Rock oN Show Report : IBC 2013

Avid (ASU Boot Camp)

IBC前日に行われたディーラー向けのAvid Avid Sales University Boot Campの模様をレポート! 注目の”S6″に関する最新システム情報やLIVEレポートなど必見の情報がいち早く登場!!


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アムステルダムの旧市街の中心ダム広場に面した歴史あるGrand Hotel KrasnapolskyのGrand BallroomにてIBC開催前日となる今日、AVIDではASU(Avid Sales University) Boot Campが開催されました。

ダム広場は西に王宮が建ち南には有名なマダム・タッソーの蝋人形館、広場東にあるホテルの前には第2次世界大戦の戦没者記念塔があります。このGrand Hotel Krasnapolskyも外観は歴史を感じるものの、内装は美しく保たれ、ヨーロッパならではの歴史を感じる趣があります。

Rich Nevens氏(Director, Worldwide Pro Audio Solutions Specialists)

AudioのセッションではVENUEシリーズの統括を行っているLars Baumann(Director, Live Systems & Consoles Product Management)、コンソール関連製品デザインを行っているEdward Jones(Principal Product Designer, Live Systems & Consoles)、そしてEuphonixプロダクトの責任者であるによるセッション。コンソール最高責任者達が並ぶ非常に力の入ったセッションです。(もちろん会場には、オーディオ部門の統括を行っている副社長Tim Correl氏も)

このセッションでは、世界中が注目するAVID S6の内容をDEEPに2時間半のレクチャー。Boot Campの名の通りこれを聞けば、S6の全てが分かる!!!といった内容となっています。早速レポート開始です!!

DAWの台頭とPro Toolsによる革新


まずは、Avid Innovations in Pro Mixingとして、AVIDが業界にもたらした数多くのInnovationを列挙。今でこそ、当たり前になっていますがAVID Pro Toolsのもたらした時代の変化の大きさを再認識します。そして、Pro Tools だけではなく常に10年先をいっているといわれていたEuphonixがもたらしたInnovation、世界で一番売れたコンソールといわれるICONシリーズ。それらのもたらしたものにも触れられています。

Pro Toolsの部分は、いうまでもなくDAWによるオートメーションミキシング、ヴィジュアル・イメージによる編集作業、プラグインによる多彩なオーディオ処理など切りが有りません。Euphonixに関しては、やはりEuConの開発ということになります。従来のDAWコントロールを次のステップに昇華させた先進のプロトコル。しかもOpenであった為、現時点でもメジャーなDAWのおとんドガ対応しているというのも特筆すべきポイントでしょう。また、レイヤー構造ではなくレイアウトという発想を盤面設定に採用。他のコンソールの追従を許さない高い自由度をPro Mixingにもたらします。

Thank You for the “ICON”


2004年のデビューから1150台のD-Controlと3200台のD-Commandが販売されたことが明らかにされました。この数字を見ると、いかに全世界的にICONが支持されたのかということが分かりますね。


しかし、Best Sellerであるが故に、多種多様のユーザーからの数多くのオファーを受けていたことも事実。これが、S6の開発に生かされたのは、いう迄も有りません。デビューから10年の間にソフトウェアの更新によるブラッシュアップなど積極的な機能追加が行われていたイメージが有りますが、物理的な設計に依存する部分の更新には新機種の登場を待つしか無いという部分が有りました。

Mixing redefined


AVID作ったICONシリーズというDAWコントローラーとして世界一受け入れられたソリューションと、Euphonixの先進性に富んだEuCon Protocolの融合により、”Mixing redefined”=”ミックス作業の再定義”を行うために登場したのがAVID S6であるという説明。Mixingの再定義という自信にあふれたタイトルの裏には、S6の持つ高い柔軟性が、今迄、機材により制限されていた使い方を、本来のユーザーの使いたい方法で使えるという自信の現れでは無いでしょうか?

そしてその特徴を6つのKey Featuresとして紹介

/Revolutionary Modular design=革新的なModuler Design
/Extensive Visual Feedback=拡張されたビジュアル・フィードバック
/Intelligent Studio Control=インテリジェントなDAWコントロール
/Superior Ergonomics=優れたエルゴミクス・デザイン
/Networked Connectivity=Networkによる接続性
/Proven Technology=実績のあるテクノロジー

少しその内容を紹介すると

/Revolutionary Modular design=革新的なModuler Design


この部分は後で掘り下げます。まさにS6の最大の特徴ともいえるカスタマイズ可能なModuler Design。各コンポーネントが壊れたとしてもモジュール単位での交換が可能。他の部分の機能には影響を及ぼさない先進の設計。

/Extensive Visual Feedback=拡張されたビジュアル・フィードバック


座ったまま、スピーカーのスイートスポットから移動せずに作業が可能なように、徹底的にエルゴノミクスにこだわり設計がなされている。

といった具合にAVID S6のコンセプトが熱意を持ってプレゼンされました。
各モジュールの詳細はこちら>>>

Modular Designによる革新

やはり、コンセプトの中心はModular Design。コントロールサーフェスのモジュールかは一目で分かりますが、フレーム、アクセサリーといった、ユーザーのカスタマイズ可能なポイントが多いこともModular Designならでは。さらにいえば、DAWも複数の並列したコントロールが可能なことを考えるとこの部分もModular化できるということになりますね!ユーザーの発想次第で、どのようにも使える優れたデザイン、コンセプトであることを感じさせます。
S6そのものの解説は、各モジュールの機能を掘り下げる形で進行されました。まずはFader Moduleから順次解説が行われました。
各モジュールの詳細に関してはこちらをご参照いただくとして、Boot Camp会場で出たQ&Aをご紹介します。やはり注目度の高いDisplay Moduleの波形表示に関してX-Fadeしている場合は?との質問に問題なく表示されるとの回答。Master Touch Moduleに関してはコンソールの設定、全Trackのオーバービュー、サラウンドパンの(マルチ)タッチ操作、動画を見る限りでは反応もよく最近のタブレットデバイスなどと同等の使い勝手が得られるのではないでしょうか?この部分は、動作の高速性を確保する為に贅沢にもIntel Core i5を採用しているとのこと。その部分を下記のMOVIEでまずはご確認下さい。

 

途中から、プレゼンテーターとして名前の挙がっていなかった副社長のTim氏も登壇。AVIDの力の入れようが伺えます。

How About Monitor Section?


そして、コントローラーで常に問題となるモニターセクションに関しての説明。こちらは、ICONシリーズで定評のあるXMONを引き続き採用。XMON EuCon Control AppをSystem 5 MCと同様に利用してのリモートコントロールを行うとのこと。Master Touch Moduleにあるモニターセクションはコンパクトながら必要なボタンがハードウェアとして用意されています。細かい設定等をApplicationとしてTouch Monitor側に任せることでコンパクトに多機能をまとめあげられている印象。Hardkeyを最低限に、Softkeyを多用するというスペースファクターに対する徹底的なこだわりを感じさせます。

Simple Connect!たった2本のケーブルで接続完了!


モジュールに対する接続は、電源とEthernet Cableのみ。Power Supplyはモジュール1列に対して1個必要。Ethernet Switchは希望に応じてということになります。Power Supply,Ethernet Switchともにフレーム内部におさめることが可能ですので、ワイヤリングもシンプルに、コンソール周りをすっきりと仕上げることが可能となります。全てをフレーム内におさめてしまえば、1本の電源ケーブルと、1本のEthernet Cableのみの接続とたった2本のケーブルとなります。
フレームサイズも2〜9フレームまでとかなりのカスタマイズ幅を持ちます。5フレーム以上の物であればスタイリッシュなペデスタルの準備も有るということ。

自信の現れ!?ICONシリーズとの徹底比較


こだわりのエルゴノミクスデザインに関しては自社のD-Control,D-Commandとの比較によって説明されました。まず、幅に関しては24Fader状態のS6がD-Cammndの24faderよりも少しですが、幅が狭いということ、D-Cantrolと比較するとMaster Moduleが小さくなっているので16FaderのD-Controlよりもだいぶ小さくなっていることが画像からも見ていただけるのではないかと思います。次に奥行きですが、5-Knob状態のS6はD-Commandより少しだけ奥行きが有りますが、D-Commandが2-Knobだったことを考えると非常にコンパクトにまとめられていることが分かります。D-Controlですと、最上部2段のknobには立ち上がらないとアクセスできなかったのですが、9-Knobの最上段でも立ち上がれずに触れる範囲で収まっていることが分かります。また、広視野角のOLEDを採用しているので、パラメータの真上から覗き込まずとも確認が可能なので、実運用上も使い心地という面でずいぶんと前進していることが期待できます。


ハードウェアの比較もICONとの比較。こうやって、自社の製品との比較を行うところからも高い自信の製品有ることが感じられます。ここでの注目はS6 M40の8-EuCon DAW’sという部分では無いでしょうか?System 5でさえも5-DAWのコントロールであったことを考えるとその実力が分かります。また表示(ヴィジュアル・フィードバック)においても世代交代が行われていることがこの評価らも感じ取ることが出来ます。まさにEuphonixとAVIDの進化融合プロダクトであるといえるでしょう。

明日はAVID S6のPress Iventが予定されています。またIBC会場からのレポートや現地スタッフへの質問で製品のIn Deepにさらに迫ります! ご期待ください!!

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