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Nov.2017
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AMBEO VR MIC 奮闘記 -前編- 〜自然録音家がVR録音を初体験!

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NEUMANN KU-100によるバイノーラルレコーディングで長年自然録音を手掛け、今年「Kilauea Forest 24Hours」をリリースするなど、精力的な活動を続けるジョー奥田氏。

その奥田氏が以前から興味を持っていたというAMBEO VR MICを使ったフィールドレコーディングが実現! 使用した感想やKU-100との違いなど、ハワイで実施されたレコーディング体験レポートを全2回で、お送りします。

ジョー奥田氏 プロフィール
自然録音家・音楽プロデューサー・音響空間プロデューサー

バイノーラルマイクとDSDレコーダーで、世界各地の自然音を録音。
その素材を元に音楽製作で培った編集で、ストーリー性豊かな世界をクリエイトする。

1998年から自然音楽家として活動開始。現在活動拠点を東京からハワイ州ハワイ島に移し、ボルケーノヴィレッジに移住。自宅には水道が来ていない代わりに、雨水を再利用したシステムを作っている。

失われてゆく自然環境の実態に警鐘を鳴らし、そのことに無関心になっている人の心にさらなる危機感を持つ。時代の「目撃者」として、残された美しい自然を音の記録として、七代先の世代へと伝えてゆくことをライフワークとする。

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Joe Okuda
http://www.joeokuda.com/


最新作「Kilauea Forest 24Hours」
http://www.m-i-m.com/sound/mimj0010

AMBEO VR MIC 奮闘記  reported by ジョー奥田

はじめに

ヴァーチャル・リアリティ(以下VR)の世界には、以前から強く興味を持っていた。それは僕の作品が、まるでそこにいるかのような臨場感を大切にしていて、まさに音のVRの世界だと思っていたからだ。そしてゴーグルタイプのVR端末が世の中に出始めた頃には、その興味はさらに強まり、VRオーディオについて少しつずつ調べ始めた。

そんな頃、僕のCD「Kilauea Forest 24Hours」の発売元である「MiM Sound」のスタッフの方が、SENNHEISERの方と連絡を取ってくださり、ご厚意でAmbisonics方式に対応した「AMBEO VR MIC」 を試させて頂けることになった。

今回はVRオーディオに関して全く初心者の僕が体験した「AMBEO VR MIC」 の印象、使用感、感想などを僕の愛機KU-100と比較しつつお伝えしたいと思う。

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AMBEO VR MIC との出会い

僕が自然音の収録に長年使っていたのは、NEUMANN KU-100というバイノーラルマイク。自然環境の空気感を再現するのに、これ以上適したマイクはないと思っている。しかもゴーグル型の再生機はヘッドフォンでの再生が前提だ。

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だから当初はKU-100で収録した音をそのままVRコンテンツのオーディオに使用すれば面白いだろうなと思っていた。

ところが調べるうちに、ひとつ大きな問題が浮かび上がってきた。それは音像の移動の問題だ。 ドーム型スクリーンやイベント会場などで、スピーカーで再生する場合は別として、VRゴーグルで再生する場合はヘッドフォン再生が前提となるので、体験者の頭の動きに合わせて、音像も移動する必要があるのだ。
そしてそれを可能にするのが、アンビソニックス(Ambisonics)という技術だということを知ったのだが、その当時発表されていた4chのマイクは、どれも大きくて重く、また高価だった。これを担いで山に行き、設営、撤収を繰り返すには骨が折れるサイズだった。

そんな訳で、小型で性能が良くて、取り扱いが楽なマイクは無いものかと探しているときに発表されたのが、このSENNHEISERの「AMBEO VR MIC」だった。

第一印象

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まず手に取った印象は非常に軽くて小さいこと。この小さな筐体の中に、4つのマイクカプセルが精密な角度で配置されている。このサイズなら1本のマイクと同じに扱えるので機動性は抜群だ。特に長年重いKU-100を使っている僕にとって、このサイズと軽さは素晴らしい魅力だ。

またショックマウント・アダプターが付属していることもありがたい。フィールドでの収録の場合、手持ちで移動しながら録音するケースがあるが、そういった場合のノイズ対策としては必需品なので、専用のものが付属しているのはとてもありがたい。

録音テストの準備

セッティングは簡単で、
1)マイク本体に付属のDIN12の延長ケーブルのコネクターを接続
2)その反対側にDIN12からXLRケーブル4本に別れるアダプターケーブルを接続
3)そしてこの4つのXLRを、順番通りレコーダーのマイク入力に接続
という流れだ。

ちなみに付属のDIN12の延長ケーブルは1.5mだが、僕はレコーダーをマイクからなるべく離れた場所に置きたいので、サードパーティーから出ている10mの延長ケーブルを用意した。

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今回用意したレコーダーは、Sound Devices社のMixPre-6。これにAMBEOマイクからの4本のXLRケーブルを、1〜4トラックのマイク入力に接続する。

また比較用として、いつも使っているNEUMANN KU-100を用意した。KU-100は、MixPre-6のマイクプリとキャラクターをそろえるために、同じくSound Devices社のMixPre-Dを経由して、MixPre-6のAUX IN(5,6トラック)に入力。録音フォーマットの設定は192kHz-24bitとした。

マイクの設置

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テストの場所は、ハワイ島ボルケーノの森の中を選んだ。
周りに木々が生い茂る中、少し開けた場所の真ん中にマイクを立てた。

AMBEOマイクは、専用のウィンドシールドとショックマウントが付属している。
このショックマウントにアダプターを付けて、カメラ用三脚に装着。

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音源からの距離をなるべく同じにするため、2つのマイクを同軸に近い形でセッティング。

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マイクから7、8m離れた位置に、レコーダー類を設置。

録音開始

テストの内容は、僕がマイクから3mほどの位置に立ち、話しながらマイクの周囲を360° 移動する、というシンプルな方法にした。

正面からスタートし、左回りに移動し、45°移動するごとに声を出し方向感を確認出来るようにした。 各マイク入力のレベル調整はかなり正確さが要求される。事前に各チャンネルのマイクプリのキャリブレーションの調整を済ませておく。

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録音レベルを調整し録音開始。 1回目で上手く録ることが出来たので、テスト録音を終了。

(次回後編は、収録した音を試聴します。お楽しみに!)


SENNHEISER AMBEO VR MIC
http://www.sennheiser.co.jp/sen.user.Item/id/1116.html

記事内に掲載されている価格は 2017年11月22日 時点での価格となります。

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