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23
Sep.2025
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音楽をつくることが日常になった!DAW時代だからこそ Roland FANTOM-06 を買ってみたレビュー

こんにちは、SCFED IBEです。みなさん、曲作りしていますか?
私はというと、ここ最近パソコンでDAWを立ち上げるのがちょっと面倒だな…と感じるようになりまして、思い切って20年ぶりに、シーケンサー搭載のオールインワン・シンセサイザーを購入しました!

DAW全盛のこの時代に、なぜあえてオールインワン・シンセなのか? その理由と、私が Roland FANTOM-06 を選んだ決め手についてお話ししたいと思います。

シーケンサー搭載オールインワン・シンセを20年ぶりに購入した理由

いまやパソコンさえあれば音楽制作が完結する、まさに夢のような時代です。でも、仕事から帰ってきて「よし、音楽と戯れたい!シンセに触れたい!」と思ったとき、必要なツールのほとんどがパソコンの中にある…。

仕事で一日中パソコンを使っているとどうしても、家に帰ってまでパソコンを触りたくない!という拒否反応が出てしまうことがあります。そこで私は、パソコンを立ち上げなくても音楽が作れるシンセサイザーを探し始めました。

探していた条件

・最低16トラックのシーケンサー搭載
・アナログシンセ・モデリング音源搭載
・豊富なノブ&スライダー
・ベロシティ対応61鍵盤
・本体重量10kg以下で持ち運びやすい
・本体価格20万円以内

そして、この条件をすべて満たしてくれたのが Roland FANTOM-06 だったのです。
さっそく購入し、触れてみることにしました。

FANTOM-06を使ってみた感想

とにかく音が良い!
あらゆる種類のシンセ音色を自在に作り出せます。特にRolandリズムマシン TR-808/909 サンプル波形のクオリティは圧巻で、Rolandの電子楽器がEDMを生み出したという歴史を改めて実感させられました。

心地よい制約がある
サウンドライブラリやシーケンサーに限界があります(それでも収録音色は3,500以上!)。私はそこに「心地よい制約」を感じました。膨大な選択肢に迷子にならず、自分で音を作り、必要最小限のトラックで説得力ある音楽を形にする意欲が湧いてきます。

軽量で即戦力
61鍵盤でありながら、重さはわずか6kg。しかも電源を入れてから音が鳴るまでわずか20秒という起動の速さ!机でもソファでもベッドでも、好きな場所に持ち運び、電源ケーブルとヘッドフォンをつなぐだけで音楽と戯れられます。そして気がつけば音楽制作にハマっているのです。

目と頭が疲れない
DAWでは数時間で目や頭が疲れてしまいますが、FANTOM-06は驚くほど疲れを感じさせません。マウスに頼らず、スライダーとノブ、そして耳だけに集中して作曲できる楽しさを味わえます。

現代によみがえったビンテージ・シンセ・サウンド

Rolandの名機をモデリングした拡張音源「Model Expansions」SH-101 / JX-8P / JUPITER-8 / JUNO-106 の4モデル(本体とは別売)をインストールしました。

FANTOM-06本体のノブを使って、まるでアナログシンセに触れているかのような、直感的な操作感で音作りできます。ダイレクトなフィーリングとその圧倒的なサウンドクオリティに感激です。私はこれまで、SH-101、SH-2、JUNO-106、JUNO-106s、MKS-7(白・黒両モデル)、Promars といったRolandビンテージシンセの実機を所有してきた経験から、Model Expansionsの再現性の高さがよく分かりました。やはり本家本元のモデリングは別次元です。

電源投入からたった20秒で、最大16台もの SH-101 / JX-8P / JUPITER-8 / JUNO-106 を同時に立ち上げられる恩恵は計り知れません。そして、いつでも完全に同じサウンドを再現できるという安心感。まさに現代のビンテージ・シンセサウンドと呼ぶにふさわしく、もっと曲を作りたい!という衝動が湧いてきます。

曲のアイディアが湧いてくるシーケンサー

16パート対応のパターン・シーケンサー
音源部の16パートそれぞれに対応したパターン・シーケンサーを搭載。Ableton Liveを使ったことがある方なら、仕組みが似ているので直感的に理解できるはずです。フレーズのパターンを作成し、それらを組み合わせてグループ化。そしてグループを並べて再生していくことで、曲ができ上がっていきます。

TR-RECで直感的な入力
本体にある16個のボタンを使ってパターンを打ち込む「TR-REC」がとても便利。ドラムパートはもちろん、コード弾きの入力にも活用でき、譜割りを試行錯誤しながらフレーズを組み立てられます。まさに、触っているうちにリフが湧いてくる感覚です。

MIDIエクスポートでDAWとスムーズ連携
スケッチのつもりで作った最新作が最高傑作になるかも知れません。渾身のトラックが仕上がって「DAWでブラッシュアップしたい」と思ったら、シーケンスをMIDIデータで書き出して、スムーズにDAWで再構築できます。配信リリースを視野に入れて、安心してアイディア出しから曲作りまで没頭できるのです。

FANTOM-06だけでデモ曲を作りました。ドラムパート以外の音源は全て Model Expansion(SH-101 / JX-8P / JUNO-106)を使用しています。

FANTOM-06で作った音色をZENOLOGY Proで完全再現

FANTOM-06で作成したサウンドは、USBメモリに書き出してDAWプラグイン ZENOLOGY Pro(別売)で読み込むことができます。ZENOLOGY Proは、FANTOMシリーズに搭載されている ZEN-Core Synthesis System をそのままプラグイン化したものなので、互換性は抜群。FANTOM-06で作った音色をZENOLOGY Proに読み込めるのはもちろん、逆にZENOLOGY Proで制作した音色をFANTOM-06で演奏することも可能です。さらに、Model Expansionsの音色データも双方向でやりとりできます。

制作フローとしては、FANTOM-06から書き出したMIDIデータをDAWに取り込み、各トラックにZENOLOGY Proを立ち上げて音色を読み込めば、FANTOM-06で組み上げた曲をほぼそのまま再現することができます。

動画ではFANTOM-06の音とZENOLOGY Proの音を交互に試聴しています。音を切り替えても違いが分からないくらい再現性が高いです。

ドラムパートが驚異的なスペック

FANTOM-06のドラムパートが、まさに驚きの仕様になっています。キック、スネア、ハイハット、シンバルなど、鍵盤にマッピングされたすべてのドラム音に対して個別に3バンドEQ(パライコ)を適用可能。細かい音作りやミックスの段階で、各パーツを丁寧に仕上げることができます。

さらに、ドラム専用コンプレッサーを6基も搭載。個々のドラムサウンドをコンプで処理した上で、最後にドラムパート全体へリミッターをかけることで、いわば 「ドラムグループのステム処理」のような二段構えの音圧コントロールが実現します。

バージョンアップで期待したいポイント

リサンプリング時間をもっと長く
本体だけで制作した曲をそのままWAVデータに書き出したくて、シーケンサーで再生した音を録音できる「リサンプリング」機能を試してみました。ところが、リサンプリングの録音時間が最大2分44秒で、録音が強制終了してしまいます。おそらくこの使い方は想定外だったのかもしれませんが、できれば5分以上、可能なら10分程度まで録音できるようになると非常に助かります。ちなみに現状では、FANTOM-06のオーディオインターフェース機能(最大24bit/96kHz、録音:16ステレオチャンネル/再生:2ステレオチャンネル)を利用すれば、DAWにリアルタイムで録音することが可能です。

マスターエフェクトを保存・読み込み可能にしてほしい
FANTOM-06では、曲を構成する音色群やシーケンスデータは「シーン」に保存され、シーンを切り替えることで呼び出すことができます。その一方で、シーンの上位にあるマスターエフェクトはシーン切り替えの影響を受けない仕様になっています。この仕組みは、ライブパフォーマンスでは非常に便利です。たとえば会場の音響特性に合わせてマスターエフェクトのEQを調整すれば、その補正が全シーンに反映されるので、各音色を個別にEQ調整する必要がありません。しかし、曲作りにおいてマスターエフェクトを積極的に活用したい場合には、この仕様がネックになります。シーン内の16パートをまとめて「2ミックス・バス」と捉え、EQや音圧処理をマスターエフェクトで行いたいのですが、マスターエフェクト設定はシーンを変えても維持されるため、シーンごとに毎回手動で設定し直す必要があるのです。理想は「シーンとマスターエフェクトを連動させて保存・呼び出しできること」ですが、まずはマスターエフェクトの保存と読み込みが可能になるだけでも有難いです。

Model ExpansionにもMatrix機能を
「Matrix機能」とは、よく使うパラメータを本体のノブに自由にアサインできる仕組みです。私は特に、フィルターのカットオフにエンベロープ・アマウントを適用することが多いため、専用ノブを割り当てられると非常に便利です。ZEN-CoreトーンにはMatrix機能が搭載されている一方、Model Expansionにはその機能がありません。そのため、毎回パラメータを呼び出して操作する必要があります。ぜひ、Matrix機能が追加されることを期待しております。

まとめ:音楽をつくることが日常になった!

FANTOM-06は、まるでアナログシンセの中にDAWが入ってしまったかのような操作感で、触れるたびに音楽を作りたい衝動に駆られます。小さなディスプレイには必要な情報だけが表示され、本体のノブやスライダーを直感的に操作することで、シンセと自分が一体化する瞬間が訪れます。音楽と対話しているような感覚で、自分の中から音楽が湧き上がる充実感を味わえるのです。

家に帰ってFANTOM-06をパッと出して、軽く音を出してみる。そして気がつけば午前3時…。毎日寝不足になるのだけが誤算でしたが(笑)それすら、うれしい誤算です。本当に買ってよかったと思えるシンセでした。

FANTOM-06は、こんな体験をもたらしてくれます

・パソコンなしで、思いついた瞬間に作曲を始められる自由
・まるでビンテージシンセの名機を何台も同時に扱える喜び
・DAWとの連携でアイディアをそのまま作品化できる安心感
・持ち運べる軽さで、どこでも自分だけの音楽空間を作れる贅沢

音楽をつくることが日常になる。FANTOM-06は、そんなクリエイティブな毎日をあなたにプレゼントしてくれるはずです。

ROLAND
FANTOM-06
¥170,500
本体価格:¥155,000
15159ポイント還元

Writer:SCFED IBE

記事内に掲載されている価格は 2025年9月23日 時点での価格となります。

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