2025年10月16日、Rock oN渋谷にて「ワンコインこれであなたもMoveが欲しくなる!未経験でも素早くアウトプット!Ableton Moveでビートメイキング!」が開催されました。講師として、Moveを「個人的にすごく大好きなガジェット」と語るVツイン多田が登壇。本セミナーでは、Ableton Moveの機能、具体的な使い方、そして未経験者でも手っ取り早くビートメイキングができる理由について解説されました。
Ableton Moveとは? ライブAbleton LIVE! のDNAをポケットに
Ableton Moveは、約1年半前に発表されたAbleton純正のポータブルガジェットであり、オールインワン楽器。Ableton LiveのDNAをそのままポケットに入れているようなもので、楽器としての機能とDAW的な要素を兼ね備えています。Liveユーザーであれば、再生/停止やビューの切り替えといったアイコンがLiveと全く同じであるため、すぐに触れることができるでしょう。また、いくつかある同様な機能を有する製品の中でも、Moveは低価格目の価格設定も魅力の一つです。
主要なスペックと構成
• 内蔵音源:
アナログ風シンセ、ウェーブテーブルシンセ、ドラムヒット、サンプラーの4種類が軸となり、それぞれがさらに複雑なキャラクターに分かれています。
• トラック構造:
4トラック構成で、各トラックに対して8個のクリップを並べることができます。
• 保存機能:
楽曲の保存は「セット」と呼ばれ、move本体には32個のセットを保存可能です。ライブパフォーマンスやスケッチ置き場として活用できます。
• 連携機能:
Wi-Fi接続を通じて、Move Managerアプリ経由でファイル管理/転送が可能。Ableton LiveやiOSアプリのAbleton Noteとデータのやり取りが可能です。ただし、Noteへ書き出す場合、逆変換は制限されます。トラックなどの制限があるため注意が必要です。
• 入出力・サンプリング:
MIDIイン/アウトに対応。ステレオライン入力(16-bit 44.1kHz)によるサンプリングに加え、内蔵マイクも搭載されており、マイクがなくてもすぐにサンプリングができます。
Moveの魅力:なぜ「楽しい」のか
Moveの楽しさは、音作りからエフェクト、シーケンス、リアルタイムでのクリップ切り替えといった段階的な学習ができる点。これにより、初めて触る人でもベテランの人でも、改めて音楽の作り方を学び直すことができます。
4トラックの制約がもたらす効果
Moveはベース、ドラム、コード系、リードから任意の楽器を4つ選んで制作するという制約があります。この制限があるため、コーラスを重ねて厚みを出すといった手法よりも、「そもそもの4トラックの中で曲として成立するようにしっかり作る」という癖がつくことになります。
未経験者をサポートする機能
Moveは、熟読しなくてもチュートリアルや公式の教材が豊富にあるため、困っても辞書的に引いて解決しやすい機材です。
1. コード支援機能:
Moveにはコードの支援機能が搭載されています。Vツイン多田は実演しながら解説。特定のスケール(例:Gフラットのリディアン)を設定すると、光っている部分を触るだけで、楽器経験がなくてもおしゃれなコードを手の形で押さえることができます。トライアドや、指の形を少し変えることでマイナーやセブンスのコードも演奏可能です。
2. アルペジエーター:
ファンクションボタンからアルペジオ機能(アップ、ダウン、ランダム)を利用でき、そのまま録音も可能です。
3. ドラムの簡単ブラウジング:
各トラックでは、エンコーダーを回すだけで音ネタがすぐに変わるようにデフォルト設定されており、例えばDrum Rackで使用すれば理想のキックに出会うまで簡単にブラウジングできます。
Vツイン多田流Tips
Vツイン多田は実演を通じて、制作を効率化したり、ライブ的な表現を豊かにしたりする Move の機能についてを紹介しました。
ファンクションボタン(「…」マーク)の活用
このマークは非常に重要であり、押している間だけ、普段は触ってはいけない機能(パフォーマンス的な機能)が現れます。
• グルーブ機能:
ファンクションボタンを押しながら「~」マークを押すと、グルーブを調整する画面が現れます。これを使うと、跳ねたリズム(スイング)やヒップホップ的な後ろ乗りのリズムを意図的に作り出すことができます。
• 制作中の設定:
クリック(メトロノーム)、テンポ、フルベロシティのオン/オフ切り替えなどもこのファンクションの中に隠れています。
エフェクトの自由度
Moveでは、4つの各トラックに対して、リバーブやディレイなど複数のエフェクトから好きなものを2個ずつ選んでかけることができます。共有ではなく別々のエフェクトが使えるため、サウンドデザインの自由度が高いです。さらに、マスターでもエフェクトをかけることができます。
Vツイン多田は、Moveを「ギタリストが家に帰って何も考えずにギターを触るような感覚」で使えるガジェットとして高く評価。例えば、ソファーなどで転がりながらとりあえず触ってみることで楽曲制作を身近にしています。また、手癖に囚われず、手の形から思いがけないコード進行が生まれることも、気に入っている点の1つとのこと。
MoveはAbleton Liveのコントローラーモードも搭載しているので、Liveにステップアップして作業する際も、そのままコントローラーとして使い続けられることが魅力です。Move購入時にはAbleton Live Introが付属するので、そこから本格的な制作へのステップアップが可能です。
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記事内に掲載されている価格は 2025年10月17日 時点での価格となります。
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