瀬川英史
鈴木 Daichi 秀行
Neru
yasu
高山博
井内啓二
土方裕雄
斎藤悠弥
飛澤正人
森崎雅人
いっかい
大島Su-kei
Mick沢口
深田晃
江夏正晃
伊藤翼
大島 Su-kei
OMFACTORY代表取締役。音楽機材/ソフトウェア/PCパーツに精通し、多くの著名クリエイターのDAW専用 PC設計を手掛ける。またプライベート・スタジオの柱組みから壁製作、内装工事まですべてを自分の手で施工することをモットーとし、日々最高の音楽制作環境の実現を追求。最先端機材を駆使した音楽制作に特化したクリエイターでもあり、近年では奥華子、96猫、清水ミチコなど個性豊かなアーティストの楽曲制作を担当している。
モニターコントローラーは多種多様発売されており今まで色々な機種を使ってきましたが、個人的にはIsochrone Trinityで長年お世話になっているAntelope製品という事で大変興味が湧きました。使ってみての感想はベタに一言、「音が良い」です。音質部分に文句の付けようがなく、極めて全帯域がナチュラルなバランスで、原音が忠実に鳴っているとはっきりと分かる、密度の高い音の印象です。モニターコントローラーのデメリットでもある、通すと(良くも悪くも)多少は音が変化してしまうという最大の問題点はこの機種には皆無です。DAコンバーターからスピーカーに直接繋げた状態の音に非常に近かったので、DAとの組み合わせや相性を探る必要はありませんでした。
そしてもう一つ大きな特徴として、最先端で挑戦的な作りです。手元の操作コントローラーがPCに直接USB接続するタイプになっており、あくまでSatoriLaucherというソフトウェアコントロールをメインにした作りになっているのには驚きました。PCとの接続を中心にしている考え方は今時だなと感じます。また、8chのサミングミキサーとしても使えたり、モノ⇔ステレオ試聴切り替えでは L+R、Lのみ、Rのみ、L-R、R-Lが選択出来るので、街鳴りのあらゆるスピーカー環境を想定したパターンでチェックできます。(同じモノラル環境とはいえ街の飲食店等では意外とLしか鳴っていない事もよくあるので、聴かせたいフレーズバランスの調整確認に非常に助かります。)
サミング機能では-24dBから31dBまでゲインアップもあるので、ステムで出力しアナログ処理で音量の上げ下げしたい場合にはピッタリです。ダイレクトアウト端子もあるので、そのままもう一度DAWにも送れて便利な印象です。4種類のヘッドホンアウトが個別にソースセレクト、音量、そしてトークバックのオンオフが設定できますので、この機能を使ってCue送りも作れます。HPアウトの音質も素晴らしいので、RECスタジオのセッティングではブース送りを用にも使いました。
ユニークな点としてLFE出力を搭載している為、別途ウーハーを接続する場合に分離接続が出来るのはもちろん、LFEのオンオフと、オンの場合にメイン出力に110HzのHPFを入れるかどうかまで設定できる便利設計です。普段の作業ではウーハーをオフにして使わない私にとって、超低音の調整、最終詰め作業を行う時だけにボタン一つで音を出せるので、システム構成としては非常に便利であり、わざわざウーハーの電源のオンオフやパッチが必要なくなるので、素晴らしい機能だと言えます。
ずばり、まだまだ進化の途中という印象です。現状、アップデート待ちの機能としては、
・M/S機能。(ボタンは装備しているので近々かと思われます)
・R4S内臓マイクとフロント内臓マイクの音量が小さい印象です。
・R4S(コントローラー)でヘッドホンボリュームをノブで操作機能の搭載。
・R4Sの全体のレスポンスが今後のバージョンでもう少し早くなれば嬉しいです。
といった感じです。逆に、PCソフトウェアでの進化が大いに見込める先進的な作りなので改善は早いと思いますし、例えばプラグインバージョン出ればプロジェクトごとのトータルリコール等も出来るでしょうし、USB接続のメリットを活かしたDAWとの連携に期待しております。ソフトウェアの進化が楽しみなハードウェアだと思います。
個性のある電源ケーブルですが、Antelope製品には相性が良いと思いました。