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Rock oN Company 131th AES Convention 2011 NY ショー・レポート!

AVID / ProTools 10

Avid ProTools 10 & HDXの華麗なる進化 Part.1
〜Pro Tools 10 編〜

第一部 PT10 基本機能編

待望のアップデーターPro Tools10が、遂に我々の前に姿を現しました。
今回は、DAW自体の本来の目的である音質向上が私たちを魅了します。そして大幅なワークフローの改善、強力なNewタイプPlug-insの搭載とまさに3拍子揃ったその世界をご紹介いたします。

  • Mixing Engineの進化
ProTools 10の新機能TIPS

ProTools 10の新機能TIPS

サウンドクオリティーの進化です。HDシステムでの64Bit演算によるヘッドルームの拡大です。数値にするとなんと1000dB以上の余裕が誕生。デジタル・クリップから完全に解放されます。そして、セッション設定としても今までの24bitに加え、32Bit Flote演算での録音が可能になりました。また、演算解像度の向上からも、従来型と比べ、更なる高音質I/Oが期待できます。なにしろ、今までの48bitから16bitも向上している上に、内部処理64bitのミキシングモジュールも追加になったのですから。

Bit Depthに注目!!"32bit Float"

Bit Depthに注目!!"32bit Float"

さらにBigな機能として、同一セッション内で解像度の違うファイルが共存できるようになりました!もちろん録音も可能です。これは、今まで一度セッションを作った際に、後とからの変更の出来なかったセッション設定内のBit depthがいつでも変更できるなんて素晴らしいですよね。ちなみに、マイクでの録音は24bitにシンセは16bitでなどというセッション内での使い分けが可能となっています。

もう一つ、HDXとの組み合わせで最大768のボイス割り当て可能なオーディオ・トラックと512のAUXトラックへ対応。ここまで来れば、もう無制限と言っても過言ではないでしょう。786ボイスということは、786chの同時録音が出来るということなんですから!

また、ADC(自動補正機能)もパワーアップ。今までの4096サンプルから16383サンプルに!!どんなプラグインを挿入していてもタイムアライメントを保つことが可能となりました。これからは、Z-Noiseもインサートでいけるということです。48kでの作業の際は350ms程度まで遅延を押さえることができるわけなんです。

内部演算の変更による音質向上は、どれほどのものでしょうか?帰国後の比較試聴が待ちきれません!!

  • RAM CASHで、利便性の向上
Chash Sizaの変更はココ、搭載メモリによって選べる数値が変化

Chash Sizaの変更はココ、搭載メモリによって選べる数値が変化

セッション内のオーディオデータをセッション・オープン時に全てCPU内部のRAMにキャッシュします。これにより、何がおこるのでしょうか?言葉で書くと一言なのですが、様々なところにメリットが生まれます。まずは、操作としてはレスポンスの向上。今までセッションが大きくなるとスペースバーを叩いても2~3秒待ってから動き出した、LOOP再生で止まってしまった、そんな経験はPro Tools Userならば誰もが経験していると思います。この事象から解放されます。これはデモムービーでもご覧いただけます。これによる作業スピードの向上は、全てのユーザーにとってメリットであり、作業効率のアップに直結します。しかし、Cashの搭載によるメリットはそれだけではありません。

もう一つが、ストレージに対する要求からの解放・・・これは、様々データ管理にとって驚きの仕様です。Pro Toolsはストレージに対しての要求が大きことが知られていますが、これからは様々なことから解放されます。極端な話USBメモリでもOK。セッションを開いたら、全てのオーディオデータをCPU内部のRAM(あるだけ?メモリ)にコピーしてしまうので、速度は関係ないのです。もちろん、今まで、様々なハードルのあったRAIDや共有、これらも全く問題無くなります。この恩恵は、再生側だけでなく録音時にも受けることができます。録音したデータはストレージの速度が間に合わない場合には メモリに蓄え順番に書きこむので、利用出来るストレージ条件は大幅に緩和されます。

このRAM CASHの動作ですが、事前に設定したCashの割り当て容量まで、どんどんセッションに並んだあーディオファイルを読み込みます。Cashの割り当ては搭載したメモリー容量によって変化しますが10GB超の設定が可能とのことなので、余程のことがない限りRAM上のデータだけで作業が可能となります。この感覚、素晴らしいですよ。

これを機会に皆さんもRAIDの導入を考えられてはいかがでしょう?データの破損から実を守ることは非常に重要なファクターだと考えます。もちろん、ネットワーク越しのドライブでも読み書き可能。待望の業務ツールとしてのPro Toolsに大きな可能性がここに生まれました。

  • Clip GainとReal Time Rendering

特にポスプロも方から多数のご要望をいただいていた、クリップ・ゲイン機能が遂に搭載されました!!これによりリージョン単位でのゲイン設定が可能になります。これは単純にゲインの上げ下げということではなく、オートメションと同じようにClipに対してGainの曲線を描くことができるということです。もちろん、音楽ユーザーの方も!!ボーカルのレベルの微調整等オン用範囲はいくらでも考えられます。このClip Gainはフェーダーオートメーションとは別物なのでFedarには一切影響がありません。今まで、仕込みでAudio Suiteなどで波形を書き換えていた作業がReal Time RenderingによりVirtualに実現されていると考えて頂ければ良いと思います。

フェードに関しても同様に今までのようなFade Fileと呼ばれるCashを必要としなくなりました。Real Time Renderingにより、フェードトリムなどの操作をした瞬間にレンダーされCASHに蓄えられます。波形の表示も直感的に見やすくなっているのも改良点ですね。

このClip GainとReal Time Rendering機能は、Ram Cash機能とリンクして、高速なレスポンスでユーザビリティー、作業スピードの向上に直結します。一度使ったら、もう以前のバージョンへはもどれないでしょう。

  • その他の追加機能

●EuCon phase 2に進化、ProToolsのカスタムキー機能に対応した多くのコマンドが追加
●24Hに対応、今までセッションが24Hをまたぐことが出来なかったのですがこれに対応、長尺のセッションにも対応を果たしています。
●SatelliteLinkの最大接続数が12に、より大規模なシステムに対応可能に進化!

Avid

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  1. 9になった時の驚きがつい最近の事なのに、もう10が発表され、大幅に機能強化がなされた事に、興奮が隠しきれません。中でもRamCache出来るという事で、パソコンとあわせて、ワンランク上のシステムにしようかと考え中です。
    引き続き、レポートの方よろしくお願い致します。がんばって下さい。

    メルヘン @ 2011年10月22日 6:50 PM

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