第一線で活躍するクリエーターのインタビューやコラムなど、音楽と真摯に向き合う作り手の姿があなたの創作意欲を刺激します!
ご無沙汰しております、in the blue shirtこと有村です!
今週から本題(?)であるボーカルエディットについての話を真面目にしていきたいと思います。
ボーカルを刻んで再構築する手法はこれまで数多の楽曲で用いられています。”stutter editing”と呼ばれるような(iZotopeにもStutter Editというプラグインがありますね)音節単位で細かく刻んでエフェクティブに聴かせる手法や、印象的な単語やフレーズを繰り返し用いる使い方をしてみたりなど、そのスタイルは千種万様です。
僕は基本的にボーカルエディットで作成したフレーズを、FX的な使い方ではなく、メインのメロディラインとして用いるスタイルで曲を作っています。国内のプロデューサーだとbanvoxさんやDEDE MOUSEさんなどがそのような手法を用いていますね。僕も彼らの楽曲から大きな影響を受けています。
ある言語で歌われているボーカルのサンプルを、単語よりも小さい単位、音節まで刻むと、ボーカルは言葉的な意味、内容を失います。それを組み替えて作られるフレーズは、言語としては意味を持たないものになります。一方で、あえて単語以上の幅で素材を切ることでその単語の持つイメージを楽曲に乗せることもできます。
例えば「banvox – Summer」では、カットアップで言語的な意味を持たないラインを作りつつ、”Summer”という単語を効果的に用いることで楽曲にその単語のイメージを乗せています。言葉の意味をなくすことも、あえて残すこともこともできるのはボーカルエディットの妙の一つだと考えています。
僕がボーカルエディットをする際に最も意識しているのは、”再構築で作られたフレーズに「歌心」をいかに乗せるか”ということです。カットアップによって作成されたフレーズはどうしても機械的、無機的な印象を与えてしまいがちです。それをあくまで歌モノとして聴かせるために、日々涙ぐましい努力を続けておりますが、次回以降はDAW上で僕がしている工夫を具体的に紹介していきます!
TREKKIE TRAX プロフィール
TREKKIE TRAXは、2012年5月に設立した あらゆるジャンルのクラブミュージックを、世界へ発信することを目的にしたクリエイター集団です。
▼HP >> http://www.trekkie-trax.com/
▼TREKKIE TRAX RADIO >> https://block.fm/radios/536
記事内に掲載されている価格は 2018年4月3日 時点での価格となります。
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