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4月某日。都内で開催されたAstell&Kernの新製品発表会の模様をお伝えします。
ハイレゾポータブルプレイヤー KANN(カン) が登場です! KANNとはドイツ語で可能という意味。これまでのAstell&KernのDAP(デジタルオーディオプレイヤー)シリーズに新しく加わった「Performance」ラインの第一弾となります。
「ONE PLAYER TO RULE THEM ALL」(全てを支配する1つのプレイヤー)をテーマに開発されたKANNは、日本のユーザーの意見を数多く取り入れました。例えばポケットにいれたまま操作ができる物理的なコントロールボタンとボリュームなどもその一つでしょう。このほかKANNは多彩な音楽の楽しみ方にフィットするために数多くの機能を搭載していることが魅力なのです。
1. 高性能アンプを搭載
アンバランス出力 4Vrms、バランス出力 7Vrmsというハイパワーなヘッドホンアンプを内蔵。これは同社の専用アンプAK380AMPに迫る能力です。これによってポータブル使用の際に別途ポータブルアンプを用意しなくても、ハイインピーダンスのヘッドホンを鳴らしきることが可能になります。その分ほかのプレイヤーより分厚く重量もありますが、ポタアンを一つくくりつけるのとほぼ変わらない上にポタアンまでのケーブルを介する必要もありません。氷河の氷壁をイメージした衣装のクールなボディをこれ一つで使えることは安心、安全、そして満足感も高いことでしょう。
2. PCM 最大384kHz/32bit、DSD256(11.2MHz/1bit)のネイティブ再生に対応
ハイレゾ音源を余すことなく再生
KANNはPCM 最大384kHz/32bit、DSD256(11.2MHz/1bit)のネイティブ再生。そのハイレゾ音源を旭化成エレクトロニクスの32bitプレミアムDACのフラッグシップ「VERITA AK4490」チップにより再生します。クロックには超低ジッターのVCXO Clock(電圧制御水晶発振器)を搭載。200Femto秒を実現し、クリアな歪みない音を提供します。
3.ライン出力を独立して搭載
据え置きプレイヤーとしても使用可能
ヘッドホン2種(3.5mm/3極端子と、バランス出力に対応した2.5mm/4極端子)に加え、KANNはアンプを独立してアンバランス
(3.5mm/3極端子)とバランス(2.5mm/4極端子)のLINE出力を搭載。アンバランス0.7V、1V、1.25V、2Vrmsの4段階で出力を変更できるため、オーディオアンプやスタジオ機材に合わせた出力を持たせることができます。
このライン出力によってKANNはポータブルプレイヤーの他に据え置きプレイヤーとしても使用可能となります。
4. Digital Living Network Alliance
KANNは同社DAPと同じく「AK Connect」を搭載。WiFi経由でネットワーク内のPCやNASにある音楽データのストリーミング再生やダウンロードが可能。また専用Appをインストールしたスマホからの遠隔操作もできるため、まさしく据え置きプレイヤーのような手軽な使用感で音楽を楽しめます。これはスタジオでの使用にも便利な機能といえるでしょう。
5. USB DAC機能
さらにKANNはUSB DAC機能を持っています。USB AUDIO出力とUSB DAC使用時の入力を兼ねたmicroUSB端子を、独立した形で搭載。
・USB Audio… USB2.0。最大32bit 384kHz。DSDファイルはDop伝送。
・USB DAC… 最大PCM 384kHz/32bit、DSD 5.6MHz
6. 急速充電対応の大容量バッテリー
良い音を長く楽しむ
KANNに採用されているバッテリーは大容量6200mAh。FLAC(44kHz/16bit)ファイルを、50%の音量でノーマルゲイン再生した場合、約15時間も使うことができます。そしてこのバッテリーは急速充電に対応。たった1時間の充電で約6.5時間の使用が可能。
7. デュアルメモリーカードスロット
大量のハイレゾ音源も収納
KANNの内蔵メモリは64GB。さらに256GBのmicroSDカードとSDカード各1枚ずつを同時に使用可能。全てを使用すれば最大576GBの容量となります。
KANNはこれ一つでポータブル機としても、据え置き機としても、USB DACとしてもプロクオリティで使えるマルチプレイヤーです。多様なスタイルで音楽を楽しむ日本人ユーザーの意見をとことん取り入れ完成したKANN。発売は2017年5月。価格は約12万円台と非常にリーズナブル!今後のAstell&Kernの製品展開にも大きく影響を与える注目のDAPが登場したと言えるでしょう!
ゲスト トークセッション
KANNのデビューを記念してこの日会場では、曽我部 恵一 氏(サニーデイ・サービス)と小野島 大 氏(音楽評論家)によるトークセッションが開催されました。
“良い音”とはいったい何か?という問いに対して「演者の”人そのもの”が伝わってくる音」と答えた曽我部 氏。その場の空気感や呼吸までもが伝わってくるような音が理想的というのはクリエイターならではの思いでしょう。サニーデイ・サービスの作品作りでもできるだけバンドメンバーが同じ部屋で一緒に演奏することでその空気感までも録音するということ。各楽器の音かぶりも含めて”その場”なのだと、録音に対するこだわりを語ってくれました。(しかし!最新作の『Dance to You』はドラムが打ち込み。新しいチャレンジだということです!)
そして最後に、iriver社の新CEO James Lee氏と共に記念撮影。新製品KANNの未来を笑顔でアピールしてくれました。
記事内に掲載されている価格は 2017年4月18日 時点での価格となります。
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