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22
Oct.2025
HOW TO

「RockoN Company x prime sound studio form」補正機能のその前に!モニター配置のコツ

ワタクシ澤田と豪華ゲストを交えて即効性の高い情報を発信していくシリーズ第3弾!

今回は「補正機能のその前に!モニター配置のコツ」 というテーマで、クリエイターにとって生命線とも言えるモニター環境、特に自宅でのスピーカー設置方法や再生環境の最適化にフォーカスしております。多くのクリエイターが抱えてる悩みを少しでも解決できればと思います。

本テーマを思いついた際に、すぐに頭の中にこのお二人に連絡をせねばと浮かびまして、勇気(と生まれ持った馴れ馴れしさ)をもってご相談したところ、ご快諾頂けました!

プロフィール

森元浩二

prime sound studio form Chief Engineer

エイベックエンターテイメントのゼネラルチーフエンジニア。1985年1986年にLAにも拠点を置くハンブルハートミュージックに所属。当時盛んだったLA録音に数多く参加、日本とLAのスタジオの音の違いを痛感。その経験を活かして1992年に電源Fケーブルに2.6タフライン、オーディオにACROLINKとケーブルにこだわった日本初のスタジオSOUND DALIを設立。

2002年にさらにこだわり抜いたprime sound studio formを音響設計の中原雅考氏(SONA)とエイベックスのタッグでオープン。「音響は物理」を信条に音響調整し、そのコントロールルームのモニター環境は高評価を得ている。携わった作品は浜崎あゆみ、安室奈美恵、EXILE、DA PUMP、Acid Black Cherryなど、CD売上は3千万枚を超える。

プロフィール

Mine-Chang(Yooshiyuki Minegishi)

2005年、初のプロデュース作品 Bennie K「Dreamland」 がコカ・コーラのCMソングに起用され、J-POPチャート1位を獲得。作曲家として Little Glee Monster や 櫻坂46 などのアーティスト作品に携わるほか、トヨタ・三菱・JT・任天堂 などの広告音楽も手がける。

2012年より prime sound studio form 所属エンジニアとして活動し、ミックスエンジニアとして多くの作品制作に参加。イマーシブサウンドテクノロジーをいち早く導入し、映画・舞台・インスタレーションなど多分野の3Dサウンドデザインを手がけている。近年はその経験を生かし、音楽スタジオや音響機器における、音響設計チューニングも行っている。

名古屋芸術大学 音楽領域 サウンドメディア・コンポジションコース 准教授
現在は音響表現と空間音響の教育・研究に従事。

いや〜豪華です。この二人にお声がけするからには、何度でも読み返したくなる企画にしないといけないなという勝手なプレッシャーを感じながら以下のようにまとめてみました!

企画内容

①クリエイターの実際の作業場に伺いまして、既に自分で色々な音響対策を行っているのにそれでも気になる現在の問題点のヒアリングと実際の状態をアナライザーで測定して可視化します。

②次に①の測定結果を元にリスニングポイントを再設定します。この時点では追加の吸音作業せず、正確な採寸による物の移動のみで調整し測定します。

③最後に②の測定結果を元にスピーカーの設置場所、距離や角度を吟味しながら、吸音材などの位置などを決めていき、その部屋の問題点を可能な限り調整し改善した結果を測定します。

以上の内容をお二人の知識と経験を元に進めていく流れを余すことなく取材し、皆様のモニター環境に即効性の高いノウハウをご紹介していければと思います。

ということで、今回のお悩み相談者として企画に参加してくれたクリエイターはこの方!

クリエイター:TPSOUND

ボーカリスト/作曲家として活動中。

2024年より自身がボーカルを担当するプロジェクト HUGEN を始動し、2024年Fuji Rock Festival 2025 や様々な音楽フェスに出演。
さらにNHK連続ドラマ『聞けなかったあのこと』にて劇伴および寺尾紗穂とのデュエットで主題歌を担当するなど、活動の幅を広げている。
過去にはオルタナティブR&Bユニット City Your City のトラックメーカーとしても活動し、iTunesランキング1位を獲得。
サブスクリプションでの総再生数は500万回を超えるなど、幅広いリスナーに支持を集めた。
また、数多くの広告音楽制作やアーティストプロデュースも手掛けるなど、多面的な表現活動を続けている。

⁦https://www.tpsound.jp/⁩

現在のお悩み:Genelecのスピーカーでの補正をはじめ拡散パネルやベーストラップを入れてみたがしっくりは来ておらず、ずっと悩んでいる。

ということで、本編スタートです!

澤田(以降、澤):本日はお集まり頂きまして誠にありがとうございます。

早速ですが、読者の皆さんも自分で吸音材を貼ってみたり音場補正のソフトを入れてみたりといろいろ工夫をされていると思います。

実際にこちらのお部屋も拡散パネルやベーストラップ、お部屋のいろんなところに吸音材が置いてあったりと、いろいろな対策をされていると思うのですが、ここまで自分でやってみた上で気になっていることってありますか?

普段の作業場の様子

TPSOUND(以降:TP):まず、なんか左右の音量が違う気がしているのと、センターがバシッとこない感じがずっとあります。

澤:それは自分なりに吸音材の設置など色々やった後に(お使いのスピーカーがGENELECの8330Aなので)GLMでの測定&補正をしても感じてるという事ですか?

TPさんがご自身で設置した時の測定結果
TP:ですね。測定結果で120〜150Hzがバーンってなってるのと、あと低音がかなり分かりにくくて、、正直GLMの補正を外すともうキックとか追えない感じですね。後、高域も気になっていて、正直全体的にピンときてないです。

澤:森元さんと峯岸さんにお聞きします。今のお話とお部屋の中をぱっと見てみた感じで原因になりそうな部分ってあったりしますか? 左側はリビングへのスライドドア、右側はベランダへのガラス窓だったりして、反射とかも関係あるのかなと。

森元 氏(以降、森):横面はドアと窓でも、低音はこれくらいの厚みだと抜けちゃうから。左は隣のリビングの壁まで3mぐらいあって、窓側は無いに等しいので横向きのモード(定在波)はあまり気にしなくていいかな。

峯岸 氏(以降、峯):多分これの大きな原因は、スピーカーと後壁(スピーカーの背面の壁)との距離ですね。1/4波長のところにいなくて、ちょうど反射で120Hzくらいが相殺されてる感じになってると思いますよ。実際に長さを測って、計算機があればすぐに出せますよ。

澤:もうそれで出せちゃうんですね!すごいでしょプロって(笑)

TP:ですね!

峯:もしこの低域のディップ(凹み)を嫌うようだったら、スピーカーを壁に近づけてください。そうするとどんどんローが出ます。

澤:左のスピーカーの後ろが小窓なので大体ですが、測ったらスピーカーから壁までは73cmでした。ちなみにスピーカーのフロント面から壁までを測ります。

森:音は1秒間に約340m進むんですよ。100Hzとは、その中で100個の山谷が出来るので、1波長だと3.4m。で、波形の波って山と谷があって、反射でそれが重なると音は消えちゃう。

イメージ図
澤:位相合わせとかで出てくるやつですね。

森:そう、スピーカーから音が出て、後壁に当たって戻ってくる波が逆に重なっちゃうと消えちゃう。往復で1/2波長になるのがその状態。それがスピーカーから後ろの壁までの距離の問題。で、100Hz、3.4mの1/4波長ってどれくらいだっけ?

澤:85cmとかですか?

森:やっぱそうですね。今が73cmなので、今より壁から離していくとディップの周波数はどんどん下がっていきます。なので、今回はそれを避けるために逆にどんどん壁に近づけていきます。そうすると、どんどんディップしている周波数が上がっていきます。

澤:あ〜そうか、周波数が高い方が吸音しやすいので、ディップしている周波数が上がって行った方が対策しやすいってことですね。

峯:今ね、計算してたんだけど、計算通り117Hzだった(笑)

TP:測定結果通りですね。。すごいな。

澤:100Hzいくつとかだから結構天井高とか関係あるのかなと思ってたのですが、奥行きなんですね。ベーストラップ云々とかの前にディップの周波数をどんどん上にズラして吸音しちゃうってのが基本なんですね。

TP:ものすごい理に適ってますね。

澤:ね。今回はこういうのをちゃんと知りたくて企画したのでいい流れですね!

TP:壁と離したほうが低音が出る気がして今の位置になったんだけどな。前に行けるってことは部屋がかなり広くなりますね。それはそれで超うれしい(笑)

森:まず測定等の前にいつも通りのままの状態の音を聴かせてください。それを元に今回のゴールを決めようと思います!私も自分のリファレンスである「Bryan Adams/east side story」でチェックしてみます。

標準的な洋間の音してますね。多くのクリエーターがこの様な環境で作業していると思います。私ならこうするなってのが見えてきましたね。

峯:ちなみに普段ってこれくらいの音量ですか?ちょっと小さいかな。

TP:普通のマンションなので出せてももう少しくらいですね。本当はもう少し出したいのですが、家族もいるので。

峯:メーターでみると70〜75dbくらいですね。

澤:まあ、防音室とかじゃなければ出せてこれくらいだと思いますよ。

今回の趣旨が「自分の普段の環境のまま少しでもアップグレードしよう!」ということなので、逆にちょうどいいと思います。

TP:この曲「A Tribe Called Quest /Check the Rhime」をよく聞くんですが、イントロのキックが全然鳴らなくて、こんな音なのかどうかすら、そもそもの正解が分からないですよね。

森:低音に締まりが無くて存在感がないね、そして超低域がやたらと目立っている。

峯:今だと70Hz、80Hz、90Hzにディップがあるのでそうなっちゃいますよね。で、先ほどの通り、スピーカーを壁に近づけていけば低音出てくるのでそれを行うと同時に、この部屋の吸音率がかなり低いので部屋の容積に対してそれを上げていく作業をすれば改善すると思います。

森:今、自分のヘッドフォンで聞いてきたけど全然音違うね。。別の曲かってくらい低域の感じが違う。

TP:そうなのか〜、、、

峯:やりがいありそうですね〜(笑)ちなみにGENELECのSAMのバージョンを最新(執筆当時はVer.5.2)にしてありますか?

澤:最新にすると何かいいことがあるのですか?バージョンアップの時の説明って、機能的なことが多くてそこで音質が変わると思ってないので、意外とそのままの人が多いかと思います。

森:まず測定するときにちゃんとログインした方がGENELECの本国のサーバーの方で計算されるので結果が変わります。

TP:なんですかそれっ、、やったことなかったです。

森:これは確実にやったほうがいいですね。現状で一回測ってみましょうか?計測の高さはだいたい (床から耳の穴あたりの高さは)120cmなんですけどリラックスして作業するのはこんな感じですかね。お。ぴったり。頭の位置からスピーカーも120cmにしました。

峯:後、補正をする前にこの部屋のサイズを入れるところをちゃんと測って数字を入れるとどんどん結果がよくなります。

左下のRoom Dimensionsの部分
TP:それもやってないな。。

澤:ってことは、結構みんなやってないかもですね。。GLMって知れば知るほど奥が深いですよね。

いろいろ距離を測ってスピーカーの位置を調整し、測定開始!

ログインや部屋のサイズなどを正しく行った後の測定結果
峯:さっきより色々わかりやすくなりましたね。この後にGLMのServiceのメニューの中から、GRADE Report Orderを押します。このGRADE Reportってどんなものかって言うと。モニタリングにふさわしい状態にその部屋がなってるかっていうのを点数つけてくれる機能です。測定結果をここからGENELECに送信すると数分で登録しているメールアドレスに評価シートが届きます。

で、この緑はモニターとして「ふさわしい音だよ」オレンジのところは「まあまあふさわしいけど後ちょっと」で、赤くなっちゃってるところは「モニター環境としては要調整」になります。例えば、アーリーリフレクションのレベル初期反射のレベルがちょっと高すぎるとかですね。ちなみに現状はこんな感じでした。

峯:ここからの僕のプランなのですが、スピーカーは壁に近づけて低音を出すとして、この部屋の高域の残響時間が長すぎるので用意した吸音材で吸音していこうかなと思います。どこにどれくらい置いていくかが鍵になっていくので、まずはリスニングポジションをしっかり決めて、それに対して吸音材を配置していきましょう。

澤:この部屋で一番座っていい感じの場所を決めるということですね。

森:一番ダメなのが、リスニングポイントが部屋の中心になること。 部屋のモード(定在波)の山と谷が重なるので音が消える。

澤:今、結構真ん中目だね(笑)

森:できれば、1/3くらいの位置に座れるといいんだけどね。

TP:スピーカーを壁に近づけると反射とかでボアっとしちゃいませんか?

森:それは吸音をしてないからですね。しっかりと吸音をすればちゃんとハッキリしていきます。

TP:机ごとリスニングポイントが壁に近づけられるなら最高ですね。自分で調整した時に今の位置じゃないといい感じに聴こえなかったので、かなり不本意な位置に机と椅子があるんですよね。なので部屋の広さにくらべて、有効な範囲は結構狭かったんです。

澤:初歩的な質問なのですが、LRのスピーカーの間の距離と頭からのスピーカーの距離は揃えたほうがいいですか?

峯:正三角形にしたいですね。で、最初はスピーカーを30度くらい内振りにします。ここから22度くらいの間で調整するのですが、ここは27度で良さそうです。先ほど120cmでやりましたが、スピーカーの間隔をもう少し狭くしたかったので今回は110cmに揃えました。

みんなで部屋のセンターを調べたり机を動かしたりしました

澤:色々と位置を動かしたりセンターを決めたりしましたので、現状の測定をしようと思います。

壁側に移動後の測定結果
峯:大分、低音感が増しましたね。ただ今だとこの160Hzくらいの音が伸びてきこえてるんで、吸音したいところですね。一旦聞いてみてください。

TP:うお〜すごい。低音がかなり出るようになりましたね。すでにやばい。。

峯:課題というかまず濁りを感じるのが、、、、今回は多分「ミ」ですね。シンベとかでミを弾くとそこだけ大きくなっちゃうと思います。逆にラとかシとかは大分聴こえなくなってると思います。そうすると、作ってる曲のキーによって低音出し過ぎっちゃたり、削りすぎちゃったりしちゃうと思います。ちゃんと調べてみたらドも薄くなってますね。

澤:ここから吸音率を上げるための作業をいろいろ進めていきます!

森:まずは背面ですね。

澤:背面はどこよりも重要ですか?

森:スピーカー背面から反射して戻って来る1/4波長が一番問題になります。なので反射を減らす為にしっかりと吸音します。それで吸音しすぎて音に元気がない、エコー感が分かりにくいなどの問題が起きたら、反射面を付けることで調整します。

澤:それ結構重要なポイントですね。ちゃんと吸音してから反射で調整する。

峯:吸音で高域の残響時間を短く調整して、モニター音の残響感を判断しやすくなるのも狙ってます。

工作の時間です!吸音材をいろいろ置いていきます。窓を埋めて、背面に12枚分仮設置していきました

TP:この時点でかなり部屋がシーンとした気がする。スタジオみたい。聴感上全然違う。

森:スタジオみたいな音になってきたね。

峯:これで1回計ってみます!

できました!これを見てください。吸音前と吸音後の画像です。この辺のディップが大分減っています。

吸音前

吸音後

TP:全然違うな!こんなに変わるんですか?170Hz付近のディップがかなり収まってますね。

峯:次に左側のギタースタンドの上のところがちょうど第一反射の位置なので、あそこに吸音材を置きたいですね。鏡をあそこにもっていけますか?座ってる位置から見てスピーカーが写る位置がポイントです。

分かりにくいかも知れませんが、鏡の中に8330Aが写ってます

これが「鏡像」っていって、反射によって実際にあそこにもスピーカーがあるような感じになってしまっていて、それが音を濁してるんです。

森:左側の反射だけど、右スピーカーの反射で壁に右スピーカーの鏡像が出来ている。

ということで、左右の一次反射の部分に吸音材を置いていきました

TP:うわ〜全然違う。。。。

峯:イントロにサックスがいってるんですが、実は包まれ感が結構あったっていうのが体感できたと思います。それを阻害してたのがさっきの鏡像で、両耳相関が落ちてた感じなんです。音が鳴ってるのは左右のスピーカーからなのに音(例えばボーカル)がセンターにあるように聞こえるいわゆるファントムセンターですが、これには条件がありまして、両耳に同時刻に同音量にくることでことが前提なんです。一方でさっきのイントロの包まれ感(リバーブ感とホール感)いわゆる逆相系も両耳に同時刻に同音量にこないとしっかりでないんですよね。

TP:そうか、ちゃんと位相がズレたものちゃんとズレて聞こえるんすね。(リファレンスを再び確認中)。

峯:さっきこのブラスあんまり聞こえてなかったでしょ。結構逆相なんで。

TP:うわー全然違う〜!!俺、さっきからこれしか言ってない(笑)

澤:やりながら聞きたいんですが、吸音率をあげる場合って貼りたい部分に貼れなくてもどこかしらの面に吸音材とかしっかり置いたりするのでも効果あるんですか?

峯:やっぱりスピーカーの背面とか初期反射のところを潰していきたいですね。ちなみにこういう作業をやる前に電源アクセサリーに手を出すのはあまり良く無いと思います。結構パワーで持ってちゃうんでいい感じになるんですが、そもそもの問題は解決してなかったりするんですよね。で、こういう基本的なことを詰めた後だと効果がより分かるので順番を逆にした方がいいと思います。

澤:リバーブ感とかすごく聞こえる様になりましたね。

G:これがうまくいくと、イマーシブとかいらないんじゃ無い?って思っちゃうことがあるんですよね。イマーシブの仕事をしてる身ですが(笑)

TP:とにかく全然違う部屋なくらい音変わりましたね。包まれ感がすごい。

澤:「全然違う部屋なくらい音変わりましたね」頂きました〜!よかったですね(笑)

森:そうだ、最後の測定のGRADE Report orderって帰ってきてる?

峯:そうですね。そろそろきてるかもしれません。少々お待ちください。これが最新ですね!

作業後のレポート
一同:おー!全部緑だ〜!

峯:やったね!ちなみに元々がこれ。赤はなかったからそこまで悪くはなかったんだね。

作業前のレポート
TP:よかったです。いろいろやってたので(苦笑)

森:今の状態だと前面の吸音が多くてリバーブが聞こえにくいので、少し反射を付けたいですね。スタジオだと木のスリットを前面、横面、天井に付けて調整します。今日はモニターの真ん中に反射を付けて、そこに左右モニターの鏡像を付加して、奥行きを出すことにしてみます。

この後も微調整を繰り返して設定を詰めていきました

森:今日も思ったんだけど、8330Aはやっぱりいいよね。LAの山火事でスタジオが燃えて、再建した新しいスタジオでボブ・クリアマウンテンも使っていてびっくりした。今までGENELEC使っていなかったのに、DonlbyAtmosは8341Aだし。

峯:そうなんですよね。8330Aって、謎にわかりやすいんですよね。

森:以前8040A使ってて、今はOnes8341にして満足しているけど、ボブが使っているから8330A欲しくなった(笑)

TP:8331Aってやっぱいいんですか?

森:同軸Onesはいいよ。高いだけの事はある!ここからステップアップするならあれしか無いと思う。この部屋のサイズなら8331Aかな。

TP:やっぱりいいんですね、、、悩む。。。

〜TPさんがいろんな曲を聴きながらご満悦タイム中〜

TP:これはちょっとやばいですね。。全然違う。元の100倍音がいい!

ご質問タイム

澤:作業を終えてのご質問タイムです!まずTPSOUNDさんの率直なご感想を教えてください。

TP:ずっといろんな部分がポワポワしてて何が正解か分かんないところから、ここまで来るとは思ってなかったです。まず真ん中が全くどこなのかが分かんないって状態から、ボーカルが真ん中にどーん!って。同じ曲が全然違って聞こえるようになりました。

澤:ステレオもここまで突き詰めてみるとすごいですね。先ほども出ましたが立体感がすごい出ましたね。俺も家に帰ったら絶対やってみようと思いました。

峯:まとめると、まず何よりもスピーカーの配置と置き方。で、壁との距離で低音を作ってから、吸音材等でしっかりと吸わせる方が一般的な環境は整えやすいです。そうやって、一回しっかりと吸音で整えてから拡散とかアクセサリーの追加をする方がいいと思います。今回のGENELECのGLMやSonarworks、IKのARCシリーズみたいな便利な補正系アイテムに頼る前にいろいろ出来ることが多いです。元の環境が良くなればなるだけ、さらに補正の精度があがります。

で、吸音する場所もまずは背面、次に一次反射の左右、天井は自分の座る位置より前めな部分に一次反射の場所があるので、順番に吸音していけばいいと思います。

森:自分の背面とかは結構遠いのであんまり気にならないね。予算とかに余裕があればそこも詰めていけばいいと思います。

峯:今回、右後ろのコーナーにベーストラップ置いたらブーミーな感じも取れましたね。

森:そうか、予算があればそこもいいね。まずは前面、横面の吸音材の化粧ですね。今は仮設置で素材剥き出しだから布とか巻くだけでも見栄えがよくなると思うよ。

澤:で、この先アップグレードしようと思ったらスピーカーを変えるとかですね?

峯:うん。後はスタンドかな。今お使いのスタンドが結構グラグラしてるので、TAOCとかのちゃんと重たいスタンドに変えるともっとよくなると思います!

澤:その辺も含め全て我々Rock oN Companyにお任せください!

森:ですね(笑)

澤:ありがとうございました!

左から峯岸氏、TPSOUNDさん、澤田、森元氏
GENELEC
8030CP ダークグレー (1ペア)
¥158,400
本体価格:¥144,000
7920ポイント還元
GENELEC
8030CRw (1ペア)
¥158,400
本体価格:¥144,000
7920ポイント還元
GENELEC
8300-601-JP GLM kit
¥55,000
本体価格:¥50,000
2750ポイント還元

記事内に掲載されている価格は 2025年10月22日 時点での価格となります。

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