瀬川英史
鈴木 Daichi 秀行
Neru
yasu
高山博
井内啓二
土方裕雄
斎藤悠弥
飛澤正人
森崎雅人
いっかい
大島Su-kei
Mick沢口
深田晃
江夏正晃
伊藤翼
江夏 正晃 (FILTER KYODAI / marimoRECORDS)
音楽家、DJ。エレクトロユニットFILTER KYODAI、XILICONなどのメンバーとして活動。並行して、アーティストプロデュースも多数手掛ける。株式会社マリモレコーズの代表として、各種音楽制作はもとよりCM、映画、各種映像制作も行う。著書に「DAW自宅マスタリング」(リットーミュージック)などがあり、楽曲制作からエンジニアリングまでをカバーする。関西学院大学非常勤講師も勤める。自他ともに認めるシンセサイザー好きで、ビンテージ、アナログシンセはもとより、最近はモジュラーシンセを使った制作、ライブなども積極的に行っている。
12月4日(金) 新世界のシンセ界@新世界(西麻布) FILTER KYODAI
12月6日(日) 温泉音楽@渋温泉 Naturally Gushing Electric Orchestra
伝説のシンセサイザーProphet5の後継機と位置づけられ、37年!以上を経て登場したProhet6。2015年のNAMMショーのシンセサイザーコーナーでは一番の話題でした。まさにあの時代のサウンドが現代によみがえったと言えるでしょう。各種エフェクト、アルペジエーター、シーケンサーなどが新たに加えられ、基本パラメータやルックスはさながら小型化した進化版Prophet5といった感じです。(アフタータッチにも対応!)
サウンドはより表現力が増し、階層構造を持たないシンプルなパラメータ群はエディットもとても直観的に行えます。いまどきのシンセなのですが、液晶パネルを持たないのも、この2015年に新しく出てきたシンセだからこそとても好感が持てます。そして、YAMAHAより無償にて返還されたSEQUENCIALの商標。まさに、Prophetの復活といったことを印象付けます。「完成形アナログシンセサイザー」とも言えるこのProphet6は、時が経れば、また、伝説になることは間違いなさそうです。
唸るようなLEADサウンドから、分厚いPADサウンド、SE系のサウンドまで、このシンセの守備範囲はProphet5同様とても広いです。新しく加わった、エフェクト、アルペジエーターなどの機能は本機だけでかなり広いジャンルの音楽で活用することができると思います。Prophetの生みの親でもあるDAVE SMITH氏自らが紹介するYOUTUBE動画を見ても理解していただけるでしょう。
DAVE SMITH氏自らが紹介するYOUTUBE動画はこちら>>
そしてProphetならではのCurtis Filterは、変化させることで音痩せすることもなく、HPF(ハイパスフィルター)、LPF(ローパスフィルター)をうまく使えば、BPF(バンドパスフィルター)としても機能します。もちろんレゾンナスを上げれば、自己発振もします。テクノやエレクトロの楽曲にも重宝するでしょう。
シンセとしては、ほぼ申し分のない製品で、特に要望はありません。まさに「完成形アナログシンセサイザー」だと感じたシンセサイザーでした。ただ、一点、オシレーターのピッチがクロマチックスケールにクオンタイズされているので、無段階にできる仕様であれば、さらに面白い表現ができたかな、とも思いました。もし今後のファームウェアのアップで可能であるならば、期待したいところです。価格がほかのシンセサイザーに比べると高いと感じる方もいらっしゃると思いますが、Prophet5 も当時170万円したとのこと。それを考えれば、安いのかも?
サウンドのクオリティーにまったく問題はないのですが、ラインアンプとしてNEVE1073DPAを通すと、サウンドによっては素晴らしい結果が得られました。シンセサイザーもラインアンプを使うと表情が変わってくるので、DAWに取り込む際には是非試してもらいたい方法のひとつです。