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16
May.2017
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音楽生活45周年を迎えた松武秀樹氏、そのキャリアに迫る特別展にて 砂原良徳氏とのトークセッション開催!

音楽生活45周年を迎えた松武氏のキャリアに迫る特別展!

Rock oN LOGIC TALK SESSION 20170430

日本におけるシンセサイザー・プログラマーの先駆けであり、“冨田勲の一番弟子”“YMO第4の男”としても知られる松武秀樹氏の5枚組CDボックスセット『LOGIC CHRONICLE』の発売を記念し、4月28日(金)~30日(日)の3日間に渡り、恵比寿LIQUIDROOM 2FのKATAにて「LOGIC EXHIBITION」が開催されました。
その最終日である30日に行われたクロージングイベント「LOGIC TALK SESSION “松武秀樹 × 砂原良徳”」の模様をレポートします!

今回のCD-BOXは、音楽生活45周年を超えてなお第一線の活躍を続ける松武氏の、全キャリアの集大成的な内容になっています。
松武氏がこれまで手掛けてきた音楽ジャンルは、純粋電子音楽からCM音楽、ポップス、ロック、歌謡曲、TV/映画サントラまで極めて多岐に渡ります。
(意外なところではBOφWYやTM NETWORKなどのグループの楽曲も松武氏は手掛けています!)

Rock oN LOGIC TALK SESSION 20170430

TALK SESSIONスタート前の会場では、昨年音楽生活45周年を迎えた松武氏所有の機材展示をはじめCDやレコードジャケット、アートワークなどの展示がされており、様々な角度から松武氏のキャリアに迫る特別展となっていました。

壁には河村康輔氏によるシンセ・コラージュの原画/ポスターや、Logic System『Venus』の アートワークに使用されたペーター佐藤氏によるイラストの原画なども展示。

Rock oN LOGIC TALK SESSION 20170430

展示されている往年の機材群の存在感は抜群!目を惹かれます。

Rock oN LOGIC TALK SESSION 20170430
Rock oN LOGIC TALK SESSION 20170430
シーケンサー1977年発表のMC-8、1981年発表のMC-4などが展示!これがYMOのワールドツアーのステージで
使用されていた実機であり、後世に残る名曲の数々を生んだと思うと感極まります。
データを保存していたというカセットテープにも、時代を感じます!

Rock oN LOGIC TALK SESSION 20170430やはり松武氏といえばこちらの機材でしょうか、モジュラーシンセサイザーのMoog IIIc!!
MC-8で制御することで、名曲「Rydeen」や「東風」のシーケンスパートを演奏していました!この日のイベントでも活躍!

Rock oN LOGIC TALK SESSION 20170430Moog IIIcと並んで展示されていたのはEμ Modular System!

Rock oN LOGIC TALK SESSION 20170430フロッピーディスクと共に展示されていたのは90年代に一斉を風靡したAKAIのサンプラーS1100なども展示。
テクノ、ハウス、ヒップホップなど多岐のジャンルで使われたのでお馴染みの方も多いのではないでしょうか。

Rock oN LOGIC TALK SESSION 20170430モジュラーシンセだけではなく鍵盤も展示。
砂原氏も見たのが2度目という大変レアな1980年発売のProphet-10が展示されてました!Prophet-5が2台分の10音ポリという優れもの。

Rock oN LOGIC TALK SESSION 20170430

今回トークセッションの相手に招かれた砂原良徳氏も、電気グルーヴの元メンバーという説明が不要なほどミュージシャン/プロデューサーとして多忙な日々を送られております。最近では何と言っても高橋幸宏、小山田圭吾、テイ・トウワ、ゴンドウトモヒコ、LEO今井と結成したMETAFIVEのメンバーとして活動されており、2016年には『META』と『METAHALF』の2作品をリリース、全国ツアーや各地のイベントにも出演するなど精力的に活動されています。

YMO第4の男とも呼ばれた松武氏が、YMOフリークとしても名高い砂原氏とどんなトークが繰り広げられるのか。
司会にサウンド&レコーディングマガジンの國崎編集長を迎えて、和やかな雰囲気で行われました。

YMO時代の話題から、Moog IIIc登場!

お二人の最初の出会いは91、92年頃。まだ砂原氏が電気グルーヴに在籍していた頃、TVの生番組に松武氏がゲスト出演された時だそうです(電気グルーヴが生放送にレギュラー出演していたというのも、すごい時代です)。
トークはやはりYMO時代のことに。
砂原氏「YMOを初めて見た時、最初はシンセの音が全部松武さんのところから出ていると思っていましたね、それくらい存在感がありました。」
松武氏「YMOの頃はEμ Modular SystemとMoog IIIcと2台置いてましたが、パーカッシブな音が2種類とシーケンスが最大で2種類で、大仰に見えますが4音くらいしか出なかった。要するにおどかしだったんですね(笑)。」
と意外な答えが!
Rock oN LOGIC TALK SESSION 20170430

そしてドラムの高橋幸宏氏のスネアと同期してトリガーでノイズを出していたということで、松武氏が会場のMoog IIIcを使いその音を再現!急なフリに対しても冷静にフィルターやエンベロープを調整し、あっという間に音は完成、リアルタイムでの音作りの早さはさすがの一言!

さらに今のシンセでは当たり前となった音を重ねるレイヤー機能も、当時実現できたのはモジュラーシンセだけだったということで、Moog IIIcでピッチの付いたレイヤー音をその場で作成して披露するなど、セミナーのように多彩な音作りの様子を実演してくれました。

冨田先生の教え

話は松武氏の師匠であり、昨年亡くなられた冨田勲先生の話題に。
砂原氏「冨田先生には、音色というのはエフェクト込みで作るものだっておっしゃってたことにとても影響を受けましたね。最初ホワイトノイズ一つだとスネアの音色などはできないと思ってたんだけど、レイヤーで音を重ねて、さらにエフェクトを足すとああこれか!って思う音になって。こういうことを言っていたのだなって思いました。」
松武氏「冨田先生のシンセの音には遠近感があったんです、シンセで遠近感や奥行きを出すのって難しいんですけど、リバーブと生音とピッチの違いを使ってうまく出していたんですよね。冨田先生はいろいろと独自のテクニックや裏技をお持ちでした。僕たちでは思いもつかないような発想とアイディアで音楽を作られていましたね。」

Rock oN LOGIC TALK SESSION 20170430

松武氏「冨田先生は弦などの多重録音をするときに、BinsonのEchorecIIという鉄板が回るディレイを2、3台使用するんです。あれは冨田先生独自の方法だと思います。僕は『先生、これを使ったら S/N が悪くなってしまいませんか?』と言ったんですけれど、先生は『何を言ってるんだ、重ねて S/Nを落とすために使ってるんだ!』とおっしゃって(笑)。実はこのディレイマシンにはワウフラッターがあり、ディレイがかかるとピッチが上がったり下がったりして揺らぎが生まれるんです。つまり先生はその揺らぎの効果が欲しかったんですね」
先人ならではの音へのこだわりがあり、それが何かを知ることで松武氏も音作りの奥深さを理解していったという。

最近お気に入りの機材は?!

Rock oN LOGIC TALK SESSION 20170430

モジュラーシンセということで今流行りのユーロラックについて話題が及ぶと、砂原氏は「ユーロラックなど全種類持っていると思われがちですが、持ってないんです。流行っているんで別に自分が触らなくてもいいかなと(笑)。」
最近はソフトシンセで十分自分の作りたい音楽は事が足りているという砂原氏。

それでもハードシンセではKORG MinilogueやYAMAHA Refaceはお気に入りだとか。
砂原氏「安いと部品がオモチャみたいだったりするんですけど、そうじゃなくって弾きやすくなっているのが好きです。」
と話すと松武氏も、
「あの鍵盤の質感がいいですよね。あれどっちも5万円くらいでしょ、いい時代になったよね(笑)」
と賛同を示した。

「探求心」と「欲求」が導いた、名曲を彩る音の数々

音楽は「忍耐」であり、音への飽くなき「探求心」と「欲求」がここまで続けられた原動力だったと話す松武氏。
たまたまツマミを触った時に、何年も求めていた音がようやく出た時の感動が忘れられないと語る砂原氏。
お二人の音作りにかける「探求心」と「欲求」は尽きることなく、終始和やかに、時間が経つのを忘れるほど多くのエピソードを語ってくれました。

今より機材も情報も少なかったからこそ、輝かしいキャリアの裏には多くのトライ&エラーがあり、その「探求心」と「欲求」こそが多くの名曲を生んだのではないでしょうか。

Rock oN LOGIC TALK SESSION 20170430
「シンセサイザーはまだまだ未完成なので、若い人が音作りに興味を持ってもらえるように自分の今までやったことをどんどん明かしていきたいと思ってるんです。それが今回のイベントのきっかけでもあって、今後もこういう機会を増やしていきたいです。」
と語る松武氏。

近年モジュラーシンセ人気などアナログ回帰の機運が高まる中、松武氏の功績やこれまで手掛けた作品に触れることで、また新たな音作りのヒントやエッセンスがあるように感じます。

これからも是非その優れた知識と技術を多くの人に伝えて頂き、新しい音楽が生まれることを期待して止みません。

Writer.Miyazaki


松武氏、5/20イベント出演!「クラシック音楽と冨田勲の世界」
https://harmonyaiai.jimdo.com


松武秀樹/Logic System オフィシャルHP
http://mttklogic.jp/


LOGIC CHRONICLE 特設サイト 
http://www.110107.com/matsutake_logic


砂原良徳 オフィシャルHP
http://www.y-sunahara.com

記事内に掲載されている価格は 2017年5月16日 時点での価格となります。

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