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第一線で活躍するクリエーターのインタビューやコラムなど、音楽と真摯に向き合う作り手の姿があなたの創作意欲を刺激します!

21
Jan.2016
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People of Sound 第34回 SUGIURAMNさん登場!

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第34回目は、バンドとしてのデビューを経て、現在はハウスを中心にしたDJとして、国内〜世界のクラブで活躍されているSUGIURAMNさん。バンド時代からの活動を知る筆者としては、バンド〜ダンスミュージックへの変遷のいきさつも興味深いところ。ご自身のスタジオにお伺いしてお話をお伺いしました。

2015年10月22日取材


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インタビュー冒頭からいきなりなんですが、最近、身内にいくつか大変なことがあったので調べてみたら、大殺界だったんですよ。以前は、そんなことに全く興味なかったんですが。


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いきなりの話題でスタートですね(笑)。


「大殺界って本当なんだなぁ。」って思ってるんですよ。でも、あと2ヶ月で終わりなので、ほっとした部分もあり、今、新しいアルバムを作ってるんですが、大殺界抜けたら動き始めますよ!


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それは楽しみですね! では、新しいアルバムについてはもちろん、フロアに密接に接してるSUGIURUMNさんが感じている音楽の未来についてなど、後ほどお伺いしたいと思います。まずは、音楽に触れられた頃のお話をお伺いできますか?


高円寺で生まれ育ちましたが、最初に興味を持ったのは、幼稚園くらいの頃ですが「およげ!たいやきくん」とかポンキッキとかアニメソングとか、、そんな感じです。自分で初めて買ったレコードはピンクレディーの「UFO」でした。速攻フリスビーにして投げてましたけど(笑)。中学の時は音楽にそんなに興味なく、乗り物が大好きで、ロードレーサーの自転車に乗ってました。当時14万でした。それで、友達のベースと自分の自転車を交換することになるんですが、当時はベースってものが何なのか分かってなくて、キーボードみたいなのが手に入るのかと思ってたんです。交換したらギターみたいな形をしたものが来て。ベースとギターの違いも分かってなかったんです。


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ベースとギターの違いは分かりにくいですが、さすがにキーボードじゃないでしょう(笑)!


それくらい分かってなかったんです。それで、ベースはアンプを通さないと音が出ないじゃないですか。だから、音が出ないのは中の電池が切れてるんじゃないかなと思って全部バラバラに分解したんです。結局、ラジカセに繋ぐと音が出ると聞いて、音は出るようになったんですが、一度自分でばらしたもんだから、ずっとネックがぐらぐらのままで弾いてました。友達に聞かせたら喜ぶんで、ひたすらドンキーコングのテーマを弾いてましたが(笑)。

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バンドを始めたのはいつからですか?


高校に入ってからですが、ラモーンズやバズコックスなどのパンク、あとキュアーとかニューウェーブのカバーもやりました。貸しレコード屋でジャケットを見て「絶対これだ!」と思ってクラッシュの「Cut the Crap」を借りたら中身はレゲエで(笑)、「あれ、ジャケットと違うなぁ~」みたいな。高円寺に住んでたので、近所にラフィンノーズとか、ブランキージェットシティの人もよく見かけてましたよ。でも、サッカーもやってたし、将来は音楽をやろうみたいなことは全く考えてませんでした。それに、自分の才能からいくと、バンドなんかに収まらないだろうと思ってたんで(笑)。


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Electric Glass Balloonとしてバンドデビューされることになりますが、その経緯をお聞かせください。

高校の時に一緒にバンドをやってた奥野(奥野裕則氏)はもともとギターだったんですが、彼は色々出来たのでベースをやってもらって、いや、奥野は最後にバンドに入ったんだ。最初はえ~っと、俺がベースだったのかな? 歌ってたと思いますが、憶えてないなぁ…(笑) それで後にサニーデイサービスでドラムをやることになる晴茂(丸山晴茂氏)が、学校は違ったんですが高校の時からの友達ですが、晴茂がドラムをやって。いや待てよ、あれ~、どうだったかな…とにかくギターの筒井君はメンバー募集で入ったんですよ。

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どこにメンバー募集出したんですか?

ロッキング・オンとクロスビートに出したのかな。そうしたら、クロスビートを見た筒井君がハガキをくれて、そうそう、まだハガキで連絡する時代なんですよね~。携帯やネットはないから。それで下北沢で会って話して、筒井君が加入することになりました。最初のデモテープをリハーサルスタジオで録音して、そのカセットテープを10本コピーして雑誌のremix編集部に送ったんですよ。

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remixだけですか。狙い撃ちって感じですね?自信があった?

そう、「すぐに何か決まるんだろうな。」くらいに思ってましたから(笑)。

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相当自信あったんですね。最初の頃の音楽性はどんな感じだったんですか?

ギターの筒井君がThe Smithsしか聞いた事なくて。ギターも最初はアルペジオしか弾けなくて。それってすごくないですか?

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ハ、ハ、ハ…(笑)

変わってますよね? だから音楽性はそんな感じですかね。でも、最初からバンドとして音は成り立ってましたよ。バンドって、せいのどーんで出来るからすぐに形になりますよね。

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で、remix誌からのリアクションはどうだったんですか?

編集長だった小泉雅史さんや、当時ライターだった瀧見憲司さんが面白がってくれて、色んなところにデモを配ってくれたんですよ。それで一番最初に電話がかかって来たのがレコード会社のMIDIだったんですよ。

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remixへのアプローチは狙い通りだったということですね。話してると記憶が蘇ってきたじゃないですか!

そうですね(笑)。最初のシングルは91年リリースで、初めてレコーディングスタジオに入ったんですが、その時のエンジニアがPink Floydもやってたブラッド・デイビスで、「メジャーってハンパねえな~!」と思いました。スタジオの作業中も「お菓子買い放題だぜ、すげ~な!」みたいな。無駄にチョコエッグを買いまくったり。でも、そんな環境も最初の1枚だけでしたが(笑)

時代は80年後半〜90年代前半。東京の音楽シーンの片隅で、それまでアンダーグラウンドだった存在が海外のムーブメントとリンクすることで、音楽性といった切り口を全面にしてオーバーグラウンドに現れ出した。そんな興味深い時期でした。
そんな中で杉浦青年は、誰よりも鋭い嗅覚で時代の流れを嗅ぎ分け、その流れに乗ろうとしていた。お話を伺ってそう感じました。

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話の時間が前後するんですが、デビュー前に、ある劇団のお芝居でギターを弾く役としてドイツのエッセンに行ったんですよ。それが初めての海外経験で、時代はセカンド・サマー・オブラブ真っ盛りだったので、帰りにロンドンに寄って、友達のつてで知り合いになったところに泊めてもらったりしながら滞在しました。その時知り合いになった人達がみんな、今、偉くなってたりするんですよ。ラフトレードのジェフ・トラビスに会ったり、当時はすごいDJだと知らずにケブ・ダージの家に泊まったり。「日本に帰ったら手紙書くよ!」と言って帰国したんですが、成田に着いた後、お腹が痛くなって渋谷のトイレに駆け込んだんですが、そこにかばんごと全部忘れて出て来ちゃったんです!買ったレコードやもらったミックステープなんかも入ってたんですが。だから、帰国後、連絡してないので「アイツはひどい奴だ。」と思われてたかもしれません(笑)。


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マンチェスターブームの頃のロンドンのシーンは華やかだったでしょうね。


プライマルスクリームが「スクリーマデリカ」をリリースした頃なんで、現地で沢山ライブを観ましたよ。来日してない小さなバンドもいっぱい見てます。モックタートルズとかスロウダイヴとか…クラブカルチャーの中でバンドがプレーしてる現場を見れて、すごくいい経験をしたと思います。自分の視野が広がりました。


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Electric Glass Balloonが解散して、杉浦さんはDJとしてダンスミュージックへ向かうじゃないですか。その辺りの経緯をお聞かせください。





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Electric Glass BalloonのEPの2枚目と3枚目のプロデュースを福富幸宏さんにやってもらったんですが、その時、福富さんがMacを使っていて、シーケンサーはPerformerでサンプラーはAKAI S1000かなんかだったと思いますが、それを見てすごく面白いと思い、俺も速攻買いに行ったんです。21歳で100万円のローンですよ!Macintosh LC IIIとAKAI S2800とSound Canvas、MOTUのMIDIインターフェースを買いました。福富さんの家に行って、シカゴハウスとかのレコードを沢山聞かせてもらったんですが、「えっ」と思ったのを憶えてるんです。帰りに玄関を出た後、メンバーの奥野と話したことをよく憶えていて、「福富さんの聞かせてくれたレコードさぁ、歌もなくてずっと同じじゃなかった? ヤバくない、あんなのずっと家で聞いてて。狂ってるよなぁ。」って2人で話したんです(笑)。

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バンドマンが初めてダンストラックに出会った正直な感想ですよね。


福富さんがPerformerの使い方を教えてくれたおかげで、Performerはすごく使えるようになって、今はLogicとLiveを使ってますが、最近までPerformerを使ってましたよ。


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杉浦さんにとって、バンドからダンスミュージックへの移行は自然な流れだったんですか?


そうでもないですよ。バンドが解散して、1回、自分の思い通りに作品を作ってみたいという気持ちになって、Electric Glass BalloonとSUGIURUMN名義の間に赤いジャケットの「Life Is Serious, But Art Is Fun」という作品を作りました。それは、バンドとダンスミュージックの中間みたいな作品なんですが、それを作ったら音楽辞めようと思ってたくらいなんです。昨日、このインタビューがあるということで15年ぶりくらいに聞いてみたんですが、思いのほかすごく良くて、技術などの自分に足りない物を何かで補おうとしてる精神みたいなものを感じたんです。結局、自分はずっと変わってないんだな~、と思いました。「Life Is Serious, But Art Is Fun」を作ったことで、次第にダンスミュージックへの興味が深まって行ったという感じですね。


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当時のDJ活動はどうだったんですか?


ノーザンブライトの新井仁君や、DJ Duck Rockの山本展久君とロックを中心にかけるイベントパーティーを下北沢BASEMENT BARや三宿WEBなんかでやってました。すいません、この辺もうろ覚えなんですが~(笑)。定期的にやってるうちに、bpmでつないだりすることを覚えて、気がついたらハウスのレコードばかり回すようになってました。


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つなぐ技術は誰かに教わったというわけじゃないんですね?


そうです、自然にですね。当時、Fatboy SlimなんかのBIG BEATの流れがあって、ロックの人もダンスミュージックに入りやすい間口の広さみたいな雰囲気があったから、自然と入っていけたのかなぁ。


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4つ打ちものへ変化するにしたがって、DJとして呼ばれるパーティーも変化していきましたか?kara


いや、それはまったくなくて、当時はクラブの数も限られてたし、「バンドの奴なんかにDJブース立たせねぇよ。」みたいな空気があったことは確かで。MANIAC LOVEでCaptain Funk/オオエタツヤさんがやってたパーティーには呼んでもらったりしましたが、多分、バンドの奴らからは「なんだよ、杉浦、スカシやがって~」と影で言われてたと思うし、逆にクラブ側の人たちからは「バンドあがりか、こいつは~」みたいなことを言われてたと思うんですよね~(笑)。あるとき、もうロックのイベントでは、DJしないって決めて、髪も坊主にしたんです。たぶんNORIさんが坊主だったからだと思うんですが。自分は本気だぞっていうのを伝えなきゃと思っていました。それでも1年くらいはほとんどどこからも誘われませんでした。今思えば、自分は何かを切り開いたな、という感じですよ。


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ダンスミュージックにおける師匠的な存在はいないんですか?


う~ん、ある意味、福富さんとも言えるし、DJ EMMAさんとも言えるし。直接的な弟子、という意味ではないですけどね。福富さんからは機材の使い方を沢山教わったので、もし福富さんと出会ってなかったら今のようにはなってなかったでしょうね。


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クラブミュージックにおける現在の環境についてお伺いしたいんですが、SUGIURUMNでのDJはレコードですか、データですか?


データです。もちろん以前はUREI1620でアナログレコードでプレイしていました。でも、このジャンルをやってく上でテクノロジーに触れてないとダメだと思うんですよ。一番新しいものに触れていたいです。それに、良いか悪いかはお客さんが決めるという全員同じルールのもとでやってる訳だから、何やってもいいと思います。ただし、お客さんからダメと言われれば、自分のやったことに対して全てを受け入れるリスクは引き受けなきゃいけないです。「データでDJするのはわかってない!」という考え方は変ですよ。フランソワ・ケヴォーキアンだって老眼鏡かけてパソコンでやってるっつ~の(笑)。最先端のテクノロジーを知った上で何を選ぶのか、という話だったらまだ分かるけど、頭ごなしにアナログじゃなきゃだめだ、みたいなことは違うと思います。


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フロアでの出音に関してはどうですか? データの圧縮比率による出音の影響ってDJブースから感じるものですか?


仮に、WAVから次第にビットレートを下げていってMP3まで順番に聞くみたいな聞き方をすれば、先に聞いた音が基準になるので違いが分かりますが、基本的にフロアの現場では分かんないですよ。MP3も192kbps以下だと分かるけど、320kbpsまでだったらWAVとの違いはわかんないです。もちろん音が良い方がいいとは思いますが。Native Instruments TRAKTORで320kbpsのMP3を使う利便性の方が明らかに高いですね。


バンド人種とクラブ人種間の溝。大昔のような話で今となっては笑えるかもしれませんが、「そういえばそうだったかなぁ。」と思い起こします。その分、自分の信じる音楽や自分が属する場所への強いこだわりや主張があり、その緊張感が新しい何かを生んでいたことも確か。「今思えば、自分は何かを切り開いたな。」という杉浦さんの言葉には説得力を感じます。


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そういった話は、若い世代のDJとする機会はありますか?


う~ん、そこで人とぶつかってもしょうがないし、みんなそれぞれこだわりがあるので、そこは尊重したいですね。まあ、ほとんどの人が「自分が正しい」と思ってるのでね~(笑)。今、痛切に感じてることは、「みんな音楽に興味がなさすぎる。」ということです。でも、それは自分たちに責任があるかもしれないし、世の中に原因があるのかもしれないけど。震災を境に風営法だったり、色んなことがからまって音楽の環境に影響を与えてますよ。例えばAmazonのコメント欄。どうでもいいような意見をみんなが聞くようになってしまってるし、誰でもが気軽に参加出来るようになった反面、誰も上を目指さなくなってしまうような風潮はとても残念に感じます。だから自分としてやれる事は、ひたすらクオリティを上げる事に専念する事です。クオリティだけは裏切らないし、曲がいい、音がいいということは誰が聞いても納得するじゃないですか。


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そういうのを、後に残して行く使命みたいなものは感じたりしますか?


1999年に作ったアルバムのタイトルは「Life Is Serious, But Art Is Fun」だったんですが、まさに今がそんな時代というか、多分、色んなことに対して夢を見る事が難しい時代になってきてるような気がします。現在主流のEDMは、初めてアメリカのど田舎まで届いたダンスミュージックという意味で(笑)素晴らしいんですが、逆に、あえて言うなら、誰でも始められる音楽だと思います。これまで音楽に向き合ってきた世代には、それぞれがルーツとして大切にしてる「先代が作ってきた音楽の歴史」があって、「それを知ってないと他の奴からナメられる」という文化が、物を作るにあたっていい刺激になってたと思います。音楽を「わかってる」のと「わかってない」。その差が作る音楽に出てしまって、「あ~、こいつわかってねえなぁ。」ということになるんですよね(笑)。「どんな音楽やカルチャーに影響を受けてどんな音楽を作りたいか。」そこに夢とロマンがあるような気がしますが、「お金を稼ぎたいので音楽を作る。」みたいな事だったら、「それって音楽じゃなくてもいいんじゃない?」と思うし、そこに夢もロマンもないですよね。でも風潮として、世の中がそっちの方向に行ってるように感じています。そんな時代の中、飛び抜けた人達が出て来にくい時代になっていて、逆に可哀想に思いますね。でも、まぁ、やる奴はやるんで、こんな時代から出てくる奴は逆に飛び抜けてすごいだろうから、それは楽しみですよね。どっちにせよ、今までのやり方はこの先通用しないので、誰もやってこなかった方法を自分で探して、自分の音楽をどう世の中に響かせるかを考えなきゃいけない時ですよね。


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ご自身のレーベル「BASS WORKS」は、2年間に渡り毎週リリースを続けてられますが、そのモチベーションはどこにありますか?


始めた時はみんな元気がなかったので、「キャシャーンがやらなきゃ誰がやる?」みたいな感じで始めたんですが、クリエイターとして夢を与える存在でいたいと思ってますしねぇ~。誰もやらないことをやらなきゃ、と思ってます。それがお金に変わるか、といったことはまた別の事で、「そこにロマンがあるか?」ということが大事だと思ってますよ。自分が今、音楽を続けてるのは、上の世代が作ってきた音楽から夢や憧れをもらったということがあって、「今度は与える番だぞ。」と強く自覚しないと、下手したら音楽の未来が無くなるような時代になってますし。時代の風潮として「そのパーティーは何人呼べるの?」とか「それでいくら稼げるの?」みたいな感じになってますが、自分のこころざしとして、「そこじゃないでしょう。」と思うし、そんな利益追求ばかりだったら、大学生の新歓コンパみたいな薄いものばっかりになってしまうし、どんどん質が落ち続けていってしまいます。


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最近、気に入っている機材はありますか?


今作ってるアルバムでは、初めてエレクトロニックミュージックを作ってるんですよ。サンプルやループや生楽器を使わずに、シンセとリズムマシンのみで作ってます。例えば初期のMute Records、例えばDAFなどを今改めて聞いたら、聞こえ方が全然違って面白くて。その感じを今風にアップデートさせた感じの作品を作ってます。ソフトシンセは色んなものを持ってますが、ARTURIA MINILABは去年の誕生日に石野卓球さんがプレゼントしてくれてよく使ってますね。次はモジュラーシンセも面白そうなんで、そっちにも行きたいですね~。



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(ここで制作中のトラックをいくつか聞かせて頂きました)次のアルバム、面白そうですね!ご自分でミックスもされてるんですよね?


はい、マスタリングまでひとりでやっています。ミックスをやるのは自分の性に合ってると思いますね。「なんで以前はこんな面白い事を人に任せてたんだろう?」と思うくらい面白くて。特に自分の曲については「こうしたい。」ということが解ってる訳だから、自分でやるのが一番いいですよ。


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今後の予定や夢みたいなのがあればお聞かせください。


ここで終わりだと思ったら大間違いだぞ!」と言いたいです(笑)。今は、大殺界なのでじっと大人しくてますが、あと2ヶ月で終わるので、大殺界抜けたらやりますよ~。まずは新しいアルバムを作ってますしね。「夢あるな~、憧れるな~」と思われることをやりたいですね~(笑)。


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では最後に、SUGIURUMNさんにとって音楽とは何ですか?


若い頃は音楽と同じくらい、アートや映画など色んなものに興味があって、その中の1つくらいにしか思ってなかったのに、こんなにはまってしまうとも思ってなかったし、唯一辞めなかったのが音楽なんです。だから音楽には本当に感謝してるし、言いたい事は全部音楽に入ってる。う~ん、難しいなぁ~。シンプルに「一番好きなこと」かな(笑)。いつもとことんいくタイプだから、ゴールが見えると、まだこの先に何かあるぜって言ってくる。今も「まだこれから続きがあるんだ。」と感じています。


「昔の音楽が良かったと懐古する態度」と「先人が作ってきた音楽の歴史に敬意を持つ」ことは全く別の話。SUGIURUMNさんがインタビュー後半で語ってくれた話には、「先人が作ってきた音楽の歴史に敬意を持たない」今の世代の音楽家に対する危機感も感じたし、「今のシーンを知らないで過去ばかりを懐古する」同世代へのアンチみたいな態度も感じました。世界中のフロアで、今の現場の空気を常に感じているDJだから、一層、そう感じたのでしょうか?「音楽の未来を今より明るくしたい」といった。SUGIURUMNさんの熱い思いが伝わってきた、楽しいインタビューでした。

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SUGIURUMN 氏

BASS WORKS RECORDINGS 主催。
これまでの7枚のオリジナルアルバムを発表し、シングルも世界各国のレーベルよりリリース。3シーズン連続で務めたPACHA IBIZAのミックスCDも好セールスを記録した。DJとしても24時間セットを幾度となく敢行。近年もlbizaやMancesterなど頑丈な肉体と精神を存分に生かして、ワールドワイドに精力的に活動している。2013年より、自信のレーベル、BASS WORKS RECORDINGS をスタートさせ、シリアスなダンスミュージックを毎週世界に発信している。

SUGIURUMN氏主催レーベル

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トラック制作環境

DAW:Apple Logic pro 9.18とLive8.2

オーディオI/O:Focusrite Scarlett 2 | 2

モニタースピーカー:Musikelectronic Geithain RL904

前はシンセをDAWに取り込む際に使用していたが、現在はギターをラインで録る時などに使用しているNEVE33115。

FOSTEX T50RP mk3n:「これはすごいですよ!musikのスピーカーは下が出過ぎちゃってる時があるから、これで最終チェックするんです。」

    記事内に掲載されている価格は 2016年1月21日 時点での価格となります。

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