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HOW TO

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31
Aug.2018
HOW TO

HEAR THE REAL TONE 2018 Modeling Mic 編

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競合プロダクトの真実の音をユーザーへ届けるHear the Real Tone2018、第一弾は実在するレジェンドマイクサウンドをモデリングする先進のモデリングマイク3機種を徹底比較!
春に行われた『リマイク一刀両断セミナー』収録サンプルをベースに、3社が共通するレジェンドマイク3モデルに加え、各社1推しのモデルを1機種ずつ用意。

コンセプトは同じながらも、手法や技術の違いにより三者三様の個性が浮かび上がる興味深い結果に。あなたの機材選びに是非活用してください!

INDEX

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Modeling Mic


 
 

全てのモデリングマイク音源をダウンロード(24bit/96kHz Wav)

総評 : その人に合うモデリングを探す楽しみが増える

特色豊かな3機種だが、実際に使用してみてどのような印象を持たれたのでしょうか? 飛澤氏に音源をチェックしていただき、各機種のインプレッションと3機種を使いこなすポイントを伺ってみました。

Rock oN : 各機種の印象はいかがでしたか?

飛澤氏 : どの機種も良くできていますよね、マイクもそれぞれ良く抜けていて、そういう意味では立ち上がりや感度がよく、モデリングの個性がより出るようにトランジェントもよく作られているんでしょうね。

.まず、Antelope Edgeから振り返ると、中低域が少し出ていて女性ボーカルなんかは太く録れるのではないかという印象です。モデリングについてもその味付けが強く出る感じで、そのインパクトというか一聴して納得させる説得力があります。モデリングするとレベルも上がる感じがして、極性のコントロールも無指向にするとマイクの裏側の質感をふわっと拾う感じが出てきますね。

.Slate Digital VMSは、ボーカリストがパッと口を開ける、つむぐという空気感のようなものが一番表現できているかなという感じです。感度のいいコンデンサマイクというのはその空気感がよく録れるんですけど、その感じがよく出ているのはVMSでしたね。モデリングも選択肢がたくさんあって一番ナチュラルで素直と言えるのではないでしょうか。実際のオリジナルを思い出させる「あー、この感じ」というのが見えてくるモデルでした。

.Townsend Sphereはちょうど2機種の中間で、上が綺麗にさーっと出てくるU67のようなタイプ。この表現で行くとAntelopeはU47、Slate DigitalはTLM49といったところでしょうか。このTownsendで面白いなと思ったのは2つのマイクをブレンドできるというところ。ダイヤフラムの裏表で別のモデリングをするわけではなくて、2本のマイクのいいところを合わせてしまおうという発想が面白い。例えば、49をベースにして中域の勢いをもう少し増やしたいならそこに67を足すとか、もしくは上の抜けが欲しいなと思ったら800Gを足すとか、そういう使い方ができてしまう。音質もEQで調整するのとは違うので、重なり方がナチュラルですよね。

Rock oN : なるほど、これは全機種共通の使いこなしと言えそうですが、ボーカリストのパフォーマンスをどう引き出すかというポイントもありますよね。

.飛澤氏 : 僕は基本的にすごくオンで録るんですよ。今回も10cm以内のセッテイングで、マイクからポップガードまで5cmくらいでいつも立てます。しっとりと小さい声で歌う時はポップガードに鼻が付くくらい近くで、大きい声で歌う時の離れ具合はボカリストに委ねているのですが、この、ボーカリストが小さい時は寄りたくなる、大きい時には離れたくなる、という本能的な動きが起きても自然に成り立つように返しのバランスを作っておくんです。心地よく歌ってもらわなきゃいけない、そのためのバランスを作る、これが歌録りでのミキサーの一番大きな仕事なので、僕は歌ってもらう前に必ずモニターをチェックしにいきます。モニターってすっごい大事なんですよ。いい演奏やテイクを引き出すための最低限の条件で、その環境を築くことっていうのが大切なんだけど、経験で成り立つ一番難しいところかもしれませんね。ミキサーも自分で歌ってみるのがいいですよ(笑)。

Rock oN : 今回の3機種でリマイクという新しい手法が取れるようになったわけですが、制作の方法も変わりそうですか。

飛澤氏 : 後から手を加えられるという点でやっぱり音作りの方法も変えられるでしょうね、EQで作っていくよりも断然面白いだろうし。EQって補正なので、音質を変えるのであればこういったモデリングで行うというほうが理に適っているかもしれません。何よりも、その人にあうモデリングを探していくっていう楽しみが増えるのはとても大きいですよね。

Rock oN 総評

正直なところ、市場にマイクモデリングという選択肢に対する拒否反応みたいなものがないといえば嘘になりますが、ユーザーとしてはサウンドの選択肢が多くなったと歓迎しています。アナログ/デジタル問わず、最終的にその人の主観でキャラクターとして受け入れてほしいと考えています。

1本のマイクで何種類かのトーンを本質的に変えられますという意味で使うのが正しい使い方、でも願っているサウンドが本物のマイクであった場合は是非実機も買ってほしいですね。

やはりトランジェント特性などの面ではハードウェア面でもマイク本来の構造や素性に左右される部分も多く、黎明期という言葉が適切ですが、その部分すらも将来的に技術の力によって乗り越える可能性も大いに秘めている先進分野だと思います。(スティービー竹本)

収録環境 / 出演

26

レコーディングは、ボーカリストの小寺可南子さん、エンジニアの飛澤正人さんにご協力頂き実施。Rock oNリファレンスルーム ブース内に

  • Antelope Audio Edge
  • TOWNSEND LABS Sphere L22
  • SLATE DIGITAL Virtual Microphone System (VMS)

を同セッティングで並べ、連続して30秒程度の同パートを収録していきます。

レコーディングは純粋にモデリング前のカプセル自体の比較を行えるように配慮するため、それぞれのメーカーのマイクプリアンプではなく共通してSymProceed MP4を使用しています。ボーカリストとマイクの距離感が同じになるようにコントロールして収録を行いました。

※本収録環境および写真/コメントは2018年4月に行われたリマイク一刀両断セミナーにて撮影/収録されたものです。

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まとめて比較試聴!

Neumann U67 モデリング

Neumann U47 モデリング

SONY C-800G













記事内に掲載されている価格は 2018年8月31日 時点での価格となります。

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