みなさんこんにちは、ここ最近続く40℃近い暑さでそろそろミディアムレアになってしまいそうなアレシア美奈子です。さて、先週はADAMやEVE AUDIOなどを比較紹介させていただきましたが、今回も私の個人的な趣味を半分交えつつ各社スピーカーの特徴をまとめてみます。先週読んでいただいた方も、今回初めて読むぜという方も、スピーカー選びの参考にしていただければ幸いでございます!
PMC result6
英国生まれのスタジオモニターメーカーPMC、日本のJVC studio・SonyMasteringや世界でもBBC、Dolbyなど各国のプロフェッショナルな制作環境を支えるエンジニアの憧れともいえるスピーカーです。ニアフィールドではDSPによる制御や192 kHzまでのデジタル信号まで入力可能なtwtwoシリーズが存在していましたが、デジタル入力や専用のコントローラー対応などの機能を省き、プロフェッショナルなサウンドをより導入しやすくしたモデルが「result6」です。
さらに上位モデルのでtwotwoシリーズにはなかったツイーター付近の独特なフィン「D-Fin」という新たな設計によって、より鋭く滲みのない高域再生とスイートスポットの拡大を可能としています。実際に聴いてみるとモニタースピーカーの設置で必須と言われる正三角形のポジションよりも前で視聴してもキツイ印象の受けない自然なサウンドと思いました。
さらに、エンジニアのリスニングポジションにとらわれないのはもちろんのこと、その後ろで聴いているクライアントの位置でも大きくバランスを崩さずにモニターすることができます。このスイートスポットの広さはカタログの言葉に偽りなしといったところですね。
KsDigital C8-Reference Rosewood
コンパクトかつ水平方向にも垂直方向にも同一に信号を発生する同軸ドライバーによって抜群の定位感を実現していたKSdigitalのCOAXシリーズ。惜しまれつつも生産完了となってしまった同機ですが、2018年に新たにC-Referenceシリーズと銘打ってリニューアルを果たしました。COAXシリーズではなかった水平方向の角度調整が可能となり、細かいセッティングの調整が可能となったのは嬉しいですね。
サウンドの傾向としては旧モデルであるCOAXシリーズからさらに現代的な音にマッチした印象。C8だと少し低域によるのかなーと思いましたが、まったくそんなことはなく、むしろ低域に負けることのない鮮明な高域再生が特徴的です。特に女性ボーカルの曲だとキラッと輝くような鮮明なサウンドが非常に印象的でした。COAXシリーズで定評のあったバッチリと決まった定位の良さは損なわずさらにタイトでアタックの速いバシッと鳴ってくれるモニタースピーカーに仕上がっています。旧モデルを知る方は驚くこと間違いなしの、現代の音楽制作にマッチしたモニタースピーカーです。
Focal Trio6 Be (1pair)
フランス発のスピーカーメーカーであるFocal。そんな同社で特筆すべきは、なんといっても特許技術であるベリリウムツイーター。通常多くのスピーカーで採用されているツイーターは前面に盛り上がったドームツイーターですが、Focalのツイーターは創設者の父が所有していた会社のR&Dセクションと協力し、欲しい特性が出せないなら作るという発想から実現した凹型のリバースドームツイーターです。
リバースドームツイーターがその力を最大限に発揮した場合、40kHzの高域にまで伸び、広大な周波数レンジをカバーします。そんな特許技術であるツイーターの高域のレンジの広さを生かしたスピーカーがTrio6 Beです。1インチ・ツイーター、5インチ・ウーファー、8インチ・サブウーファーを搭載した3ウェイスピーカー。私は恥ずかしながら今まで3ウェイのスピーカーのメリットをあまり感じることが少なかったのですが、その真価は音数の多い曲を聴いた時にはっきりとわかりました。
例えば管楽器が複数鳴るような曲を他社の2ウェイスピーカーで聴いてみると非常にごちゃごちゃと聴こえてしまって、各パートをモニターするのが困難です。言ってみればスピーカーが「無理をしている」という表現でしょうか。一方、Trio6 Beで鳴らしてみると音がすっきりと聴こえごちゃごちゃ感は全くありません。音数が多い曲やレンジの広い曲に対し、余裕を持って再生できるというのはかなり強力ですね。ひとつひとつのパートをしっかりモニターできるというのは、高域再生域の広いベリリウムツイーターを搭載したこのスピーカーならではの魅力だと思われます。
こちらで擬似視聴可能です!
musikelectronic geithain RL906
同軸スピーカーの雄、ムジーク。数多くの著名エンジニアに愛用されており、音楽制作に携わる人なら一度は憧れるドイツ発のスピーカーメーカーです。中でも最も売れているのではないかと思われるのがRL906です。ニアフィールドモニターとして個人でも所有しやすい255mm × 180mm × 200mmというコンパクトなサイズ感、さらにバスレフポートが上面に設置されているため、よくあるバスレフからの低音が壁に反射してしまうなんてこともないですね。
そういった導入のしやすさはもちろんですが、やはり特筆すべきは唯一無二のムジークサウンド。わたしが驚いたのがリバーブの奥行き感。例えばリムショットを一発鳴らした時の「タアァン」の「ァン」という後ろのリリース部分が他のスピーカーと比べ物にならないぐらい深く・長い!!私個人的にはリバーブが気持ちよく聴こえるサウンドキャラクターが好きなのもあって、非常に心地よく聴くことができました。RL906はよく非常に楽しく音楽を聴くことができるスピーカーと言われることが多いのですが、たしかに音楽に没入できるスピーカーですね。
またコンパクトなサイズながらも前述のリリースの深さもあいまってかしっかりとした低域再生も特徴的です。さすがに突っ込みすぎるとちょっと頑張りすぎかな?という感じは否めませんが、リアフィールドモニターとして非常に洗練されたモニタースピーカーと言えます。
いかがでしたでしょうか。今回の比較したスピーカーはそれぞれ別々の個性が光るスピーカーでした。KsDigitalが新たにC-Referenceになってガラッとサウンドキャラクターが変わったのが意外でしたね。わたしも今回の記事執筆で改めて各社のサウンドキャラクターの違いに触れることができましたので、非常に良い機会でした!
今回第1弾・第2弾分けてご紹介した「モニタースピーカー聴きかじり」ですが、記事をご覧いただき「モニタースピーカーを導入しよう」と思った方に朗報!記事内でご紹介した「PMC」「KsDigital」「Focal」「musikelectronic geithain」、さらに第1弾でご紹介した「ADAM」「EVE Audio」「GENELEC」「Amphion」の製品に使える7月31日まで利用可能な3%OFFクーポンを発行!この夏のスピーカー導入に是非とも活用ください!
※合計金額が税込¥10,000以上のお買い物が対象となります。
支払いは冬にやってしまおう!今なら冬のボーナス一括払いがご利用いただけます!スキップ期間の手数料は一切無料、あなたの夏の制作環境グレードアップにRock oNは全面的サポート!
記事内に掲載されている価格は 2018年7月25日 時点での価格となります。
最新記事ピックアップ