AES 2015で衝撃の発表となったBCM10の奇跡とも言える復刻。その製品が、遂に国内発上陸!!キングレコード関口台スタジオで内覧会が行われましたのでその様子をレポート致します!!
キングスタジオは国内有数のNEVEユーザー。4つある全てのスタジオにAMS NEVEのラージコンソールを備えます。そんな中、サイドカーの愛称で世界中のビンテージマニア延髄のBCM10の復刻モデルの内覧会がとり行われました。国内のNEVEユーザーを中心に30名ほどが集まり、熱心にプロダクトの詳細を確認していました。
プロダクトの詳細を改めておさらいしておきたいと思います。10chの1073モジュールによるチャンネルストリップ、4系統のAUXリターンには1272モジュール、マスターインサートに500シリーズ互換スロットのステレオミキサー。もちろんダイレクトアウトもあるのでレコーディングコンソールとしての活用も。サイズは、10ch,16ch,24ch,32chとバリエーションを持ちます。完全フルアナログのこの製品、ノスタルジーだけではなく、デジタルの進化が一段落した今だからこそ、見直されるべきプロダクトといえるのではないでしょうか。
注目の1073モジュールを備えたInput部はビンテージモジュールとの互換性も確保され、出荷時に1073N,1073,1081からモジュールをセレクトできるようになっています。
アナログ回路は、全てClass Aで構成されているため、4Uの巨大な電源モジュールが用意されています。以前は、このようなトランスを使用した大型の外部電源は当たり前でしたが、スイッチング電源全盛の今ではほとんど見なくなっていました。ここも、強いアナログへのこだわりを感じる部分。容量は100V-7.0Aとなかなかのもの。
アナログらしいと感じるのがまずはここ。FUSEパネルです。コンポーネントごとにFUSEが設けられ、独立した電源設計がなされていることが伺えます。このサイズのコンソールとしては、異例とも言えるしっかりとした作りになっています。
このコネクターが実装されていない部分は、今後登場予定のDigitalオプションが実装される想定ということ。詳細はまだ固まっていないということですが、AES,MADIといったDigital端子とFireWire(Audio Interfaceとして動作する?)などがプリントから伺えます。Mix Busは2本用意されているので、どのような仕様で登場するのか、こちらも楽しみな部分ですね。
そして、LTC INとEhternet端子。ここまでフルアナログの製品として考えると、なんともな端子ですが、LTCは今後Mix Automationを検討していることを感じさせ、Ethernetは何に書くようされるのかAoIPなど様々な憶測を呼ぶ部分。代理店も詳細を聞かされていないということなので、今後の発展が楽しみな部分。シリアルも入っていない個体なので、プロトタイプということも十分に考えられますが、ユーザーからの要望に応える準備が着実に進んでいることが感じられます。
伝説とも言える1073モジュールを採用していたコンパクトコンソールの忠実な復刻と、現代の制作環境に合わせた数多くのリファイン。サウンドを聞くことも出来ましたが、それはまさにNEVE。アナログニュアンス濃く、音楽的に一つ一つのサウンドが混ざり合う。スタジオのスタッフの方も普段使用しているVシリーズのコンソールと比べても、そのニュアンスが濃いとのコメントをされていたのが、印象的。圧倒的なアナログ感を持つモンスタープロダクト。NEVEファンはすでに大注目と思いますが、改めてアナログコンソールを評価する非常に良い機会となることでしょう。NEVEの本気のプロダクトであることを改めてお伝えしたいと思います。
Writer. Y.Maeda
記事内に掲載されている価格は 2016年9月16日 時点での価格となります。
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