Cubase上でVOCALOIDをEdit!互いの境界線を打ち破ったエディターソフト『VOCALOID Editor for Cubase』がYAMAHAから公開されました!


本日行われたYAMAHAの新製品内覧会で『VOCALOID Editor for Cubase』が発表されました!

高度なオーディオ&MIDI編集機能で幅広いジャンルのクリエイターに支持されているCubase 6.5上で、YAMAHA独自の歌声合成技術から生まれた「VOCALOID」を使用するためのエディターソフト『VOCALOID Editor for Cubase』とはいかなる製品なのか?クリエイターが受ける恩恵とは?今回もRock oNの敏腕リポーターが現地取材を行いました!

● 個性派同士の見事な統合

VOCALOIDは歌声の元音源となる「ライブラリ」と、歌詞やメロディ、発音や表現方法を総合的に管理する「VOCALOIDE Editor」の2つによって成り立っています。ライブラリーは特徴的なキャラクターボイスがサードパーティーから発売されていて、最近では外国語に対応したライブラリーも登場しています。そして最新の「VOCALOIDE 3 Editor」は機能の向上と、全ての歌詞を一度に流し込めたりと、ユーザーの声に応える形で進化を遂げてきました。

Cubase6.5にこの「VOCALOIDE 3 Editor」を統合し、Cubase6.5上でVOCALOIDEを歌わせるこを可能にしたのが、本日発表されたばかりの『VOCALOID Editor for Cubase』です!

※『VOCALOID Editor for Cubase』は単体では動作しません。別途VOCALOID 3もしくは2のライブラリとCubase6.5が必要です

『VOCALOID Editor for Cubase』はCubase6.5の中ではVSTiとして認識され、立ち上げてみると「VOCALOIDE VST」という名前のシンプルな形で表示されます。この時点で、「VOCALOIDE VST」がアサインされたトラックのMIDIデータをVOCALOIDEが「アー(a)」で歌っています。もうこれだけで驚きです!

そしてここからが見せ所!エディットメニューから「VOCALOIDEエディターを開く」をクリックすると、Cubase上にVOCALOIDE Editorが現れます!

この後ここで歌詞を入力したり、いわゆる「調教」とよばれるリアルな歌い上げの表現のための加工を行います!エディットできるパラメーターや操作方法はVOCALOIDE 3 Editorそのもので、既存ボカロPなら何の違和感もなく使用することができます。

さらに、Cubaseの通常のMIDIエディターで『VOCALOID Editor for Cubase』のデータをエディットすることができるんです!

例えば「VOCALOID VST」をアサインしたMIDIトラックをCubaseでエディットすると、それがリアルタイムで『VOCALOID Editor for Cubase』に反映されるという驚きの仕様です!ここがVOCALOIDとCubaseをRewireで同期させただけとは違う、大きな点です!

まさしく「見事VOCALOIDとCubaseが統合された」と言える衝撃的な動画を、ボーカロイドの生みの親、剣持 氏の解説付きでご覧ください!

先述しましたが、『VOCALOID Editor for Cubase』はVSTiとして認識されているため、あたかも一つのMIDIトラックを鳴らしながら音源のプリセットを切り換えて音色を探すように、メロを鳴らしながらミクに歌わせるか、リン・レンにするかを切り換えて試すことができるんです!(ライブラリの呼び出しにはロード時間が必要なので、切り替え時は一瞬、無音になります)

『VOCALOID Editor for Cubase』で統合されたのはそれぞれのソフトのMIDIだけではありません。もちろん他のVSTi同様、Cubaseの中で、プラグインを使用することも可能です。

● ワークフローが変わる、曲が変わる

さて、これまでのVOCALOIDを使った楽曲制作といえば、

  1. 歌が入ることをイメージしながら、DAWである程度オケを完成させる
  2. それに合わせてボーカルメロをMIDIで作成
  3. VOCALOID EditorでボーカルメロMIDIを読み込み、歌詞を当てたり表現のエディットを行う
  4. VOCALOID Editorで作成した歌声のWAVを書き出す
  5. DAWで歌とオケを合わせる
  6. 曲の展開や歌詞を変更する場合は再び1.に戻る…
  7. 曲が形になってから、はじめてプラグインなどで歌を仕上げる
  8. ミックス作業

このような順を追った直列的な作業でしたが、『VOCALOID Editor for Cubase』の登場により、作曲/作詞/オケ作成/歌作成 /ミックス これら全てを並列処理で行うこうとができるようになります!

例えば「コード進行を変えたので雰囲気の合う歌詞に変えてみたい」「コーラスワークをいろいろ試したい」「テンポディレイをかけたら歌の隙間が消えてしまったので、少し短く発音させてみたい」などのアイディアをすぐさま形にできるようになるため、クリエイターはストレス無くVOCALOID曲を作ることができます。

また、おおまかに作った伴奏トラックを流しながらMIDI鍵盤でリアルタイムにメロを入力し、その後にVOCALOID 3 Editorと同様、1曲分まるごとの歌詞をコピペで流し込む。これだけでベーシックなボカロトラックを作ることもできます。

このワークフローの大幅な効率化で得られる柔軟さとスピーディーさによって、クリエイターは思いの通りにVOCALOIを操り、楽曲を作ることが可能になることで、楽曲の品質を大幅に向上させることも可能です!

● 期待のMac対応や今後の展開は?

さてこの『VOCALOID Editor for Cubase』、他に気になる所は「Mac版Cubaseへの対応」だと思うのですが、残念ながらこの記事を作成現在は未定ということです。でも諦めるのはまだ早い!YAMAHAにはMac版対応をリクエストするユーザーの声がちゃんと届いているとのこと。今後の展開に期待しましょう!

本日発表された『VOCALOID Editor for Cubase』は、エディット部分(VOCALOID Editor)の進化となりましたが、剣持 氏いわく「VOCALOIDは今後、高音質化と自然な表現力をさらに進化させていく」とのこと。

開発者の情熱から生まれたVOCALOIDは、「ボカロP」と呼ばれるクリエイター達、そして絵師やリスナーと共に成長し、情報空間とリアル空間をクロスプラットフォームする、マルチメディアな世界でいまだ拡大を続けています。

単なる一過性のブームで終わることなく、デジタル音楽にしかなし得ない制作スタイル/表現方法として、VOCALOIDはスタンダードな存在になることができるでしょうか?『VOCALOID Editor for Cubase』はVOCALOIDのこの先を占う製品となりそうです。

『VOCALOID Editor for Cubase』の発売日は今冬の予定、価格はオープンプライスです。発売が楽しみですね!

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