閉じるボタン

ROCK ON

head-love Created with Sketch. CREATOR
REPORT

国内外のあらゆるイベントをいち早くレポート! またブランドや製品誕生の秘話に迫るDEEPなインタビューを掲載!

31
Oct.2017
ANTENNA
  • HOME
  • ANTENNA
  • アーティスト
  • 多保孝一氏の作曲現場をレポート ~ヒット作曲家の個性を生み出す制作スタイル~

多保孝一氏の作曲現場をレポート ~ヒット作曲家の個性を生み出す制作スタイル~

STEINBERG_KoicjiTabo_top


多保孝一氏 プロフィール

作曲・編曲・プロデュース
1982年2月11日生まれ。愛媛県今治市出身。血液型O型
1960年代~70年代の洋楽ロックに大きな影響を受け、大学時代Superflyを結成。2007年、Superflyのギタリストとしてデビューを果たした後、作家活動に専念するため、作・編曲家/プロデューサーへと転向。2013年までSuperflyのメインコンポーザーとして精力的に活動。現在は一青窈、坂本真綾、シャリース、chay、大原櫻子、家入レオ、有安杏果など、さまざまなアーティストへの楽曲提供やプロデュースを行いながら、2017年、遂にソロプロジェクトの活動をスタートさせる。

多保氏の音楽センスを反映するプライベート空間

mr_koichi_tabo01


Rock oN : インテリアや置かれている小物にも多保さんのこだわりがありそうで、音楽的な雰囲気がする居心地いいスタジオですね! ここではどういった作業をされていますか?

mr_koichi_tabo02多保孝一 氏 : 基本的には曲作りとアレンジを行います。ギターをリアンプ想定でライン録りしたり、コーラスを録りもやっています。ギターは、アンプシミュレーターで音作りしたものを本番でも活かす時もありますよ。ここは2代目のプライベートルームですが、前の部屋も同じような雰囲気でした。自分のテンションが上がる部屋にしたいと思っていて、家具や配色は自分の好きなテイストにしています。家具はミッドセンチュリー系が好きなんですが、インダストリアル系もミックスして普通の居住空間じゃない感じを出しています。

Rock oN : お好きなのはブリティッシュ系ですか?

多保孝一 氏 : ファッションに関してはブリテュッシュが好きですね。でも、アメリカの音楽も大好きですし、ミッドセンチュリーデザインものもあるので、ブリテュッシュオンリーというわけではないです。

Rock oN : ビンテージ系のギターが何本か置いてありますね!

多保孝一 氏 : 以前はフェンダー・テレキャスター・カスタム を使うことが多かったんですが、最近はギブソン ES-335を多く使ってます。作曲する時もES-335を使うことが多いんですが、セミアコなのでアンプにつながなくてもアコギっぽく鳴らせますし。

Rock oN : アーティストもここに来られることがあるんですか?

多保孝一 氏 : はい、プリプロ作業にいらっしゃいますよ。僕が横でディレクションしながら、仮歌録りを行ったり。商業レコーディング・スタジオだと窓がなかったりするじゃないですか。レコーディングの時は問題ないのですが、作曲するとなると僕はリラックスできる空間が必要なので、長時間いても居心地の良い空間にしたかったんです。


現在の多保流作曲法は?

Rock oN : 作曲について伺います。多保さんはどこから取り掛かることが多いですか?mr_koichi_tabo03

多保孝一 氏 : 2年前くらい前までは、あえて「楽器を持って作るのはやめよう」という自分の取り決めを作り、小さな五線譜ノートに音符を書いてメロディーを作るスタイルでやってました。自分のコード進行の手グセみたいなものにつられて出てくるメロディでは、もう新しいものは生み出せないと考えたんです。そのやり方を一通りやってみて落ち着いた後、現在は、まずリズムループを組み、コードの白玉を流しながらマイクに向かって歌うんです。瞬発力でメロディーを作っていく、という感じですね。

Rock oN : リズムを意識しながらメロディを構築するのは、アメリカのヒットチューン的なスタイルに近いんでしょうか? 作り方を変えると、曲は変化するんですか?

多保孝一 氏 : 最近の海外のヒットチューンはすごくループ感があり、コードが展開しない中でもメロディーとアレンジの妙で起伏を作ることでどれだけ聞かせられるか、という手法なんですが、そういう作り方を意識するようになって、自分の曲もそんなフィーリングを取り入れた感じになってきました。

Rock oN : 日本のポップスは、そういった方向で作る感じは少ないじゃないですか? 多保さんはそこを狙っていきたいと考えてるということですか?

多保孝一 氏 : それもちょっとあります。日本でも、ダンス系トラックメーカーには、そういう手法で作られている方が大勢いると思いますが、いわゆるシンガーソングライター系だと、そういう作り方は導入しないと思うんです。そこに僕が持ち込んでみたいという思いもあるんです。色々聞いて研究しましたし、いいなと思う作品にもたくさん出会いました。去年~一昨年はジャスティン・ビーバーの「Purpose」をめちゃめちゃ聞いてました。あとカルヴィン・ハリスも。人からは「結構意外ですね」と言われるんですが。

Rock oN : あのスタイルのサウンドに日本語歌詞が乗ってうまく合致するような曲ができれば、これまでと違った流れが出来るかもしれないですね。

多保孝一 氏 : そうですね。ダンス系の人達とバックグラウンドを共有し、コラボ出来るんじゃないかって思います。日本だとジャンルに垣根が少なからずあり、それは勿体ないなと思うんです。海外だと、ロックとダンスの間にそういった垣根はない気がします。最近一緒にやっている10歳くらい年下で、Yaffleというペンネームで 活動している小島くんという人がいるんですが、彼は最先端の洋楽にすごく詳しく、一緒にいて刺激を受けるんですよ。

多保氏のプリプロを支える使用音源を公開

mr_koichi_tabo04


Rock oN : DAWはCubaseをお使いなんですね?

多保孝一 氏 : はい、Cubaseを立ち上げたら、さっき言ったように、まずリズムトラックを組むところから作り始めます。リズム音源は生ドラム系を使う時もあれば、キックやスネアを単発で持ってくる場合もあります。生ドラム系はビンテージサウンドの音が好きなこともあり、Native InstrumentsのAbbey Road 60s DRUMMERをよく使っていた時期もありました。最近は同じシリーズのAbbey Road Modern Drummerが気に入ってます。キック、スネアといったパーツごとにトラックを分け、個別にコンプ、EQ処理をしてグルーブが出るように調整するんですが、歌いながらメロディー作りをする時に、メロディーが乗りやすくなるんです。ベースはSpectrasonics Trilianを使って打ち込みます。以前はTrilianの中のウッドベースをよく使ってました。最近はフェンダー・ジャズベース系の音が多く、フィンガー/ピック弾きを曲に合わせて使い分けています。パーカッションが楽曲のメイン要素になる曲だと、この時点で入れておいてイメージを作っておきます。グルーブが大きく変わりますからね。

Rock oN : 最終的に生ドラムに置き換わるかと思いますが、ここで打ち込んだリズムパターンやフィルは本番まで活きたりするんですか?

多保孝一 氏 : リズムパターンは、基本、そのまま演奏してもらい、フィルはドラマーにお任せすることが多いですね。一旦リズムが出来ると、ピアノやパッドでコード感を足し、ある程度、曲のカラーが分かるところまで作ります。 ピアノはNative InstrumentsのNEWYORK CONCERT GRANDをよく使います。エレピはVINTAGE KEYSが多いですね。鍵盤系は最終的に生に差し替えるのが前提なので、リフ以外は白玉しか打ち込まないです。現場でプレイヤーの人に膨らましてもらうという感じですね。

Rock oN : そして、歌いながらメロディーを作るという流れですね?

多保孝一 氏 : そうです。デタラメ英語で歌いながら、Aパターン、Bパターン、、、という感じで、いいと思えるメロディーが出来たら残していきプールしていくんです。ある程度出揃ったら、聞き比べてセレクトします。僕だけかもしれませんが、メロディーに関しては1日に出るアイディアの量が決まっていると思うんですよ。そうなったら切り上げてその日は終了にします。

mr_koichi_tabo05Rock oN : ストリングス音源は何を使われていますか?

多保孝一 氏 : IK Multimedia Miroslav Philharmonik 2をよく使います。あとはSteinberg HALionですね。サックスやトランペットといったブラス系は音の立ち上がりがよく、使い勝手がいいんです。

Rock oN : 次にシンセ関連の話をお伺いしたいのですが、アレンジの中で使われることは多いですか?

多保孝一 氏 : 頻度が高いわけでないですけど、MOOGやProphet-5といったサウンドは使います。最近はARTURIAのソフトシンセが多いですね。去年、Solina String Ensembleにハマったんですよ。ARTURIAのソフトシンセも使いましたが、とある現場で実機をレンタルしレコーディングで使いました。レンタル業者と知り合いからそれぞれ借りたんですが、なんと偶然にも2台のシリアルナンバーが1番違いだったんですよ! 音にわずかな個体差があって、そこが面白かったです(笑)。

続いて、エフェクタープラグインについて

Rock oN : 続いてエフェクターの話をお伺いしたいんですが、先ほど、リズムトラック作りの時点でも、パーツ毎にEQ/コンプ処理をされると言われましたが、コンプレッサーは何を使われていますか?

多保孝一 氏 : Cubaseに付属するMaximizerとPSP Vintage Warmerを併用します。アナログっぽくて音にパンチが出る感じです。エンジニアさんみたいに細かく追い込んで設定するというよりは、楽曲サウンドのトータルイメージを作るために使うという感じです。

Rock oN : リバーブ、ディレイといった空間系は何を使われますか?

多保孝一 氏 : リバーブはCubaseに付いているRoomWorks、ディレイもCubase付属のものです。ピンポンディレイが好きで、ボーカルに使うことが多いです。質感が気に入っているんですよ。

mr_koichi_tabo06


自分の個性を追求する大切さ

mr_koichi_tabo07Rock oN : 多保さんがデモを作る上で気をつけることは何でしょうか?

多保孝一 氏 : コンペの場合、参考曲が送られてくる時が多いんですが、僕の場合、あえてそれを参考にしないことです。参考曲を意識して似せようとすると、ディレクターさんのイメージを超えるものが作れないと思うんです。どういう方向性の曲を求めているか、という情報さえあれば十分で、自分のサウンドやメロディーの個性を突き詰めることが大切だと思うんです。そのためには日々たくさんの音楽を聞いたり、色々なところへ行って感動したり、他の人にはない自分の個性や感性を磨く作業の方が大事だと思うんです。

Rock oN : DAWで色んなことができてしまう時代になっていますが、最近の機材の進化についてどう思われますか?

多保孝一 氏 : 僕らが音楽を始めた頃はカセットMTRの時代で、音を再現する手段も今と比べたらそんなに無い時代でした。でも今は、みんなが同じパレットを使って絵を描いてるような状況で、確かに恵まれていて羨ましい反面、もっと楽器自体のことを知って作って欲しいなと思います。例えば、今だとシタールの音もソフトシンセで出すことができますが、その楽器の歴史や発音原理を知っているのかと言うと、ほとんどの人が知らなかったりかしますよね。そこから自分の個性を出すためには、楽器の事を知るのも大事かなと思います。自分はクラシックロックが好きだったので、そこを切り口にして、どんな楽器が使われているかを、たくさんのレコードを聞いて覚えていったことで蓄積した知識と養った感性が、自分の作ってきた作品に自然に出ていたと思いますが、それが自分の個性を形作ってきたと思ってます。

想を支えるリスニング環境にSteinberg UR22を使用

mr_koichi_tabo08


Rock oN : メインの制作システムと別に、オーディオインターフェースのSteinberg UR22をお使いになられていますね。どういう用途でお使いですか?

多保孝一 氏 : 制作用とは別のPCに接続して参考音源のリスニング用に特化して使っています。曲のアイデアを喚起するための大事な部分とも言えますね。また、自分のデモを聞き返したりする時にも使います。長年Cubaseを使っているので、同じSteinbergということで信頼して使っているというのも大きいですね。デザインがシンプルで、音の感じもナチュラルで聞きやすく、今ではすっかり耳に馴染んでいる感じです。

Rock oN : 最後に、プロを目指しているみなさんにメッセージをお願いします!

多保孝一 氏 : さ僕の持論なんですけど、ポップスにとって大切な三要素は、「歌唱」、「歌詞」「メロディー」だと思います。その三要素を10代の若い頃から、ちゃんと意識して聞く耳をもつことが大事だと思います。サウンドは服と一緒で、時代によって変わっていくものだけど、歌詞、メロディーは普遍的なもので、たとえアレンジを変えても世の中に継がれていくと思うんです。表層だけでなく、普遍的な要素を意識しながら、自分なりのサウンドを追求していって欲しいですね。

Rock oN : 今日はありがとうございました!


製品紹介

Steinberg UR22mkII

ur22_mk2

コンパクトかつ頑丈な筐体に最高品質を凝縮し、低価格を実現したUR22がmkIIとなり登場。2in/2outの入出力にMIDI in/out、iPadへの対応、柔軟な電源の確保など音楽のためのフル機能を備えてます。

¥ 14,720
(本体価格:¥ 13,630)


期間限定 URシリーズ登録ユーザー対象 Loop Set x 3 プレゼントキャンペーン

ur-vst-sls-promo-jp


2017年11月1日(水)〜2018年1月31日(水)の期間中、Steinberg UR シリーズオーディオインターフェースをご購入された登録ユーザーの皆様にもれなく VST Sound Loop Set 3種類をプレゼント!

手順は UR シリーズをユーザー登録の上、Steinberg eNews ニュースレターを購読するだけです。ご登録アドレスに、VST Sound Loop Set のダウンロードリンクとアクティベーションコードを記載した eNews を配信いたします。

既にURシリーズをお持ちの場合、MySteinberg アカウントにてインターフェースをご登録の上、「ニュースレター」ページで「購読する」ボタンをクリックしてください。

対象機種:UR12, UR22, UR22mkII, UR242, UR44, UR28M, UR824

* 11月1日の時点で既に UR シリーズを登録済みの上、ニュースレターを購読中の方には、自動的に今回キャンペーンの eNews が配信されます。
* UR シリーズの製品登録および Cubase AI のダウンロード〜インストール方法については、頁末のガイドビデオをご参照ください。

詳しくはこちらで>>

こちらもご覧ください

20170724_steinberrg_1390

メーカーHP

Steinberg
https://japan.steinberg.net/jp/


mr_koichi_tabo09

最新記事ピックアップ

【渋谷店発信】Aston Micでアコギを録音してみました!by PD安田
低価格ながらも品位のあるルックスも兼ね、演奏者の細かいニュアンスからダイナミクス溢れるクオリティがこのマイクで実現できます。PD安田は今までBlue BlueBirdをこよなく愛してましたが、この気にAstonのSpir [……
梅田店 スピーカー・キャリブレーション体験会
今なら、梅田店でスピーカー・キャリブレーションが体感できます! 昨今スピーカーキャリブレーションツールが各メーカーより発表されております。実際のところどのメーカーを選んだらいいのか?なんて考えた事ありませんか?百聞は一聴 [……
Rock oN CREATOR’S CHOICE ~夢の最適最強プラ…
もし自由に使えるバジェットがあったら、あのクリエイターなら何を手に入れるのか? 普段なかなか知ることができない、一線で活躍するクリエイターが本気で考えたベストプランを大公開!どんなプロダクトであのサウンドを生み出すのか、 [……
Focusrite Academy トップレベルのエンジニアが学びを無償提供!…
Focusrite AcademyはFocusriteが公開しているオンラインムービーコンテンツサイト。Focusriteと親交が深い世界のトップエンジニアたちがノウハウをムービーで伝授してくれます。 コンテンツの中には [……
Pro Tools の更新期限は大丈夫ですか!? ROCK ON PROが徹底サ…
Pro Toolsの更新期限をチェック!! ROCK ON PROが快適なPro Tools環境を徹底サポートいたします!!
UA Apollo シリーズを買うなら梅田店へ!キャンペーン終了間近です!
梅田店限定!! Univesal Audio Apollo シリーズを買うなら Rock oN Umeda へ! ただいまUniversal Audioより12/28まで大型プロモーションが開催中です! キャンペーン詳細 [……
期間延長!梅田店購入者特典! 店頭購入でProToolsライセンス更新作業を無料…
ご好評につき12/27まで期間延長いたしました!! ProTools更新手続きやご購入でお悩みの方おられませんか? ・所有しているけど更新対象なのかわからない。 ・ラインナップがありすぎてどれを買ったらいいかわからない。 [……
Rock oN AWARD 2018 レビュー投稿で最大3,000ポイントがもら…
12月25日までユーザー投票が続くRock oN AWARD2018。2017年を象徴する製品をみんなの投票で決めていくこのイベントは、ワンクリック投票と共に製品のレビューを募集中です。 この期間中、対象製品のレビューを [……
Universal Audio APOLLO 2大キャンペーン開催中!最新UAD…
2017年12月31日までの期間限定キャンペーンが大好評!Universal Audio APOLLO Rackシリーズ、そしてApollo Twinシリーズを購入すると、それぞれにBIGなプレゼントがもらえます! デジ [……
『田辺恵二の音楽をいっぱいいじっちゃうぞVIDEOS Vol.31』公開!
第31回目はベーシスト、プロデューサー、エンジニアとマルチに活躍する塩田哲嗣さんが登場!
ROCK ON PRO「Dolby Atmos 制作環境構築セミナー」全国ツアー…
大盛況の内に幕を閉じた東京でのセミナーに続き、「Dolby Atmos 制作環境構築セミナー」第2弾となる大阪での参加者募集を開始いたします!
Rock oN Award 2018
今年もワンクリックで投票可能。レビュー投稿で最大3000ptのプレゼント。2017年を彩る製品は?
Copyright © Media Integration, Inc. Rock oN Company
RockoNCompanyに関するツイート