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製品情報

製品レビュー、試聴からサポート情報、キャンペーンまで製品別にフォーカス。活用のヒントがここに集結。

19
Oct.2018
製品情報

JBL 705P Powered、708P Powered 遠藤淳也氏インタビュー

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サイズからは想像できない十分なパワー感ある低域と、コンプレッションドライバーによるスピード感あるサウンド。JBLから登場した7 Seriesの新ラインナップは、先に登場していたパッシブモデル 705i Passive、708i Passiveに続くパワードモデル。

フラグシップ機”M2”の技術を投入した39Hz~36kHzまでを再生できるレンジの広さは出音にそのまま反映されています。音の立体感もあり、奥行きまで見通せる描写の良さも特徴的です。スイートポイントも広く、空間を鳴らす事もできるので、スタジオ設置としても抜群の良さ。

今回、サウンドエンジニアの遠藤淳也さんに、705P Poweredと708P Poweredの2機種をご自分のスタジオでお使いいただき、インタビューを実施しました。

製品概要

JBL_7series_top02b

705P Powered、708P Poweredは、持ち運びにも困らない極めてコンパクトなボディーに、JBLの独自技術と高品位なコンポーネントを凝縮。高解像度化が進む音源も精確にモニターできる比類ない再現力と、原音の生命力をありのままに描き出す力強いサウンドを獲得しています。

705P Powered、708P Powered 輸入代理店 製品ページ
http://proaudiosales.hibino.co.jp/jblpro/3517.html


JBL
LSR705P Powered 1ペア
¥280,800
本体価格:¥260,000
4212ポイント還元
JBL
708P Powered (1ペア)
¥572,400
本体価格:¥530,000
8586ポイント還元

遠藤淳也氏 プロフィール

endo1
Recording Engineer
1970.11.25生まれ 北海道出身

’95年からスタジオグリーンバードでエンジニアとしてのキャリアをスタート。アシスタント業をこなしつつ、’98年頃からメインエンジニアとして頭角を現す。DJ TONK、AKIRA、今井了介らの作品を手掛けはじめる頃から’HIPHOP/R&Bのプロダクツを中心に太いビートメイクを特徴とした作品群を世に送り出す。これらの作品群を機にアーティスト・プロデューサー陣からの支持を受ける。‘02年にはフリーになり、Def Tech、AI、安室奈美恵、BENNIE K、Crystal Kay、SOUL’dOUTなどを手掛け更に活躍の場を広げオファーの絶えない、そして日本の音楽シーンを支え陰でリードする、アーティスト・ミュージシャン肌の新世代エンジニアとして注目を集める。さらに’06年には自身を中心とするクリエーター集団、PlickPluckを設立。‘10にはホームスタジオとなる「STUDIO QUEST」を設立し、後輩の育成にも力を注いでいる。

HP : http://www.plick-pluck.co.jp/endo.html

モニタースピーカーに求めること

JBL_endo01

Rock oN : まず遠藤さんがミキシングエンジニアとして、モニタースピーカーに求めることは何でしょうか?

遠藤淳也 氏 : 音源がありのまま聞こえるのがいいです。良いところも悪いところもわかることです。最初に入社したスタジオにGENELEC 1035とYAMAHA NS-10Mがあったので、その2つの音は体に入ってる感じです。今はmusikelectronic geithain RL904とMO-1を使っています。

Rock oN : RL906を選ばれた理由は何ですか?

遠藤淳也 氏 : NS-10Mだと中域中心の傾向の音になるので、最近の音源のワイドレンジ化に対応するために、上下の帯域も十分に再生できるものにしたかったんです。なおかつ、同軸構造の音がわかりやすかったので選びました。

JBL 705P Powered、708P Poweredのファーストインプレッション

Rock oN : さて、今回、JBLの新製品、705P Poweredと708P Poweredをお使いいただきました。PA用スピーカーやリスニングスピーカーの分野では大きなポジションを築いているJBLですが、7 Seriesのサウンドに関して、事前に予想していたことはありましたか?

遠藤淳也 氏 : エンジニア駆け出しの頃、杉並にあったテイチクレコードのスタジオのブースに設置していたラウドスピーカーがJBLだったんです。当時抱いていた印象は、「オーガニックな音楽に合うな」と思ってました。ジャジーなものとかトラッドミュージックといった、優しいアコースティック寄りの音楽に合う印象が強いです。これは、僕の世代以上の人がJBLサウンドに持っている一般的な印象だと思います。

Rock oN : 705P Poweredと708P Poweredのファーストインプレッションはいかがでしたか?

遠藤淳也 氏 : 705P Poweredと708P Poweredとも上下の帯域がしっかり伸びていて、最近のダンスミュージックに対応できるレンジの広さを感じました。僕が従来から持っていたJBLのイメージではなく、現代的な音楽にフォーカスしている印象です。今使っているmusikelectronicは重箱の隅をつつくような間違いを探す感じで、あくまでもエンジニアとしてのモードで聞くので音楽を楽しむ感じではないのですが、705P Poweredと708P Poweredに関しては、リスニングスピーカーとmusikelectronicを初めとする精細な制作用スピーカーのちょうど間の良い感じで聞ける、という感じがしました。

JBL_endo02

Rock oN : 低域の印象はどうでしたか?

遠藤淳也 氏 : 量感がありふくよかですね。従来の僕のJBLのイメージだと、中域がふくよかで暖かい印象だったので、それを覆い返す、すごく現代的なサウンドになってますね。 今、トラップとかの低域中心の音楽が流行っていて、30~40Hzくらいの音をばんばん出すこともあり、ローエンドが見えることが必要ですね。705P Poweredはボリュームを変えても上下のバランスがあまり変わらないので、自宅スタジオでも使いやすいと思いました。

Rock oN : この7 Seriesは若い世代のエンジニアにウケがいい印象なんです。JBLの元のイメージは残しつつも、今の時代の音楽に対応している印象ですね。フラッグシップモデル”M2”の開発以降、音楽制作に特化した音質を持つ製品開発を目指してきてますね。モニタースピーカーに関しては、リスニング製品の一般的印象とは全然違うものだと思って聞いた方がいいですね。

遠藤淳也 氏 : なるほど。さらにですが、今回聞いてみた僕の印象では、音楽制作に特化していることはもちろん、そこからもう少し幅をもたせている印象がしました。さらにリスニングにも使える印象がしたので、705P Poweredは家でも聞きたいなと思ったんですよ。

音像が面で見える、とは? 音楽的に楽しむ魅力も共存

JBL_endo03Rock oN : その辺りを具体的に聞きたいのですが。

遠藤淳也 氏 : musikelectronicやGENELECは各楽器の音像が点で見える印象なんです。一方、今回のJBLは各楽器が面で繋がって聞こえる感じなんです。なので、シビア過ぎないから心地よく聞きやすいというか、音楽的に聞こえる印象なんです。作曲家やアレンジャーなど、お付き合いがあるクリエイターのみなさんがよく言うんですが、作業中に音が細かく見え過ぎると一つ一つの音に囚われ、気になってしまい、作業が先が進めなくなるそうなんです(笑)。例えばエレピを打ち込んでみたけど、音色の細かいところが気になってしまい音楽全体を見れなくなる、というか、、、そういうことは、この7 Seriesでは起きなく、音楽全体を見ながら作業できそうですね。

Rock oN : 705P Poweredと708P Poweredはサイズが違うわけですが、それぞれ聞いた印象はどうでしたか?。

遠藤淳也 氏 : 結構驚きだったんですけど、あまり変わらなかったんです。もちろん705P Poweredと708P Poweredでは出せる音量差がある訳ですが。他のメーカーだと、サイズが違うと低域が全然変わることが多いんですよね。僕は大きいスピーカーは、ミックス作業の最後に鳴らしてローエンドの調整に使うんですが、例えば705P Poweredでミックスを作っていき、最後に708P Poweredでローエンドの調整に使う方法はありかもしれませんが、サイズの違いであまり印象が変わらないし、両方ともこれだけ低域が出ていれば一台で完結できると思います。そういう意味で705P Poweredはすごいんじゃないかな。もちろんパワー感で言えば708P Poweredは相当すごいので、ちょっと家では鳴らせないけど(笑)。あと感じたんですが、 指向性が広くないですか?

Rock oN : 705P Poweredが110度で、708P Poweredが100度です。

遠藤淳也 氏 : 結構広いですね。これだと、多少横に移動しても聞こえるバランスが変わらないので大人数でチェックする時はいいですよね。

JBL_endo04Rock oN :イメージコントロールウェーブガイドの開発によって、より広いエリアで明瞭な音像を再現できるようになっていますね。このことにより、置き方に神経質にならずに優れたモニタリングができるという長所があると思います。例えば店頭で聞いて、「いいな」と思って買って帰り、聞いてみたら違う音がしてがっかりするような事はないでしょうね(笑)。

遠藤淳也 氏 : 最近トレンドの同軸構造の製品とは逆の良さを持っているというか、ホント7 Seriesでやっていると疲れないんですよ。若い頃の話ですが、古着屋に行ってJBLでレゲエがかかっていて「最高だ!」みたいなイメージがあったんですが、聞く時にお行儀よく真ん中にいなくてもいいっていうのは楽しいと思います。作曲からミックスまで自宅で完パケるようなミュージシャンにとってはいい製品でしょうね!

低域豊か、かつ上下のバランスが崩れないのは、ダンスミュージッククリエーターにもおすすめ

JBL_endo06

Rock oN :705P Poweredはどのようなユーザーにオススメしたいですか?

遠藤淳也 氏 : ジャンルで言えばダンスミュージックのクリエーターですね。自宅であまり吸音環境が良くないところでも、705P Poweredは上下のバランスがそんなに崩れないので使いやすいと思います。あと、楽しく音楽を作りたい人に向いてるんじゃないでしょうか。リスニングと音楽制作のスピーカーを分けてる人もいると思うんですが、705P Poweredは両方クロスオーバーして使えるんじゃないでしょうか。

Rock oN :708P Poweredについてはどうでしょうか?

遠藤淳也 氏 : 705P Poweredとジャンルは変わらず、ダンスミュージックにあってるかもしれませんね。あとは部屋のサイズとの兼ね合いですね。さらに指向角度も広いので、みんなで並んで聞ける場所ならなおいいですよね。UKのアーティストでZero 7というグループがいるんですが、ローファイ気味で中域しかないサウンドなんですが、708P Poweredで鳴らすとゴージャスに聞こえたんですよ。面白いことに、そこから背面のEQを使って低域を切っていくと往年のJBLの音になっていったんです。「音像が面で見える感じ」、「指向角度の広さ」などなど、制作スピーカーと言えど音楽的に楽しむところが残っているなという感じで、すごいいい印象でした。そういう部分でJBLはリスニングスピーカーを作っていた長い歴史があるので、音楽を知ってる感じがしますね。

メーカーHP

輸入代理店 ヒビノ株式会社 ヒビノプロオーディオセールス Div.
http://proaudiosales.hibino.co.jp/

    記事内に掲載されている価格は 2018年10月19日 時点での価格となります。

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