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今回は、ATEM Miniの能力を開放するときに重要な「ATEM Software Control」に関する内容になります。
過去に一度記事にしたことがありますが、全体の紹介をしましたのでいろいろと端折った部分があります。
今回はそのとき流してしまった、右端のメニュー部分を解説したいと思います。
ちなみに、過去記事はこちらになります。
さて、全体を引いてみると、メインのスイッチング部分に目が行きますが、向かって右端に何やら細かく設定できるメニューがありますね。
上のタブから見てゆきましょう
様々なエフェクト等を設定します。今回はこの部分を主に解説します。
映像に載せたいロゴ画像のデータを格納する場所になります。
素材は20個登録できます。また、ATEM Miniではmedia playerは1つのみになります。
過去の記事の方で詳細について解説しています。
ライブ配信の設定や録画の設定をする部分になります。
ATEM Miniでは使用できません。シリーズ的にはATEM Mini Pro以上の機材で徐々に使えるようになります。
簡易的に説明すれば、Youtube等の配信設定(キーの入力等)をすれば、PCを介さずにATEM Mini(Pro以上)の本体で配信(流し込み)ができます。
「配信の収録」に関しても、ファイル名、保存先ドライブを設定することで配信内容を保存できます。保存形式はH.264になります。
さて、最上段のタブの解説をざっと流したところで、本題のパレットの中身を見ていきたいと思います。
パレットの中は全体で5つのパートに分かれています。
上から、
になります。
ここで、重要な話題をサラッと記載しますが、
スイッチングで表示されている映像を一番下の映像として、パレットの中身が上から順にレイヤーのように重なって表示される・・・そんなルールになっています。
スイッチングの枠(プログラム/プレビュー)の右端上にある [COL1] [COL2] のボタンを使った際に画面を埋め尽くす色を設定できます。
黒以外の色で画面を埋めたいときに使えます。
ATEM Miniのハードウェアにはボタンがないので、Softwareで使えるようになる機能です。
ここを調整することでPicture in Pictureなど、様々な設定ができます。
今、流している映像の上に、別の素材(映像等)をどのように重ねて置くか、を設定する部分になります(静的)
いつもラマが頭に浮かびます。Lumaは日本語にすると「輝度」になります。つまり、明暗差によって何かエフェクトがかけられる・・・ようなイメージです。
まず、フィルソース、キーソースに例えばCAM1のような映像をそれぞれ設定します。
明暗差で映像が抜ける感じになるので、例えば、一番下の映像に夜景の中を走る映像を流しつつ、ルマで演奏している映像を載せることで、濃い影の部分が抜けて、夜景の映像が見える・・・みたいな雰囲気のある映像を作ることができます。
マスクでトリミング、フライキーで位置、サイズ(拡大縮小)、回転と調整ができます。
丸や三角等の囲みで映像を載せることができます。
フィルソースに重ねたい素材を選択し、下のパターンの中から使いたいパターンを選びます。
パターンを反転で残す映像部分を逆転させることができます。
サイズで適用量をシンメトリーで上下左右の比率を、ソフトネスで境界にぼかしを加えることができます。
マスクで映像のトリミングを、フライキーで対象の映像自体の拡大縮小と位置調整を行えます。
デジタル・ビデオ・エフェクト(digital video effect)の略になります。
ATEM Mini の Picture in Picture はここの機能を使って実現しています。
ハードウェアだけを使った際には、「P in Pの中身はCamera1が固定になります」と説明しました・・・でも、それだけじゃ使いづらいですよね?
そこで、この部分です。
開いて何もしてなければ、フィルソースの部分に「Camera1」が設定されています。
これを、「Camera2」や「Camera3」に変更するだけで、P in Pの中身が入れ替わります。
なんて簡単!!
これだけのためにATEM Software Controlを使用する価値があると思います。
また、ハードウェアでボタンを押したとき、「P in Pのサイズを大きくしたいな」「位置をズラしたいな」と思うかもしれません。
それも、ここの枠の「位置」「サイズ」を変更することで調整可能です。
マスク・・・はそのまま、映像をトリミングすることができます。
シャドウは、P in Pの枠の下にドロップシャドウを入れることができます。これだけで、P in Pの部分が前に出てくるで、かなり雰囲気がプロっぽくなります。
更にボーダーで枠を付けてあげれば、さらに見栄えが良くなるかもしれません。
このあたりは、全体の雰囲気、内容によってどこまで付けるか(演出するか)の判断が必要になりますので、その場面場面で試してみてください。
キーフレームはA、Bと2つの場所とサイズを覚えさせることができ、実行:のうち、A、Bを押すと保存した大きさ、場所へレートで指定した時間でそれぞれ移動します。また、フルはフルスクリーンになります。
縮小して消滅:は言葉の通り押した位置に対象の映像が縮小して消えます。
画面切り替えの際に、どのようなエフェクトで切り替えるかを設定できます。(動的)
スイッチング枠のスライダー左下の方にある「トランジションスタイル」の部分の設定になります。
ATEM Miniのハードウェア的には [MIX] [DIP] 、そしてその上には固定のDVEが設定された4つのボタンがあり、そのうち [MIX] [DIP] を調整、仕込むことになります。
Softwareの方ではさらに細かい設定ができますので、うまく利用してみてください。
プログラムの映像とプレビューの映像を重ねてじわじわと切り替えるトランジションです。
レートで切り替わる時間を細かく設定できます。
ATEM Miniのハードウェア的にはDURATIONとして [0.5] [1.0] [1.5] [2.0] が用意されています。
これ以上に長い時間を使って切り替えたい場合、いろいろと微調整したい場合には、ここで設定します。
プログラムの映像とプレビューの映像の間に「ディップソース」(おいしそう)を入れて切り替えるトランジションです。
蓋絵、キメ絵、バナー等を設定して切り替えの間に見せたりという感じで使えます。
ATEM Miniのハードウェアボタンも存在していますが、デフォルトでColor1に設定されていますので、使用したい場合にはSoftware側で設定してあげる必要があります。
ワイプは「右から左へ映像をスライドさせて切り替える」「真ん中から円形に広がる感じで切り替える」等のように切り替え時の様々なエフェクトを細かく設定できる部分になります。
この部分の設定に関しましては、配信時の演出・効果、目的で使用するエフェクトが変わってくると思います。ひとつづつ解説するより、一度、ご自身で試してもらい、気に入ったトランジションを設定すると良いのではと思います。
ATEM Miniのハードウェアボタンはありませんので、Software側でのみ使用できる機能になります。
こちらは、映像は画面サイズそのままで、切り取られるようにエフェクトがかかり、映像が切り替わります。
使いやすそうな場面としては、対談でお互い違う場所、もしくは距離を開けて座っている場合に、2台のカメラで狙い、左の人は半分より左に、右の人は半分より右に構図を決め、画面を横に流れていくエフェクトで半分の位置で止めてあげれば、見栄え的にお互いの距離が縮まり、良い感じで離している画になると思います。
上にも出てきましたね。デジタル・ビデオ・エフェクトです。
なお、ATEM MiniにはDVEが1つしか搭載されていないため、P in Pとトランジション内のDVEは同時に使うことはできません。
ワイプと似た感じの切り替えエフェクトですが、こちらは、更に細かく調整できる機能となります。
また、比率そのままで拡大縮小するか、つぶす感じで切り替える等の設定は、「どっちの方向に流すか」を設定する■の場所の左右にある(<)(>)のボタンで切り替えることができ「プッシュ(スライド)」「スクイーズ(設定方向に伸ばす、縮ませる)」を選ぶことができます。
「方向:」の部分では、エフェクトのかかる方向を変えることができ、フリップフロップにチェックを入れると、切り替える度にかかるエフェクトの方向が自動で反対になるという設定にもできます。
エフェクトにはmedia playerに保存したアルファ値(透過部分)を持った素材を当てることにより、画面の切り替わり部分にロゴ等を入れたバーなどを設置することが可能です。
これが映像の一番上に載っかる素材になります。
常に表示しておきたい、ロゴ、Live等のアイコンなどをここに設定しておく使い方になると思います。
フィルソース、キーソースに表示したい素材を選び、場合によりマスクでトリミングをして設定します。
今回は、困ったときの手順書的な使い方をしてもらいたいなぁという気持ちで、若干リスト的に解説をしてみました。
特に専門用語の意味が分からず、何をしていいかわからい、なんじゃこりゃ?ということもそこそこあり、そのせいで触れない、触れない・・・なんてことも普通にあると思いますので、非常に簡単ではありますが、軽く説明してます。それでもわからん!という部分がありましたら、申し訳ありません。
ということで、ハードウェアとしては細々とした設定部分を省くことにとって、非常に分かりやすく使いやすくなっているATEM Miniですが、この「ATEM Software Control」を使用することで、隠していた才能を開花させ、さらにクオリティアップ、エキスパート的な使い方ができるぞ!という解説でした。
よろしければ、参考にしていただき、より良く楽しい配信ライフをお楽しみください。
記事内に掲載されている価格は 2021年12月13日 時点での価格となります。
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