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第一線で活躍するクリエーターのインタビューやコラムなど、音楽と真摯に向き合う作り手の姿があなたの創作意欲を刺激します!

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Sep.2016
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People of Sound 第36回 浅田祐介さん登場!

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音をクリエイトし、活躍している人をご紹介するコーナー「People of Sound」。このコーナーでは、制作者の人柄が、サウンドにどうつながっていくのかに注目。機材中心のレポートから少し離れ、楽しんでお読み下さい。

第36回目は、音楽プロデューサー、作・編曲家、シンガーの浅田祐介さん。1991年に、本連載にもご登場いただいたチャラさんのサウンドプロデューサーとして音楽業界に足を踏み入れられ、その後、ご自身の作品もリリース。CHEMISTRY、Crystal Kay、キマグレンなど、多数のアーティストの作品も手がけられ幅広い活動を続けられ、現在は、音楽事務所エニシング・ゴーズの代表を務めるなど、後進の育成にも注力されています。ご自身のスタジオにお邪魔して、お話をお伺いしました。

2016年7月20日取材



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音楽に触れられた頃のお話をお伺いできますか?

中学1年の洋楽体験ですね。僕の世代は、「ベストヒットUSA」、「ポッパーズMTV」といった洋楽PVを流す番組が全盛の頃でした。ビリー・ジョエル、クイーンに始まり、カルチャークラブ、デュラン・デュランなどのUKニューウェイヴやニューロマンスも好きでした。

でも衝撃だったのは、スライ&ファミリーストーンを中心としたファンク。音楽の三要素の中で一番気になるのはリズムなんです。特にハネたリズム。もちろんビートルズは大好きすが、体が自然と反応するのはストーンなんですよ。ブラックミュージックはリズムに対して懐が大きいし、音楽的なことが分かる今から思い返すと、当時は和声的に整理されたものが好きじゃなかったんだなぁと思います。ブラックミュージックは禁則やアボイドノートを簡単に飛び越えてしまうんですが、そういうものが好きだったんですよね。

音楽の楽しみ方についても一番幅が広いジャンルだと思うんです。今でも悪い癖だなぁと思うんですが、人の歌を録る時に、歌い手が譜面と違って歌ってしまっても、リズムが良ければOKテイクにしちゃうことがあるんですよ。OKの判断基準の優先項目がリズムなんですね。高校生になって、コンピューターと音楽が自分の中で結びつくようになり、音楽をやろうと思うに至るですが、ちょと変わった経緯があるんです。

面白そうですね、ぜひ聞かせください!

小5の時から、Apple IIやシャープのMZ-80というパソコンを使い、アセンブラでゲームを作り、そのゲームを売ってお金を稼いでたんですよ。

それはすごいですね!アセンブラですか!どんな環境でやってたんですか?

最初はコンピュータを持ってないですから、池袋の西武デパート9Fにあったコンピューター売り場に行って、展示してるコンピュータを使ってプログラムして、デパートが閉まる時間に撤収する。そんなことをやってたんです。

今、電気グルーヴのエンジニアなどで活躍してる渡部高士とはその時から知り合いなんです。販売媒体として、最初はカセットテープ、後になってからはフロッピーディスクにゲームを入れて売ってました。ずっと後になって聞いた話ですが、当時、秋葉原近辺では僕の名前が伝説みたいになってたらしいんですよ。。(笑)

どんなゲームを作ってたんですか?

現在のゲームと比較すると全く違い、精巧に作り込まれた物じゃないんで、今の世代の人に説明するのは難しいんですが、シューティングゲームの場合、アルファベットの’A’をインベーダーにして、’<'を砲台として動かしたり、わずか279 x 191ドットの範囲でグラフィックを表現する感じです。アドベンチャーゲームなども作りました。

それをどうやってお金に変えてたんですか?

秋葉原にRAMという会社があって、そういう会社が買ってくれてたので売りに行ってたんです。だいたい5~60万になって、そのお金でコンピューター買ったり、レコードを買ってたんです。

小学生にとったらかなりの金額ですね!そもそも、どうやってプログラミングは覚えたんですか?

西武デパート9Fで、高校生がプログラムしてるのを後ろからずーっと覗き込んで覚えたんです。他にI/O、ASCII、月刊マイコンといった当時の雑誌を買って勉強もしてました。その頃からオタク道まっしぐらですね!(笑)

で、当時、原宿音楽祭というのがあって、中1の時にでグランプリをもらうんです。

論理的思考能力が必要とされるプログラミングスキル。天才小学生ゲームプログラマーだったキャリアが、この後に話題として登場する「Musicians Hackathon」への伏線になります。ゲームプログラマー少年がどうやって音楽制作の道へと繋がっていくのでしょうか!? 



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え、その前にパソコン少年が音楽を始めるに至ったきっかけがあったんですよね?

はい、通ってた西武でパート9F、パソコン売り場の隣が楽器売り場だったんですよ。そこの店員さんによくしてもらってたんですが、「うる星やつら」などの劇伴を手がけられていた作編曲家の安西史孝さんを紹介してもらったんです。安西さんは、当時、パソコン通信 NIFTY-ServeのMIDIフォーラム「FMIDI」のシスオペをやられてたくらい、コンピューターが大好きな方で、「原宿音楽祭にゲーム作って応募しなよ」と声をかけてもらったんです。

その時、安西さんのスタジオに行ってみるとフェアライトやメロトロンなどのシンセが沢山あって、そこで僕は初めてキーボードというものを目の当たりにしたんです。それまでにピアノのお稽古みたいのも一切してなかったんですよ。数年後、高校生になって音楽をやろうと思ったんですが、何の楽器をやろうと思った時、安西さんの家にシンセを借りにいけばいいや、と思ったんです。(笑) そういう理由でキーボードにしたんです。

ゲームのプログラムから音楽へ、とてもユニークな音楽への入り方ですね~。そのままゲームを作り続けていたら、別の道が開けていたんじゃないですか?(笑)

いやぁ、音楽を選んでいてよかったと思いますよ。今、MUSICIANS HACKATHON(※ 後述します)をやってる訳ですが、自分が夢中になってこれまでやってきた事の点と点が結ばれて、今になって、線になってると思います。まあ、変わった歩み方でよね。。。(笑) その前に、話が前後しますが、キーボードを選ぶ前はバンドでボーカルをやってたんですよ。

それはどういうことですか?

高校生になると僕が、(1)声が大きい、(2)それほど音痴じゃない、(3)小学生の時から英語を教わってた、ということで、カバーバンドのボーカルにぴったりな条件が揃ってたこともあり、バンドをやってる友達からボーカルに誘われたんです。男子校だったので、文化祭で女の子と出会うために、バンドは最良のアイテムだと思ってましたし(笑)。でも1つ盲点があって、ボーカルって間が持たないんですよね。女の子を家に連れて来た後、例えばギターが弾ければ形になって間が持つんですが、ボーカルだと何もすることがないじゃないですか。それで「楽器をやろう!」と思い、安西さんの家に行けばキーボードがあるので借りれるなぁと思い、キーボードにしたんです。

シンプルな理由ですね。わかり易い。(笑)

多分、Juno-60かDX-7をお借りしたんだと思いますが、加えて、ゲームを売った時のお金が残ってたのでシーケンサーのRoland MC-500を買って打ち込みを始めました。最初は、リズムパターンだけ打ち込んでみたりしてコピーしてました。高校2年の時です。

そうやってコンピューターと音楽が自分の中で結びつくようになってから、主に聞いてたのはいわゆるブルーアイドソウルのアーティストが多かったです。白人がブラックミュージックに影響を受け作った音楽ということで、やはり、魅かれるものがあったんですね。1986年にリリースされたスクリッティ・ポリッティの「キューピッド&サイケ85」とゴー・ウェストの「ゴー・ウェスト」。その2枚をずーっと聞いてました。

ヒップホップに関してはいかがでした?

リアルタイムで洗礼を受けました!アフリカ・バンバータを始め、すんなりと自分の中に入ってきました。かと言って、自分でラップをするわけではないのですが。でも、リズムの感覚にはすごく影響を受けたし、僕はサウンドに空間や隙間がある音楽が好きなんですよ。

始めて1年くらい、打ち込みを続けてたんですが、音楽的素養がないところからのスタートなので、好きなアーティストの曲のコードを探ったりするよりも、自分でオリジナル曲を作る方が曲として形になりやすいということに気付き、オリジナル曲を作り始めました。曲が出来ると発表したくなり、打ち込みの機材をライブハウスに持ち込んでライブをやり始めました。



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お客さんの中にチャラがいて、ライブ終わりに「キーボード弾いて。」って声をかけられたんです。当時、チャラがソニーミュージックエンタテイメントの新人開発・発掘セクションのSDグループに面倒を見てもらってたんですが、チャラのことを面白いね、と言ってくれるメーカーの方がいたんです。でも結果としては、「チャラのソロでやる」ということになったんです。僕は、「あ~、やっぱりそういうもんなんだ。。。」と思い、「じゃあ、僕はコンピューターを頑張ろうかな。」と思ってたんです。

でも、バンドの中で曲を書いて、アレンジをやってた僕のことに気づいてもらい、「せっかくだから、キミ、もうちょっと手伝ってよ」と声をかけてもらったんです。そんな感じで、僕の業界への入り口が始まったんですが、こんな感じなので、僕は常に危機感を感じた訳ですよ。(笑)

危機感ですか? それは具体的にどんなことですか?

先ほど話したように、最初は楽器を弾くつもりもなかったし。結果的に四半世紀以上音楽をやってる今、音楽業界の中で常に危機感みたいなものは感じてます。でも最初の3、4年間は「遊びみたいな感じでやってるのがお金になるのは何か違うな」という気持ちがどこかにあったんです。

いつかは、ちゃんと小さい頃からピアノをやってたり、音楽の素養を持ってる人々に追い抜かれてしまうんだろうなぁ、と思ってました。高校2年でスタジオに連れて行かれて、音作りやアレンジ作業をしてましたが、常におっかなびっくり。「こんなんで大丈夫なのかな?」という気持ちは常にありましたよ。

その部分は、浅田さんにとってコンプレックスだったんですか?

そうですね。本来音楽は、素養を持ち、ちゃんとトレーニングしてきた人がプロとしてやるべきだと思ってたんですね。たまたま僕の存在が大人に面白がられ、自分のような存在でも音楽をやれているけど、僕のような人が居てはいけない世界だと思ってたんです。

でも、「秀でた感性でやれる」ということも大変優れた素養だと思いますよ!

でも若かった当時はそんなこと分かんないですよね~!「業界にとって自分は失礼な奴だな。」みたいなことも思ってたんです。マナーをわきまえずにバーッと入って来て荒らすだけ荒らして帰るタイプだな、と自分のことを思ってました。なので、必要とされなくかったら速やかに退場しようと思ってたんですよ!

もしかして、浅田さん、根は超真面目な方なんですね?

そうなんですよ。(笑) 高校卒業後にCGの専門学校に1年間通ったんですが、その時、スタジオでバイトしてたんです。スタジオには人生を音楽に賭けてる人が沢山来るわけですが、僕がポッと業界に入った時に、彼らから「あいつ音楽の事分かってないのに、、」みたいな事を言われてるのが聞こえました。「あいつはアイデアとか勢いだけで音楽を作ってるので、どうせ長くは続かないよ!」みたいなことも。それを聞いて、僕は「そうなるんだよなぁ」と思ってました。(笑) 今となっては、引き返せない所まで来ちゃいましたが、、!!(笑)

「本来音楽は、素養を持ち、ちゃんとトレーニングしてきた人がプロとしてやるべき」という考え。実はかなり真面目な(!?)浅田さんの人間性を表しているように思います。スタジオが今と違って、熟練したプロフェッショナルだけが足を踏み入れることが出来る「神聖な場所」だった、ということもあるのでしょうか? 今はラップトップ1台でもデビューできてしまう時代ですし。。

MUSICIANS HACKATHONについて

MUSICIANS HACKATHON は、第一回大会が2014年11月に開催された、音楽家とプログラマー等がチームを組み、新しいサービス、プロダクトの原型(プロトタイプ)を24時間で開発するイベント。今年は3回目となるイベントを渋谷の朝日新聞メディアラボにて、2016.7.16(土)~17(日)に開催されました。

エンターテインメントに特化したグローバルなITサービスのコンペティション『START ME UP AWARDS』実行委員会が主宰。一流の音楽家、サウンドプロデューサーがチームに加わるユニークなハッカソンです。最優秀作は、デジタルコンテンツExpoにて発表の機会を得られるほか、事業化を希望する優秀作は、『START ME UP AWARDS』の書類審査が免除され、二次審査に進むことができます。

http://www.startmeupawards.com/musicians-hackathon.html



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起業を支援するために開催してるSTART ME UP AWARDSの中で3年前から始めているのですが、Musicians Hackathonキャプテンとして参加して今年で3年目なので、ビジネスモデルとしてマネタイズ出来、事業化できるものがあればチャレンジしてみようかなと思っています。

具体的にお話できるアイデアはありますか?

音楽・楽曲を通して人と人を繋げる音楽プレイヤーを考えています。このアプリのコンセプトの根底にはリスナーに音楽への想いを共有して欲しい、という思いがあるんです」

面白そうな話ですね? 詳しくお聞かせください!

昔って、レコードを買うと一番いいステレオを持ってる友達の家に集まって、「この曲いいよね」みたいな話で盛り上がったじゃないですか!今は、多くの人がiPhoneで聞いてるので、他人との結びつきの部分がない。

そこで、このアプリで音楽を介して他人同士を結びつけることをやりたいなと思ってるんです。既にアプリは出来てて、現状はローカル環境での動作ですが、将来的にはサブスクリプション環境で動作させたいと思っています。アイデアに投資が付いて、ランニングする見込みが確保されたら会社を作って、、みたいなことにもなるかもしれません。

マネーの匂いもしますね(笑)。楽しみなアイデアですね~

あと、Street Porterと言ってストリートミュージシャンが投げ銭をしてもらいやすくするサービスです。ストリートミュージシャンがお金を入れてもらうために用意する缶とかあるじゃないですか。そこにQRコードを置いておきpaypalで支払う。そこからSNSで繋がり、次のストリートライブの予定なんかを共有する。アイデアが面白いですが、マネタイズするには、若干、参加者の分母が少ないので、そこがクリアする課題かなと思います。

今回のMusicians Hackathonで出会ったんですが、現在、イリノイ大学でコンピューター工学を勉強してる上海出身の子がいて、スーパー天才で、すごいんですよ!2年くらい前に、中学生が自力でボーカロイドのような音声合成ソフトウェアを作ったという話を聞いた事があったんですが、その子だったんです。

いまどき「こういうプログラムが欲しい」となると、世界中で書かれているライブラリをひも解き、解析して寄せ集め、自分のソースコードの中に取り込む手法が普通で、フルスクラッチでソースを書くことはほぼないんですよ。

でも彼は、「これさ、波形をFFT解析して、周波数分布を取って、、」とかぶつぶつ言いながら「ちょっと待って!」って、グアーッって勢いでプログラミングして、15分後、バグフィックスもしないでプログラムを走らせると、結果が画面に表示される訳ですよ!彼は渡部高士と江夏正晃くんと一緒のグループで作業したんですが、みんな鼻血出そうなくらい驚いて(笑)、「なんだこいつは~!」ってなったんです。(笑) 面白いですよね~。(笑)



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そういった観点で、現在の音楽制作ソフトウェアに対して、こうなればいいなとかありませんか?

いくつかありますよ!まずは、何で40年以上も前のシンセサイザーをコピーした製品を、僕たちはデジタルドメイン上で、いまだに使ってるんだろう?ということなんですが。(笑) FM、FFT、サンプリング、グラニュラーなど、これまでに音源の進化の経緯があり、CPUの能力がこれだけ発達して膨大なリソースを利用できる環境が手に入ってるのに、なんでいまだにツマミを、マウスを使ってグリグリ回し、音を作ってるんだろう?という疑問がすごくあります。(笑)

次はDAWに関してずっと前から思ったことがあるんですが、曲の制作がある程度進んでトラック数が増え、バッファーサイズを大きく設定するタイミングが来る訳ですが、変更した後になって、ちょっとソロを弾きたいという時ってありますよね。そういう時、困るんですよ~。ProToolは実現してますが、再生用のバッファーとソフトシンセ演奏用のバッファーを別ければいいのに、と思います。

また、MIDIで打ち込んでアレンジ作業をするとします。例えばそのMIDIデータが3日間そのままで変更がなかったなら、勝手にDAWが判断して、そのMIDIデータをオーディオ化しておけ、って話なんですよ。(笑) PreSonus Studio Oneの開発の人には「ダイナミック(動的)フリーズ」として、要望を言っておきましたが。(笑) 特にStudio OneはMIDIとオーディオの行き来が自由なソフトなので。

最後にもう1つ。プロ用のスタジオがどんどん消えて行く中で、僕らが憂れなければいけないのは知識の伝承と共有だと思うんです。「こういうとこをやっておけばクライアントは喜んでくれる」とか、「こうやればレコーディングセッションが上手く回って行く」とか。「こういう風にマイクをたてて、こういう風に機材を設定すればこういう音で録れる」とか、そういったことなんですが。

そういった部分の伝承が、完全に終わってしまっているんです。そこをDAWなどで支援するような仕組みがあればいいんですが。例えばアシスタントに「あれをやって下さい!」と頼むと、優れた人ならば「あっ、それ、もうやっておきました!」って言ってくれるじゃないですか!! 人間って本当に優秀だなと思いますよね!(笑)

音楽が売れる事が難しい時代ですが、浅田さんは今の状況についてどう感じてますか?

僕は多分、音楽を音だけで聞ける世代の最後の方かなと思うんです。今の世代の子はYouTubeみたいに動画だったり、音楽に何かがくっついてないと音楽を聞けないんです。音楽を音単体だけで聞く時代はもう終わっています。

でも考えてみると、音楽をそのまま自宅に持って帰って聞けるよになったのって、エジソンが蓄音機を作った以降、ここ100年くらいの話なんですよね。それまでは楽譜で所有したり、音楽を聞くためにはどこかに足を運ぶか、もしくは演奏者を自分の元に呼び寄せるしかなかった訳で、それが今になって元の状態にリセットされたんじゃないかなと思ったりもします。ただ、音楽の作り手側の気持ちとしては、サブスクリプションみたいな技術革新による方法があるので、それらを利用することで、音楽をきっかけにして誰かと出会ったり、話が盛り上がったりするようなことが失われなければいいなと思います。

僕は明らかに音楽に人生を変えられてしまっているので、こういう状況になっても相変わらず音楽が持つ世の中への影響力を信じてるんです。それを今後なくす訳にはいかないなと思ってます。「この音楽、知ってる?」って聞いて、「いいね!」って言う風に、音楽を題材にしてコーヒーが1杯でも飲めるような世の中にしとかなきゃだめじゃないですか? 「そうするにはどうすればいいんだろう?」とずっと考えてるんですが。。(笑)

浅田さんの今後の予定や目標があればお伺い出来ますか?

うちの事務所「エニシング・ゴーズ」に所属する小南千明がデビューする予定なので注力します!他にもバンドをプロデュースしたり、いくつか話があります。加えて、先ほどのMusicians Hackathonのような、新しい形でのこれからの音楽体験に向けたプラットフォーム作りや、アイデア実践などやれたらいいな、と思っています。

自分の作品としてですが、コシノヒロコさんの次女の小篠ゆまとは長年の友達で、彼女のブランドYUMA KOSHINO(http://www.yumakoshino.com)のショーで流す音楽を担当してるので、それに関しては僕だけ一人で音楽を作っています。配信も行っています。

https://soundcloud.com/u-skeasada

では、最後の質問ですが、浅田さんにとって音楽とはなんですか?

それ以外に代替となるものが存在しないものですね。音楽以外だと、大体、取り替えになるような物が見つかるんですが、音楽だけは何物にも取り替えがきかないんです。音楽だけが、「究極の快楽」と「究極の苦痛」の両方に振り切ったものを自分にもたらす唯一の存在なんです。

Musicians Hackathonの話をきっかけにして、浅田さんが抱いている、これから音楽業界が進む道への憂い、また逆に、希望や熱意を沢山お伺いすることができました。記事には登場していませんが、話題はソフトウェア、クラウド、AI(人工知能)まで多岐に渡り、「いかにして新しいテクノロジーを音楽の未来へ繋げるか」ということを常に考えている姿の奥から、天才パソコン少年だったというピュアな好奇心が見え隠れしていたのが印象的でした。

浅田 祐介(あさだ ゆうすけ)

1968年東京生。1995年にフォーライフからアーティストとしてデビュー。4枚のアルバムをリリース。サウンドプロデューサーとして、Chara、傳田真央、Crystal Kay、玉置成美、CHEMISTRY 、織田裕二、キマグレン等々、数多くのアーティストでヒット曲を送り出した日本を代表するサウンドプロデューサーの一人。

>>Twitter

記事内に掲載されている価格は 2016年9月2日 時点での価格となります。

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