Mercury Audioから、1950年代から60年代に製造されたビンテージ機材をリクリエイトした9つのハイエンド製品が、国内で遂に発売開始されました!
■Mercury 66:究極のリミッティング・マシン
可変バイアススタイルの “All Tube & All Transformer Compressor”
■Mercury EQ-H1
ヴィンテージのPultec EQHをベースにしたシングルエンドのゲインメイクアンプトポロジーを持つパッシブ EQ 回路を搭載
■EQ-P1 / EQ-P2
オリジナルの Pultec EQの様に、レコーディングで失われた生命力と音楽性を取り戻すために設計されたイコライザー
■Mercury M72s Mk. IV / M72s/1 Mk. IV
Telefunken/Siemens V72sをベースにしたバルブ式スタジオマイクアンプ
■M76m Mk.IV / M76m/1 Mk.IV
Telefunken/Siemens V76mをベースにしたスタジオマイクアンプ
Mercury 66
All Tube, All Transformer Studio Limiting Amplifier
究極のリミッティング・マシン
「Mercury 66」は、可変バイアススタイルの “All Tube & All Transformer Compressor”です。
Fairchild660に非常によく似ていますが、オリジナルの真空管とトランスが不足しているため、現在ではその回路を正確に再現することはほぼ不可能です。しかしこのMercury 66は、同様の回路、真空管、カスタムトランス、設計アイデアを使用し、音の特性、性能、特徴を再現しています。
この製品は、Fairchild 660リミッティングアンプをベースにしています。現在入手可能なパーツを用いてオリジナルの仕様を満たしていますが、最も重要なのは「Mercury66がFairchildのようなサウンドを実現している。」という事実です。
主な特徴
・卓越した音色と音楽的フォーカス
・耳障りな音や歪み、ノイズは皆無
・1/5000秒でフルリミッターをかけることができる極めて速いアタックタイム
・0.3秒から25秒まで可変のリリース・タイム
・プログラム素材とコントロール設定により、リミッターまたはコンプレッサーとして有用
・信頼性と安定性(すべてのコンポーネントは定格最大値以下で動作します)
・全真空管、完全バランス(プッシュプル)トランス結合回路
・シンプルで使いやすいコントロール
サーキットデザイン
信号経路にコンデンサーを持たないトランス結合の入出力(XLR)、高い制御電圧を持つ単一のプッシュプル段の増幅器を使用しており、決して耳障りな音を出しません。リミッターとしても、ストレートスルーアンプとしても最高の性能を発揮します。コントロールアンプは、フル・トランスバランス仕様となっています。
アタックタイムは非常に速く、短いトランジェントを捕らえます。リリースタイムは0.3秒から25秒の範囲で動作します。。6つのポジションのうち3つのポジションは、リリースタイムをプログラムの関数とし、短時間のピークには素早くリカバリーし、プログラム・レベルが高いままであればリダクション・レベルを保持します。
DC Adjust Control
Mercury 66 での注目すべき点はDC Adjust Control が追加されたことです。オリジナルの Fairchild 660 では、このコントロールは DC Thresholdと呼ばれ、ユニット後部にありました。私たちはこのコントロールをフロントパネルに配置し、DCアジャストと名付け、スレッショルド機能と混同しないようにしました。
DC Adjustは、回路の一部でDC(直流)をコントロールし、コンプレッションの機能性とレベルをより深くチューニングすることができます。アンプがオーディオ信号にどのように反応するか、コンプレッションチューブがどの程度「働く」かをコントロールすることができ、信号を過激に処理することも、ソフトなタッチを加えることも可能です。M66のDCアジャストを左端(反時計回り)に回すとDCが増え、コンプレッション(またはサチュレーション)が強くなり、右端(時計回り)に回すとDCの量が減ります。
この機能の最も優れた点は、その中間のスイートスポットを見つけることができることです。私たちはこの機能をMagic Knob」と呼んでいます。このノブによって、Mercury 66はオリジナルや他のコンプレッサーやリミッターアンプとは一線を画しています。
製品仕様 | |
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Transformers | 600 ohm Input and Output |
Gain | 7 db (no limiting) |
Frequency Response | 40 Hz- 15 kHz +/- 1 db |
Noise | = -74 dB below OdBm |
THD | = < 1% |
Compression Ratio | 1:1 to 1:20 |
Attack Time | [1] 0.2 ms, [2] 0.2 ms, [3] 0.4 ms, [4] 0.8 ms, [5] 0.4 ms, [6] 0.2 ms |
Release Time | [1] 0.3 ms, [2] 0.8 ms, [3] 2 sec, [4] 5 sec, [5] auto 1, [6] auto 2 |
Tubes | (1) 6BC8, (2) 6V6, 12BH7, 12AX7, EL34, 5AR4 or GZ34, 5751 |
Rack Size | 3U |
EQ-H1
Studio Program Equalizer
Mercury 「EQ-H1」 は、ヴィンテージのPultec EQHをベースにしたシングルエンドのゲインメイクアンプトポロジーを持つパッシブ EQ 回路を搭載しています。
Mercury EQ-H1 はネガティブフィードバックと、それに伴う位相歪み及び動的歪みに依存しないため、アクティブ EQ やパラメトリック EQ では得られない音楽的に満足のいく結果を得ることができます。EQ-H1 は他の Mercury 製品と同様にトランスフォーマーバランス(XLR)入出力を備えています。
オリジナルに加えられた現代的な変更点は、より強力で安定したパワーサプライと、ACではなくDCでヒーターを動かすこと、そしてレンジを広げより柔軟にするために2つの周波数が追加されたことくらいです。
製品仕様 | |
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Low Frequency Select (CPS; Cycles per second) | 20, 30, 60, 100, 200 Hz |
Low Frequency Boost Control | Shelf Boost, 0dB to +13dB |
Low Frequency Attenuate Control | Shelf Atten. 0dB to -17dB |
High Frequency Select (KCS; kilocycles per second ) | 3, 4, 5, 8, 10, 12, 16 kHz |
High Frequency Boost Control | Shelf Boost, 0dB to +16dB |
High Frequency Attenuate Control | 10k Shelf Attenuate, 0dB to -16dB |
Tubes | 1x 12AX7, 1x 12BH7 |
EQ-P1 / EQ-P2
Tube Studio Program Equalizers
Mercury 「EQ-P1」 および 「EQ-P2」は、オリジナルの Pultec EQの様に、レコーディングで失われた生命力と音楽性を取り戻すために設計されたイコライザーです。偶然であれ天才であれ、音楽制作において真空管ゲインメイクアンプ付きのパッシブ・イコライザーほどこれを実現できるものはありません。パッシブブーストとアッテネートシェルビングEQ(ネガティブフィードバックに依存しない)、そしてトランス、真空管、その他の増幅回路の相互作用が、信じられないほど音楽的に響きます。
現役のエンジニアは、他のタイプのイコライザーも試しますが、トラッキングやミキシング、時にはマスタリングの最後の仕上げに、いつもPultecスタイルのイコライザーに戻ってくるのです。
I.S.T Switch
Mercury I.S.T.スイッチは、Inter Stage Transformerのオン・オフを行います。I.S.T.スイッチをIn位置にすると、ステージ間トランスを回路から切り離します。これによってサウンドが僅かにワイドかつ、トップエンドがオープンになります。I.S.T.スイッチをオンにしない場合(Out)、暖かく音楽的で「ビンテージ」なトーンが得られます。オリジナルPultec EQPでは、インターステージトランスが常に信号経路にありましたので、この選択肢は歓迎できます。
エンジニアの多くは、Mercury EQ-P1 や Mercury EQ-P2スタジオプログラムイコライザーに搭載されたこの機能を高く評価しており、周波数や設定を変更せずに、異なる 2 つのキャラクター変化を即座に確認することができます。
EQ-P1 (1CH)
製品仕様 | |
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Low Frequency Select (CPS; Cycles per second) | 20, 30, 60, 100, 200 Hz |
Low Frequency Boost Control | Shelf Boost, 0dB to +13dB |
Low Frequency Attenuate Control | Shelf Atten. 0dB to -17dB |
High Frequency Select (KCS; kilocycles per second ) | 3, 4, 5, 8, 10, 12, 16 kHz |
High Frequency Boost Control | Shelf Boost, 0dB to +16dB |
High Frequency Attenuate Control | 10k Shelf Attenuate, 0dB to -16dB |
Tubes | 1x 12AX7, 1x 12AU7 |
Rack Size | 2U |
EQ-P2 (2CH)
製品仕様 | |
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Low Frequency Select (CPS; Cycles per second) | 20, 30, 60, 100, 200 Hz |
Low Frequency Boost Control | Shelf Boost, 0dB to +13dB |
Low Frequency Attenuate Control | Shelf Atten. 0dB to -17dB |
High Frequency Select (KCS; kilocycles per second ) | 3, 4, 5, 8, 10, 12, 16 kHz |
High Frequency Boost Control | Shelf Boost, 0dB to +16dB |
High Frequency Attenuate Control | 10k Shelf Attenuate, 0dB to -16dB |
Tubes | 1x 12AX7, 1x 12AU7 |
Rack Size | 3U |
M72s Mk.IV / M72s/1 Mk.IV
Studio Microphone Amplifiers
Mercury 「M72s Mk.IV」は、私たちのフラッグシップモデルとなるバルブ式スタジオマイクアンプです。
M72sは、Abbey Road StudiosでGeorge Martinが初期のBeatlesのレコーディングに使用したREDD.37コンソールで最も有名なTelefunken/Siemens V72sというビンテージアンプをベースにしており、このモジュールが最も人気のある製品です。
M72s はコンソールに使用されていたモジュールをベースにしており,その製造数は少なく、とても希少です。一般的な V72s アンプモジュールは後に改良され,アウトボードプリアンプとして世界中で長年販売されてきました。現役の個体は非常に珍しく、非常に高価で、場合によってはかなりの修理が必要な状態になっています。
しかし,このアンプが持つ独特の音楽的な音色は,ヴィンテージ・モジュールを手に入れることができた多くのエンジニアにとって貴重な「秘密兵器」となっているのです.
Mercury Recording EquipmentはM72sを忠実に再現していることを誇りに思っています.私たちはこのアンプについて20年以上の経験があり、ユニットの動作だけでなく。全体的なサウンドも把握できていると感じています。
M72s (2CH)
製品仕様 | |
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Mic Input Impedance | Approx. 2k |
Suggested Source Impedance | Approx. 200 ohms |
Input Impedance with -28dB Pad | Approx. 4k |
DI Input Impedance | 2M ohms |
Internal Output Impedance | 30-50 ohms (depends on gain setting) |
Suggested Minimum Load | 500 ohms |
Max. Mic Signal Input Level (@ 20 Hz) | +34dBu with -28dB Pad engaged / +6dBu with Pad not engaged |
Max. Output Level | +22dBu |
Frequency Respons | 20 Hz to 20 kHz +/- 0.5dB |
M72s/1 (1CH)
製品仕様 | |
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Mic Input Impedance | Approx. 2k |
Suggested Source Impedance | Approx. 200 ohms |
Input Impedance with -28dB Pad | Approx. 4k |
DI Input Impedance | 2M ohms |
Internal Output Impedance | 30-50 ohms (depends on gain setting) |
Suggested Minimum Load | 500 ohms |
Max. Mic Signal Input Level (@ 20 Hz) | +34dBu with -28dB Pad engaged / +6dBu with Pad not engaged |
Max. Output Level | +22dBu |
Frequency Respons | 20 Hz to 20 kHz +/- 0.5dB |
M76m Mk.IV / M76m/1 Mk.IV
Studio Microphone Amplifiers
新しいMercury 「M76m Mk.IV」は、私たちのベンチマークであるスタジオマイクアンプの最新バージョンです。
M76mは、最も人気のあるビンテージアンプモジュールの一つであるTelefunken/Siemens V76mをベースにしています。これらのモジュールは、1950年代後半から60年代にかけて、ヨーロッパの放送局やレコーディングスタジオで使用されていました。その後、真空管式コンソールが廃れ、トランジスタ式ディスクリート・コンソールに取って代わられた後も、V76モジュールは生き続け、アウトボード・マイクアンプとして世界中のスタジオで使用されました。
M76mのゲインコントロールは、0?+60dB(6dB刻み)で、レベルコントロール、出力アッテネーターと連動して動作します。“Level”ノブはフェーダーとして機能し、アンプの初段から2段目までのゲイン量を調節できます。“Level”を下げ、“Course”を上げることで、真空管の”ブレイクアップ・トーン”を加えることが可能です。最終段にも(-0~-10dB)を追加することで、設定によるさまざまなトーンシェイピングを実現します。更にインピーダンスセレクトスイッチを追加し、最新の機器に求められる機能をすべて搭載しています。ファンタム電源(on/off)、フェーズ(極性)反転、そして驚異のF.D.I.(FETダイレクトインプット)回路を搭載しています。
Superb FDI
Mercuryが開発した FDI (FET Direct Input) は、A級真空管トポロジーをベースにした独自のJ-Fet回路です。
Mercury FDIは、ダイレクトレコーディングのあらゆるニュアンスを再現できるように設計されており、回路はアンプの真空管またはソリッドステートの特性によって全体の音色を決定することができます。楽器用DI信号は、Mercuryカスタム入力トランスを含むマイクプリアンプ回路全体に送られ、各プリアンプの個性が発揮されるようになっています。
M76m (2CH)
製品仕様 | |
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Mic Input Impedance | Approx. 2k |
Suggested Source Impedance | Approx. 200 ohms |
Input Impedance with -28dB Pad | Approx. 4k |
DI Input Impedance | 2M ohms |
Internal Output Impedance | 30-50 ohms (depends on gain setting) |
Suggested Minimum Load | 500 ohms |
Max. Mic Signal Input Level (@ 20 Hz) | +34dBu with -28dB Pad engaged / +6dBu with Pad not engaged |
Max. Output Level | +22dBu |
Frequency Respons | 20 Hz to 20 kHz +/- 0.5dB |
M76m/1 (1CH)
製品仕様 | |
---|---|
Mic Input Impedance | Approx. 2k |
Suggested Source Impedance | Approx. 200 ohms |
Input Impedance with -28dB Pad | Approx. 4k |
DI Input Impedance | 2M ohms |
Internal Output Impedance | 30-50 ohms (depends on gain setting) |
Suggested Minimum Load | 500 ohms |
Max. Mic Signal Input Level (@ 20 Hz) | +34dBu with -28dB Pad engaged / +6dBu with Pad not engaged |
Max. Output Level | +22dBu |
Frequency Respons | 20 Hz to 20 kHz +/- 0.5dB |
BRUDER
M76m/1 (V76) と M72s/1 (V72) を3Uの1つに
BRUDERはM76m/1 (V76)とM72s/1 (V72)を3Uの1台に収めたものになります。
記事内に掲載されている価格は 2022年7月8日 時点での価格となります。
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