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80年代のアナログシンセ黄金期に登場し、HipHopやデトロイトテクノ等のエレクトロミュージックでは定番のアナログドラムマシンとなった、Roland TR-808とTR-606。古さを感じさせないファットかつタイトな独特のドラムサウンドは、過去から現在まで数多くの名曲たちのリズムセクションを支え続けています。
そんなTRシリーズのユーザーは世界中に数多く、彼らの熱意に呼応してか、遂にはその歴史を綴ったドキュメンタリー映画「Planet Rock and other tales of the 808」も公開される運びに。
今回ご紹介する「Delptronics “Little Drummer Boy” LDB-1」はTR-808やTR-606を彷彿させるアナログドラムサウンドと、手のひらに乗る程のコンパクトなボディのドラムマシンです!(残念ながらこのLBD-1は日本では発売されていません。)
LDB-1が演奏できるドラムサウンドは8種類。キックやスネアなどの皮モノにハイハットやシンバルなどの金モノが一通り揃っています。アナログドラムマシンであるLBD-1の心臓部は正真正銘、本物のアナログ回路であり、サンプリングやモデリングではありません。また、アナログ機器につきものの時間経過と共に出音が不安定になりがちな弱点も、安定化のために組み込まれたデジタル回路で制御することで見事に克服しています。
LDB-1本体のボタンを叩く事でリアルタイム演奏が可能なのは当然の事、小さいながらも本家TRシリーズのようにステップシーケンサも搭載しており、本体内の32個の基本プリセットパターンから好きな物を選び、BPMつまみでBPMを指定してやるだけで、手間暇をかけずに即座にLDB-1を自動演奏させられます。この辺のフットワークの軽さはハード機材ならではですね!リズムパターンは自作して32個まで本体内に保存する事も可能。また、それらのパターンを組み合わせたソングデータ形式で16個まで本体内に保存することができますので、ドラムフレーズのバリエーションは無限に広げられますね!
MIDI端子(入力のみ)やDIN Sync端子も備えているので外部シーケンサーのスレーブ機器として同期演奏させたり、逆にLBD-1からオーディオトリガー信号を出力することでマスター機器として他の楽器を同期させることも可能です。そして、実はLDB-1の駆動用電源には9V型電池も使えるので、スピーカーさえあればモバイルして外で演奏することだって出来ます。低価格ながらも出音と小型モバイル楽器として定評があるKORG monotronシリーズとLBD-1は、サイズ、ルックス、サウンドなどコンセプト的にもマッチしそうですので、ライブ用のパフォーマンス機材や、敢えてPCに頼らないハード機材オンリーの制作など、その目的や音楽ジャンルに合わせてLBD-1と最適なMonotronsシリーズを組み合わせた環境を作ってみるのも面白そうです!
LBD-1はDelptronicsのサイトで販売されていますが、自作ユーザー向けにキット販売も行われており、こちらは完成版に比べてもお得な価格に設定されています。英語と電子工作の腕に自身のある方は自作したり、出力段にオーバードライブ回路やフィルター回路等を組み込んで改造してみるのも面白いかと思いますよ!
記事内に掲載されている価格は 2012年7月28日 時点での価格となります。
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