RMEから新製品「M-1620 Pro」と「HDSPe AoX-M」発表!2025年発売予定
2つの新製品が先日11月13日〜15日に開催されたInter BEE 2024にてお披露目されました。
AVB/Milanとは
AVB(Audio Video Bridging)はFireWireやLAN(IEEE802)などの規格を開発したIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)によって制定された規格で、イーサネットのネットワーク内で、オーディオ、ビデオの伝送を行うために開発されたネットワーキング技術です。しかし、AVBはオーディオ、ビデオに限らず幅広い用途で利用が可能なため、使用用途に応じたフォーマットなどの互換性が問題となることがありました。
MilanはAVBの規格のひとつで、厳格なフォーマットの統一をすることで互換性の問題を解決します。よってMilan対応機器同士の完全な互換性を保証し、信頼性の高い相互運用を提供します。これにより、Milanに準拠した機器であれば異なるメーカーの機器でもスムーズな通信と操作が保証され、システム全体の統合が容易になります。
M-1620 Pro
AVB/Milan・MADI・ADAT対応 アナログ16ch入力/20ch出力 AD/DAコンバーター、デジタル・パッチベイ・ルーター
ネットワークオーディオの最前線を切り拓く究極のソリューション
M-1620 Proは、ライン・レベル・アナログ信号をMADI、ADAT、そして高精度オーディオ・ネットワーク規格のAVB/Milanへ相互変換しシームレスに統合する革新的なAD/DAコンバーター / デジタル・パッチベイ・ルータです。
16チャンネルの各入出力はチャンネルごとに最大+24 dBuまでの切替に対応し、新たに設計されたフロントパネルには、視認性に優れたLEDレベル・メーターとディスプレイ、さらに2つの独立したヘッドフォン出力を備えます。
これらすべてが19インチの1Uラック・サイズに収められ、最先端のコンバーター技術と柔軟な内部ルーティング機能により、ネットワーク・オーディオの次世代を見据えた圧倒的なパフォーマンスを提供します。
イマーシブ録音・再生、プロフェッショナルなレコーディング・スタジオやライブ・サウンド、ポスト・プロダクションから、放送設備やハイエンド・オーディオ・システム構築に至るまで、あらゆるシーンでその真価を発揮します。
入出力
信頼を実現する3つのリダンダントと柔軟な操作性
高い信頼性を実現するために3つのリダンダント仕様を備えています。2つのネットワーク・ポート、2つのMADI入出力端子(オプティカル端子は、オプションのオプティカルMADI SFPモジュールを使用)、ACおよび12V DC電源を搭載。システムに異常が発生すると即座に通知されるため、シームレスな運用をサポートします。
さらに、スタンドアローン機能により、デバイス本体で直接設定を操作し、素早い設定変更やユーザー定義のプリセットを簡単に呼び出すことができます。
AVB/Milan準拠でネットワーク・オーディオがより確実、簡単に
M-1620 ProはMilan認証モデルであり、ディタミニスティック(確定的)なネットワーク環境のもと、48 kHzで最大128チャンネル、96 kHzで最大96チャンネル、192 kHzで最大64チャンネルの音声信号を低遅延で送受信します。 MilanはAVBの規格のひとつで、厳格なフォーマットの統一をすることで互換性の問題を解決します。よってMilan対応機器同士の完全な互換性を保証し、信頼性の高い相互運用を提供します。
MilanにはIEEE 1722.1 ATDECCというオープン規格が含まれており、接続の制御だけでなくオーディオ・デバイス全体の制御も可能です。このオープン規格を利用してd&b audiotechnikとL-Acousticsが共同開発した「Milan Manager」を使用することで、直感的でわかりやすい操作が可能です。
アナログ、MADI、AVBをシームレスに統合
ADAT、AVBネットワーク入出力(ギガビット・イーサネット対応)、MADI(コアキシャル、オプティカルはオプションのSFPモジュールを使用)、そしてアナログの各入出力を備えており、この1台でデジタルとアナログ入出力をシームレスに統合します。
さらに、コンバーターのエイリアシング・フィルターを手動で調整可能で、最適なインパルス応答と周波数特性を設定できます。これにより、非常に精密でクリアな音質を提供し、プロフェッショナルなオーディオ環境に求められる高品質なサウンドを実現します。
また、ワードクロック用の独立したBNC端子を装備しており、SteadyClock FS技術によりデジタル信号のジッターを効果的に低減。これにより、安定した信号伝送が可能となり、スタジオやライブ環境など、様々なシーンで信頼性の高いパフォーマンスを発揮します。
迅速な操作性とパッチベイ機能
フロント・パネルからデバイスの状態を直接コントロール可能で、すべての機能に直感的にアクセスできます。
さらにRMEのAVBデバイスは、あらゆるネットワーク・リンク(Wi-Fiを含む)を介したWebインターフェイスを利用して、完全にリモート制御することができるため、ゲイン・グループの作成、ファンタム電源切替、ヘッドフォン出力への信号のルーティングなどの操作を迅速に行えます。統合されたルーティング・マトリックスにより、全てのアナログ入力とすべてのデジタル信号やAVBストリームを、ヘッドフォン出力に直接ルーティング可能。これにより、オーディオ信号やクロッキング、接続などを分かり易く確認しながら、トラブル・シューティングを迅速に行えます。
オプティカルMADI SFPモジュール(オプションで利用可能)
オプションで利用可能なMADI SFPモジュールにより、オプティカルSFPトランシーバーをM-1620 Proに追加できます。
これにより最大64チャンネルのオーディオ信号を他のMADIデバイスとの間で送受信可能になります。
MADI SFPモジュールは、マルチモード・バージョンもしくはシングルモード・バージョンから選択可能で、RMEのMADIデバイスの電源がオンになっている場合、電源を切らずに挿入・取り外しが可能です。
HDSPe AoX-M
AVB/Milan & MADI(オプション)対応 PCI Express オーディオ・インターフェイス
HDSPe AoX-Mは、2つのネットワーク端子、ヘッドフォン出力、AES3およびMIDI入出力(ブレークアウト・ケーブル経由)を搭載し、AVB技術に基づいたプロフェッショナル・オーディオ・ネットワーク規格「Milan」に対応する、PCIe x4対応PCI Expressオーディオ・インターフェイス・カードです。
オプション拡張ボードの「AoX-MADI-EXT-BNC」および「AoX-MADI-EXT-SFP」を追加することで、最大4系統のMADI入出力およびワードクロックを拡張可能で、複数のMADIデバイスとの高精度な同期や大規模なオーディオ・ルーティングを実現します。
デスクトップPCのPCIeスロットに直接取り付けるほか、Thunderbolt™対応の外部エンクロージャーに組み込むことで、モバイル環境での使用にも最適です。理論上最大512チャンネルのオーディオ信号の送受信が可能で、DAWやオーディオ・プロセッサーと連携することで、ハイエンドなオーディオ再生、編集、マルチチャンネルのルーティングを提供します。
音楽制作、放送システム、システム設計、研究開発などのプロフェッショナルな環境での使用に最適化されており、リアルタイムでの低レイテンシーかつ高解像度なオーディオ処理が可能です。また、大規模なライブ配信システムやスタジオ環境においても中心的な役割を果たし、高精度なサウンド・プロセッシングとルーティングを提供します。
入出力
オプションの拡張ボードでMADI入出力を追加
1/4インチのステレオヘッドフォン端子が搭載されています。膨大なチャンネル数を扱える他の端子と比べるとスペースを取りますが、これには重要な理由があります。このヘッドフォン端子を使うことで、コンピュータやネットワーク、またはオプションのMADI入力からHDSPe AoX-Mに流れ込むすべてのオーディオ信号をモニタリングできるからです。
また、入出力を追加したい場合には、ブレイクアウト・ケーブルを使ってステレオAES3デジタル入出力を利用できます。さらに、同じケーブルでMIDI入出力も使用可能です。これにより、様々な用途に対応できる本格的なプロフェッショナル・オーディオ・インターフェイスとして活躍します。
TotalMixによる柔軟なミキシングとルーティング
膨大なチャンネル数でも、2つのステップで簡単にミキシングとルーティングを管理できます。
ドライバー・ダイアログまたはウェブ・インターフェイスを使い、ネットワーク・チャンネルとオプションのMADIチャンネルの数を調整します。TotalMixエンジンに入力するチャンネルを最大256チャンネルまで選択可能です。残りのチャンネルは最大256チャンネルまで、TotalMixエンジンを経由せず何も変更されずにDAWへ出力されます。そのため、理論上最大512チャンネルまでをDAWで使用することが可能です。
HDSPe AoX-MでTotalMixを使用する場合、エフェクト機能以外の基本的な機能が使用可能です。プリセットの保存やレイアウト変更、ループバック設定、複数のチャンネルをまとめるなど、便利な機能をお使いいただけます。
ARC USBリモート・コントローラー対応
ARC USBをHDSPe AOX-M搭載のMc/PCに接続することで、DSPで動作するTotalMix FXをダイレクトにコントロールが可能になります。
これによって、予め設定されたルーティングなどのプリセットの切り替え、ボリューム・コントロール、トークバックなどを瞬時に行うことができます。スタジオ、設備などで必須の拡張デバイスです。
両製品ともに2025年発売予定
記事内に掲載されている価格は 2024年11月20日 時点での価格となります。
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