瀬川英史
鈴木 Daichi 秀行
Neru
yasu
高山博
井内啓二
土方裕雄
斎藤悠弥
飛澤正人
森崎雅人
いっかい
大島Su-kei
Mick沢口
深田晃
江夏正晃
伊藤翼
飛澤正人
Dragon Ashや鬼束ちひろ、BAROQUE、SCANDALなどを手掛ける。生のバンドサウンドとブレイクビーツをシームレスにミックスして創り上げる空間表現に定評があり、早い段階からコンピューターを使ったサウンドメイキングを積極的に取り入れてきた。近年はアレンジや作曲、ボカロP『寂恋』としても活動。またセミナー活動なども積極的に展開しており、近日公開予定のレコーディングやミックスに関するレクチャーサイト“飛澤正人のMixing Room”を準備中だ。音創りの信条は、アーティストの感性と自らのイマジネーションを融合し、作品の深層部に入り込むこと。
11月10日(火)より、MiMセミナーが開催されます。
A/B 2つのコース開催で解き明かす! 飛澤正人の「トラックメイキング X ミックスダウンの深い関連性」
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これ1本でビンテージマイクの質感から現代的な抜けの良いサウンドまでを使い分けることができるところが面白いですね。マルチ・ボイシング機能という本体の付いた切り替えスイッチ(3段階)で行うのですが、一番オープンな「Forward」位置では広域の抜けの良い現代的な音でありながらアタックをうまく吸収している感じで、真空管のふくよかさもしっかりと音に現れます。一番ビンテージな音にする「Gentle」では低域の倍音が程よく付加されてとても馴染みのいい音になりますね。中間の「Neutral」はちょうどその間のイメージで、音源ソースやジャンルに応じて「どのように録音するか?」というイマジネーションや様々な可能性を与えてくれるマイクです。
あともうひとつとても興味深いのは推奨用途にバスドラムを挙げているところ。普通こういった感度の高いコンデンサーマイクでは音量の大きいドラムを推奨することは少ないのですが、エレキベースや金管楽器でもとてもいいパフォーマンスが期待できると思います。
2段階のハイパスフィルターもかなり有効で、例えばアコギのレコーディング時に余分な低域をカットできるので、録音レベルもとりやすくなりますね。普通なら低音の膨らみを抑えるためにホールをはずし、ややネックよりにマイキングするのですが、このフィルターを使うことによりかなり近づけてホールを狙ったり、思い切ったマイキングができるようになります。結果的にとてもリアルな指使いがサウンドの中に再現できたり、プレイにもいい影響がでますね。先のマルチ・ボイシング機能と合わせ、録り段階でいつもと違うマイキングをしてみたくなりました。また、ビンテージ仕様にしてドラムのアンビマイクに立ててガンガンに歪ませて混ぜるのも面白そうです。
一般的なコンデンサーマイクと比べ、サイズ/重量が共に大きいので、その分もう少しセッテイング時の自由度を追求して欲しいですね。基本的にはマイクをホルダーから取り外すことができず、左右にも動かない状態なのでセッティングが少ししずらいです。サスペンションも少し中途半端な感じで、本来浮いていなければいけない金具同士がぶつかってしまう距離に付いていたりするので、そこは改善すべきですね。また角度を変える接合点のネジも締めにくくこの重さを留めるのにかなりの力で締めないといけません。音に関してはほぼ満足のいく出来栄えなので、使い勝手を良くすることが今後の課題だと思います。