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2014年に製造中止がアナウンスされたManley Dual-Mono Tube Micpre。現在ManleyではマイクプリアンプとしてManley Coreを皮切りにForceといった新世代回路を採用した製品をリリースしています。
しかし、太く艶のある「Manley Sound」を求めてわざわざ旧世代であるDual-Mono Micpreを求めているカスタマーも多く、販売終息を惜しむ声が聞かれました・・・
そこでRock oNでは最終蔵出し在庫を5台確保いたしました!
4月上旬入荷予定、定価より67,800円オフのまたとないチャンスです!
このDual-Mono Tube Micpreはその名の通り増幅回路に真空管を採用した2チャンネルマイクプリアンプです。よく真空管アンプの特性として「太くて艶のあるサウンド」と形容されることが多いですが、特にManleyはその音の太さが他のマイクプリとは一線を画すという評価がなされています。
Manley社の新世代マイクプリアンプ回路とは決定的に異なる点として電源回路の違いが挙げられます。新世代回路ではスイッチング電源となっており、モダンな構成となっていますがMono Micpre世代ではトランスを用いたブリッジングダイオード方式を採用しています。もちろん増幅回路自体の違いも大きな要因とはなっていますが、その極太サウンドを出力するためのパワーの源とも言える電源が桁違いに高コストなものを採用したManleyこだわりの逸品となっているのは間違いありません。
Manley Labsの歴史は、それほど古くはありません。
Hi-Fiオーディオ機器の製作/販売を行っていたManley Labsは、プロ・オーディオの販売にも乗り出しますが、その船出は順調なものではありませんでした。
しかし、当時プリ・マスタリングの行程が脚光を浴びていた時期でもあり(CD制作の最終段階として、注目を浴びてきていました)その特殊な用途に応 じたマスタリング・コンソールを、オーダーによって製作し始めたところから、その名声は高まって行ったのです。そして、多くのマスタリング・エンジニアの 賞讃と共に迎えられたそのサウンドは、真空管のポテンシャルを最大限引き出し、クリアでいながらチューブ機器独特のウォームで倍音豊かな、Manleyマ ジックとも言うべきものをもたらせたのです。
パーツはもとより、組み立て迄を外注に委ねるメーカーが多くなった現在、設計はもちろんのこと、真空管の選別から始まり、カスタム手巻きトランスの 製造、組み立て、最終的なクオリティ・コントロールにいたる迄を、California州CHINOにある自社工場にてフル・ハンドメイド生産する Manley Labsの技術力の評判は定着。今では、クオリティの高いサウンドメイクを行うのに欠かせないアウトボードとして、世界中のレコーディング/マスタリン グ・スタジオで導入されているのです。
George Massenbergの設計するGML製品の生産を、Manley Labsにて行っている事からも、その技術力の確かさが伺われるのではないでしょうか。
Manley製品は決して安価ではありません。しかしその内容と造りの良さ、サウンドを考慮すれば決して高価なものではないのです。
その珠玉のManley製品の中で一番コストパフォーマンスの良さを実感出来るのが、シンプルな2ch真空管マイクプリのAll Tube Dual Mono Microphone Preamplifireではないでしょうか。
周波数特性等の面でノイズフロアの下がった現代のデジタル・レコーディング環境に合致させるため、トランスレスの回路を採用するメーカーが多くなった今、自社でトランスの製造まで行うManleyはそのフィロソフィーを頑に守り抜いている数少ないメーカーだと言えます。
世界中に出荷されるManley製品ですが、各国の電圧に合わせたセッティングを行って最適化されているのも特徴でしょう。日本仕様と言っても、アメリカの117Vで出荷される製品が多い中で、使われる現場で最高のサウンドを実現してほしいという「願い」さえ感じられます。
シンプルなDual Mono Mic Preですが、簡単に操作系を見てみましょう。
真ん中に位置するGEINスイッチを挟み、左にChannel A、右にChannel Bと左右対称に並んでいるツマミは、驚くほどシンプルになっています。
48V Phantom電源のON/OFFスイッチ。
入力ゲイン調整のINPUT ATTENUATE。
ダイレクト・インプットを可能にするPhone入力。
そして、Phase Reversとなっています。
バックパネルには、各チャンネルのアウトプットとしてトランスを経由するバランスXLRアウトと、ハイキャパシティ・コンデンサーを経由するアンバランス1/4フォーン・アウトを備え、サウンドの好みに応じた選択が可能になっています。
ここで、特徴的なのが入力ゲインというよりは、その名の通り、アッテネーターの様な働きをするINPUTではないでしょうか?
通常のマイクプリだといかに微小なマイク信号をピュアに増幅するかという事に注力が払われていますが、Dual Mono Mic Preを操作していると、少し考え方が違う事に気がつきます。入力によってバリアブルに変化するアッテネーターにより、適切なレベルを得る事が出来るだけでなく、そのあとに続くGainセクションによって、様々なキャラクターを持たせる事も出来るように設計されているのです。
40〜60dB迄のゲインを稼ぐ事の出来るGainスイッチは、5dB毎の切換えが可能なようになっていますが、出力信号から取り出した微量の信号を入力段にフィードバックさせる方法=ネガティヴ・フィードバックを、まさに調整するのがGainスイッチになるのです。
こうすることでアンプのリニア特性とディストーション・パフォーマンスが飛躍的に向上するのですが、各チャンネルに搭載された、12AX7EHと6414真空管の組合せで、全ての問題を解決し、ソースに応じたスルーレートを得る事が出来るようになっています。
マイクインプットはもちろん、インストゥルメントやラインレベルの入力にいたる迄、ソースを選ばないDual Mono Mic Preampですが、このインプット・アッテネーターとGainの組合せが、最適なサウンドを得る事が出来る秘密と言えるでしょう。
まずは、ゲインの低いウィスパー・ヴォイスでのレコーディングを行ってみましょう。
もちろん、インプットも高めの設定となりますが、Gainを55もしくは60dBに切り替えると、充分なゲインが得られる事に驚きを感じられます。
最近のリボンマイクは、高めの出力を持っていますが、ヴィンテージのリボンマイクや、Rosewelite等の低いゲインを持つマイクとの組合せにも、圧倒的なアドバンテージを得る事が出来そうです。
最近のコンデンサー・マイクを通常の状態で使ってみるた場合はどうでしょうか?
インプットは通常程度に固定してGainスイッチを40〜60dBの間で変化させてみましょう。
40/45dBで使用した場合、いかにもチューブサウンドというような、倍音の豊かな、滑らかなサウンドが得られます。
これと同じソースを50dBで使用すると、真空管独特の低中域のふくよかさが少し薄れますが、ソリッドでいながらストレートなサウンドに変化して行きます。
さらに55〜60dBでの使用になると、サチュレートするような感覚のアグレッシヴなサウンドも楽しめました。
一般的にチューブ機器のサウンドは、中低域のふくよかさと倍音の豊かさ、高域の滑らかさがイメージされるでしょうが、そんな真空管特有の、芯の太い濃厚なサウンドを実現していながら、圧倒的なクリアさを同時に実現しているDual Mono Mic Preampは、現代最高峰のマイクプリアンプの一つである事は、疑いの余地のないところと言えるでしょう。
圧倒的なクオリティを持ち、クリアで原音に忠実でいながら、Manley独自のカラーを持つDual Mono Mic Preampは、Manleyの魅力を最も手軽に手に入れる事の出来る、最初の一歩なのではないでしょうか。
[eStoreClipper1A mdin=’1291′ normalprice=’AUTO’ img=’LINK’]GET[/eStoreClipper1A]記事内に掲載されている価格は 2016年3月20日 時点での価格となります。
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