あなたの楽曲制作にヒントをもたらす数々のノウハウ記事に加え、膨大な動画コンテンツは制作トレンド&Tipsの集大成!
映画やドラマ、ゲームといった映像コンテンツの曲を作り出す職業=『劇伴作曲家』。最近は劇伴作曲家を目指す若いクリエイターも増えていますが、プロの作家がどのように仕事を受注して、どのように曲を作っているのか、その仕事ぶりはあまり知られていません。そこでRock oNでは、劇伴作曲家とはどのような職業なのかを探るべく、第一線で活躍しているプロにじっくり話を訊いてみることにしました。取材に応じてくださったのは、ドラマ『法廷のドラゴン』やゲーム『Fate/Samurai Remnant』といった作品で知られる劇伴作曲家、篠田大介氏。映画『蜜蜂と遠雷』で、日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞した篠田氏に、劇伴作曲家の仕事の流れ/1日のタイムテーブル/作曲システムについてお話を伺いました。
1:劇伴作曲家になるまで
Rock oN : 東京藝大作曲科出身の篠田さんですが、作曲はいつくらいから始められたのですか?
篠田 : 小学5年生の時にスーパーファミコンのソフトで「音楽ツクールかなでーる」というソフトをゲームソフトの中古屋さんで見つけて手に取ったのが始まりです。最初は好きな曲の耳コピをして打ち込んで遊んでいました。その次は、中学1年生のときだったと思いますが、ミュージ郎(注:ローランドがかつて発売していたDTMパッケージ)を買って始めたのが最初ですね。パソコンで曲を作るのがすごくおもしろくて、それで徐々に作曲家になりたいという気持ちが芽生え始めたんです。
Rock oN : それまで楽器はやられていたのですか?
篠田 : 小さい頃からピアノを習っていて、小中学校ではブラスバンドをやり、それとは別に中学高校ではロック・バンドもやっていました。パートはギターで、当時はスティーヴ・ヴァイとかエリック・ジョンソンとか、ちょっと複雑な音楽が好きでしたね。スタジオ・ミュージシャンになりたいと思っていたときもありました。
Rock oN : 東京藝術大学に進学されたのは?
篠田 : 高校時代は本当にいろいろな音楽を聴いていたんですけど、段々クラシックのおもしろさに惹かれるようになったんです。親が藝大卒の三味線奏者だったので、クラシックの和声は高校一年生のときから習い始めていたんですけど、もっとちゃんと学びたくなったというか。ラヴェルやシェーンベルクを聴くようになったのですが、忘れもしない、ギターのレッスン帰りに池袋のタワーレコードで何気なく手に取ったシェーンベルクの弦楽四重奏第一番を聴いて、今まで聴いたことのない世界に「一体この音楽は何なんだろう」と思い、「その謎を解きたい」みたいな感覚が強かったです。それでギターとかは一旦すべて止めて、音楽の勉強に没頭しようと。大学時代は、クラシックや現代音楽、純邦楽など、いわゆる芸術音楽を追求する毎日でした。
Rock oN : 大学卒業後はいろいろな進路があったと思うのですが、劇伴作曲家を目指されたのは?
篠田 : 大学時代は芸術音楽を追求していたわけですけど、中学高校時代は普通にロックを聴いていましたし、作曲を仕事にするということを考えたときに、いろいろなジャンルを扱うことができる劇伴がいいんじゃないかと思ったんです。特定のジャンルに固執しない自分にも合っているんじゃないかなと。それで大学院時代の先生に「劇伴作曲家を目指したい」と相談したら、佐橋俊彦さんという劇伴の作曲家をご紹介いただいて。最初は佐橋さんのアシスタントとして、劇伴の世界に足を踏み入れた感じです。佐橋さんのところでは、譜面を作ったり、スタジオに付いて行って譜面をチェックしていたり、そんなお手伝いを1〜2年していました。
Rock oN : 当時、目標としていた作曲家はいましたか?
篠田 : 特にいませんでしたね。でも、劇伴作曲家を目指すにあたって、いろいろな人の曲を聴いて研究はしましたよ。ジョン・パウエルとかハンス・ジマーとか、よく聴きましたし……。日本の作曲家さんでも、売れている方の作品はひととおり聴きました。
Rock oN : 作曲家としてのデビューは?
篠田 : 27歳のときで、最初は劇伴ではなく新作ゲームのTVCMだったんです。当時、CM音楽の制作会社から、「フリーではなく会社員としてなら作曲家の枠がある」という話があり、そのときに手がけたCMですね。でもその会社は半年くらいで辞めて、その後はずっとフリーです。
Rock oN : これまで手がけられたお仕事についておしえてください。
篠田 : 今はCMはやっていないので、劇伴オンリーです。映画、テレビ・ドラマ、アニメ、ゲーム。映画ですと『蜜蜂と遠雷』、テレビ・ドラマですと『法廷のドラゴン』、アニメですと『SAO オルタナティブ ガンゲイル・オンラインⅡ』とか。最近はゲームの仕事も多くて、コーエーテクモゲームスさんの『Fate/Samurai Remnant』の音楽を手がけました。
Rock oN : 幅広い分野で活躍されている篠田さんですが、同業の他の作曲家と比較した自身の特徴や強みについてはどのように捉えていますか?
篠田 : 一番は、大編成のオーケストラですかね。本格的なオーケストラが得意というか、これは自分の強みだと思っています。日本の劇伴で扱うオケって大から小までさまざまな規模がありますが、僕は例えば2管編成で弦は最大12型(12-10-8-6-4)といった、フル編成ものが得意です。あと、作曲とオーケスレーションをそれぞれ別の人が担当するというケースがよくありますが、自分の場合は両方できる、といったのも強みです。あとは和楽器を使った曲も得意ですね。藝大には邦楽器科があるのですが、そこの演奏家と友達になって、いろいろコラボしたりしていたので。それと周りからは仕事が早いと言われます。実際、あんまり悩むことはありません。
2:劇伴作曲家の制作環境
Rock oN : 愛用のDAWをおしえてください。
篠田 : 17〜18年くらいApple Logic Proを使っています。最初に買ったDAWはSteinberg Cubaseだったのですが、周りに使っている人が誰もいなくて、アシスタントとして付いた佐橋さんが使っていたこともあり、Logic Proに移行しました。MacもLogic Proをきっかけに使い始めた感じですね。現在のシステムは、パソコンがApple Mac Studioで、CPUはM1 Ultra、メモリは128GBというスペックですが、まったくストレスはありません。オーディオ・インターフェースはApogee Symphony I/O MkIIで、ThunderboltでMacと繋いでいます。あとは鍵盤がStudiologic、モニター・スピーカーはADAM Audio S2Vで、メインの作業デスクはZaorですね。譜面ソフトはAvid Sibeliusを使っています。
Rock oN : Logic Proのどのあたりが気に入っていますか?
篠田 : 何でしょうね。普通の使い方しかしていないので……。自分の曲が作れればいいというか(笑)。
Rock oN : 一軍のソフト音源というと?
篠田 : CinesamplesとかSpitfireとか、KONTAKTの音源が一番多いですね。あとはSpectrasonicsは全部使っていますし、Vienna Symphonic LibraryやEastWest Soundsのものも好きでいまだに使っています。
Rock oN : クライアントに提出するデモは、かなり作り込まれるのですか?
篠田 : もちろんです。後で生に差し替えるとは言っても、クライアントに対してのプレゼンとなる音源ですので、しっかり打ち込みます。CMをやっていたときもそうでしたが、デモのクオリティが高くないとクライアントが納得してくれないんですよ。そんな感じでしっかり作り込むので、たまに生に差し替える前のデモの方が良かったなんてときもあるんですけど(笑)。
Rock oN : 生楽器は基本差し替えるのですか?
篠田 : Omnisphereなどのシンセ系の音や、パーカッション系の音は打ち込みを使うことが多いので残るものもありますけど、そういったもの以外はほぼ100%差し替えます。レコーディング用のガイドは、Logic Pro上でリバーブをすべて切ってドライで書き出して、Pro Toolsに並べてエンジニアさんに渡します。テンポ・マップもMIDIで書き出して、クリックも僕が作って持っていく。レコーディングは、僕がディレクションしないと始まらないので、絶対に立ち会いますね。これまでにお願いしたエンジニアさんは、古川健司さんとか、シャングリラの立石佑太さんとか、長谷川巧さん、といった方々ですね。
Rock oN : レコーディング時、プレーヤーには口頭でディレクションするのですか?
篠田 : そうですね。どうしても譜面では伝えきれないニュアンスがあったりするので、そういったところは僕が歌って伝えたりとか、「ここは速く聴かせたいので、ちょっと前のめりで」とお願いしたりとか。逆に奏者の皆さんに、どうやったら上手くいくか、アドバイスを求めることもあります。
3:劇伴作曲家のワークフロー
Rock oN : 今日は、篠田さんが普段どのような毎日を送っているのか、劇伴作曲家という仕事について伺いたいと思っています。篠田さんの場合、仕事の依頼は事務所にくるのですか?
篠田 : そうですね。クライアントからマネージャーに依頼がきます。クライアントは、映画であれば監督だったり、テレビ・ドラマだったら番組のプロデューサーだったり、いろいろですね。それでテレビ・ドラマであれば1話分の台本が送られてくるので、それに目を通し、スケジュール的に問題が無ければ受けるという感じでしょうか。
Rock oN : スケジュール的にもバジェット的にもOKだけれども、内容的にNGという依頼もあったりするのですか?
篠田 : どうだろう(笑)。今のところそういう依頼はほとんど無いですけど、イメージ的にあまりにも合わない仕事の場合は、もしかしたら考えるかもしれません。でも基本的には、スケジュールが空いていれば、よほどのことがない限り受けますね。
Rock oN : スケジュール感についてですが、映画と1クールのテレビ・ドラマでは、かなり違いますか?
篠田 : 映画やテレビ・ドラマといった括りではなく、作品によって違うというイメージですね。たとえば今やっているゲーム音楽は、完全納品が2年後だったりします。『Fate/Samurai Remnant』も、曲を書き始めてから納品まで、約2年というスケジュールでした。そしてゲームの場合は、僕が納品してから発売まで、さらに1年くらいかかったりします。もちろん、すべてのゲームがこんなスケジュールではないですけどね。今手がけているテレビ・アニメもちょっと特殊で、かれこれ2年くらい前から曲を書いています。
Rock oN : 2年もの間、作品のことがずっと頭の片隅にあるというのも大変そうですね。
篠田 : 大変ですね。ずっと取り憑かれている感じです。僕は仕事が少しでも溜まると嫌なタイプなので、早く片付けたいなと(笑)。
逆にテレビ・ドラマなんかは短くて、たとえば今度、来年1月クールの作品を手がけるんですけど、僕のところにオファーがあったのが8月初旬くらい。それでも早い方で、もっとタイトな作品ですと、4月クールのテレビ・ドラマなのに、年明けから作り始めるなんていうものもありました。
映画は、僕が関わった『蜜蜂と遠雷』という作品で言えば、複数の作曲家で手がけたというのもあるんですけど、曲を書き始めてから納品まで半年もなかったような気がします。確か3〜4ヶ月だったような……。
Rock oN : 先ほど、テレビ・ドラマの場合は1話分の台本が送られてくるという話がありましたが、篠田さんが曲づくりに取りかかる段階で、全体のストーリーや映像はどれくらい出来上がっているものなのですか?
篠田 : それもスケジュールと同じで、作品によって違いますね。テレビ・ドラマの場合は3〜4話分くらいまでしか無かったり……。どういう結末を迎えるか分からないのにラスト・シーンの曲を書いたこともあります。監督には「すばらしい!」と言ってもらえましたけど(笑)。
テレビ・ドラマで、曲を書き始める段階で映像が出来ているということは、僕の場合はあんまり無いですね。『法廷のドラゴン』という作品は、撮影が少し早かったということもあって、第1話のアラ編は見せてもらいましたけど。あとはCGで、「こういう風になります」というのを見せてもらったり。
一方、アニメやゲームは、先ほども言ったとおりスケジュールが長い場合も多いので、映像素材が順次送られてきたりします。なので、そういうスケジュール感で動いているものに関しては、映像などの素材が届くまで、基本的には書きません。中には先に書いた曲に、映像を合わせてくれることもありますけどね。でも、曲を書き始める段階で、映像があった方がいいというのは常々感じていることです。
Rock oN : 最初に監督やプロデューサーと打ち合わせがあると思うのですが、そこでかなり細かい要望があるのですか?
篠田 : 人によりますね。若い人ほど細かい要望が多いという印象があります(笑)。熱意があるという意味では素晴らしいのですけど。とある映像に合わせる音楽で、その作品に強い思い入れがある若いディレクターだったりすると、ほんのちょっと映像とズレているとか、微妙に余韻が長いとか、すごく細かい。たまに自分としてどうしても「これで行きたい!」と思っているような箇所は、抵抗して「これで行きたいんです!」と説得します(笑)。お任せされすぎるのも困るんですけど、自分で「これはいける」と感じた作品は任せてほしいなという思いもあります。
Rock oN : 依頼を受けて曲を書き始めてから、「イメージしていたのと違う仕事だったな」と感じることもありますか?
篠田 : 僕に依頼をするということは、過去の資料を十分に聴いてくださっているので、座組が決まれば、そう大きくずれることはないと感じています。それに劇伴って、幅が広いようで、ある程度決まっている部分も大きかったりするんですよ。
でもかつて、途中で降りてしまった作品もありました。先方が言っていることが本当に分からなくて……。具体的に伝えてくれればいいんですけど、「何かが違うんです」という話の繰り返しだったので、他の仕事を抱えていたこともあり、途中で「ごめんなさい」とお断りしました。そういう仕事は本当に稀ですけどね。
Rock oN : 地上波の1クールのテレビ・ドラマですと、トータルで何曲くらい書くのですか?
篠田 : 25曲から30曲くらいですかね。曲の長さは、タイトル・バックのメインの曲が5分くらいで、それ以外の曲は1分半から2分くらい。1時間のドラマだと、途中で長いシーンがあったりするので、長い方が喜ばれたりしますね。短い曲だと繰り返さなければならなかったりしますから。
Rock oN : やはりメインの曲が一番時間がかかるのですか?
篠田 : 劇中曲は僕の中ではどれも平等なんですけど、メイン・テーマは編成が大きくなることが多いので、かかる時間が他の曲とは違ってきます。オーケストレーションをかなり綿密にやったりするので。
Rock oN : クライアントとのファイルのやり取りはどのように?
篠田 : ゲーム会社ですと、情報の取り扱いが厳しかったりするので、指定された共有サーバーにアップします。それ以外は普通にクラウドストレージサービスを使ってずらっと並べて、聴いてもらう感じですね。
Rock oN : 納品後の直しは必ずありますか?
篠田 : 一発でOKの場合も多々ありますが、修正が入ることも勿論あります。クライアントから言われるのは、例えばゲームだったら「邪悪さが足りない」とか、「映像にもう少し寄せてほしい」とか、そんな感じですね。「もっとエグいシーンです」とか(笑)。全部作ってしまってから修正が入ると大変なので、僕の場合は最初に30秒とか1分とかのラフを作って聴いてもらうようにしています。それで方向性が違う場合は修正すると。微調整で済むものはデモを修正しますし、根本的に違うというものはゼロから書き直します。
4:劇伴作曲家の1日
Rock oN : お仕事をされるのは日中ですか?
篠田 : 昔は夜型だったのですが、子供ができてからは完全に朝型になり、今は午前中が一番調子がいいですね。大体7時半〜8時に起きて、子供とご飯を一緒に食べて、幼稚園の送迎バスのところまで連れて行き、9時半くらいから仕事を始める感じです。とは言っても、メールなんかはスマホで見れてしまうので、朝起きてすぐにチェックしてしまうんですけど……。
Rock oN : 関係者とのやり取りはメールですか?
篠田 : 基本メールですが、最近はMicrosoft TeamsやChatworkも使います。Microsoft Teamsは便利ですね。ゲーム会社のサウンド・チームとやり取りする際に使っていますが、曲が多い案件の場合は、曲ごとにスレッドを立てたりします。
Rock oN : そういったチャット・ツールは、作曲中もずっと立ち上げておくのですか?
篠田 : いや、作曲に集中したいときは切ってしまうこともあります。
Rock oN : 1日の大体の流れをおしえてください。
篠田 : 9時半くらいから始めて、大体午後の1時〜1時半くらいまで作業します。そして昼食を含め1時間〜2時間くらい休憩して、2時〜3時くらいに作業を再開し、6時半から7時くらいまで続けるという感じですね。そこからは子供との時間を過ごしたり、夕食を食べるのですが、9時半から10時くらいになったらまた仕事に戻ります。それで長いときですと12時とか1時くらいまで作業を続けて……。ここ2〜3年はずっとそんな感じですね。
Rock oN : 夕食後、仕事に戻るということは晩酌はしない?
篠田 : 晩御飯を食べながら普通にチューハイとか呑みますよ。僕は午前中が一番集中できて、午後はやや停滞気味になってしまうんですけど、夕食時にお酒を呑んでお風呂に入ると、“クリエイティブ脳”が覚醒するんですよ(笑)。お酒とお風呂は、脳をいい感じにしてくれる気がします。
Rock oN : 1日のノルマを決めて作業を開始する感じですか?
篠田 : 僕はノルマは決めないですね。曲によって濃度が違いますし、いくらやっても先が浮かばないときもありますし……。できるだけ早く書くということくらいですかね。
Rock oN : 土日はお休みですか?
篠田 : いや、土日も平日も変わらない感じです。たまに日曜は休むこともありますけど…… 働き方改革をしないとダメですね(笑)。でも、作曲が好きなので、休日が無くても苦ではありません。少年の頃から、いかに好きな音楽をやる時間を捻出するかというところから始まってるからかもしれませんが、できるだけ良い曲を作りたいと思っているので、できる限りの時間を注ぎたいなと。
Rock oN : 長いインタビューになってしまいましたが、最後に篠田さんのような劇伴作曲家を目指している若い人にアドバイスをお願いします。
篠田 : やっぱり音楽理論は学んでおいた方がいいと思います。あとは楽器に関しても、本格的なオーケストラを書きたいと思っているのであれば、しっかりやっておいた方がいいのかなと。でも、劇伴の作曲家さんで楽器が殆どできないという人もいるそうなので、絶対にできなければダメというわけではないかもしれませんね。ただ、僕自身は音楽理論と楽器をしっかり勉強しておいて良かったなと思っています。特に楽器は、明日から「やるぞ」と思って取り組んでも、急に弾けるようになるものではないですから。
それと今の若い人は大丈夫だと思いますけど、打ち込みも頑張っておいた方がいいですね。昔の劇伴作曲家は譜面を書くのが仕事だったと思うんですけど、今はそれなりのクオリティのデモを作れないと厳しい。やる気はすごくあっても、どうしても打ち込みができなくて、それが理由でフェードアウトしてしまった人もいるようですから。僕は入り口がミュージ郎だったりロックバンドだったことが良かったなと、後々感じました。
あとは締切を守るとか、メールの返事をすぐに書くとか、社会人として当たり前のことができないとダメです。いろいろな人と仕事を進めるわけですので、円滑なコミュニケーションというのはすごく重要。音楽の才能がいくらあっても、そういう社会人として最低限のことができないと損してしまうと思いますよ。
Rock oN : 最初の一歩で悩んでいる人もいると思うのですが、まずはどう動くのがいいと思いますか?
篠田 : 僕は約5年、フリーで仕事をしてから事務所に入ったのですが、フリーのままでは地上波のテレビ・ドラマとか大きなゲーム・タイトルといった仕事は貰えなかったと思うので、早い段階で事務所に所属するというのはありなのかもしれません。なので劇伴作曲家が所属している事務所にデモや資料を送ったり、もし知り合いがいれば紹介してもらったり……。あとは活躍している作曲家さんにアシスタントとして付くのもいいのではないかなと。今はSNSがあるので、連絡が取りやすいですしね。
Rock oN : 本日はお忙しい中、ありがとうございました!
こちらもご覧ください
記事内に掲載されている価格は 2025年10月22日 時点での価格となります。
最新記事ピックアップ