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グランドピアノの弦に金属片やゴム、木などを挟むことで、金属的な残響感や打楽器感の強い前衛的なサウンドを奏でる「プリペアドピアノ」をサンプリングしたサウンドライブラリ「IRCAM Prepared Piano」が、Ultimate Sound Bankから公開されました!
IRCAM(イルカム:フランス国立音響音楽研究所)は1977年フランスに設立され、音楽制作と科学研究に特化した公的研究機関として、この分野において世界最先端の技術を持ちます。この音源はそのIRCAMとUltimate Sound Bankが共同開発したことでも話題となっています。
(※Ultimate Sound Bankは過去にも「IRCAM Solo Instruments」というライブラリをリリースしています。)
プリペアドピアノとは「4:33」で知られる現代音楽家ジョン・ケージが1940年代に発明した手法です。グランドピアノの弦に金属片やゴム、木などを挟むこと(こういった行為を「プリペア」と呼びます)で、音程が不安定な音や、ティンバレス、ガムラン、カリンバのようなアタックに特徴のある音を演奏するという、本来のピアノの演奏とは異なった特殊演奏・パフォーマンスです。
プリペアドピアノはあまりにも本来のグランドピアノから離れたサウンドであるため、現代音楽の世界ではグランドピアノとは別物のプリペアドピアノという名称の一つの楽器として扱われるようになりました。そんなプリペアドピアノのパフォーマンスやサウンドに興味を抱かれた方は、是非ともこちらの動画をご覧ください!
消しゴムや釘、洗濯バサミなどのパラメーターが、この音源がいかに個性的であるかを物語っています。
本物のグランドピアノをプリペアドすると、調律が狂ったり、弦を傷つけてしまう可能性がありますが、ソフトウェア音源化されたIRCAM Prepared Pianoであれば、そういった心配もなく、気軽に思う存分プリペアドピアノのサウンドを楽しめます。
現代音楽以外にも映画音楽や効果音制作等、幅広く応用が利きそうな面白そうなライブラリですね!日本国内での発売予定日は2012年8月下旬とのこと。これは楽しみですね!
記事内に掲載されている価格は 2012年8月9日 時点での価格となります。
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