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YAMAHAから、人間の歌声を元にVOCALOIDを生々しく歌わせる技術「VocaListener(通称:ぼかりす)」をVOCALOID Editorのプラグインとして商品化した「VOCALOID3 Job Plugin VocaListener」が公開されました。
「ぼかりす」は、産業技術総合研究所(以下、産総研)が開発した、人が歌う音声データを解析しVOCALOIDのパラメータに変換することで、VOCALOID Editorのシーケンスデータである「VSQファイル」を生成する技術です。ぼかりすの出力結果を用いたデモンストレーション音源は、ソフト音源の音声合成とは思えない人間味のある生々しいものです。(※産総研による、ぼかりすの技術解説はこちら。)
通常、VOCALOIDを生々しく歌わせるためには、VOCALOID Editorから複数のパラメータに細かなデータを入力する必要があり、専門の技術や知識、膨大な時間を要します。しかしこのぼかりすを使用することによって、それらのスキルがなくとも、リアルな歌声のVSQデータを極めて手軽に短時間で得ることができます。そのため、ぼかりすの存在は、以前よりVOCALOIDユーザーの間で話題となっており、似たようなアプローチのソフトウェアも幾つか登場していましたが、このたび、遂にYAMAHAが産総研からライセンスを受けて開発する形で、「YAMAHA VOCALOID3 Job Plugin VocaListener」として製品化されました。
ぼかりすを使うことによって人が歌う自然な表現をVOCALOIDでも再現できるほか、会話のイントネーションをVSQデータ化して、朗読やトークショー、パブリックスペースや交通機関でのアナウンスなどの、音楽以外の音声合成にも活用できそうです。特に、福祉の分野で画期的なサービスを担うことも出来そうで、期待が膨らみますね。下の動画でも、歌の前後で喋る初音ミクの声を聞くことができます。
VOCALOID3 Job Plugin VocaListenerの発売日は2012年10月19日。VOCALOID STOREで19,800円で発売予定です。対応しているソフトウェアはVOCALOID3 Editorのみで、最近発表された同社の「VOCALOID Editor for Cubase」には非対応です。また、VOCALOID3 Job Plugin VocaListener以外に歌わせるための歌声ライブラリ(キャラクターボイス)が必要で、対応可能なライブラリは日本語の製品のみ、となりますのでご注意ください。
記事内に掲載されている価格は 2012年9月25日 時点での価格となります。
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