本サイトでの Cookie の使用について

閉じるボタン
head-love Created with Sketch. CREATOR
HOW TO

あなたの楽曲制作にヒントをもたらす数々のノウハウ記事に加え、膨大な動画コンテンツは制作トレンド&Tipsの集大成!

31
Oct.2017
HOW TO
  • HOME
  • HOW TO
  • HEADLINE
  • Dolby ATMOS / NHK 22.2 がもたらす多CHネットワークオーディオの世界! by ハンダ山口

Dolby ATMOS / NHK 22.2 がもたらす多CHネットワークオーディオの世界! by ハンダ山口

20171031_sinsou_yamaguchi_1390

ネットワークオーディオは現在多用途でその世界を広げています。16bit/44.1kHzを越える音声/音楽を再生できるオーディオ機器間のネットワークでは、テレビとの接続やPC/Macを使った膨大なライブラリから曲を選べる再生側の話で家のどこにいても音楽の再生ができるWifiネットワークでのオーディオの楽しみ方が提案されています。

もう一方でMADI、Dante、DigiGridをはじめとするスタジオ環境での収録、長距離の伝送を可能とするライブ録音では多くのチャンネルを少ない本数のケーブルで伝送できる優位性から導入が進んでいます。Cueを意識したAVB、PoEなどのLANケーブルでの送電ではLANのみで電源も供給できる事でACケーブルの煩わしさもなくなるなど多くのメリットを含んでいます。その中でレコーディング環境を一変させているネットワークオーディオにおけるDante/MADIなどのプロトコルにおけるネットワークオーディオの伝送を紹介します。


MADI / Dante / SoundGridなどインターフェイスを選ぶ際にその名前を聞いた事がある方もいるのではないでしょうか?規格自体に共通性はありませんが、おおむね24bit/48kHzで最大64chの伝送をオプティカルケーブル/同軸ケーブル/LANケーブルで可能にする伝送規格です。仕組みとして簡単に説明すると、1本で64ch分の信号情報をデジタルで送電し、レシーバー(受け側)で再度信号情報として認識させるものです。今までの録音であればアナログ信号を複数のケーブルで長距離引き伸さなければいけませんでした。重く、引き延ばすほどに音質が劣化していくアナログの伝送は機材自体の保持・メンテナンスや現場の人員確保など、コストがかかる厄介な面が多く存在していました。

また、一方でデジタルでの伝送はAD(アナログ-デジタル)変換のコンバーターは処理に遅延(レイテンシー)がかかるため、現場で使うには抵抗感があったのも事実です。現在主流となっているデジタルでの伝送はその部分で大きく進化を遂げています。まずデジタル伝送であればLANケーブルやオプティカルケーブル、同軸ケーブル1本で上限とされる距離まで簡単に引き延ばすことが可能です。

[同軸ケーブル]

01

[オプティカルケーブル]
02

詳しくは過去の記事ですが以下のリンクにて技術概要など詳しく書いてありますのでご参考ください。
http://pro.miroc.co.jp/2012/07/09/proceed-rme-hdspe-madi-fx/

またLANの特徴としてHUBを介した分配やシステムの拡充も思いのまま。Danteを使ったFocusrite機器の中にはAM2のようなDanteネットワークの中から2chを指定してモニターできる製品や、Rednet XP2のような簡易的なインターフェイスも統合して使えます。これによって手持ちの機材が圧倒的に減ると同時に断線や接触不良といった物理的なアクシデントも大幅に軽減することもできるのは大きなメリットです。その中で今回、MADIとともに導入が進んでいるDanteと個人/スタジオ向けのSoundGridを紹介します。

Dante

03

上記が接続図の一例になります。

・RedNet PCIe

https://pro.focusrite.com/category/audiooverip/item/rednet-pcie

こちらがMacとPCIeで接続しDanteを受けるインターフェイスボードとなります。それをCAT5のイーサネットで接続しスイッチングHUBをつなぎ、複数のDante互換のインターフェイスとともにシステムとして使用できます。この場合は24IN24OUT(Line) I/OとDigitalのインターフェイス、8chのMicPre付きインターフェイスを同時に使用できます。多くのDAWの場合はインターフェイスを1つしか選択できないので、拡張にADATなどを使用していましたが、1対多のスター接続であれば拡張性の自由度が高まり、双方向で、より的確な録音/再生環境を個々人で選択できるのが強みです。

・RedNet1 (8ch AD/DA) 

https://pro.focusrite.com/category/audiooverip/item/rednet-1

・RedNet2 (16ch AD/DA) 

https://pro.focusrite.com/category/audiooverip/item/rednet-2

・RedNetシリーズ

https://pro.focusrite.com/category/audiooverip

SoundGrid

SoundGridのメリットはやはりCueシステムやモニターを含めた統合的なシステムが、最小単位でも組めるようになっているラインナップの良さ。比較的PAなどの信頼性に重きを置くDante/MADI製品では価格帯の高い商品が多い中、SoundGridは個人スタジオで導入しやすい機材が揃っています。モニターセクションのみを引き抜いた、DiGiGrid “D”など単機能で低価格のラインナップ。PoE接続対応なのでLANケーブルから給電可能で、ACアダプターも不要と利便性も高いです。

Digigrid Desktopシリーズ

http://www.digigrid.jp/desktop/

04

また、一般的にはHDX/HD Nativeカードがなければ使えないHD I/O互換のI/Oをデジタル信号として処理し、SoundGridの信号として処理する事も可能。接続は下の図を参考にしてください。

・DiGiGrid DLS

http://www.digigrid.jp/portfolio/dls/


05

多CHのINPUTでのメリットは勿論の事、冒頭のDolby ATMOS / NHK22.2フォーマットなど今後、1オブジェクトにつき1chのような多くの再生ソースを個別にOUTする事例が増えていく事が予想されます。その際にネットワークオーディオであれば距離や個数に対して、最小限の配線で最大の効果が得られるのも大きなポイントとなります。

また、ここまで全くの別規格として紹介してきたMADI / Dante / SoundGridですが、実際にはブリッジという変換装置を入れる事によって同一のネットワーク内にも存在する事ができます。YAMAHAでは拡張ボードに並々ならぬ情熱を持っていて、ほとんどの規格に対して対応ボードを作成していますので、ネットワークの拡充に秀でています。

そして可能性を多く秘めているのはAvid MTRXも同じです。

06

今まではAD/DA、AES/EBUカードのみで制約が多かったHD I/Oですが、MTRXはオプションのカードと搭載用のスロットが豊富です。MADIのボードは本体へインクルードする形で1系統。MADIのボードでは2系統を1スロットの使用で拡張可能です。

07_2

上記がカード一覧になります。

  • [8ch Line In ADカード]
  • [Dual SDI/HD/3Gカード][2chMic/Line カード(Talkback)]
  • [64-Ch Danteカード][8ch Mic/Line In ADカード]
  • [Dual MADIカード][8ch Line Out DAカード]
  • [MADI ベースユニット用モジュールカード]
  • [16ch AES3 カード]

システムの中核を担う商品としてHD I/OにはなかったSDI/HD/3G、MADI、Danteを受ける事ができるのは大きなメリットではないでしょうか。

伝送によってより簡単かつ複数のシステムに対応でき、拡張性と将来性を持つネットワークオーディオ。今後も注目です。


プロダクト深層世界一覧

    記事内に掲載されている価格は 2017年10月31日 時点での価格となります。

    最新記事ピックアップ

    春のサウンド開花宣言スタッフレビュー!YAMAHAのモバイル・オールインワンギア…
    こんにちは。 「ドラムからシンセ、サウンドデザイン用コントローラーにシーケンサーまで、これ一台で」という触れ込みで、プリセットサウンド2,032、プリセットサンプラーサウンドが392搭載されていて、発売以来注目が集まって [……
    春のサウンド開花宣言スタッフレビュー!SkyDust 3Dを Dolby Atm…
    こんにちは、SCFED IBEです。 先日の「Altiverb 8 XLを Dolby Atmos9.1.6chフォーマットで聞いてみた」レビューに続きまして、SOUND PARTICLES社の3D対応シンセサイザープラ [……
    【前半】音楽と映像を横断するレーベル Chilly Source インタビュー 
    ヒップホップを軸に、音楽と映像を横断しながら、 チルで刺激ある世界を生み出し続けているライフスタイルレーベル「Chilly Source」 今回はメンバーから4名をお招きし、結成の経緯から現在の活動までをお伺いしました。 [……
    『田辺恵二の音楽をいっぱいいじっちゃうぞVIDEOS Vol.232』YAMAH…
    作曲からミックスまで、田辺さんのノウハウを垣間見ながら、その中で制作風景や気になるクリエーターを紹介したり、最新の機材をいじっちゃうというこの企画。 音いじ第232回目は前回のYAMAHA VOCALO CHANGER [……
    春のサウンド開花宣言スタッフレビュー!Altiverb 8 XLを Dolby …
    こんにちは、SCFED IBEです。 音楽制作やポスプロ業界の定番としてリバーブ・プラグインの王座に君臨してきたAUDIO EASE / Altiverbが、約12年ぶりのメジャー・アップデートを遂げました。今回の目玉は [……
    ◎春の新製品 大特集!スタッフレビュー&ノウハウイベント満開!
    一筆入魂!スタッフレビュー ノウハウ満載!イベント Rock oN SOUND BLOOMING!春のサウンド開花宣言!
    春のサウンド開花宣言スタッフレビュー!宅録デビュー向けのコンビ?!LEWITT …
    みなさまこんにちは、ロックオン渋谷店頭スタッフのCooper天野です。 以前、ご試聴の片付け中にふと思い至り、こんなツイートを残しました。 違うメーカーなのにこのデザインのマッチング感!さながら近未来というか映画「マトリ [……
    春のサウンド開花宣言スタッフレビュー!Genelec 8381Aを設置して聴いて…
    こんにちは。Vツイン多田です。 去る2月某日、Avid Creative Summit 2024の前日にRock oN Shibuyaにとてつもないスピーカーがやってきました。 Genelec Japanの皆様が前日の朝 [……
    春のサウンド開花宣言スタッフレビュー!Babyface pro FS の新しい魅…
    こんにちは。タムタム田村です。 決算セールが先日幕を閉じ、ふと2023年度を振り返っておりました。お陰様で沢山の機材を皆様にご購入頂きましたが、中でもRME / Babyface Pro FS の人気は凄まじいものでした [……
    究極のソフト音源3選☆☆☆第2回:初心者にお勧めのベース音源
    初心者にお勧めのベース音源を3つに超厳選!
    Neumann MT 48 デモンストレーション!-ボーカルレコーディングの模様…
    Neumann初のオーディオインターフェイスということで、発売してから各所で話題沸騰中のMT 48。 スイスのメーカーMerging Technologiesとの緊密な連携の上に開発され、136dBのダイナミックレンジで [……
    半径1,000km圏内でレイテンシーゼロ?!話題のリモートデバイスZOOM S6…
    「遠く離れたバンドメンバーと、いつでもセッションしたい」・・・そんなことを考えたことはありませんか? そうした夢をかなえるべく、構想・開発に2年半をかけて誕生したのが、リモートセッション・ユニットが「ZOOM S6 Se [……
    Copyright © Media Integration, Inc. Rock oN Company