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近年映像分野の成長は著しく、その中でもAR/VR/MRといった現実世界と仮想空間を融合させた映像・音楽作品が着々と普及してきています。
YouTube、facebookといったプラットフォームはすでにVR動画のサポートを開始しており、誰でもVR動画を作成しシェアするという環境がすでに整っているのです。
環境が整っているといってもまだ投稿をするには専用の機材を用意したりと、未だ導入の難易度も高い点もあります。その中で先月、これまでのハードルを下げたと言っても過言ではない製品が登場しました。それがZOOMから登場したアンビソニックス対応オーディオレコーダー「H3-VR」です。
アンビソニックスとは
「そもそもアンビソニックスとはなんぞや。」という方のために簡単にアンビソニックスについてご説明いたします。
アンビソニックスとは立体音響を収録・再現するための音響技術のひとつで、主に4つの単一指向性マイクにて集音した音声を球調和関数により、無指向性と上下、前後、左右方向の双指向性の4種類に分けることできます。このデータを合成することで多方面からのバイノーラルステレオや、5.1chサラウンドなどを比較的簡単に作成することができるため、頭の動きに合わせて音の方向を変更しなくてはならならいVR動画などには打って付けの技術なのです。
もちろんマイクの数を増やせばさらなる次元の再現も可能になりますが、再生を行うための処理が複雑となるため、現在は4つのソースから収録するのがスタンダードとなっています。
これまでアンビソニックス形式で集音をするためには、アンビソニックスに対応したマイクを用意する必要があり、またモニタリングするためにも専用のソフトウェアやアンビソニックスのデコードに対応したレコーダーが必要でした。ですがZOOM「H3-VR」では、レコーダーとマイクを搭載。本体だけで収録、モニタリングまで行うことができます!
実際にアンビソニックスを体験
下記が実際にバイノーラルで収録されているVR動画になります。視点を変更すると、合わせて音も追従する様子を是非体感してみてください!
※PCでの視聴の場合は、動画をドラックして視点を変更可能です。
※スマートフォンアプリでの視聴の場合は、スマートフォンを動かすことで視点変更が可能です。
アンビソニックスからバイノーラル、ステレオマイクとしても活用可能
先ほどご説明しましたように、アンビソニックスで収録を行っていますので、録音した後から付属の専用ソフトウェア『ZOOM Ambisonics Player』を使用することにより、バイノーラルへ変換を行ったり、ステレオ、5.1chサラウンドへの変換も自由自在です。
また本体のみでもバイノーラル、2chステレオ形式にて収録が可能です。
特徴的なプレイバック機能
アンビソニックス形式で録音したデータをプレイバックする方法として、「H3-VR」では、他にはあまり見られないトラッキング再生という面白い機能があります。
これは内蔵の6軸モーションセンサを活用し、ZOOM「H3-VR」を傾けたりすることで、再生方向を変更することができる機能です。直感的に再生方向を変換することができるため、その場での確認には重宝しそうです。
USBマイクとしても使用可能
「H3-VR」にはオーディオインターフェース機能も搭載していますので、最近流行りのライブストリーミングや、ビデオ会議などでもアンビソニックス形式にて収録を行うことが可能です。
オーディオインターフェース機能での入力形式は下記形式に対応をしています。
今後も注目されるVR
冒頭に挙げたようにYouTube、FacebookではすでにVR動画の投稿/再生に対応しており、再生環境もスマートフォンに装着するタイプや、Oculus社のOculus goなど比較的安価なモデルが投入されているため、着々と普及が進んでいます。
これからも盛り上がりが予想される面白い分野ですので、是非チャレンジされてみてはいかがでしょうか。
フィールドレコーディングの入門としてもおすすめの製品です!
Writer.水越
記事内に掲載されている価格は 2018年12月12日 時点での価格となります。
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