NAMM 2013 Rock oN Show Report

ANALOG HEAVEN

NAMM会場の地下展示場に鳴り響く奇妙なノイズと電子音！ガレージシンセショップANALOG HEAVENブース！

毎年NAMMの地下会場に設置されるカリフォルニア・サンタモニカのシンセサイザーショップ「ANALOG HEAVEN」のブース。メイン会場で展開されているメジャーなシンセサイザーとは毛色が違い、こちらはANALOG HEAVENで取り扱っている、インディーズメーカー製品が並びます。

SCHMIDT

SCHMIDT EIGHTVOICE

まずはStefan Schmidt氏が作っているSCHMIDTシンセサイザー。まずはそのパネルの大きさと、ツマミの多さに圧巻。Moogタイプフィルター×2、Low Resonanceフィルター×2、合計4つのフィルターを搭載したモンスター級フルアナログのシンセサイザー！しかもハンドメイド！

プリセットをエディットして音を出してみましたが、かなり太い音が出ます。搭載されているフィルターのスペックからも分かりますが、Moogシンセにインスパイアされたのでしょう。もちろんコピーものではないのでこれにしか出せない、豊かな分厚いサウンドを感じます。じっくり触ることができなかったのが残念…。

こういったシンセにお目にかかれるのはNAMMならではの醍醐味ですね。受注生産なので今すぐに買うことはできないものですが、注文から6~7か月で納品されるとのこと。価格は仕様によって$14,476 〜 $36,190と幅広く設定されるようです。ちょっと…手が届きにくくもありますが、ルシアー入魂のハンドメイドシンセなだけあって一生ものであることは間違いなしでしょう！

KOMA Elektronik

BD-101、FT-201

スタイリッシュな筐体のKOMA Electronikのエフェクター2タイプをご紹介。

Analog Gate/Delayの『BD-101』はアナログゲートとアナログディレイの複合型エフェクター。手をかざして使える光センサーを搭載し、そのセンサーから出力される信号はモジュラーパッチアウトから出力可能。BD-101本体の各パッチインに繋いでパッチングエフェクターとして使うもよし、他のモジュラー式シンセにつないでもよし、と拡張性も高いのが特徴。価格は276.47ユーロ。

『FT-201』はアナログフィルターと10ステップシーケンサーを組み合せたエフェクター。こちらもBD-101と同様、パッチング可能な光センサーを搭載。RolandのD-BEAMのように手をかざしながらフィルタリングプレイが行えます（ちなみにD-BEAMは赤外線センサーです）。こちらは293.28ユーロ。

2つの異なる機能がパッチングによって足し算ではなくかけ算になる。そんな発想を感じるKOMAのエフェクト群です。

http://www.koma-elektronik.com/

Delptronics

LDB-1

“Little Drummer Boy”と銘打っているだけあり小さく、軽量。

LDB-1が演奏できるドラムサウンドは8種類。キックやスネアなどの皮モノにハイハットやシンバルなどの金モノが一通り揃っていて、ちゃんとしたドラムトラックが制作できるようになっています。

サウンドはTR-606やTR-808にインスパイアされたサウンド、いわゆるあの音だ！LBD-1の心臓部は正真正銘本物のアナログ回路であり、サンプリングやモデリングではありません。アナログ機器につきものの時間経過と共に出音が不安定になりがちな弱点も、安定化のために組み込まれたデジタル回路で制御することで見事に克服したということです。

ミキサーがついていないので細かい音量調整はできないのですが、価格は$240と驚くほど安い。外見はいかにもガレージメーカーっぽいデザインですが、そこもカワイイです。

LDB-1本体のボタンを叩く事でリアルタイム演奏が可能なのは当然の事、小さいながらも本家TRシリーズのようにステップシーケンサも搭載していて、本体内の32個の基本プリセットパターンから好きな物を選び、BPMつまみでBPMを指定してやるだけで、手間暇をかけずに即座に自動演奏を楽しめます。リズムパターンは自作して32個まで本体内に保存する事も可能。また、それらのパターンを組み合わせたソングデータ形式で16個まで本体内に保存することができるので、1曲まるごと演奏することも可能です。

MIDI端子（入力のみ）やDIN Sync端子も備えているので外部シーケンサーのスレーブ機器として同期演奏させたり、逆にLBD-1からオーディオトリガー信号を出力することでマスター機器として他の楽器を同期させることも可能です。そして、実はLDB-1の駆動用電源には9V型電池も使えるので、スピーカーさえあればモバイルして外で演奏することだって出来ます。

LBD-1は自作ユーザー向けにキット販売も行われています。シンセルシアーが集うANALOG HEAVENブースに相応しい製品ですね。

http://delptronics.com/

Tiptop Audio

ユーロラックモジュールシンセの面白さを追求しているTiptop Audio。NAMM 2010ショーレポートではDSP搭載モジュールも登場してカルトな話題となりました。さて今年の新製品はどんなものが出てくるのか！？ピックアップしてご紹介！

Circadian Rhythm

まずは、8×8のボタンを駆使することでなんと最大512ステップ（！）のシーケンサーになる『Circadian Rhythm』。まだ価格は決まっていないとのこですが、$300〜$400ぐらいが予想されています。これはなんとも強力！

HATS909（左）、BD909（右）

音源ユニットとしては去年、808のキックモジュールが展示されていましたが、今年は新しく909のキックモジュール『BD909』とハイハットのモジュール『HATS909』がユニットに組み込まれていました。どちらもまさにあの音がしっかり再現されている。価格は『BD909』が$190、『HATS909』が$175と非常に低価格。

http://www.tiptopaudio.com/