Arturiaが新製品を発表していました。私自身「こういうのが欲しかった!」と声が出てしまった、Minimoogのローパスフィルターをシミュレートしたプラグイン『MiniFilter V』です。実はこれ、2016年末にArturiaからのXmasプレゼントとして期間限定で無償配布されていたので、すでに持っている人も多いのではないでしょうか。
MiniFilter Vは、Arturiaの名を世界に轟かせたMinimoogのバーチャルソフトシンセ Mini Vのフィルター部分を独立させたもの。もちろんArturia独自のTAEテクノロジーを採用されています。
MiniFilter VはMinimoogの音の太さの秘密とも言える24 dB/octaveのローパスフィルターのサウンドをほぼそのまま再現。さらにエンベロープフォロワ、LFO、そしてモジュレート用のステップシーケンサーを装備。攻めの音作りにぜひ使ってみたいですね。
Arturia公式WEBサイトで49ユーロ (お安い!)で発売中。購入前にデモ版でお試しもできるのでぜひ。
Moogシンセの生みの親、Bob Moog博士の特許であるオーディオフィルター技術。
(※特許名称:バイポーラトランジスタのベース-エミッタダイオード抵抗を使用したハイパス及びローパスフィルタ。特許日:1969年10月28日。著名なMOOG奏者ガーション・キングスレイの誕生日と同じ。米国特許3,475,623、特許日 1969年10月28日)。
NPNトランジスター・アレイ「CA3046」で構成されたはしご型の回路によるローパスフィルター(4pole=24db/oct)である。
Ladder Filterの大きな特徴は、広いカットオフ周波数をカットオフすることができることと、楽器としての音の太さや艶やかさにある。この音楽的に美しいサウンドはこれ以降の世界中のシンセサイザーメーカーがこぞって採用(もしくは模倣)することとなる。
技術的な特徴として、Ladder Filterはトランジスタを抵抗素子(R)として使うことにより、僅かなベース電流値によって広範囲な抵抗値を設定出来るため、カットオフ周波数を広いレンジで可変が可能である。
さらにはトランジスタをバッファとしても機能させるため、LPF各段(CR)の分離を可能とする。各段のCRが干渉しないため、カットオフ周波数近辺のキレが良い。
またこのトランジスタは、非線形性による歪みを発生させる。つまりはこの歪みが「フィルターによる歪み」や「発振」を生み、アナログフィルター独特の味わいやサウンドの変化につながっている。
ArturiaといえばオーディオI/FのAudioFuseはいつ発売になるのか。その進捗もNAMM 2017でレポートいたします!
Writer. Tomita
Arturia
https://www.arturia.com/products/minifilter-v
記事内に掲載されている価格は 2017年1月18日 時点での価格となります。
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