる、壮大なライブです。
場所は下高井戸G-ROKS。会場にステージはなく、部屋の中心に向かってサポートメンバー3名を含む合計5名が向かい合うセッティングです。観客はその外からバンドを囲む形となります。
このライブは映像チームSLEEPERS FILM によるPVの撮影も行われました。
開演前は、なんとメンバーが使うシンセを観客が直接触って音を出すことができました。音はPAから出ています。グイグイとツマミを回してコンディション抜群のビンテージシンセを弾くことができます。どれも個性があって、説得力のある音。素晴らしい!
ライブでの楽しみの一つといえば物販。ライブ会場でしか買えないレアなグッズが並びます。
定時でROTH BART BARONが登場!まずはライブの前にシンセのセッティング。それまで観客が触っていたシンセのツマミを一つ一つ動かし、1台ずつ音を作っている様子を見ることができました。プリセットの無いアナログシンセがほとんどでしたがものの5分ほどで音作りは完了。さすがプロ。仕事が早い!
ライブ:歌声とシンセサウンドのハーモニー
息がぴったりのROTH BART BARONの二人。
ドラムはMIDIトリガーが取り付けられ、ビンテージの12bitデジタルドラム音源 DRM-1のサウンドが多様されました。DRM-1はトップパネルに操作子がなく、リモコンが必要という珍しい仕様。曲が変わるたびにドラムの中原 氏がリモコン操作をしている光景がありました。
サポートメンバーの西池 達也 氏(Key)、竹内 悠馬 氏(Key,Per,Tp)、大田垣 正信 氏(Ba,Key)もKORGシンセの分厚い揺らぎある音色を思う存分楽しませてくれます。
シンセ開発者とアーティスト
約1時間の演奏とPVの撮影を経て、他のライブイベントではできないスペシャルタイムに突入。ボーカルの三船 氏が自ら司会となり、KORG minilogue開発者の高橋 達也 氏(左 )と山田 嘉人 氏(右)を招いてトークセッションが始まりました!
そもそもこの度のイベントは、ROTH BART BARONがアルバム制作のためにカナダのスタジオにこもった際、そこでたくさんのビンテージKORGシンセに囲まれ、三船 氏がそれに魅了されてしまったことが発端ということ。その中で特に三船 氏はストリングスシンセDeltaに惚れ込み、帰国後に購入するに至っています。そのDeltaはこのライブでも演奏され、ゴージャスな響きを聴くことができました。
そしてもう1台、三船 氏の相棒となったばかりのminilogueについて、開発者とアーティストがヒートアップして語り合います。
4ボイスを柔軟に組み換えられるボイス・モード、先進的なデザイン、1stシンセとしても最適な価格帯。その全てが一つになって、開発者の理想のシンセサイザーminilogueが生まれました。高橋 氏は「これまでの頭でっかちになっていたシンセサイザーという楽器を変えたかった」と言います。
方やアーティストは「Youtubeなどでいくらでもビンテージシンセの音が聴ける便利さと、しかしそれは情報のみで、実際には体験していないことのコンプレックスを抱えていた。minilogueはアナログサウンドを実体験として手に入れることができる。」三船 氏はminilogueの可能性に胸ときめいているようでした。
この後、キーボーディストの難波 弘之 氏がトークに参加するサプライズも。minilogueに触れるのが初めてという難波 氏は、特にボイスモードに興味津々。minilogueの機能の充実さとデザインコンセプトを高評価していました。
minilogueから生まれた曲
約1時間近く盛り上がったトークセッションが終わり、今日最後の1曲が披露されました。この曲は三船 氏がminilogueからインスパイアされて生まれた初公開の新曲。三船 氏をはじめメンバー全員がKORGのシンセ製品だけを使い、珠玉のボーカルアンビエントを紡ぎます。ゆるくたゆたう心地よいナンバーでした。
楽器を弾くという身体表現から出る、新しいサウンドを追い求めるアーティストと、彼らが惚れ込むKORGのシンセサイザー。ビンテージから最新minilogueまで続く血脈はいつもアーティストの感性を刺激し、その時代の音を築くインスピレーションとなっています。ROTH BART BARONもそのサウンドを使い、サウンドに支えられ、これからも創作活動を続けていくことでしょう。
この日の「KORG SESSION」は、楽器メーカーとアーティストの信頼、そして愛を感じることができた、貴重なスペシャルライブでした。
Writer : IH富田
記事内に掲載されている価格は 2016年8月30日 時点での価格となります。
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