パフォーマンスと楽曲制作の壁は、高度で先進的なテクノロジーによって今破壊される。KOMPLETEが持つ即戦力サウンドとエフェクトから有機的なライブラリを製造出来るMASCHNEの先進的なTool群。そのLoopパターンを元に独創的なパフォーマンスを実現するTRAKTOR、3機種が融合した時、そのサウンドは無限の可能性を手に入れます。講師にはお馴染み橋本 洋氏を迎え、トラックメイクからパフォーマンス、そしてトラックメイクへといった次世代ワークフローをあなたに提案します。
4月1日より消費税率の改正が大きなニュースとなった中、お客様の間でも話題となったのがAVID製品の価格見直し。今回の見直しでは概ね8〜10%の値上幅と高額なシステムの導入にあたっては大きな価格差となりました。しかしながら!! 4月以降もスマートなHDX、HDnativeシステムの導入をサポートすべく、ROCK ON PROでは機種限定、数量限定での旧価格在庫を確保しております!!!しかも4月限定のジャックスクレジットローン18回まで0%無金利での対応ももちろん可能です!!
遂に渋谷Rock oNリファレンスルームに登場した『AVID S6』。次世代を見据えた先進性に富んだその全貌を全4回に渡ってお伝えします。第1回目は全体像とその設計コンセプトを掘り下げて行きます。
【3】モジュラー・シンセサイザーでダブステップの「ドロップ」を作る (2)
いよいよ「ドロップ」を作るためのパッチングに移ろう。筆者のスタジオではUSB接続された「MOTU Ultralite Mk3」の後ろの穴から最大で8系統のトリガー・CVを出力できる。MOTUとモジュラー・シンセの間は標準ジャックのスネーク・ケーブルで結ばれている。このケーブルがさすがに重いので、機材に過剰な負荷をかけないように注意している。
DAWからそれぞれMIDIノートに相当する1V/OctのCVとゲートのペア、さらにキャプチャーした3系統のLFO、合計5つのチャンネルが並行してシンセに送られている。電圧の規格は0 - 5ボルトに統一されているが、おそらく使っているシンセのメーカーに合わせて設定を変えられるだろう。今回は便宜上、メインとなるベース音のパッチの説明に集中する。一度、作成した動画をご覧いただいた上でこの先を読み進めると理解が早いかもしれない。
ダブステップ式のドロップ作成(2)
(画像クリックで再生)
まず、VCOにピッチのCVを送り、VCAをくぐらせる。VCAの開け閉めはADSRにやらせ、ADSRにはゲートのパルスを送る。 MIDIノートの「on」「off」とまったく同様で ゲートの信号が最大値の5Vになれば「on」であり、0Vになれば「off」だ。そのADSRから出力されるエンベロープをVCAに送り、音量テストを行う。当初はオシレーターがチューニングされていないので、適当で不正確なメロディーになる。ここまではヴィンテージ・シンセではおなじみの現象だ。
しかしプラグイン「Silent Way」は正弦波などの簡単なオシレーターの周波数を識別する機能を備えているため、オシレーターのチューニングを可能にする。DAWへの戻り信号をプラグインが聴くようにつなぎ変え、ボタンを押すとチューニングが始まる。個々のオシレーターが持つ「くせ」をプラグインが読み取り、CVとして送られた電圧に周波数がどう反応するかのグラフを作成するので、数オクターブに渡ってほぼ完璧なチューニングが実現する。
手動でツマミをいじらなければ、このままオシレーターの音程はMIDI音源やサンプラー同然となる。こだわりがあるなら、アナログの正弦波とDAWのソフトシンセの正弦波を同時に鳴らして、どれぐらいのうねりが出るかを調べて確かめることもできる。フィルターやエンベロープを自己発振させるなど、本来オシレーターとして設計されていない回路で試してみても興味深い結果が得られるだろう。
YouTubeには「Silent Way」を色々な機材で試す動画もアップされている:
Silent Way VS MoogerFoogers
(画像クリックで再生)
チューニング済みVCOの「Variable」アウトを聴きながら、LFOをCVとして送り込む。するとさっそくPWMに似たようなモジュレーションが聴こえる。これをさらにローパスのVCFに通し、VCFのカットオフを別のVCOでモジュレートする。カットオフをモジュレートするVCO高めの周波数に固定する。VCFのカットオフと、それを変調させるVCOのピッチをいろいろといじっていると、フォルマントに近い音色を探し出せる。ある種のビット・クラッシャー効果にも似ている。ここにさらにDAWからのLFOでモジュレーションを加え、うまく調整すれば母音のような「Yoy」音になる。
味付けとして、同じようなパッチングのVCOを追加し、完全5度などのインターバルにしておくのも楽しい。「Silent Way」をもう一式使うこともできるが、ここではゆらぎを出すため、あえて手動のチューニングに。
ダブステップでよく用いられる表現方法として「Sub」ベースを加えてみた。 1オクターブ下に正弦波を加え、モジュラーシンセから録音した音色はEQでボトムを削ってミックス。この全体にコンプレッサーをかければ、まんざらでもないファットネスが実現する。
このベース音はほんの序の口だ。一度ダミーで作成したベースのMIDIを送って何通りも録音するのもいいし、モジュラーの側でどんどん音が変幻していった場合、曲もそれに合わせて変えていくのも楽しい。
備考として「Silent Way」の開発元は専用のハードウエアも発売しており、国内に取次店があるのでリンクを紹介する:
Clock Face Modular Storeから「Expert Sleepers ES-3」
モーリー・ロバートソン プロフィール
日米双方の教育を受けた後、1981年に東京大学に現役合格。日本語で受験したアメリカ人としてはおそらく初めての合格者。東大に加えてハーバード大学、MIT、スタンフォード大学、UCバークレー、プリンストン大学、エール大学にも同時合格。1988年ハーバード大学を卒業。在学中に作曲家イワン・チェレプニンに師事、モジュラー・シンセを専門的に学んだ。現在はテレビ、ラジオ、講演会などで活躍中。
2014年4月に独自の英語塾「リアル・イングリッシュ」を開催。