閉じるボタン

ROCK ON

head-love Created with Sketch. CREATOR
REPORT

国内外のあらゆるイベントをいち早くレポート! またブランドや製品誕生の秘話に迫るDEEPなインタビューを掲載!

22
Jul.2015
REPORT
  • HOME
  • REPORT
  • コラム
  • 瀬川英史の「LA Graffiti」第五回 : 「ワードクロックとスター」

瀬川英史の「LA Graffiti」第五回 : 「ワードクロックとスター」

20141212_segawa_miroc_636

LA生活2年生

LAに引っ越してちょうど1年経ち季節の移り変わりもだいたい把握できたかなと。LAはハッキリとした四季がなく、僕の感覚だと「冬」がほぼなくて「春らしい」って時期がすっごい短い、という感じ。それと海が近いせいもあるんだけど、ビーチサンダル(a.k.a.ビーサンね!)を履いてる人が年中どこかにいるので余計に季節感がないのね(笑)。そういう僕も6月くらいから基本Tシャツ、短パン、ビーサン(又はスニーカー)& パーカー。今年は7月に入っても割と過ごしやすいんだけど、昨年が暑かったのか今年が寒いのかは2年生にはわかりません、、、そうそう「LAに引っ越してまだ日が浅いんだよ〜」を英語でI’m new in LA. とシンプルに言える。待ち合わせ場所の場所なんかで、え〜と〜なんて言ってると「Are you new in here?」なんて聞かれたりもするしね。
日本では見た事がないスクワッシュというズッキーニ系の野菜食べ物に関して一番変化したのは野菜を食べるようになった事かな。実は基本的に野菜が嫌いで、、、特に白菜とか春菊ね。この二つは鍋に入れなくてもいいんじゃね的な人なんですよ。仕事絡みの会食&鍋会で、スタッフが気を利かして僕の器に白菜取ってくれたりすると「マジ?あ〜終わった〜」的な気持ちに実はなっていたと(汗)。だって白菜と春菊を器に入れたまま、根菜(これはOK)とかしらたきとかお肉を食べ続けなければいけないわけですよ(涙)。それとキャベツもね。ロールキャベツってほんとイミフだよね、なんでわざわざ巻くわけ?的なね。ま、どれも食べられない程ではないけど、自分から野菜を買うなんて全くなかった人なのにLAに来てからそれがすっかり変わってしまいましたね。野菜食べるようになったね、なんでだろう?僕は実は和食を食べなくても生きていけるタイプなんで、今までも旅行先で食事に困った記憶はないし、自宅でも白いご飯食べる事が殆どなかったの。だから食材で困るという事は全くなかった。だけどちょっとだけ困る、、、という程でもないけど、カルフォルニア州はレストランでは生卵を出しては行けない事になってるんですね。サルモネラ中毒が多いんだって。アメリカ全体だと毎年数千人食中毒で亡くなってるらしい。だからLAでもしゃぶしゃぶレストランはあるけど、すき焼きレストランはないはずなのね。LAに来た1年前はそれを知らずに、ジュースに生卵入れて時々飲んでたけどね、とりあえず生き残ったね(笑)、ラッキー!

 

Star DistributionTrinity

さて本題。ワードクロックの話。日本だと「音が良くなる!」という認識が先走って本来の目的が影に隠れがちな感じがするよね。僕がAntelopeのTrinity使ってるという話をすると「Trinityってやっぱ音いいすか?」ってだいたい聞かれる。僕は「音は変わるけど、好き嫌いの問題だよ」と答える事にしている。本当にそう思っている。事実、ProToolsをHD I/O1台でレコーディングする環境だったら、ワードクロックを使わない音(つまりインターナルクロック)の方が好みだったりするしね。僕の場合やLAの多くのスタジオがAntelopeのTrinityを導入している理由は音を良くするため、、、ではなくてワードクロックの取り回しがシンプルになるからなの。僕の環境だとワードクロックが必要な機材が11ある。主にProToolsなんだけど、数年前まではAvid社のマニュアルに書いてあった通り、SYNC HDにワードクロックを送り、そこから先のHD I/O等にはLoop Syncでカスケードする形でクロックの分配をしていた。これは間違いじゃないし、これでもワークするんだけど実はLoop Syncはカスケードする度に数サンプルずれるんじゃ〜という事は意外と知られていないのね(マニュアルには書いてあるので秘密ではない)。要はカスケードする事でジッターが増えるなら、直接繋げばいいじゃん?というわけ。数サンプル程度どないなもんじゃい〜という方はこれ以上読まなくて結構(笑)。わざわざ高価なワードクロックを買った、または買いたい、買う予定の方は続きを読んでくれ。

じゃあどうするかと言うと、全部の機材に直接分配しましょうと。ワードクロックの精度が高くてなおかつアウト数が多く、なおかつ手が届く価格のワードクロック・ジェネレーターって実はTrinityしかないのね。僕の環境でもこの1台のTrinityから11台の機材全部に”直接”ワードクロックが分配されてるの。この接続の仕方をLAでは”Star Distribution”って呼んでる。実はこれ、僕が良く仕事をしているエンジニアの宮澤伸之助君に教えてもらったの。しんちゃんは以前サンレコでセミナーの連載をしてた時に度々登場してもらったので覚えてる方もいるかな?「え?マジ??」と思ってそれ以降しんちゃんの根城のザ・ビレッジ・スタジオは当然として、キャピトル・スタジオやフォックス・スタジオに行ってはマシンルームを覗き込んだけど皆んな漏れなく”STAR”でワードクロックを分配してました。

※ Antelope / Isochrone 10M

LAは映画のファイナルダビングでProToolsが6台位、フツーにカスケードするからシンクロに関してはメチャ詳しいオタクが沢山いるんだよね。基本ProToolsのタイムコードに対しての同期はProTools HDの「サテライト」機能を使うと簡単にできる。僕も2台のProToolsを同期する時はサテライトで同期している。ワードクロックとは関係ない話になるけど、サテライトはホスト側で走らせてスレーブ側で止めるなんて事もできるし、同期のセッティングもすごく簡単だしMTCで同期するよりは精度がメチャ高いので安心だよね。どこのスタジオもスター接続をしてるんだけど、LAではProToolsのレンタル業者がいくつかあるみたいで、彼らは勿論超ProToolsオタクなんだけど、このバージョンのアップデーターは使わない方がいいとか、こういうトラブルが出た時はこうした方がいいという話をLAのあちこちのスタジオでするから、そういう使えるTipsはすぐに広まるという背景がこの街にはある、だから皆んなスター接続知ってるんじゃないかな。

宮澤伸之助君直伝”Star Distribution”

じゃあどうやってSTAR接続するのか。接続自体は簡単で、とにかくTrinityのWC(ワードクロック)アウトを直接各機材のWCインに繋ぐ。そうそうLoop Syncのケーブルは外してね。手順だけには一つお約束があるんだけど、それさえ守れば簡単にロックするから。ProToolsのセッション設定を開いて、クロックソースをチェックします

図1

※ クリックで拡大

図2

2

※ クリックで拡大

図3

3

※ クリックで拡大

Loop Sync場合はSync HDを選ぶだけだったんだけど、STARの場合はクロックソースで表示される一番下のI/Oからそれぞれワードクロックを選択していくの。そして最後にSYNC HDを選ぶと(図1〜4の順番)。それだけ。途中で、図5のように「ロックしていません」というアラートが出ると思うけど、とにかく下の機材から順番にワードクロックを選んで行けば図6のように「クロックリファレンスがロックしました」という表示が出るはず。これで各機材&I/Oともサンプル値でズレる事なくロックしましたと。

図4

4

※ クリックで拡大

図5

5

※ クリックで拡大

図6

6

※ クリックで拡大

最後にワードクロックを使った音は人それぞれの好み、と前段で書いたけどもしチャンスがあれば上記Antelope社製の10Mというルビジウム原子基準ジェネレーターのワードクロックの更にマスタークロックになるものがあるの。ロックオンの店頭にいつもあるかは分からないけど、デモ機を借りるなどして10MとTrinityの組み合わせを是非試してみて!ワードクロックは好みと書いたけど、10Mをマスターにした場合は必ず音が良くなる!と、瀬川英史絶対の自信を持ってオススメします。ちなみに昨年東京からLAに持ち込む時にルビジウムが放射性物質なので、この10Mだけが税関で引っかかったのw。それでAntelopeのホームページから資料をコピーして送ったりしてやっと税関通してもらったのでした。


【瀬川英史の「LA Graffiti」:Back Number】

瀬川 英史(せがわえいし)
CM音楽は過去に2500本以上手がける。海外からもオファーを受け2013年「Rolex And Icons」のCM楽曲を書き下ろした。映画「偉大なる、しゅららぼん」「HK/変態仮面」「女子ーズ」、ドラマ「最高の離婚」「アオイホノオ」、ドキュメンタリーNHKスペシャル「神の数式」「超常現象」の等の音楽を担当。2012年、フランスの国立映画祭イエール·レ·パルミエにてフランス映画「Le dernier jour de l’hiver」で最高音楽賞受賞。

 


こちらもご覧下さい。

最新記事ピックアップ

AEA
今年もWes氏がお馴染みの帽子姿で各社インタビューを受けていたAEAブース。ビックリボンが捉える空気振動の繊細な表現力、それでいて高域再現性や感度が落ちない新機軸のアクティブリボンN22のファンは国内でも着実に増えつつあ [……
AES 2017 Day 2 :SHURE
AES 2017 のSHUREブース。さすが大きなブースで広々とした展示が特徴です。 NAB 2017ショーレポートででもお伝えしたワイヤレスフラッグシップのAXIENT DIGITALシリーズ(AXT)。Shureはこ [……
audionamix
10年以上も音声分離を専門としてきた技術者集団audionamixブース!
Pace
なんとiLokが待望のCloud化へ!
AES 2017 Day2 : Rupert Neve Design
不朽のビンテージNEVEサウンドを現代のワークフローに馴染む機能で再現する。そのコンセプトを持つRupert Neve Designの最新作は、名機2254 Compressor (1969年発売)のサウンドを復刻した5 [……
AES 2017 Day2 : Warm Audio
高いコストパフォーマンスで名機にインスパイアされた録音機器で知られるWarm AudioのAES 2017ブース。Musikmesse 2017ショーレポートでお伝えしたWA-14が注目を集めていました。 単一、無指向、 [……
AES 2017 Day2 : Waves
WAVESはAES 2017に合わせて3つの新製品を登場! ・B360 Ambisonics Encoder ・Nx Ambisonics B360はモノ/ステレオ/サラウンド ソースからAmbisonic Bフォーマッ [……
Tac System
Tac SystemはAvidパートナーブースにてお馴染みVMC-102バージョン4を展開。 VMC102はDirectOut ANDIAMO、Avid Matrix、などMADI接続可能なI/Oと組み合わせて多チャンネ [……
AES 2017 DAY1 : iZotope
AES直前に衝撃的な新製品Ozone 8 とNeutron 2 (O8N2)をリリースしたiZotopeブース!今この瞬間も売れているほどのヒットを記録している2製品ですが、何と言っても今回のアップデートで特筆したいポイ [……
AES 2017 DAY1 : SONY
AES初日最大の話題作と言って良いSONY C100。C800G以降四半世紀ぶりとなる新製品のオーバービューについて、同社V&S事業部 新規ビジネス事業室プロジェクトリーダーの今野太郎氏に解説いただきました! [……
AES 2017 : クイズdeショーレポート
ショー・レポート恒例の人気企画「クイズde Showレポート」。AES 2017レポートページののどこかのレポートに掲載されているクイズの答えの中からディスカウント・クーポンコードを探し出し、をご注文の際に入力してくださ [……
AES 2017 : Day1 Avid × Facebook360
AES 2017開幕と同時に話題となったVRコラボレーションが Avid ProTools12.8.2とFacebook360 Spatial Workstation! 今後の両社の展開をおなじみAvidダニエル氏に語っ [……
Copyright © Media Integration, Inc. Rock oN Company
RockoNCompanyに関するツイート