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29
Jun.2023
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TONEFLAKEのリボンマイク TR1 Active、TR1 Passiveを、エンジニア加納 洋一郎 氏がレビュー!

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TONEFLAKEからリボンマイクTR1 Active、TR1 Passiveが発売になりレビューしていきたいと思います。

TONEFLAKEは、1991年に佐藤俊雄氏によって設立された独自ブランド。ビンテージ機材のリペア、カスタマイズを主に行う一方で、世界屈指の技術でマイクの製造も並行しプロのオーディオ制作業界ではファンも多い。

近年、多くのメーカーからリリースされているリボンマイク。リボンマイクの特徴としては、壊れやすく扱いが難しい、指向性は双指向性、高域がなだらかにロールオフしていて人間の聴感に似ているなどが主に挙げられます。

パッシブ型のリボンマイクTR1 Passive

IMG_1957

今回はスタジオでTR1 Passive、TR1 Active同時に立てて聴いてみますが、まずパッシブ型のリボンマイクTR1 Passive、外見の大きさは手のひらと同じくらいのサイズ。

大型で頑丈なダイキャスト製ボディに丁寧に二重にレイヤーされたグリルと、高品質コアのトランスの入出力にはTONEFLAKE特製ハンダを使用。

リボンユニットは強力マグネットモーターにTONEFLAKEで独自に作成したスペシャルリボンを貼っています。独自のリボンを貼ることにより既製品にはないより滑らかな高域特性を実現とのこと。

実際にスタジオで音を聴いてみると、よくリボンマイクは高域が落ちて多少くぐもった印象になりがちですがTR1 Passiveはそんなことはなく、コンデンサーマイク同等のブライト感を持ちながら優しさも持ち合わせています。

ボーカルでは息遣いや臨場感を見事にキャプチャー、アコースティックギターでは弱音楽器のためマイクプリアンプのゲインを大きくしなくてはならず、アルペジオでは多少グランドノイズが気になるがストロークの様な演奏では通常のリボンにはないジャリっとした明るさでメーター上ではピークを抑えながら1弦から6弦までコードがしっかりと聴こえる。

Toneflake
TR1 Passive
¥99,000
本体価格:¥90,000
900ポイント還元

アクティブ型のリボンマイクTR1 Active

IMG_1956

もう一方のTR1 Activeは、小型で頑丈なダイキャスト製ボディに専用設計されたプリアンプを搭載。使用の際は48Vファンタム電源を送り動作させます。

高級パーツでディスクリート構成された回路でリボンユニットの微小電流を拾い上げるようになっています。

大きさはTR1 Passive同様手のひらサイズで持ち運びの際には専用のケースにマイクホルダー、ケーブルと一緒に収納でき、安心して移動できる様になっています。

TR1 Passiveの音色とは違いこちらは柔和で優しく聴こえ自然な聴感。リボンマイクらしさのある質感でありながら、くぐもった印象はない。

声で試したところ太さと存在感が素晴らしく、音像もはっきりしている。アコースティックギターではマイクがアクティブ駆動なこともあり、ゲインは充分でコンデンサーマイクと同様に扱え聴感は双指向性ならではの臨場感で音楽的。

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実際のレコーディングではタンバリン、和楽器(三味線、琴など)、アコースティックやエレキギターなどの音の立ち上がりの早い楽器に使うことが多く、コンデンサーマイクではアタックを拾いすぎてピークオーバーしてしまい、歪んでしまったり三味線などは近いとパチパチと音にならないこともある。

そんな時はリボンマイクの出番だが、実際にTR1 Activeをタンバリンに向けてみたがパッと聴き生音に非常に近く、比較として割と何処のスタジオにも置いてある様なリボンマイクが鼻づまりに聴こえてしまい、TR1 Activeのが断然に良くタンバリンの音程感まで分かり易く拾えてる。

Toneflake
TR1 Active
¥99,000
本体価格:¥90,000
900ポイント還元

手元にあって心強いマイク

総評として、高域特性を保ったままでリボンマイクの質感を残し低価格。

コストパフォーマンスはどちらもとても素晴らしいのではないかと思う。TR1 Passiveは、当然リボンマイクなのでウィンドスクリーンを使用し息の吹かれに注意だが、コンデンサーの様な明るさと自然な質感を持っているのでボーカル録音にも使えそう。

TR1 Activeは周波数のバランスが良く温かで柔和、リボンマイクの特徴とも言えるその優しさをブラッシュアップした豊かな音質は歌からピアノなど様々な楽器で使えそうだ。

和楽器などリボンマイクがないと収録が難しい楽器もあるのでTR1 Passive、TR1 Activeとシチュエーションによって使い分ければ手元にあって心強いマイクなのではないだろうか。

kano

加納 洋一郎

Music Producer/ Mixing ,Recording Engineer

株式会社Mixer’s Lab チーフEngineer歴任後、独立。現在はフリーランスとして活動中。

Bandサウンド、Vocalもの作品を得意としており、生きた声、楽器の音色は数多くのLiveレコーディング、劇伴、大編成録音からの経験も生かされている。 近年はドラマ、映画、アニメの劇伴製作が増え、映像に寄り添った音作りに定評がある。

Sound&Recording Magazine で3年間にわたるサラウンド記事連載、専門誌などへの執筆活動をこなす一方、専門学校HALで特別講師 としても現場で培った知識や経験を学生に伝えている。


株式会社ワイルドオレンジアーティスツにて音楽プロデューサーや作家マネージメントとしても活動中。

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