NAB 2014ではAVID Everywhereを全面に押し出した、ワークフローの革命に取り組む姿勢を表明したAVID。
Technical Previwでの動作ではありますが、実際にCloud環境を通じてのコラボレーションを実現し、ユーザーへ未来のワークフローの提案を行っています。
AVID Cloud を発表!
クライアントアプリケーションとして業界の中心にいるPro ToolsとMedia Composerという2つの軸を持ち、サーバーそしてMAM、PAMのソリューションまでもを揃えるAVIDの次のステップは、クローズドな環境から脱局し、遠隔地同士の作業をつなげるCloudという提案です。
NAB 2014では様々なメーカーがオープンな環境で利用できるCloudソリューションの提案を行ってくると予想されますが、クライアントレベルでその技術を実装しようというAVIDの姿勢は先進性に満ちていると感じます。
会場内ではデモも実際に動いており、その場でクラウド経由でのやりとりを実現してのデモ。α版かときいたらプレビューのみのTechnical Previwとのこと。いち早く実装される日が待ち遠しいこの機能、Technical Previwとは言え動作を実現していたので、近い将来にこの機能が実装された製品が登場するのではないでしょうか。
はっきりとした時期は教えてもらえませんでしたが、今後のスケジュールそしてどのような形態でサービスが提供されるのか?オプションライセンスなのか、サービスの利用に月額課金等があるのか?興味は尽きません。是非ともNAB 2014の期間中にこの辺りの情報を引き出してお伝えできればと考えておりますのでお楽しみに!!
AVID Connect レポート
興奮のCloudサービスのことの書き連ねてしまいましたが、気をとり直して本日のAVID Connectの全貌をレポートしたいと思います。
2014年4月、AVIDが満を持して提唱するクラウドシステム、その名もAVID Cloud。システム概要はというと、まさにどこでもいつでも誰とでもAVIDで繋がるという、まさにAVID Everywhereの真髄がここにありました。
会場には報道関係者を含めて1000人以上の聴衆が集まり、早くもNAB前夜祭という雰囲気で会場は熱気にあふれていました。特典付きで早期申し込みでも350ドルという、決して安くはないセミナーですが、これだけの人数を動員出来るブランド力は凄まじいですね。
さて、気になるAVID Cloud。その内容を紐解いていきましょう。それぞれソフトウェアによって名称が分かれており、Pro ToolsではPro Tools Cloudという機能になります。
内蔵されているコミュニティという機能を使用すると、グループを組む事が出来、クラウド上にある同時にセッションを開く事が出来ます。クラウド上ですので、同じ情報を同じグループとして指定したメンバーで情報を共有出来る訳ですね。
セッションが複数の場所、スタジオおよび国境を超えて共有する事ができるので、多忙な時間を縫ってスタジオに集まる事もなく、音楽制作に集中出来る訳です。当然、セッションのデータはクラウド上ということですので、東京にいる自分と、大阪に居るボーカルとが同じセッションを同時に開いてボーカルレコーディングをしたり、そのセッションを福岡にいるギタリストが別の日にレコーディングをしておく、ということも可能です。
複数人数にセッションに参加するためのメールが送られて、そのメールからセッションへの参加が出来るという仕組み。
また、ProToolsのディレクトリを介して他に参加出来るミュージシャン、コンポーザー、ミキサーなどを探す事が出来ますので、今まで以上に新たな可能性がAvid Cloudの中に広がっている訳です!
セッションに変更が出た場合も、グループに参加しているメンバーへは変更の通知がメールとして送られてくるそうです。例えば、ギタリストがPro Tools Cloudでレコーディングすると、その旨がメールでメンバーへ通知されます。
このように、ミュージシャンへの録り直しなどが発生した場合でもすぐに確認が出来ます。変更は履歴として確認も出来るということですし、自分のクラウド内のライブラリに関してメタデータがタグ付けられますので、オーディオデータを簡単に検索出来るようです。これらの機能はリミックスを作るときにもおおいに活用できそうですね。
セッションの共有というと、気になるのはインサートしているプラグインですね。セッション上でその環境にないプラグインは通常、非アクティブになってしまい、iLokを差してProToolsを起動し直さないと使用できませんでしたが、デモではMarket Placeからプラグインを購入すると、セッションにずばっとインサート!!ProToolsはおろか、セッションを閉じる事もなくインサートです。一連の作業の簡潔さに会場では拍手喝采!!
ProTools Cloud上にあるセッションはストリーミングが可能。iOSからでも可能ということですので、iPhoneからいつでも視聴が可能ということですね。
詳しくは説明していませんでしたが、編集中のセッションの2ch Mixをバウンスすることなく視聴できるのではないでしょうか?そうなったら、ますます作業時間が短縮されますね!
バウンスやアップロードに時間をとられることがなくなるなんて、夢のような話です。しかも、完成した楽曲はMarket Placeで販売可能ということですので、世界を相手に自分の楽曲を販売出来るという訳です。
実際のデモンストレーションでは、S6などのデモンストレーションでおなじみのGil Gowing氏がギターの実演です!!
Gil氏からセッションの説明があり、思わず吹き出しそうになりましたが使用されていたソフトシンセがSTYLUSやOmnisphere、BFDだったので思わずパシャリ。
写真左がTom Graham氏。右がGil Gowing氏です。実際に会場で動作していたのは、まだαにもなっていないテクニカルバージョンでしたが、実際にProTools Cloudを通じてのコラボレーションを実現しました。…といっても、このデモ、実は二人はステージ上隣同士でわざわざCloudしていました!!
ギターを弾きながらのこのチャットのやりとりとが、若いころののバンドのやりとりみたいで自分と重なる所があり、なんとも微笑ましい感じでした。帰国したら、とりあえずギターを弾こうと思った瞬間でもありました。
Avid Cloudということで、同様の内容がMediaComposerでも可能になるとの事!!その名もMediaComposer Cloud。
Interplay Sphereユーザーならどういう事をしているかがピンとくるかもしれませんが、AVID Cloudのカバーしている内容はおおむね一緒と考えて良いようです。MediaComposer Cloudに関しては、InterPlay Sphereからの名称変更とのことでした。
つづいてのプレゼンでは何が出てくるのか?と思い、ワクワクしながら待っていると、なにやらプレゼンテーターが交代です。そして、出ました!!Dolby Atmosの文字!!
新情報です!!なんとProToolsのプラグインとして以前からささやかれておりました、DOLBY ATMOS対応のパンナーの登場!
パンニングはもちろんのこと、モニターアプリケーション、メータリング、マスタリングへのプリント、フォーマット変換が出来るソフトとの事!!関係者の皆様が待ち望んでいたソフトがいよいよ登場となります!!
実際のメソッドも紹介されていました。実際にプレゼンを聞いて改めて驚きましたが、少ないチャンネルから作業をするんですね。どうやら「何を動かすか」をミックス中に決めて、フォーマットを広げていくそうです。
そして、S5コンソールにも新展開の情報を入手!!なんと、バージョン6リリース情報をゲット!そしてこのバージョンで、DOLBY ATMOSに対応します!
現在のSysten5では、用途によって分けていた複数台のProToolsをSystem5にインプットし、System5内でいくつものバスを分けるルーティングをして、それらをATMOS用のProToolsへインプットし、そのあとDOLBY RMUへと出力・・・と、ざっくり説明してもこれだけ複雑なシステムでした。
それが、System5 バージョン6になると、右の写真の様にかなり簡潔になります。
チャンネルフォーマットが9.1chに広がりましたので、当然ミックスバス、パンナー、メータリング、ダウンミックスも対応です。リリース時期などは公開しておりませんでしたが、リリースが待ち遠しい機能ですね!!
日本でも南船橋、幕張新都心、日本橋と3つの映画館がDOLBY ATMOSに対応し、いよいよ日本でも体験できる場所が増えてきました。アメリカでの実際の作業環境はかなり複雑なものですが、System5に搭載されるということですので、日本製のDOLBY ATMOS の映画が出てくるのが楽しみでなりません。
Beyond Everywhere Gala Party
最後に行われたNile Rodgersのライブでは、時差ボケと英語酔いの疲れが吹き飛ぶようなパワフルな演奏で、堪能させてもらいました!マドンナをはじめとする、名曲の数々に会場も私も大盛り上がりです!!
とても還暦を超えているとは思えない、とてもパワフルなライブでした。
そして、なんと!会場をあとにするNile Rodgers氏とバッタリ遭遇!!感動のあまり、握手してもらっちゃいました!!
まだまだ明日もAVID Connectは続きます!!明日はどんな情報が登場するのでしょうか?会場からの新鮮な情報を明日もレポートさせてもらいますので、皆さん、お楽しみに!!
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