第一線で活躍するクリエーターのインタビューやコラムなど、音楽と真摯に向き合う作り手の姿があなたの創作意欲を刺激します!


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Rock oN :よろしくお願いします! 最初に音楽に触れたのはいつごろですか?
MEG:幼稚園の時に、ピアノを習わせてもらっていたんです。両親も「ピアノを弾けたらいいんじゃない?」ぐらいのノリだったと思いますね。僕は外で遊ぶのが大好きで、ピアノはすぐにやめちゃいました。それからはもうスポーツばかり。高校もテニスがやりたくて選んだくらいです。ただ、小学校の高学年になってくると、流行りの音楽を聴き出すじゃないですか。自分も流行りの音楽とかを聴いたりして。ゲーム、アニソン、そういうのもありつつで、主に聴いていたのはJPOPでしたね。
Rock oN :どんな曲を聴いていましたか。
MEG:完全に小室世代です。中でも僕らはglobeがちょうどリアルタイムの世代なんです。小学校6年生か中1のころにデビューして、そこからglobeの快進撃とともに中学時代を送っています。
Rock oN :自分で音楽をやりたい、という気持ちが芽生えたのはいつごろですか?
MEG:高校1年生ですね。でも、自分からやりたいというよりも、地元の友達がバンドやろうと誘ってくれたんです。それでギターを弾き始めたんですけど、Fコードが押さえられなくて3ヶ月ぐらい放置していたんです。でも、せっかくギターを買ってくれた両親に申し訳ないと思って、久しぶりにギター弾いたら、なぜかFが押さえられるようになってて(笑)。
Rock oN :経緯はわかんないけれど、なんとなく押さえられた。ギタリストあるあるですね(笑)。
MEG:それともうひとつ。いま思えばなんですが、高1でギターを弾き始める前、中学生ぐらいから「この曲は、ここをもっとこうしたらいいのに」みたいな聴き方をしていたんですよ。そういうこともあってか「バンドをやる」よりも「曲を作りたい」という気持ちの方が強かったかもしれないです。
Rock oN :MEGさんも、ギターはかなり練習していました?
MEG:めっちゃしました。でも、曲を作りたい気持ちが優先していたので、基本的なコードを覚えたら、MTRですぐに曲作りも始めた感じでした。ただ、とあるギタリストとの出会いでギターに入れ込むようになります、イングヴェイ・マルムスティーンなんですけど。ギターの弦を買いに楽器屋さんに行った時、ちょうどイングヴェイの「アンソロジー 1994 − 1999」というベストアルバムが出たばかりで、弾いている映像が店内に流れていて、ギターの速弾きを見て「やばい、めちゃめちゃかっこいい!」「これを俺も弾きたい」と思って、アンソロジーのアルバムと、バンドスコア、教則ビデオなど全部買って、弦も忘れずに買って(笑)。そこからひたすらイングヴェイのコピーをする毎日が始まります。学校から帰ってきて、寝ないでギター弾いて、学校で寝て、帰ってきてすぐにギター弾いて。10時間とか 12時間、ギターを弾いていたと思います。そんな毎日でした。
Rock oN :イングヴェイに出会ってスイッチが急に入っちゃったんですね、テクニカルの方に(笑)。
MEG:そうですね。そこからはもうひたすら早弾き小僧でしたね。
Rock oN :イングヴェイ以外のギターヒーローは特にいなかったのでしょうか?
MEG:日本のアーティストではLUNASEAが好きだったので、SUGIZOさんのギターはすごく好きです。メタル寄りのビジュアル系が好きで、他にはDIRENGREYだったりとか、そういうアーティストがきっかけになってどんどんメタル系の音楽を掘り下げていきました。
Rock oN :作った曲は、やっぱりメタル系?
MEG:多分ビジュアル系寄りのメタルだったと思います。ドラムは、リズムマシンで打ち込んだものを流し込んで、ベースとギターは自分で弾いて自分で歌っていました。
Rock oN :ドラムの役割だったり、ベースの役割とかは直感では難しそうな部分もありそうですけど。
MEG:実はドラム・マニアとかギター・フリークスといったような音ゲーにはまってゲーセンによく行っていたんですよ。ドラムの基礎はそこで結構学んだかもしれないです(笑)。ドラム・マニアがとても好きになったことでドラムにも興味が出て、一時期ドラム教室に通っていたんですよ。ベースやドラムの知識は、そこで得られたのかもしれないです。
Rock oN :いわゆる鍵盤で上物から入ってきた人とは個性が違う。
MEG:そうかもしれないですね。日本の音楽はどちらかというと上物文化だと思うんですよね。僕は逆にそこが苦手で、ビート周りを作っている方が好きなのかもしれません。
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Rock oN :ここからは、MEGさんがメンバーだったバンドARTEMA(アルテマ)について聞きたいと思います。先ほど1人で曲を作って録り貯めていた。音楽で生きていくと決めたとおっしゃっていましたが、高校卒業後はどんな活動をしていましたか?
MEG:音楽系の専門学校に進学したんです。そこで、出会って本当に良かったなという友達がいて。後にARTEMAの初代ベースになるんですが、マインドが僕と同じで、曲を書くのも演奏するのも大好き。夜な夜な音楽の話をしたり、そこでインスピレーションが湧いて、また曲を作って。いろんなバンドでお互いに曲を持ち寄って演奏して、みたいなことをずっと続けていました。
Rock oN :その活動が、誰かの目に留まってデビュー?
MEG:いえ、そこからうだつの上がらない生活が続くんです。25歳ぐらいになっても全然芽が出ない。僕がボーカルに転向したりして、それでも全然ダメで、20代後半に差し掛かり…もう無理かなという気持ちになったんですよ。でも、宅録は好きだったので「サウンド・エンジニアをやってみようかな」と思ったんです。
Rock oN :職業としてエンジニアになろうと思ったんですね。
MEG:はい。1回だけレコーディングをエンジニアさんにお願いしたことがあって、その時に「楽しそうだな」と思ったんです。そうしたら、ちょうど友達のバンドが「今度、音源作るんだけど、ミックスできる人を探している」という話を聞いて、ミックスを引き受けた。そこからエンジニアのキャリアがスタートするんですが、同時期に知り合いのバンドが「ボーカル以外全員脱退しちゃった」って(笑)。それでギタリストとしてそのバンドをサポートしたんですが、その時に出会ったメンバーと意気投合したんですよね。一緒にバンドやろうよってすごい口説いてくるんですよ(笑)。「僕は本職があるから、趣味でバンドやるんだったら良いよ」、「それでも全然オッケー」って。それがARTEMAのスタートになります。そのバンドで、僕が最初に作った曲が「LITESABER」。後に代表作になるんですが、その曲をみんなに聞かせたら「これいけんじゃね?」みたいな空気になって。でも、「ダラダラやりたくないから、きちんと計画を立てて活動しよう」と。当時はインディーズ版を全国流通できるかどうかが、売れているバンドとそうでないバンドの境目だったんですよね。だから「1年でインディーズデビューができなかったらやめる」と決めて、バンド活動を始めます。そうしたらたったライブ3本でインディーズ・デビューが決まっちゃうんです。
Rock oN :その自主制作版として作ったCDは、MEGさんがミックスを担当したんですか。
MEG:そうです。マスタリングも含めて全部自分でやりました。とにかく音を作るのがすごく楽しかった。いまも楽しいんですけど。音作りは基本的にメンバーが出したい音を出してくれという感じにしていて、そのころからどちらかというと僕はプロダクション周りへの興味が強かったですね。それとボーカルに集中していました。
Rock oN :ARTEMAってシンセの打ち込みが、ガッツリ入ってるバンドですよね。今はそういうバンドも増えましたが、そうしたバンドの黎明期にあたるのがARTEMAです。そのシンセ部分はMEGさんが打ち込んだ?
MEG:そうです。シンセの打ち込みを初めてやったのが「LITESABER」なんですよ。実は僕がエンジニアとして初めてミックスした、FEARFROMTHEHATEというバンドが割とピコピコ系だったんです。それよりちょっと前からシンセサウンドってカッコ良いなという気持ちがあったので、ミックスしながら「このトラックはこうなってるんだ」と知ることができた。そこからシンセもが楽しくなっちゃって。とにかく盛れば盛るほど良いみたいな感じになっていました(笑)。
Rock oN :その時代はもうソフトシンセですかね。
MEG:オール・ソフトシンセでやっていました。
Rock oN :打ち込みは一個一個ステップ?
MEG:僕は全部ポチポチです。なので、MIDI鍵盤すらなかったです。
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Rock oN :ARTEMAを解散されてから、一度はエンジニアになって、現在はこの広いスタジオで作業されています。この指数関数的な上昇のストーリーを聞きたいです。
MEG:実は解散後の予定をまったく立てていなかったんです。それでしばらくはフリーのスタジオミュージシャンをやっていましたが、メインの仕事はエンジニア。でも、やっぱり曲を書きたいよな、と思うようになってきて。それで、ARTEMAのレーベル担当だった方に相談したんですよ。そこで紹介されたのが、今も籍を置いているMUSICFORMUSICです。それはもう話が早くて、紹介してもらってその翌週には契約書にサインみたいな感じでした。
Rock oN :おおぉ。当然、ARTEMAの音は聴いていますよね。
MEG:そうですね。それと、入る前にもともとBABYMETALのアレンジコンペのお話をいただいたことがあって、そこで、僕のアレンジが採用されたんです。セカンドアルバムMETALRESISTANCEの「シンコペーション」に使われています。多分、その実績も大きかったと思います。
Rock oN :いまどき、この規模のスタジオはかなり少ないですよね。コンソールがあって、ラージモニターがあって、ヴィンテージ機材もたくさんある。本当に素晴らしい環境です。
MEG:本当にありがたいですよね。ここができてから、エンジニアの仕事もやりつつ、曲を書く仕事もいただきつつで。最近になって、作曲とエンジニアの仕事量のバランスがやっと取れてきた気がしています。
Rock oN :想像ですが、曲を書く人は曲を書き続けないと失うものが多くなりそうな気がするんですよ。
MEG:おっしゃる通り、そうなるんです。でも、僕は幸いにもエンジニアをやっていると、自分が絶対に触れないジャンルの音楽に関わることになるんですよ。例えばミックスをやることになればトラックを見られる。それで「なるほど、このトラックはこうなっているんだ」って。それが後の作曲に役立ったりとかもします。そういう意味ではエンジニアもやってて良かったなと思っています。
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MEG:ATREMAについて話す上で、ひとつお話しなければいけないことがあります。最初に一緒にバンドやろうよって誘ってくれたのは、先ほど話したベーシストだったんですが、インディーズ版を出すタイミングでベースが交代することになって新しくKazがベースとして入りました。彼が入って皆さんの知るARTEMAの形になったんです。そして、インディーズ版を出して1年、今度はメジャーレーベルから声がかかります。
Rock oN :トントン拍子ですね。
MEG:良くも悪くも嬉しい誤算でしたね。最初の計画では、インディーズレーベルに所属するのに1年という計画だったのが、3ヶ月で達成してしまったわけですし、メジャーデビューもその1年のうちに決まってしまった。ふと、この先どうしようかな、と考えるようになったんです。
Rock oN :メジャーデビューが決まったとしても、最初から安定した暮らしというわけにはいかないですよね。
MEG:そうです。ただ、僕はエンジニアとバンドを両立できていました。エンジニアの方は、さきほども話したFEARFROMTHEHATEのアルバム制作をしてから、彼らの口コミで仕事が途絶えることはなくて、エンジニアとしても生活できるようになっていたんです。
Rock oN :他のメンバーの方はどうだったんでしょう?
MEG:そうですね。ベースのKazはボカロPで成功している中でARTEMAに入ってもらったので、Kazだけは音楽で生活していましたけど。
Rock oN :メジャーレーベルに移ってからはどうでした?やっぱり売れる曲を求められますよね?
MEG:僕もいわゆる売れる曲を書けばいいのかと思っていたんですけど、ディレクターはそういう考えではなく「もっと持ち味を出せ」って。
Rock oN :良いディレクターじゃないですか。
MEG:そうなんですよ、ただ、そうなるとARTEMAは逆にアンダーグラウンドなジャンルのバンドとして見られ続けてしまう、アリーナクラスやドームライブというところには絶対いけないなと思ってしまった。だから、脱メタルコアをしたかった。そこで段々と意見が分かれるようになってきて、結局バンドは解散することになったんです。その後、僕は曲作りやサウンド作り、プロデューサー業をやるとスイッチを切り替えるんですが、実はというとバンドと並行していた時もエンジニアの方が何倍も仕事が多かったんです。この作曲、プロデュースといった音楽制作者としての軸と、エンジニアとしての軸を俯瞰した時に「俺はやりたいことより、求められていることをやった方がいいんじゃないか」と考えるようになりました。どっちもやりたいことだし、どっちも楽しい。でも、数字はサウンド・エンジニアとして求められていることを表している。だから、今後はエンジニアになろうと決めました。
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MEG:海外のエンジニア&プロデューサーみたいなやり方に影響をすごい受けているんです。それこそ、エンジニアを始めたばかりの時は、ニッケルバックからのクリス・ロード・アルジみたいな流れがとても好きで。あとは、リック・ルービン。オジー・オズボーンのアルバムでオジーと一緒に曲も書いて、エンジニアもやって、プロデューサーもやって、ドラムも叩いた。で、ガス・Gにギターを教えてみたいな。僕もアーティストと一緒に曲を作って、最後の仕上げまでするスタイルができたらいいなと思っているんですよ。これは、あくまでも自分の考えなんですが、海外は良い意味での分業ができている。縦割りのような悪い意味の分業が出てきちゃうと良くないですよね、僕らの仕事はクリエイティブな仕事なのから、みんなでアイディア出しあって、いい作品が作れたらその方が良いじゃん、と思うんですよね。
Rock oN :海外のプロデューサーは、色々な経歴を持っている人がいますよね。エンジニア出身のプロデューサーもいれば、作曲家がプロデューサーになって成功した人もいる。そういった仕事のスタイルには、このスタジオは大きな意味を持ちますね。
MEG:本当に。ここのおかげで卓の使い方も覚えましたし(笑)。実は僕が卓を積極的に使おうと思ったきっかけがあるんです。それは、今年(2025年)に出したONEOKROCKのアルバム『DETOX』のレコーディングで、1ヶ月ぐらいアメリカに行ってきたんですよ。その時のエグゼクティブ・プロデューサーを務めたロブ・キャヴァロ、彼が新しく作ったスタジオにお邪魔してレコーディングしたんですよね。ロブはグリーン・デイのプロデューサーでもあるし、レジェンドだからどんな機材を使っているんだろうなと思って楽しみにしていたんです。ところがコントロール・ルームには、現行のSSLORIGINが1台だけ。他はAPI500のランチボックスにAPI312が挿されていて「そのHAはベースに使ってくれ」ぐらい。それ以外は卓でほぼ全部作っていくんです。マイクの置き方も最終的に微調整はしたけれど、最初はOceanWayStudioのエンジニアが来てくれて、最初のセッティングをしてくれるんです。その時のマイクのセレクトも全部定番。「これで本当に良い音録れんの?」みたいな感じで録り始めたら、音がめちゃくちゃ良かったんですよ。それまで自分は「このパートはこのHAとマイクで」といろいろやっていたんです。でも、それが全部崩された。もちろんザック・サヴィーニのミックスもめちゃめちゃ良かった、というのもあるんですけれど、音の評判が良いんです。そして、僕自身も帰国してからバンドのレコーディングは、ほぼ卓だけでやるようにしました。そうしたらクオリティがとても上がったんですよ。
Rock oN :私たちからすれば商売上がったりなんですけど、確かにMEGさんは、帰国後に機材オタク感が減った(笑)。
MEG:確かにそうかもしれないです。でも、機材をシンプルにすればするほど定番でまとめておくと。
Rock oN :アメリカで聴いた音になる。
MEG:はい。もしよくなかったら、プレイヤーへの指示だったり、楽器のチューニングを詰めた方が良いという考えにシフトしました。ロブのレコーディングも、エフェクターでこねくり回すんじゃなくて「アンプを変えてみよう」「弾き方を変えよう」「ピックを変えてみよう」とか。録り音が良くないと、後で何をやっても良くならない。複雑にすればするほど、入口である演奏や音作りの良し悪しが、わからなくなることに気づいたんです。
Rock oN :他にも気がついた日本との違いはあります?
MEG:なんですかね…開放感ですかね。ロブのスタジオが、そうだっただけかもしれないんですが、一般的な平屋を改装してスタジオにした、という場所だったんです。だから、コントロール・ルームやドラム・ブースには扉があって、広い庭に出られるようになっているんです。休憩時間にみんなでサッカーしたり、ロブがご飯を作ってくれたり。なんか合宿みたいな感じでしたが、すごくクリエイティブだと感じたんですよ。ロブも含めて、いろんな人が録っている途中でも「こういうフレーズどうだ?」って、どんどん出てくる。それに「ヨレていてもいいから、気持ちよければオッケー」みたいなところもありましたね。あとは、ラージ・モニターの音量。
Rock oN :大きい?
MEG:めっちゃでかいです。僕が日本でやっている感じでモニターを作っていたら「もっと上げてくれ」って。それでモニター音量を思い切りあげて、その爆音の中でみんなが身体を音に乗せて気持ちよければオッケー。「タイミングは後で調整する」みたいな。そのせいで、日本に帰ってから作業の音量がだいぶ大きくなりました(笑)。
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Rock oN :MEGさんはご自宅にもしっかりした作業部屋があるそうですが、このスタジオにある機材はよく使っていらっしゃるんですか?MEG:このスタジオは主に録りで使っていて、ドラムのアンビにコンプを使うぐらいです。でも、UAの1176しか使ってないですね。録りはとてもシンプルです。
Rock oN :ミックスで使うプラグインで気に入っているものは?
MEG:マイレコメンドは、WAVESのMannyMarroquinToneShaper。いまめっちゃ使っていると思います。
Rock oN :良いところはどこですか?
MEG:一応エンハンサーなんですけど、結構ハーモニクスが追加されるイメージがあるんですよ。そのサチュレーション具合というか、ハーモニクス具合がすごく好き。良い具合に歪んでくれるがゆえに、嫌なアタック感をしっかり削ってくれて丸くしてくれるというか。でも、上はきちんと伸びてくれる。そういう所が、僕はすごく使いやすくて好きです。もっとパキパキにしたいときはOTTのマルチバンドコンプレッサーを使っています。
Rock oN :マスターには、何か挿していますか?
MEG:マスターはMagicDeathEyeというコンプ。割とナチュラル系だと思います。あとSlateDigitalのFG-XIIを入れた後に、SubmissionAudioのFlatLine2を挿しています。リミッター/マキシマイザーのプラグインなんですけれど、最近一番好きかもしれない。なんか平面になるイメージがあるんですよ、良くも悪くも全体がきちんと潰れて音圧が上がる。でも、FlatLine2はトランジェントとかその各パートの前後感を残したまま音圧が上がってくれるみたいな。
Rock oN :その説明だと最高じゃないですか(笑)。
MEG:その分、歪みやすいんです。Ozoneみたいになめしてくれないので、自分で調整する必要はあるのですが、ハマればがっつり音圧が上がります。マスターはほぼこのラインナップですね。後はJoeySturgisTones、Devil-Loc、Decapitator、FabFilterのPro-Qですかね。ほぼほぼこの組み合わせで完結します。
Rock oN :あとはモニタースピーカーですよね。
MEG:ミックスの確認と立ち会いでTDやる時は、NeumannのKH420とサブウーファーKH750DSPDG。今はKH420にTRINNOVを入れています。
Rock oN :ギター周りの機材も教えていただけますか。
MEG:はい。一応。
Rock oN :一応って、バリバリのギタリストじゃないですか(笑)。ご自分なりのやり方ってありますか?
MEG:最近はほぼライン録りですね。VintechAudioX73のHi-zに直挿ししてラインで録る。後はNeuralDSPしか使ってないですね。最終的にプラグインだとどうしても収まりが悪いな、という時だけリアンプをやります。その時は、Peavey6505を入れて、そこからSUHRのREACTIVELORDに入って、それをラインで録音してIRみたいな。
Rock oN :ご自身のギターサウンドのルーティンが、見えてきているんですね。それでは、MEGさんの未来像を教えてください。例えば10年後にこういう方向に行っていたいとか。
MEG:僕はエンジニアとしてレコーディング、ミックス、マスタリングまでやることもあります。そして、曲も作るし、アレンジもやる。音楽制作者の中でも仕事の幅が広い方だと思うんです。先ほども話しましたが、海外のプロデューサーに憧れてきた部分があるんですね。最近になって、いろんな軸のバランスがちょうど良くなってきていると実感しています。だから、優先順位は付けずに全部がまとまるように、そして日本にはいないようなタイプのプロデューサーになっていけたらいいなと思っています。
Rock oN :最後に、MEGさんにとって音楽とは?
MEG:「音楽とは好奇心」かなと。
Rock oN :不思議なゾーンに入りましたね(笑)。
MEG:音楽を聴くのが趣味な人は、趣味の音楽ジャンルを好きなだけ掘り下げられる。その結果、すごく掘り下げられている人がいます。CDを何千枚も持ってますみたいな。そういう人も、好奇心がないとそこにはたどり着けない。僕らも仕事としてより大きな結果を残していくためには、どんどん進化していかなければいけない。その進化を続けていくためには「好奇心」は不可欠だと思うんですよ。これはどんな仕事でもそうかもしれません。「音楽とは」「仕事とは」でもいいですけど、例えば仕事術とか音楽理論とかより、まずはやりたいという好奇心が一番大事。それによって掘り下げることもできるし、楽しむこともできるし、進化することもできると思います。だから「音楽とは好奇心」です。
Rock oN :ありがとうございました!
記事内に掲載されている価格は 2025年7月1日 時点での価格となります。
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