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ちょうど春から5年目のLA生活に突入しました。その間、LAは家賃の値上がり率と渋滞の酷さは毎年全米ナンバーワンをキープし、日本の昔のバブル期を思い出させるような大掛かりな工事もあちこちで始まり、暮らしやすいかどうかで言ったらそれほど良くもないというのが正直な所です(笑)。
LAはカリフォルニア州だし、ITの街サンフランシスコにも近いし、アメリカでは既に学校でプログラミングの授業が始まってるし、国策でプログラミングを教える女性教員の数もガンガン増やしてるし、craigslistというクラシファイドコミュニティサイト(簡単に言うと「売ります/買います」のサイト)で検索すればプログラマーはすぐに見つかるし、、、とそんな環境なんです。というわけで前回のシステム環境を使ったショートカット作成の次のステップを紹介します。
今回も主眼は「時短」です!
MacのアプリケーションフォルダーにAutomatorというアプリがあるんですが、使った事ありますか?使った事がある読者の多くは写真ファイルの整理と言った単純作業の繰り返しを避けるためにAutomatorを使ったのではないでしょうか?僕もNative Instruments社Kontakt用のサンプリング素材の整理や、譜面PDFの整理、それとSTEMファイルのネーミングを一括で変更するため等に使っています。
画像1
1回きりの使い方もできますが、頻繁に使用するワークフローはアプリとして保存して繰り返し使うと便利ですよ。最終的にはプロジェクトの名前を入力すると(画像1)のようにフォルダを作成してくれます。フォルダの作成と削除では削除の方が数倍簡単なんで、考え得るフォルダを用意させておいて必要がなければ削除する〜という使い方をします。
今回紹介するのはプロジェクトが終わった後にアーカイブしておくためのフォルダを自動的に作成するプログラムです。Automatorを開いたらまず書類の種類を選択します。
Automatorは実際に自分がフォルダを用意する手順通りにプログラミングしてば良いだけです。
1)フォルダにプロジェクト名を入れる。
↓
2)フォルダをどこに作成するか決める。
↓
3)事前に設定した数のフォルダを作成する。
と大雑把にはこういう流れですね。Automatorにはかなりの数の「アクション」が事前に用意されていますが、上の「🔍名前」の欄に探したいアクションを入力すると検索してくれます。
画像3
例えば”テキスト”と入力すると(画像3)のようにリストアップされるので、「テキストの入力を求める」をダブルクリックします。
画像4
以下、この場で事細かに説明するにはスペースが足りないんで、(画像4)と同じになるように自力で構築してください(笑)。今回の作業で初心者にはハードルが高いと思われるのはフォルダの内容を作成するコマンドだと思います。
基本的には「mkdir(メイク・ディレクトリ」を使います。「$1」もなんじゃこれ?って感じだと思いますが、プログラマーになるのが主目的ではないのでとりあえずこの通りに入力してください。
(画像4)の最後段「シェルスクリプトを実行」をアクションから引っ張ってきたらシェルを「/bin/bash」を選択(たぶん初期状態がそれ)、「入力の引き渡し方法:」は”引数として”を選びます。そして以下をコピペしてください。それだけで最初に紹介したようなフォルダを自動的に作成するアプリが完成です!
*簡単に説明すると「ディレクトリのパスを引数に取り、 そのディレクトリの下に bin というディレクトリを作成する」という作業を繰り返しさせている状態です。
mkdir “$1/$2”
mkdir “$1/$2/Delivered MIX files”
mkdir “$1/$2/Delivered MIX files/2MIX files”
mkdir “$1/$2/Delivered MIX files/STEM files”
mkdir “$1/$2/Sibelius Files”
mkdir “$1/$2/Sibelius Files/Score PDF files”
mkdir “$1/$2/Sibelius Files/Score PDF files/Score PDF”
mkdir “$1/$2/Sibelius Files/Score PDF files/Sheets PDF”
mkdir “$1/$2/Sibelius Files/Score PDF files/Sheets PDF/01_Woods”
mkdir “$1/$2/Sibelius Files/Score PDF files/Sheets PDF/02_Brass”
mkdir “$1/$2/Sibelius Files/Score PDF files/Sheets PDF/04_Perc”
mkdir “$1/$2/Sibelius Files/Score PDF files/Sheets PDF/03_Pitched Perc”
mkdir “$1/$2/Sibelius Files/Score PDF files/Sheets PDF/05_Harp and Piano”
mkdir “$1/$2/Sibelius Files/Score PDF files/Sheets PDF/06_Strings”
mkdir “$1/$2/Sibelius Files/Score PDF files/Sheets PDF/07_Other”
mkdir “$1/$2/ProTools Session Files”
mkdir “$1/$2/ProTools Session Files/Reel_1”
mkdir “$1/$2/ProTools Session Files/Reel_2”
mkdir “$1/$2/ProTools Session Files/Reel_3”
mkdir “$1/$2/ProTools Session Files/Reel_4”
mkdir “$1/$2/DAW Session Files”
mkdir “$1/$2/Documents”
mkdir “$1/$2/MISC”
mkdir “$1/$2/MIDI files”
mkdir “$1/$2/mp3 files”
Automator右上の「実行」を教えて動作に問題がなければ「ファイル/書き出し」から適当な場所に保存してください。次からはそのアプリを起動させるだけです。
画像5
僕は(画像5)のようにアイコンを付けて見つけやすくしてあります。繰り返しの作業はコンピューターにさせるのが一番です。
記事内に掲載されている価格は 2018年5月4日 時点での価格となります。
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