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LA生活2年生
LAに引っ越してちょうど1年経ち季節の移り変わりもだいたい把握できたかなと。LAはハッキリとした四季がなく、僕の感覚だと「冬」がほぼなくて「春らしい」って時期がすっごい短い、という感じ。それと海が近いせいもあるんだけど、ビーチサンダル(a.k.a.ビーサンね!)を履いてる人が年中どこかにいるので余計に季節感がないのね(笑)。そういう僕も6月くらいから基本Tシャツ、短パン、ビーサン(又はスニーカー)& パーカー。今年は7月に入っても割と過ごしやすいんだけど、昨年が暑かったのか今年が寒いのかは2年生にはわかりません、、、そうそう「LAに引っ越してまだ日が浅いんだよ〜」を英語でI’m new in LA. とシンプルに言える。待ち合わせ場所の場所なんかで、え〜と〜なんて言ってると「Are you new in here?」なんて聞かれたりもするしね。
食べ物に関して一番変化したのは野菜を食べるようになった事かな。実は基本的に野菜が嫌いで、、、特に白菜とか春菊ね。この二つは鍋に入れなくてもいいんじゃね的な人なんですよ。仕事絡みの会食&鍋会で、スタッフが気を利かして僕の器に白菜取ってくれたりすると「マジ?あ〜終わった〜」的な気持ちに実はなっていたと(汗)。だって白菜と春菊を器に入れたまま、根菜(これはOK)とかしらたきとかお肉を食べ続けなければいけないわけですよ(涙)。それとキャベツもね。ロールキャベツってほんとイミフだよね、なんでわざわざ巻くわけ?的なね。ま、どれも食べられない程ではないけど、自分から野菜を買うなんて全くなかった人なのにLAに来てからそれがすっかり変わってしまいましたね。野菜食べるようになったね、なんでだろう?僕は実は和食を食べなくても生きていけるタイプなんで、今までも旅行先で食事に困った記憶はないし、自宅でも白いご飯食べる事が殆どなかったの。だから食材で困るという事は全くなかった。だけどちょっとだけ困る、、、という程でもないけど、カルフォルニア州はレストランでは生卵を出しては行けない事になってるんですね。サルモネラ中毒が多いんだって。アメリカ全体だと毎年数千人食中毒で亡くなってるらしい。だからLAでもしゃぶしゃぶレストランはあるけど、すき焼きレストランはないはずなのね。LAに来た1年前はそれを知らずに、ジュースに生卵入れて時々飲んでたけどね、とりあえず生き残ったね(笑)、ラッキー!
さて本題。ワードクロックの話。日本だと「音が良くなる!」という認識が先走って本来の目的が影に隠れがちな感じがするよね。僕がAntelopeのTrinity使ってるという話をすると「Trinityってやっぱ音いいすか?」ってだいたい聞かれる。僕は「音は変わるけど、好き嫌いの問題だよ」と答える事にしている。本当にそう思っている。事実、ProToolsをHD I/O1台でレコーディングする環境だったら、ワードクロックを使わない音(つまりインターナルクロック)の方が好みだったりするしね。僕の場合やLAの多くのスタジオがAntelopeのTrinityを導入している理由は音を良くするため、、、ではなくてワードクロックの取り回しがシンプルになるからなの。僕の環境だとワードクロックが必要な機材が11ある。主にProToolsなんだけど、数年前まではAvid社のマニュアルに書いてあった通り、SYNC HDにワードクロックを送り、そこから先のHD I/O等にはLoop Syncでカスケードする形でクロックの分配をしていた。これは間違いじゃないし、これでもワークするんだけど実はLoop Syncはカスケードする度に数サンプルずれるんじゃ〜という事は意外と知られていないのね(マニュアルには書いてあるので秘密ではない)。要はカスケードする事でジッターが増えるなら、直接繋げばいいじゃん?というわけ。数サンプル程度どないなもんじゃい〜という方はこれ以上読まなくて結構(笑)。わざわざ高価なワードクロックを買った、または買いたい、買う予定の方は続きを読んでくれ。
じゃあどうするかと言うと、全部の機材に直接分配しましょうと。ワードクロックの精度が高くてなおかつアウト数が多く、なおかつ手が届く価格のワードクロック・ジェネレーターって実はTrinityしかないのね。僕の環境でもこの1台のTrinityから11台の機材全部に”直接”ワードクロックが分配されてるの。この接続の仕方をLAでは”Star Distribution”って呼んでる。実はこれ、僕が良く仕事をしているエンジニアの宮澤伸之助君に教えてもらったの。しんちゃんは以前サンレコでセミナーの連載をしてた時に度々登場してもらったので覚えてる方もいるかな?「え?マジ??」と思ってそれ以降しんちゃんの根城のザ・ビレッジ・スタジオは当然として、キャピトル・スタジオやフォックス・スタジオに行ってはマシンルームを覗き込んだけど皆んな漏れなく”STAR”でワードクロックを分配してました。
※ Antelope / Isochrone 10M
LAは映画のファイナルダビングでProToolsが6台位、フツーにカスケードするからシンクロに関してはメチャ詳しいオタクが沢山いるんだよね。基本ProToolsのタイムコードに対しての同期はProTools HDの「サテライト」機能を使うと簡単にできる。僕も2台のProToolsを同期する時はサテライトで同期している。ワードクロックとは関係ない話になるけど、サテライトはホスト側で走らせてスレーブ側で止めるなんて事もできるし、同期のセッティングもすごく簡単だしMTCで同期するよりは精度がメチャ高いので安心だよね。どこのスタジオもスター接続をしてるんだけど、LAではProToolsのレンタル業者がいくつかあるみたいで、彼らは勿論超ProToolsオタクなんだけど、このバージョンのアップデーターは使わない方がいいとか、こういうトラブルが出た時はこうした方がいいという話をLAのあちこちのスタジオでするから、そういう使えるTipsはすぐに広まるという背景がこの街にはある、だから皆んなスター接続知ってるんじゃないかな。
宮澤伸之助君直伝”Star Distribution”
じゃあどうやってSTAR接続するのか。接続自体は簡単で、とにかくTrinityのWC(ワードクロック)アウトを直接各機材のWCインに繋ぐ。そうそうLoop Syncのケーブルは外してね。手順だけには一つお約束があるんだけど、それさえ守れば簡単にロックするから。ProToolsのセッション設定を開いて、クロックソースをチェックします
Loop Sync場合はSync HDを選ぶだけだったんだけど、STARの場合はクロックソースで表示される一番下のI/Oからそれぞれワードクロックを選択していくの。そして最後にSYNC HDを選ぶと(図1〜4の順番)。それだけ。途中で、図5のように「ロックしていません」というアラートが出ると思うけど、とにかく下の機材から順番にワードクロックを選んで行けば図6のように「クロックリファレンスがロックしました」という表示が出るはず。これで各機材&I/Oともサンプル値でズレる事なくロックしましたと。
最後にワードクロックを使った音は人それぞれの好み、と前段で書いたけどもしチャンスがあれば上記Antelope社製の10Mというルビジウム原子基準ジェネレーターのワードクロックの更にマスタークロックになるものがあるの。ロックオンの店頭にいつもあるかは分からないけど、デモ機を借りるなどして10MとTrinityの組み合わせを是非試してみて!ワードクロックは好みと書いたけど、10Mをマスターにした場合は必ず音が良くなる!と、瀬川英史絶対の自信を持ってオススメします。ちなみに昨年東京からLAに持ち込む時にルビジウムが放射性物質なので、この10Mだけが税関で引っかかったのw。それでAntelopeのホームページから資料をコピーして送ったりしてやっと税関通してもらったのでした。
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記事内に掲載されている価格は 2015年7月22日 時点での価格となります。
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