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毎回音楽制作に役立つ様々なTipsを紹介しているiZotopeの公式サイトですが、今回は音楽制作に役立つTipsを5つ紹介しています。
ダイナミックレンジにスポットライトに当てた記事を皮切りに新しいサウンドを作成したり、Podcastを編集したりするためのヒントを提供しています。
その内容は
1、ダイナミックレンジ改善に必要なミックスのヒント
2、珍しいエフェクトチェーンを使って新しいサウンドを作成する
3、自分だけの楽器を作る
4、GRAMMY受賞プロデューサーの制作を垣間見る!
5、ポスプロ業務に役立つ10のヒント
というものです。
普段意識せずに行なっている接続や設定を基本に立ち戻って見直してみたり、他の考え方に触れると新たなアイディアに繋がります。SCFED伊部が内容をまとめましたのでお楽しみください!
1、ダイナミックレンジ改善に必要なミックスのヒント
ジャンルと聞き手を考える
・ポップミュージック
お店の中、車の中、公共の場、イヤホンなど、様々なシーンで再生される環境を考えると、かなりのダイナミックレンジの圧縮が必要です。ボーカルはほとんどの場合センター定位、キックとベースは常にパワフルで、バッキングはできるだけタイトにする必要があります。
・ジャズやオーケストラ
静かな環境、高解像度のスピーカーで聴くと仮定したダイナミクスレンジの広いミックスが求められます。
・適切なゲインステージング設定
DAWのチャンネルレベルを0dBFS付近でピークにするとS/Nは向上しますがヘッドルームが失われてしまうため、32bit録音環境においては-6dBFS付近をピークにした方がダイナミクスが失われません。
過剰圧縮に注意
ダイナミクスを揃える事は音を聞きやすくする反面、ダイナミクスが感じられないと耳が疲れたり、楽曲そのものの魅力も失われてしまいます。ミックスの際に何を聴くべきかについての下記動画をご参考下さい。コンプレッサーをかけた時の波形の違いが良く分かります。
メーターを使う
ピークメーターは瞬間的なレベルを表示するためコンプレッサーでどの程度圧縮が行われているか確認するのに有効ですが、300ms程度の平均エネルギーを表示するRMSメーターや、周波数毎に感じる体感差も考慮されたラウドネスメーターを使う事が昨今の動画配信環境でも求められています。
動画ではiZotope Insight2を紹介していますが、iZotope Ozon8 AdvancedとNeutron2 Advancedが連携したTonal controlもお勧めです!
2、珍しいエフェクトチェーンを使って新しいサウンドを作成する
既製概念に囚われずにあえて逆もやってみた時に新たな発見があるというヒントですね、プラグインは手軽に順番を差し替えるだけですのでどんどん試してみましょう!
ディレイの後にリバーブをかけるのが一般的な接続ではありますが、あえて長いリバーブをかけたサウンドにディレイをかける事により、アンビエントテクスチャーが生み出されます。
こちらも通常はトレモロからリーバーブ接続が多いかと思いますが、リバーブテールに周期的な動きを加える事でリバーブ音それ自体が「音源」として機能しています。この音源の場合はフェイザーも有効かと思います。
ローパスフィルターからディレイの場合はサウンドのバリエーションが増えた状態から反復するため、音の色彩が豊かになる反面、ディレイ音にローパスフィルターの場合は全体の一体感が出て、フレーズ的に機能しています。
3、自分だけの楽器を作る
サンプリングというと声ネタやドラムワンショット、ループがまず思いつきます。素材に音程を付けて演奏するとなると「各音程毎に録音した波形を貼り付ける」作業が必要になり、現代のソフトサンプラーでは波形容量の膨大なマルチサンプリング音源が多数リリースされております。自らサンプラーソフトで音源を作る必要はないように思いますが、「自分にしか出せない音」を追求するとサンプラーは非常に使えます。膨大なマルチサンプルを用意してマッピングという面倒臭い事は考えずに、「気に入った音素材をサンプラーにドラッグしていじり倒す」のが簡単かつオリジナリティ豊かな楽曲を作るヒントです! iZotope iRis2 は、オーディオ素材を簡単に「楽器」に変えてくれ、そこから更にいじり倒すのに最適なソフトサンプラーです。
4、GRAMMY受賞プロデューサーの制作を垣間見る!
GRAMMY受賞プロデューサーPrince Charles Alexander氏によるボーカル制作動画から、音楽に対する態度や考え方、哲学がビリビリ伝わって来ます。※Youtubeの字幕ボタンをONにして、その右側の設定で日本語にすると日本語字幕で楽しめます。(時々変な翻訳ですが内容が大体分かります)
5、ポスプロ業務に役立つ10のヒント
ポッドキャスト、ナレーションやゲーム内のセリフなど、膨大な音声素材を効率の良いワークフローとチームワークで処理するための10のヒントをご紹介!
1.最初にすべての音声を見つける
プロジェクトは多くの場合締め切りに厳しい制約がありますので、オーディオファイルが見つからない場合は制作チームにできるだけ早く連絡してください。
2.作業効率化の方法を開発する
Nick Messitte氏お勧めの方法は
・すべてのクリップを見つけて名前を付ける
・すべてのクリップを新しいトラックに順番に配置する
・フェード、ミュート、色分け作業を行う
・トラック編成を考える
・脚本や台本を読みながらエピソードを聞く(品質管理)
・再リンクの問題に備えてバックアップを作成する
そして、一度に1つのタスクに集中することが特に効率的です。
3.指示のタイムコードが間違えていても対応出来るスキルを磨く
タイムコード指示が間違えていても迅速な修正を得られないというケースがあります。その場合はタイムコードの分と秒が逆の表記になっていないか試したり、依頼者の表記クセを分析したり、最終的には台本と波形からプロジェクト全体像を把握して行きます。
4. DAWショートカットを完全マスターしましょう
5.オンライン上に情報を共有している場合は毎日確認
チーム作業で必要な書類がGoogleドキュメントのように共有されている場合には、毎日必ず確認しましょう
6.トラックを整理する
まず適切なテンプレートや具体的なガイドラインがあるかどうかを確認しましょう。
・使用可能で整理されたオーディオはすべて赤く着色
・問題のあるオーディオは紫色に着色
・台本の意図と一致しないオーディオは黄色く着色
その他、iZotopeRXでの処理が必要な場合も着色します
7.作業中はメモを取る
これは実践している方がほとんどだと思いますが、その瞬間毎に気づいた事は逐一メモしましょう。
8.メモをわかりやすいファイルにまとめる
次に作業するミキシングエンジニアなど、他のスタッフへの伝言をRead-meファイルにまとめる事でチームワークが効率化します。
9.サウンドデザインのためのスペースを残す
劇伴やポッドキャストなど、BGMや効果音を必要とする制作の場合には配置を詰め過ぎず余裕を残しておきましょう。
10.音声をバックアップする
すべてが完了したらバックアップを作成、「コピーを保存」または「統合プロジェクト全体」でバックアップします。
クライアントとのやりとりに少し迷ったとしても恥ずかしいと思ってはいけません。あなたが知らないことを尋ねるための謙虚さを持ち、最後の最後の変更に適応できるようにしてください。
writer.SCFED IBE
記事内に掲載されている価格は 2019年2月4日 時点での価格となります。
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