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第一線で活躍するクリエーターのインタビューやコラムなど、音楽と真摯に向き合う作り手の姿があなたの創作意欲を刺激します!

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Aug.2016
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People of Sound 第23回 DJ SWINGさん登場!

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音をクリエイトし、活躍している人をご紹介するコーナー「People of Sound」。このコーナーでは、制作者の人柄が、サウンドにどうつながっていくのかに注目。機材中心のレポートから少し離れ、楽しんでお読み下さい。

第23回目は、当コーナー初登場となるDJの方! HIP HOPやR&BをメインとしたブラックミュージックのDJとして、UNIVERSAL MUSICからもMIX CDをリリースされ、全国規模で活躍されるDJ SWINGさんです。DJとしての活躍に加え、選び抜かれたハイエンド機材を揃えたスタジオを経営されていると聞き、期待を胸にご自身のBIG TIME STUDIOにお伺いしました。

2010年9月24日取材



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音楽に触れられたきっかけは何ですか?

幼稚園年長の頃だと思いますが、父親が音楽好きで、「ウィ・アー・ザ・ワールド」のメイキングビデオを見せてくれたんです。それで、曲自体に凄く惚れ込んでしまい、英歌詞をカタカナで書き出して歌っていました。

もちろん当時は楽曲の様々な背景について解るわけないんですが、今思えば、クインシー・ジョーンズ、マイケル・ジャクソン、ライオネル・リッチーなどの大物アーティストが作った素晴らしい楽曲に素直に反応してたんだと思います。

今の音楽活動の出発点となった1曲なんですね?

そうですね。小学校に入ると2年間だけピアノを習いましたが、引っ越しを機にピアノから離れてしまいました。僕は愛媛県松山市の出身なんですが、その後、地元にある伊予水軍の和太鼓クラブに入り、大太鼓を担当して大将をやりました。その時期にリズム感を培ったのではないかと思います(笑)。

今回、ブラックミュージックのDJということで、今まで取材してきたバンドマンやエンジニアの方々とは違った感じの歩みを経験されてきてるかなと思うのですが。

そうかもしれないですね。中学1年の時に、年齢が一回り上のレゲエマニアのいとこが、ターンテーブルとDJミキサーを使って曲を繋げることを教えてくれたんです。それを面白いなと感じ、14歳の時に自分でもDJの機材を買ったんです。

何を買ったんですか?

Pioneer CDJ-50IIを2台とAudio Technicaの4chディスコミキサーです。その頃流行っていたダンスミュージックも好きだったのですが、4つ打ちものを繋げたり、ループを組んだりして遊ぶ感じでした。また、父親がいいオーディオセットを持っていたこともあり、オーディオに興味を持ちました。粗大ゴミに捨てられてるアンプやスピーカーを片っ端から拾って来て、繋ぎ変えて音を聞き比べしたりしてました。周りの友達から見るとかなり変な中学生だったと思います(笑)。

今回のインタビューは、これまでになかったDJの方というパターンですが、過去にインタビューしてきた方々の例に漏れず、DJ SWINGさんも音楽に触れたきっかけは身内の方々の影響。やっぱり環境って大事ですね。興味深いのは、DJ SWINGさんはオーディオに対しても興味を持つ少年であったということ。この辺りは、エンジニアさんにインタビューしてきた内容と類似性があります。この事実が「音響にもこだわるDJ」といったDJ SWINGさんのスタイルに繋がる話の伏線になりますので、引き続きお話を。



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最初にHIP HOPに出会ったのはいつですか?

高校に入ってからです。ずっとサッカーをやってたんですが、サッカー部の先輩から「ターンテーブルを売ってくれ。」と頼まれまたんですよ。中学3年の頃にGEMINIの安いターンテーブルを買ってたんですが、その当時はずっと4つ打ちをやってて「CDの音源でもいいや」と、あまり使ってなかったんです。

それで先輩の家まで自転車に縛り付けて持っていったら「繋ぎ方が解らないから繋いでくれ」と。で、繋ぎ終わり、音が出るかのチェックのために載せたレコードがAkinyele(アキネリ)というラッパーの「Put It In Your Mouth」という曲で、HIP HOP好きな人はみんな知ってるような曲だったんですね。それを聞いて衝撃を受けたんです。

それまでBPM 120〜130くらいの4つ打ちの疾走感に気持ちよさを感じてた音楽観が一変され、BPM 90以下の心拍数に近いグルーブに、ものすごい心地よさを感じたんです。自分の体に合ってるなと思ったんですね。

改めてターンテーブルを買い直し、Technics SL-1200 Mk3のシルバーモデルを手に入れました。そこから必死にスクラッチの練習です(笑)。

当時の松山のクラブシーンはどうだったんですか?

全国的に有名という訳ではありませんが、盛り上がってましたよ。高校1年の時からクラブで回し始めました。最初は、通ってた英会話スクールの先生達とクラブに遊びに行くようになったんですが、お店の人に「僕もDJやってるんですよ。早い時間でもいいのでやらせて下さい!」と売り込みしたり、自分でミックステープを作って渡してました。「なかなかスクラッチ上手いやん。」という感じで反応があったり。

レコードは地元で手に入れてたんですか?

はい。当時、レコード屋は松山に3、4件あって、東京のクラブ業界にいた人たちがお店にいたので、ネタを仕入れていました。HIP HOPになってからは全部レコードですね。加えて、DMR、Manhattan Records、CISCOの通販カタログを取り寄せて買ってました。当時はそんなにお金もなかったので、自分で「コレだ!」と思うものだけに絞ってました。友達を集めてパーティーをやったりしてましたが、高校3年の時に1度休学してアメリカに1年留学するんですよ。




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行ったのはサウスのアラバマ州です。アメリカだと21歳以下はクラブに入れないので、みんなで集まって、機材を持ち込んでブロックパーティーみたいなことをよくやったんですけど。そこでDJをしてました。

アメリカで生活してみて、大きく感じたことは何かありましたか?

スーパーマーケットでも最新のHIP HOPが買えるし、ラジオ局も沢山あってみんな普段からよく聞いてるし、日常のどこにでも音楽があるなと。

アラバマを含む南部は人種差別が激しい場所で、黄色人種に対しても偏見や差別を感じることが多々ありました。そういった中で、黒人がHIP HOPを通じて世界を変えたいというメッセージを発している文化の一つということを肌で感じました。

アメリカは本当に光と影がある国で、貧富の差が激しく、外国から見たアメリカと中から見るアメリカの大きな違いを知りました。実態は色んな問題を内部に抱え込んでいる国で、こういう場所で生み出されるHIP HOPと、だた音楽だけとして作られるHIP HOPは違うなということを感じました。

同じ音楽でも国によってリアルさの意味合いが違うんですね。日本と比べ、音に対する捉え方の違いはありましたか?

アメリカの人ってラジオを沢山聞くんですが、ラジオから流れるコンプが激しくかかったサウンドに耳が馴染んでいて、1つの基準になってるんじゃないでしょうか。コンプ感独特の感じがHIP HOPのノリを作っている要素の1つじゃないかなと思います。それに、車社会なのでカーステレオで聞いてよく鳴るようなサウンド処理の文化があると思います。あと、あえて言えばですが、なんでも極端なんですよ(笑)。つまみの数値が異常でも気にせずにぐいっと回して、いい音ならOKみたいな感じですね。「常にマックス振り切り」みたいな感覚を持つ人が沢山いました。そういう感覚の中で生まれる、押しのあるサウンドというのはあるでしょうね。




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日本に戻られてからはどういった活動を?

日本に帰って高校を卒業し、京都の同志社大学に進学して、活動の場を京都や大阪へと広げました。トラック制作もやりたかったので、バイトしてサンプラーのAKAI MPC2000XLやMTRのYAMAHA AW2816を買いました。

自分のMIX CDを作って人に配ったんですが「商品として販売したほうがいいよ。」と、多くの人にいい反応をもらったんです。それで、Manhattan RecordsやCISCOに卸して販売した最初の作品が700枚完売したんですよ。

門外漢で失礼な質問なのですが、いいMIX CD、売れるMIX CDってどんなCDですか?

基本的には選曲、構成、流れ、スキルなど、いくつか要素がありますが、個性の善し悪しは、あくまでも聞く人が判断するということですね。聞く人が共感できない個性なら、ただのノイズにすぎないですし。そのMIX CDをきっかけとして、色んなレコード店のチャートにも入るようになり、Manhattan Recordsから独占の企画でMIX CDのオファーが来て一気に名前が広がりました。

大阪のGRAND Cafeで、HIYOCOさんという大御所のDJが週末にやっていたBLACK JUICEというブラックミュージックの大きなパーティーがあって、僕もそこに参加させて頂いていたんです。そのうち、お店の人にDJプレイを気に入ってもらい、平日に月1で始めたのがSUGARというパーティーなんです。絶対週末を勝ち取ろうという意気込みで、どうすれば人が入るかということをメンバーと試行錯誤しながらやってました。選曲や音のことはもちろん、どう見せればお客さんが喜んでくれるかということまで含めてです。

動員が増えだしたポイントってあったんですか?

1つは、自分のMIX CDが売れて名前が出たということですね。やがて地方からも人が来るようになりました。GRAND Cafeの平日から週末開催へとシフトして成長し7〜800名のハコが毎月満員御礼になり、今年9月で7周年を迎え、8年目に突入しました。

自分が回すパーティーでは絶対に、オープン前にフロアの鳴りを時間かけてサウンドチェックするんです。ほとんどのDJはしないと思いますが、PAの人に細かく調整をお願いします。自分のプレイがいい音で鳴らなかったら、フロアのテンションも上がらないし、たとえいいDJプレイでも、音が最悪だったらお客さんに伝わらないと思います。

現場レベルでの地道な成果でもあるんですね。DJだけでなく、レコーディングスタジオや機材に対する理解も、ご自身のDJに大きく関係してますか?

どういう機材を使っているか、ということは解るので、具体的にこうしてくれと指示が出せるのが大きいですね。PAの人には「こだわりがハンパ無いですね」と言われることもありますが(笑)、逆に、PAの人には喜んでもらえたり共感して頂ける場合が多いですよ。



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東京へ来られたのは大学卒業後ですか?

卒業後2年間は大阪でCLUB DJをしつつMIX CDをリリースしたりREMIXを作ったりしていましたが、もっと自分の音楽活動を広げたいと思い、3年前に拠点を東京に移しました。その頃、Manhattan Recordsに続き、UNIVERSAL MUSICからもオフィシャル MIX CDを出しました。

ユニバーサルのスタジオでマスタリングをやったのですが、エンジニアさんに「どんな機材で作ってるの?」と聞かれて、「AW2816です。」と答えたら驚かれて、「こんなにいいものを作れるなら、もっとこだわればさらに良くなるよ。」とアドバイスしてもらい、それをきっかけに自分の制作環境を整えようと思ったんです。

ユニバーサルのマスタリングスタジオで色んな機材を目にしてエンジニアさんにあれこれ聞きまくったんですが、その時の経験が大きいですね。そこから研究して少しずつ機材を揃えていくようになりました。

DAWへ切り替えたんですね。最初はどんな機材だったんですか?

最初はDigidesign Digi003と、ADコンバーターの質をアップするためにApogee Rosette 800を買いました。使って行くうちにPro Tools LE版には遅延補正が無いことに不満を持って、制作上で一切の妥協はしたくないという思いでHDシステムに切り替えたんです。

当時僕はDAWの知識は殆ど無かったんですけど、高校からずっと一緒の制作パートナーで現在はうちの会社の専務取締役の池田が、専門学校で学んだDAW全般に関する知識があったので、彼の力も借りつつ理想のシステムを構築していきました。

最初は渋谷に事務所を借りてましたが、東京って賃料がめちゃくちゃ高いじゃないですか。別に住居も借りてたので、毎月同じ金額払うなら、と考えてこのスタジオの物件を買うことにしたんです。

1年くらいあれこれ50以上は物件を見ました。自分の中では、スタジオを作るなら絶対RCじゃなきゃだめだったし、かつ、天井が高く、コントロールルーム、レコーディングブース、ラウンジを作れるスペースが必要となると、なかなかいいのが見つかりませんでした。

その時点では、外貸しするスタジオも構想されてたんですか?

そうですね。だから駅からの近さも重要な要素でした。スタジオの施工はジーハサウンドデザインさんに依頼し、完成したのは去年(平成9年)10月、それから自分で使いながら調整を繰り返し、今年6月にオープンしました。

この建物には、半地下といえる1階に、天井が高くオープンなスペースを持った26畳の道場があったんです。それがこの物件に決めた大きな要因でした。

付近は住宅街なので、浮床構造にして防音を完璧に(遮音性能はD70相当)行っています。その後、機材の配置を日東紡さんに一度やり直してもらい、コントロールルーム内の音響調整を施してます。

スタジオの電源はどうされていますか?

電柱から別に幹線を引き込んで、ブレーカーを始め、全部変えました。

200Vをコンバーター用に240Vにステップアップしてるのが1系統、PC用に117Vを1系統、アナログ機材用に100Vを1系統用意しています。機材とは関係ない通常の電源とは全く別けてます。

クロックジェネレーターにAntelopeがあるのが目を引きますね!ハイエンドな機材もたくさんありますが、かなりこだわりがありそうですね。

ハイエンドにはハイエンドにしかない絶対的な良さがあると思っているので、自分がいいと思ったものに対しては投資を惜しみたくないんですよ。一流のこだわりを知ったうえでないと「安いものでもいいよ。」と言えないし、説得力がないと思うんです。



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それに関連した話に繋がると思うのですが、DJ SWINGさんはmp3を聞かないようにされてるとスタッフから聞いたのですが。

メインストリームのCLUB DJっていう職業上、やむを得ず聞かなきゃいけない時がありますが、普段プライベートではmp3を含む圧縮された音声メディアはipod等で聞かないようにしてます。 圧縮音声ファイルがこれだけ一般的になったのもiTunesやiPodで音楽を聞くという生活スタイルが定着したことが大きな原因で、若い世代の人達がいい音を欲していないということではないと思います。

もちろんmp3はいい音でないのは間違いないので、よりいい音で音楽を聞けば、さらに感動が大きくなるということを知って欲しいと思います。これからインフラが進み、DSDがiPodの中に1万曲入るという時代が来れば、mp3なんてだれも必要としなくなると思うので、作り手側にいる自分としては、今の段階でmp3の奥行きのない音に慣れていたくないと思ってるんです。

僕の周りにいる若い子たちは、単純に良いモニター環境で聴く良い音を知らないだけで、そういった子にこのスタジオで本来の鳴りを聴かせると「この曲ってこういう曲だったんだ。」と衝撃を受けて帰って行く子もいますよ。

なるほど。色々、言葉を並べて説明するより体験してもらうのが一番ですね。

「DJ SWINGさんのMIX CDは音が良くて一度聴いたら他のMIX CDが聴けなくなりますよ。」と言ってくれるリスナーの方がたくさん居て、そう言ってもらえる度に、「こだわってきてよかった。」と本当に思えます。

僕はまだトップに届いてるわけではないですが、世の中で本当にトップにいる人達は、誰も気付かないような細かな所ににこだわりを持ち、様々な努力をしてると思うんです。そういう部分が、最終的に”人に伝わる・感動を与える”部分に繋がると考えるのでそういった部分で妥協はしたくないですね。 音楽だけでなく、服にしろ食べ物にしろ、世の中のあらゆる価値観が「安くて気軽に大量に」の方向に向かっていることに対して危惧感を持ってます。



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そうですね、新しいハイレベルの技術が出たとしても、ユーザーが付いて来れず「いらない。関係ない。」といった感じになると面白くないですよね。では、スタジオの機材について伺っていいですか?

Pro Tools|HDはシャーシを使ってDSPカードを拡張し、今はHD6の状態になってます。どれだけプラグインを挿してもOKです。ワードクロックはデジタルオーディオにとって一番かなめな部分ですので、今、一番最高だと思えるAntelope 10MとTRINITYを導入しています。

ミキシングのサミングについては、アナログ指向なので、SSL X-RACKを32チャンネル分、G-COMPと合わせて組んでいます。購入にあたっては、NEVE 8816やSPL MIX DREAMを借りて聞き比べましたが、一番自然でしっくりきたので決めました。ミキサーへ繋ぐDAはApogee DA-16Xを2台、32チャンネル分用意しています。

モニターはMUSIK RL 901Kですね。

はい。モニターは一番コストをかけなければいけない部分だと思いますね。RL 901Kの内側はYAMAHA MSP 7 STUDIOです。これは、このスタジオを作る前からずっと使っていました。ラジカセは中古で整備されてるSONY ZS-F1を見つけました。コーンが一度つぶれてしまったので新しく変えています。音響補正にreal sound lab APEQ-2proを導入しています。これでMUSIKの無駄なローがすっきりして低域の鳴りが判断しやすくなりましたが、それ以上にYAMAHA MSP 7 STUDIOの鳴りが大幅に良くなり驚きました。

モニターセレクターはGRACEですね。

m904ですね。モニター向けのDAはこれでやっています。m904はDigi003を買った時に一緒に導入したんですよ。

ええ〜、Digi003より高いじゃないですか(笑)。

はい、やっぱりモニター環境は大事なので(笑)。かなり信用していて、マスターレコーダーへの入力へはm904のアウトを接続しています。このスタジオはレコーディング、ミキシングはもちろんマスタリングまで対応できるよう作ってますので、マスタリング用の機材も揃えてます。

MANLEY Variable Mu Limiter Compressor Mastering Versionは日本の代理店では初めてだったというM/S MODとT-Bar Modのアップグレードをして最強仕様にしています。WAVES L2 HARDWAREとt.c. electronic Finalizer 96Kは改造してあり、時代にマッチしたハイスピードで高解像度な音が作れるようになってます。

Studer A820がありますね。稼働してるんですか?

使ってますよ!ハーフも1/4 inchもOKです。マスタリングの時には、ヘッドアンプを通して音を作ってます。アナログテープの音が好きなんですよ。DJで使うCD等のデジタル音源もStuderで一度テープに焼いてからアーカイブし直すとアナログレコードに近い音になるんですよ。 マスターレコーダーはKORG MR-2000Sをメインに使ってます。これで44.1kHz/16bitに録るんじゃなくて、DSDで録ってからAUDIO GATEで44.1kHz/16bitに変換する方がはるかに音がいいのでマスターを作る時には最近このパターンが多いですね。

スタジオを経営する側としては常にお客さんにとって使いやすいスタジオであるようにと意識してます。使ってもらうお客さんに「こうしたらもっと便利かも。」といった意見、希望や感想をいつも聞いてるんですよ。自分でなかなか気付かない部分もありますしね。

今後のご予定、目標などお聞かせください!

このスタジオのコンセプトは、「ハイエンドな機材をリーズナブルな価格で。」ということで、メジャー、インディーズ、プロ、アマ問わず沢山の方に使って頂いて、このスタジオがより多くの素晴らしい音楽が世の中に出るきかっけとなる音楽発信基地になればいいなと思ってます。 スタジオレンタルだけでなくミキシングやマスタリング業務も行ってますので、そういった形でも音楽シーンに貢献できればなと考えています。 自分自身ももちろん、現場DJを続けるだけでなくオリジナル楽曲を制作して自分の音を発信しながら音楽の素晴らしさや喜びを伝えていきたいと思います。

DJ SWINGさんにとって音楽とはなんでしょうか?

音楽は生活の一部として身近な存在で、人生を彩り豊かなものにしてくれるエッセンスのようなものだと思うんですよね。 楽しい時はもっと楽しくなれるし、悲しい時はなぐさめてくれる。音楽がある人生と、ない人生だったら、豊かさに大きな差がある。その豊かさをより多くの世の中の人に感じてもらえるよう音楽家として伝えていきたい、それが自分にとっての音楽です。

スタジオにお邪魔してお話をお伺いしたせいもあるかもしれませんが、「DJ」よりも「スタジオオーナー」としての顔がやや前に出た印象が残りましたが、音楽的な信念に基づいたハイエンド機材への信頼を語る口調の1つ1つにぶれがなく、音楽に対する熱い想いを込めてスタジオを作られたんだなと強く感じました。

「ハイエンドな機材をリーズナブルな価格で」ということで、なんと、学生の方は学生証掲示で学割がきくそうです!サウンドでさらに上を目指す志をもった若いクリエーターなら、ぜひ、DJ SWINGさんの真摯な気持ちが詰まったBIG TIME STUDIOを利用してみてはいかがでしょうか。今日は終始、穏やかな雰囲気での取材となりましたが、パーティーの現場でDJとして勝負しているDJ SWINGさんは、今日はと全く違った熱い表情をしてるのでは、と思ったりもしました。


BIG TIME STUDIO

〒145-0064 東京都大田区上池台2-37-23 1F
TEL/FAX: 03(6425)9228

細部に渡り妥協のないハイエンドなスタジオシステムを提供するBIG TIME STUDIOでは、レコーディングはもちろん、ミキシングやマスタリング業務にも対応。

東急池上線・洗足池駅より徒歩2分のアクセスと、コストパフォーマンスの高い料金設定も魅力。
詳しくはオフィシャルサイトにてご確認ください »

スタジオ紹介ビデオメッセージ

DJ SWING

14歳でDJを始め、様々なEVENTにおける活動を経た後、1999年より渡米。現地のあらゆるPARTYにおいてDJとして経験を積み、自身のオリジナルPLAY STYLEを確立。最新のHIPHOP・R&Bから90’S CLASSICS、80’S CLASSICS、SOUL、DISCO、HOUSEまで膨大な音楽知識に裏付けられた間違いない選曲と、それら楽曲の魅力を最大限に引き出すGROOVE感溢れるMIX、スキルフルなSCRATCHや2枚使いはCLUB PLAYや数々のMIX作品において遺憾なく発揮されており、全国から絶大なる人気と注目を集める。

都内における数々のレギュラーPARTYにてメインDJを務めるだけでなく、全国の様々なPARTYにゲストDJとして招致され、各地のクラウドを熱狂の渦に巻き込んでいる。

2004年11月よりスタートした新譜MIX CDシリーズ「SUGAR」・「JUICY」は今や不動の人気を誇り、不定期でリリースされるCLASSICS音源を中心としたMIX作品はいずれもロングセールスを記録。2007年7月に全国一斉発売された自身初のオフィシャルMIX CD「Manhattan Records The Exclusives Hip Hop Hits」がオリコンインディーズアルバムチャートにTOP10入りし、それを記念したCLUB TOURを全国各地15カ所以上で開催。

2007年9月に活動拠点を大阪から東京に移し、そのわずか半年後の2008年3月には待望のオフィシャルMIX CD第2弾『NEXT ANTHEM』をUNIVERSAL MUSICからリリース、メジャーデビューを果たし、前年に引き続き全国各地16カ所以上においてCLUB TOURを開催。 2009年にも全国各地20カ所に及ぶCLUB TOURを行い、大盛況に収める。 毎年凄まじい盛り上がりを見せる彼の全国ツアーは恒例となり、今や日本中のPARTYシーンにおいて欠かせない存在となっている。

2009年9月には都内に最新鋭のシステムを備えたレコーディングスタジオ「BIG TIME STUDIO」をオープンさせ、それを機に本格的にオリジナル音源制作に取り組む。 更にはオリジナル楽曲制作に加え、新たなアーティストを世に送るべくプロデュースワークにも力を入れており、大手レコード会社、インディーズレーベルと幅広く楽曲提供を行っている。

最近では、現在のファッションシーンでカリスマ的な支持を集める『EMODA』プロデューサー松本恵奈(ena)のシンガーとしてのデビューシングル「Only one」に、アレンジャーのみならず、レコーディング・ミキシングエンジニアとして参加し、DJだけに留まらずPRODUCERとしても更なる活躍が期待される。


オフィシャルサイト

http://ameblo.jp/djswing/
http://bigtimestudio.net/
http://twitter.com/#!/DJ_SWING_JPN



スタジオの一角に大きく鎮座するのは、マスタリングにも現役で活躍しているというSTUDER A820。

一番コストをかけるべきというモニター環境。メインはMUSIK RL 901K。「購入前にカニエ・ウェストのCDをリファレンスに持って行って試聴したんですが、「今まで自分が聴いてきてた音は何だったんだろう」という程の衝撃を受けました。音が目で見えるという感じでしたね。」


real sound lab APEQ-2proとCONEQ Workshopの導入によって、さらにモニターの鳴りが改善されたという。

モニターコントローラーは、DA部分に大きな信頼を寄せているGRACE m904。


Pro Tools|HDはシャーシによりHD6までパワーアップ。「どれだけプラグインを挿してもOKな状態です。」コントローラーはPRO CONTROL MAIN UNIT + FADER EXPANSION。

サミングミキサーとしてSSL X-RACK 32CH分が用意され、ミキサーへ繋がるDAにはAPOGEE DA16Xを2台用意。


そして目を引くのがマスタークロック。「ワードクロックはデジタルオーディオにとって一番かなめな部分ですので、今、一番最高だと思えるAntelope 10MとTRINITYを導入しています。」

マスタリングまでカバーするハイエンドアウトボード類。AVALON DESIGN AD 2077、MANLEY Variable Mu Limiter Compressor Mastering Version(M/S MOD、T-Bar Modアップグレード済み)、改造されたWaves L2 HARDWARE、t.c. electronic Finalizer 96Kがマウント。


マスターレコーダーは1bitレコーダーのKORG MR-2000S。

ソファの後ろに見えるのは、スピーカー型の吸音材 SP-TILE(外部リンク)。


ボーカルブース。マイクはNEUMANN U87Ai、AKG C451B、Audio Technica AT4040を始め、スタジオ定番と呼べるものを多数用意。

中でも、写真のBLUE Bottleは、ハイエンドにこだわるDJ SWING氏ならではのチョイスと言える。

記事内に掲載されている価格は 2016年8月1日 時点での価格となります。

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