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AppleがLogic Pro Xを公開。App Storeで発売を開始しました!
Logicと言えば、作曲から録音、編集、ミキシング、演奏をこなす、まさにオールインワンの制作/パフォーマンス・ツール。膨大なサウンド・コレクションを含むパッケージは、Core Audioに裏打ちされた幅広い互換性と柔軟性を持ち,何よりもApple純正というアドバンテージを持って、OSのアップデートにも素早く対応出来るのが魅力的なDAWとしてAppleユーザーの定番となっていました。
これに数多くの機能を追加し、グラフィックも一新したLogic Pro XはどのようなDAWになったのでしょうか?
トランスポートコントロールをメインウインドウの一番上に配置したり、複数のトラックをひとつにまとめることができるTrack Stack機能、カラフルで見やすくなったミキサー画面など、使いやすさと手早い作業を可能にする工夫が凝らされています。
また他のDAWにはない美しさが魅力だったスコアエディタがさらに美しくなりました。これにより複数のリージョンにまたがる音符の確認と編集がさらに簡単になります。
Drum
様々なジャンルの15人の名ドラマーのグルーブを百万以上収めたドラムプレイヤー音源「Drummer」、そのドラムキットを自分好みにカスタマイズできる「DrumKit Designer」でドラムトラックがさらにパワフルになります。
その他Logic Pro Xで大幅に強化されたのはギターアンプ/ストンプのシミュレートプラグインです。カラフルで個性的なサウンドのストンプは同社Garage Bandでおなじみのものです。
Flex Pitch
ボーカルピッチに修正を加えたり、きつめに使ってケロケロボイスを作ったり。クリック一つでそれが簡単にできてしまうのがこのFlex Pitch。それがプラグインではなくLogic Pro Xの機能の一つとして内包されているため、エディットするたびに読み込みをしたりすることもなく、まるでMIDIデータを扱っているかのように自然な感覚でピッチ補正/エディットの作業ができます。
複数のプラグインパラメータを一度にコントロールするために、テーマ別の様々なノブ、ボタン、バックプレートからパーツを選びカスタマイズできるSmart Control機能。集中的に使うパラメーターのみを抜き取ってそれを自由に並べられることで素早く簡単に音色エディットやライブプレイが可能になります。
Appleといえば、ということでLogic Pro XはiPadからコントロールが可能。MacとiPadをペアリングさせるだけなので、難しい設定も必要ありません。充実したサウンドライブラリのブラウズ、データエディット、インストゥルメントやプラグインのコントロール、さらにはボーカルブース内からのトランスポート(録音/再生など)、まさしうLogic Pro X専用の万能リモコンと言ってもいい利便性が魅力です。ここは同じメーカー製品の強みといえますね。
この他様々なインストゥルメントやライブラリの追加、ワークフローのブラッシュアップなど細かなバージョンアップが詰め込まれたLogic Pro Xですが、これまでのLogicユーザーは少々困惑気味のようです。同社 Final Cut Proが Final Cut Pro Xになった時に、エントリーユーザー向けのiMovie的な要素やワークフローを取り込んだ時と似ているのかもしれません。
Logic Pro Xは旧来の仕様を残しつつも、明らかにGarage Bandのような明確なビジュアルとインストゥルメントが盛り込まれています。価格帯もこれまでライバルだったCubaseやDPとは大幅に差を付けた低価格に設定されていることから、エントリーユーザーに照準を合わせているような気配もうかがえます。
昨年Appleはポリフォニックのオーディオデータを分解してモノフォニックのオーディオを作るための「ポリフォニックオーディオの解析」技術の特許を取っていますが、それは今回のLogic Pro Xには搭載されていないようです。しかしまだまだ隠し球と言える技術を持っているAppleが今後様々な機能追加をしてくることも予測できるため、そういったことも含め、Logic Pro XがこれまでのLogicユーザーに受け入れられるかが非常に気になるところです。
記事内に掲載されている価格は 2013年7月17日 時点での価格となります。
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