2009.01.16

ableton&Cyclling’74

テーマは「Touch」「Share」「Extend」。 abletonから待望のLIVE8が発表!! 多くの新機能に加え専用ハードウェアコントローラーAPC40も登場!!

Ableton2

「AM11:00からabletonとcyclling’74が何か共同発表するらしい」NAMM前日はもうその噂で持ち切り。OPENとほぼ同時にSTEINBERG同様会場は取材カメラの山に。そして現れた若きCEO「Gerhard Behles」氏の挨拶とともに発表されたVer.8はabletonならではの新たな進化を遂げていました!!

Ableton1

開発における3テーマの全貌にふれる前に、Plug-Inやオーディオエンジンのさらなる向上を発表。ver.5以降年々一聴してわかるほど音質の向上するLIVEシリーズはDAWとしての基礎体力をさらに向上させています。そしてユーザーに取って大きい新機能としてWindowの尺を変更することがVer.8より可能となりました。小さいディスプレイにおいても表示領域内でセッションビューなどの拡大縮小が可能になるのはラップトップパフォーマーにとって有り難い限りでしょう。また「Track Groovy」機能によりオーディオ/MIDI問わずセッションビュー上のセルのグルーブ同期を行うことも可能となりました。7後期から一部バンドル製品に搭載されていたクロスフェードも正式搭載。でもまだまだこれだけじゃありません。Multiband CompやLimitterといったMixプラグイン、Frequency shifterにOverdrive Phaseといった複合系のFilterプラグイン、さらにはVocoderやsuite搭載のパーカッション音源など7に比べさらに外堀を固めてきた印象です。またLoop素材の作成が簡単に行える「LOOPER」機能を新規搭載。こちらはFoot SwitchでギターLoopを作成する様子をムービーでご覧ください。冒頭にCEO「Gerhard Behles」氏の挨拶、プラグインや新機能の解説もありますので合わせてどうぞ。

 

このようなLoop作成自体は従来のLIVEでも可能でしたがOverDubが可能などよりユーザーフレンドリーになった印象。先述したTrackGroovyと組み合わせればより素早いセッションの作成が可能になることでしょう。しかし、なんだか機能面の追加が多くで煩雑になった印象も事実。首を傾げだした所に冒頭の3テーマが再登場。LIVE 8の本当の進化はここからだったのです。

 

●一つ目のテーマは「Touch」。AKAIとの共同開発による完全LIVE専用のコントローラー「APC40」(Aはabletonの略)が登場!!

AKAI_pro_APC40

 

三色対応のカラフルな上段40PADはセッションビューでのセル40個に相当し、下部の横列PADでトラックセレクト、右縦列でシーンセレクトと完全にLIVEでのパフォーマンスを掌握可能です。40個対応のセルフレームは十時キーで自由に移動可能。右端に目を移せば上段下段に各8つのノブ。上段はトラックパラメーターに、下はLIVEデバイスのパラメーターをオートアサイン。ページ切り替えボタンも付いてますから、LIVE機能のコントロールにおいてはほぼパーフェクトな仕様といって良いでしょう。今回の目玉と言えるAPC40の販売価格は$399を予定。APC40のみを使用したデモンストレーションムービーを是非ご覧ください!!

 

●第二のテーマは「SHARE」。世界中のLIVEユーザーを繋ぐLIVE SHARE SET機能により登録ユーザー感でのダウンロードによるセッションのシェアリングを行うことが可能となりました。eSessionなどとは異なりabletonへの登録ユーザーに与えられる専用スペースにおいてユーザー指定のグループ感でコラボレーションしながらセッションを積めていく機能のようです。DAWとして搭載するのはチャレンジングな機能と言えるでしょう。

●そして第三のテーマが「EXTEND」遂に登場!! Cyclling’74との共同開発により誕生したLIVE専用プラグイン「MAX for LIVE」がお披露目!! こちらもまずはムービーをご覧ください!!

 

MAX自体は玄人向けのプラグインではありますが、自分の望むツールや音源をLIVEデバイスとして自由にデザインできるのは大きな魅力でしょう。APC同様完全LIVE専用ならではの安定した動作も魅力です。初心者向けのStep By Stepも付いており、シンセサイザーだけでなくStep MIDIシーケンサーなども作成可能です。APC40とMAXを組み合わせればLIVEを支配するかのような独自のパフォーマンスを生み出すことも容易に可能と言えるでしょう。MAX for LIVEはオプションプラグインですがまだ販売価格は未定。年内の発売予定とのことです。

 

さて、今回のVer.8はLIVEシリーズの中でも華々しいバーションアップではありましたが、側面では古くからのLIVEユーザー達がシンプルで負荷の軽いLIVE本来の魅力が薄れてきていると感じてしまっているのも事実。しかし開発力に満ちあふれたableton&Cyclling’74スタッフならこの問題も解決してくれるのではないでしょうか。今後の展開にさらなる期待をしたいところです。

Ableton3

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Winter NAMM Showは、数ある音楽機材のイベントの中でも、世界中のデベロッパーから新製品、新技術が発表される世界最大規模の祭典です。現地のレポート・スタッフ他、このサイトをご覧いただいている皆さんが楽しめるようなコメントをお待ちしております! (スタッフへの励ましのお言葉もお待ちしています!)

2009.2.2、コメントの受け付けは終了致しました。感想、ご意見をお寄せ下さった皆様、ありがとうございました!

  1. Shareという機能は斬新でしたね。こういう機能が他のソフトでもできるといいですね。MAXとのコラボも期待したいです。

    Comment by Fine — 2009 年 1 月 16 日 @ 8:56 PM

  2. Cyclling’74との共同開発品やっときたか!っという感じっすね。正直全部欲しいくらいですが、AKAIのコンとローラーは微妙かな?っと思いました。既存のMIDIコンで対応今までしていたわけだし、購入してもLiveでしか意味なしそうにないし。グループ機能、オートクロスフェーダーの機能は待ってました!的な感じで楽しみです。

    Comment by にゃお — 2009 年 1 月 16 日 @ 9:58 PM

  3. 「MAX for LIVE」と「APC40」でLiveをコントロールがいいですね。monomeっぽくも使える(?)…Cyclling’74さんにForumとか立ち上がってくれたら、これまた最高なんでしょうね!色々なパッチが出て来るのを凄く期待してしまいます。発売が楽しみです。

    Comment by nero — 2009 年 1 月 16 日 @ 10:31 PM

  4. 現場の雰囲気を動画付きでみれたことにまず感動です!
    貴重なレポートありがとうございます。APCとLive8は、新しいライブパフォーマンスを追求するアーティストにはジャンルを超えてドンピシャだと思います!
    初心者にも簡単に入っていけそうですし。

    でもさらにLiveの深いところを追及したい人にはMAX for LIVEはかなり有効なアプローチだとも思います。

    一音楽ファンとして、Live8はすごく楽しみになって来ました。。。新しい音楽の楽しみ方/ワークフローを提案するという意味では、他メーカーと比べても見据えている場所が、群を抜いて突出してると思います。

    Comment by TKR — 2009 年 1 月 17 日 @ 1:03 AM

  5. LiveとMAXどちらもメインで使用しているのでMAX for LIVEは今すぐ欲しいツールです。MAXでは映像をコントロールしているので、MAX for LIVEにJitterが含まれていて嬉しい限り。今まではRewireで同期させていましたが2つのソフトを立ち上げて使うのは、やはり煩雑です。今まで以上に簡単にLiveから映像をコントールできそうです。
    またLiveのオブジェクトをMAXからコントロールできるのはMAX for LIVEならでは!
    Cycling社のHPでベータテスターを募集していたので応募しました。

    Comment by feriado — 2009 年 1 月 17 日 @ 11:59 AM

  6. とてもわかりやすく客観的にかつ、主観も入れたレポートなので好感を持って読ませて頂きました。APC40に対する個人的な感想というかMidiコントローラーに対するabletonの姿勢への感想なんですが、

    なぜGehard Behlesは一緒に音楽を制作してきたRobert Henkeのmonodeckや、clubでliveを使い、世界的に活躍しているDJ Sashaのコントローラーなど知っているはずなのになぜ参考にしないのか?

    世の中携帯でも何でも「Touch」ですが、本当にそれでいいのか?
    個人的には疑問に感じました。

    Comment by 30 — 2009 年 1 月 17 日 @ 9:32 PM

  7. Ableton Live 8 には期待大なので、その雰囲気が伝わるレポートは非常に興味深く、楽しく読めました。

    個人的には7で満足な部分が多かったので、レポートでも述べられている「シンプル&軽さ」が失われて行く様な最近の進化のし方には少し不安ですね。

    APC40なら正直リアクションの早いタッチパネル・ディスプレイを使った方が良いのかなぁ、っと。

    Comment by doggie — 2009 年 1 月 21 日 @ 4:41 PM

  8. 今回も正常進化してさらに洗練されてきていますね。愛用しているDAWなのでうれしいです。若きCEOもかっこいい!
    レポートありがとうございました。

    Comment by warp — 2009 年 1 月 24 日 @ 3:49 PM