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Nov.2025
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【レポート】1コイン ワークショップ / 音の動きを掴め!~ノリのいい音楽を作るために~

11月20日、Rock oN渋谷で開催されたセミナー「音の動きを掴め!~ノリのいい音楽を作るために~」では、Rock oN渋谷 バウンス清水が、ノリを生み出すための本質的な思考法と具体的なテクニックについて、全6ステップに分けて解説しました。

ノリの良い音楽を作るために欠かせない要素は何か?それは単に音を並べることではなく、音一つ一つの「動き」と「タイミング」を徹底的にコントロールすることにある!

曲を作る際、音一つ一つがどのように動いているかを意識しているか? バウンス清水は、音楽と魔法を同一視しており、「イメージできない音の動きは再現もできないし、作ることができない」と述べます。この考えに基づき、セミナーでは以下の6つのステップに沿って、ノリの良いビートメイクの秘訣が語られました。

音の動きと魔法
本セミナーのテーマは「音の動きを掴め!~ノリのいい音楽を作るために~」という、興味深いものでした。バウンス清水は、ノリの良い音楽制作において最も重要となるのは、音の動きをイメージすることだと強調。

曲を作る際、音一つ一つがどのように動いているかを意識しているか?
バウンス清水は、音楽と魔法を同一視しており、「イメージできない音の動きは再現もできないし、作ることができない」と述べます。セミナーでは以下の6つのステップに沿って、ノリの良いビートメイクの秘訣が語られました。

ステップ1:音の動きを掴め
まず、自分が好きな曲を聴く際に、その音がどのように動いているかをイメージしながら聞くことが重要です。単発の音が持つ動きを意識することが、ノリの良い音楽を作るための土台となります。

ステップ2:音の動きの組み合わせは曲となる
個々の音の動きが見えてきたら、次にその組み合わせを意識します。キックとスネアの組み合わせだけで、「乗れるグルーヴを作ることも可能になります。」バウンス清水は、ノリを掴むためには、耳だけでなく体で感じることが非常に重要であるとし、踊ったりすることで感覚を養うことが、ビート制作における違いを生むと述べています。

ステップ3:音の形、動きをコントロールする
打ち込みにおいて、音の動きを制御する重要な要素が、ADSR(アタック、ディケイ、サステイン、リリース)です。
デジタルの打ち込みの利点は、音の形や動きをコントロールできる点にあります。もしADSRを意識せずに適当にいじったり、あるいは全く触らなかったりすると、ノリの良いビートを作ることは難しくなります。いわゆる「センスがある人」は、言葉で意識せずとも「気持ちいい」と感じる方向に調整ができていますが、この気持ちいい状態を作り出すためには、ADSRの調整が不可欠です。ミキシングの段階では調整が難しくなるため、ビートを制作する段階(仕込み)でADSRを意識することが大切です。例えば、キックの残響が欲しい場合、レイヤーするのではなく、リリースやサステインを調整する方が単体でその部分を出すことができる、という考え方です。

ステップ4:音のタイミングを司れ
音の形を調整し、ナイスなビートが完成した後に来るのが「匠の技」の領域、つまりタイミングの調整です。打ち込みでグリッドからずらすというような話ではありません。
この調整は非常に繊細で、1サンプル早いか、1サンプル後ろかでノリが変わります。例えば、スネアを1サンプル前にすることで「抜けてくる」といった効果が得られます。バウンス清水は、音を処理する際、EQやコンプレッサーをかけるよりも先に、タイミングを調整するべきだと解説。タイミングが合っていないと、聞かせたい帯域が出せず、タイミングをずらすだけで聞かせたいポイントに音を持っていくことができるからです。先にEQやコンプで音を処理しようとすると、音が細くなり、結果的に「貧弱ビート」になる恐れがあると警告しています。

Ableton Liveは、デフォルトでトラック単位のサンプル調整が素早く行えるため、打ち込み段階で便利だと評価。また、バウンス清水が愛用するプラグインとして、Eventide Precision Time Alignを紹介。これは、0.01サンプル単位で調整が可能であり、多くのプラグインが最小1サンプル単位である中、この極めて微細な調整(「サンプルの向こう側をいじる」)ができる唯一のツールです。

Eventide
Precision Time Align
¥4,400
本体価格:¥4,000
66ポイント還元

ステップ5:乗り方が違う?!
ジャンルによってノリ(グルーヴ)の視点が異なります。バウンス清水は、プロデューサーのティンバランド(Timbaland)の映像を例に挙げ解説。もし、ビートが持つノリとは逆のノリ方でラッパーが乗ってしまうと、「全ての音が静止する」という現象が起きるといいます。バウンス清水が考える「うまいラッパー」とは、与えられたビートの持つ動き(グルーヴ)に対し、ラップが乗ったことによってその動きがより大きくならないと意味がないと考えています。もしラップが乗った結果、首の動きが小さくなってしまったら、そのラッパーは「下手」だと判断できるとしています。

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TimbalandのX投稿から

https://x.com/Timbaland/status/1390713209342947328
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ステップ6:実践のみ

最終ステップでは、Ableton Liveを使用した実践デモが行われました。トラヴィス・スコットのアカペラ素材を使用し、ハット、スネア、キックの3つの素材のみでグルーヴを作る実験が披露されました。

手順としては、まずクリック(Ableton Liveのクリックはピッチが高く、グルーヴの振り子の支点として機能しやすいと評価)に合わせてボーカルを配置します。次に、そのボーカルに対してハットを乗せていきます。タイミングをわずかに後ろにずらすことで、音量が下がっていないにもかかわらず、「音が太くなった」「身のあるハットになった」という印象の変化が確認されました。この意識をもってビート制作を行うと、曲のグルーヴに合わない音を排除できるため、最終的に音数が少ない(シンプルな)曲になるという傾向があると締めくくられました。これは、ノリを意識して作っているからこそ、「この音はいらない」という判断がすぐにできるためだということです。

まとめ

今回のセミナーは、グルーヴを「なんとなく」ではなく、「イメージ」と「微細なタイミング」でコントロールするデジタル時代の制作手法を深く掘り下げた内容でした。この音の動きを掴むという行為は、まるで魔法使いがその現象を完璧にイメージする行為と似ています。音が目に見えない存在だからこそ、作り手がその動きをイメージし、サンプル単位で意図的にコントロールすることが、ノリの良い音楽制作の鍵となることが示されました。

1コインワークショップは毎週木曜開催中!

※料金は全てワンコイン(500円(税込))
詳細、お申し込みはこちらから!

https://www.miroc.co.jp/rock-on/1coin_workshop_schedule/

今後のメニュー

11/27(木) at Rock oN渋谷
「即効性抜群!EQをちゃんと理解できる様になる30分!Vol.1」
講師:あの澤田

12/4(木) at Rock oN渋谷
teenage engineering OP-XY直感&瞬間ビートスケッチ講座
講師:Ryo Takahashi

12/4(木) at Rock oN梅田
Ample Guitar を使いこなせ!ハイクオリティなギター打ち込み講座
講師:タムタム田村

12/11(木) at Rock oN渋谷
モジュラーシンセの始め方 超初心者編
講師:ACID 渋谷

12/18(木) at Rock oN梅田
年末、音の大掃除 〜ストレージ・データ整理・機材クリーニングで新年を迎える準備を〜
講師:ファジー日下部

記事内に掲載されている価格は 2025年11月21日 時点での価格となります。

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