10月6日、ヤマハ銀座店にてヤマハ新製品発表会が催されました。多くの新製品が実演と共に紹介されましたが、中でも最も注目を集めていたのはLine 6のフラグシップ・ギタープロセッサー「HELIX」!発表会ではLine 6の現社長であるマーカス・ライル氏により、進化したDSPパワーを始めとする、性能と音質の向上、そしてユーザービリティーの進化を発表していただきました。今回はそれらのポイントを3つのコンセプトに沿って紹介していきます。
1.Real.【新たに搭載されたデュアルDSPパワー”HXモデリングエンジン”】
まず最初のコンセプトにあたるのが”Real”。今回のHELIXには新しくモデリングし直されたアンプが45種類、キャビネットが30種類搭載されていますが、今回の開発ではこれらのモデリングに最も時間をかけたようで、それぞれのモデル一機種あたり一ヶ月かけ丁寧にモデリングをしたようです。
それを新たに搭載されたデュアルDSPパワー「HXモデリングエンジン」により、アンプやキャビネットの挙動をパーツ単位で忠実に再現させ、チューブ特有のダイナミックな感触をも演出することが可能になりました。実際にその性能差は画像を見てわかる通り、クロックスピードでの単純比較ですが、従来のPOD HD500Xの2倍以上のDSPパワーを誇ります!これらのDSPパワーがよりリアルなサウンドを作り出しており、クラシックなモデルからモダンなモデルまで、非常に幅広い表情を演出してくれます!
デモンストレーター阿部 学氏より、実際にそれぞれのシミュレートされたアンプでサウンドデモが行われましたが、スクリーンにHELIXでセットされているそれぞれのアンプとエフェクターの内容を見せながら演奏が行われ、会場に集まった方も「おぉー」と声を上げ、驚きのクオリティーが実演されていました。
誇示的には、”Cali Rectifire”、”US Deluxe Vib”という、あのアンプのモデリングが素晴らしく、同じアンプでもローコードでのリフやリードサウンドなどはピッキングのニュアンスが実機とほぼ近く感じました。この完成度ならライブのみならず、レコーディングや制作現場においても大いに期待できるギタープロセッサーだと、本気で感じさせられました。
2.Smart.【直感的に誰でも操作が簡単行えるインターフェース】
本体の写真を見てわかる通り、6.2インチと大型のLCDディスプレイを搭載。そしてフットスイッチ部分にもそれぞれディスプレイが搭載され、各フットスイッチにアサインされている内容が表示されるので暗いステージ上でも見やすい設計になっています。またフットスイッチの周りにもFIREHAWK FXのようにLEDリングが搭載されており、任意のカラーを設定する事も可能になっているので、割り当てが一目で分かります。
操作性も深い階層はなく、ギターエフェクターに慣れた方であれば10分ほどでアンプやエフェクターを読み込み、音を出すことが出来るかと思います。読み込み以外の操作もディスプレイの右側にあるジョグと4つのボタンで大抵の操作ができるようで、フラグシップモデルながら親切設計が嬉しいですね!
直感的な操作をより促進する機能として、今回フットスイッチに初めてタッチセンサーが搭載されました!タッチセンサー機能を使えば、ただ踏んでON/OFFするだけとしてではなく、Edit Mode時にフットスイッチに割り当てたいエフェクトを任意のフットスイッチ部分を2秒間触る事で、簡単にアサインする事が出来ます。
また、フットスイッチにはアンプやエフェクターのツマミの設定値を個別にアサインすることもできます。例えばディレイなどのFeedackの値をフットスイッチ1には0、フットスイッチ2に30、フットスイッチ3に50…といった感じで、設定することができ、この機能を使えば手を使わなければ変更できなかったパラメーターをフットスイッチで操作することが可能になります!この機能をうまく使えば、多くのギタリストの悩みが解消するのではないでしょうか?
最後に、面白いポイントとしてこのHELIXの付属品には六角レンチが付属しているとの事。なんとHELIXのフットペダル側の側面にネジを回す部分があり、ここでフットペダルの固さも調整できるそうです。ここまでカスタマイズ性溢れるボードは他に無いでしょう!
3.Control.【外部へのコントロールも可能にしたマルチなHELIX】
3つ目のコンセプトは、”Control”。今回、HELIXではアンプを含め構成したトータルシステムへのコントロールに対しても注力しています。
HELIXはPODシリーズ同様、外部ペダル・ハードウェアを容易にルーティングさせることもできますが、これらをコントロールするためのMIDI出力だけでなくCV出力も用意されました。これらの機能を使えば、ギターアンプのチャンネル切り替えをしたり、またCV出力により操作できるMoogのMoogerfoogerをHELIXからコントロールしたりと、今までは個別で専用ペダルが必要だった操作がHELIX一台でコントロールが可能になりました。 Expressionも最大3台の接続を可能にしているので、HELIXはまさにギターシステムのプラットフォームとしての役割を果たす事が出来ますね。
今回はマーカス・ライル氏によるHELIXの解説をご紹介しましたが、HELIXはライブだけでなくレコーディングがメインのユーザー、またLine 6をこれまで使ってきたユーザーだけでなく、ビンテージのペダルエフェクターを好むギタリストまで、多くのギタリストを魅了するモデルだと感じます。
これらを実現するのも、Line 6の開発コンセプトであるユーザーからの意見を尊重し、カスタマーファーストな発想から開発する姿勢があったからこそ実現できたのだと思います。
最後にマーカス・ライル氏と一枚。ありがとうございました!!
記事内に掲載されている価格は 2015年10月7日 時点での価格となります。
最新記事ピックアップ