先日、東京・御茶ノ水の RITTOR BASEにて「IK Mukltimedia : iLoud Precision内覧会 + iLoud MTM Immersive 体験会」が開催されました。
これまでiLoud Micro Monitor、iLoud MTMにてコンパクト・スピーカー市場に驚きを与えてきたIK Multimediaからの新製品とあって注目が高く、多くのエンジニアやクリエイターが会場に詰めかけました。
当日はイタリア・モデナのIK本社より、CTOのDavide Barbi氏がオンラインで参加し、新製品iLoud Precisionのリアルタイム解説もありました。
Davide Barbi氏がiLoud Precision開発について語ってくれたことは、以下のようなものでした。
●iLoud Precision開発の目的
Davide Barbi氏「iLoud Precision開発の目的は、スピーカーそのものが特定の音のキャラクターを持った製品を開発することでした。それは科学者にとって顕微鏡が研究開発で使うように、問題点を発見できるようなスピーカーを作りたかったのです。
世の中ペアで80万くらいの価格帯のスピーカーは多いですが、その価格帯の製品で欠けていると感じたのは、周波数レンジといった音量の領域だけでなく時間領域(タイム・ドメイン)特性が欠けている点が問題だと思いました。そこでタイムアライメントによる時間差のない2Way以上のモニターを作る必要があると考えました。
タイムアライメントというと学者の理論の世界のように思うかもしれませんが、iLoud Presicionと他のスピーカーと比較してもらえればわかると思います。スピーカーで鳴らした音ががずれた時間で耳に届いていると、脳で再構築しながらミックスしなければならず、それは非常に疲れる作業となります。iLoud Presicionではそれらを解消すべく、正確なステップ応答特性を持ち、色づけのない周波数特性を持つスピーカーの開発を目指しました。」
●なぜiLoud Precisionを開発できたか
Davide Barbi氏「IK Multimediaがなぜスピーカーを開発できたかというと、それは長年デジタル開発の経験があったことです。
特に自信を深めたのは2000年からAmplitubeというギターアンプをシミュレートする製品を開発してきたことです。そこで得たキャビネットの特性を解析して再現するというモデリング研究によって、逆に透明な音を出すにはどうすればいいのかという発想の蓄積ができたことが大きいです。
このデジタル技術で得たノウハウを活かすことでアナログの世界でできなかったタイムアライメントも実現でき、さらにADコンバーターの質も大きく向上したことで、iLoud Presicionの開発まで辿り着くことができたと考えています。」
製品紹介:iLoud Precision
会場ではiLoud Precisionでの試聴も行われていました。音の立ち上がりの速さも感じましたし、低音域の再現度が高いことも印象に残りました。クラスを超えた周波数、時間領域特性を実現した、新世代のリニアフェイズ・スタジオ・モニターiLoud Precision、そのサウンドをぜひ店頭で体験してみてください!
●クラスを超えた、新世代のリニアフェイズ・スタジオ・モニター
主な特徴
・注意深く設計されたクロスオーバーと高度なDSP処理による、リニアな位相特性。
・ウーファー、トゥイーター間のタイム・アライメントによる、時間差や位相反転の無いステップ応答。
・36Hzから30kHzまでフラットに伸びた、色付けのない周波数特性。
・内蔵キャリブレーション機能。歪みを抑えたカスタム・メイドのドライバとクラスDアンプ。
●スタジオ・モニターの再定義
iLoud Precision は、iLoud Micro Monitor、iLoud MTMにてコンパクト・スピーカー市場に驚きを与えてきたIK Multimediaから、フルサイズ・スタジオ・モニター市場への回答です。3倍以上の価格帯のハイエンド・オーディオ・スピーカーに匹敵する仕様を実現しました。
iLoud Precision は、IK Multimediaの25年以上にわたる高度なデジタル信号処理技術により、リニアな位相特性、時間領域(タイム・ドメイン)特性、フラットで色付けのない周波数特性を実現します。
●より詳細な製品情報はこちら
IK MultimediaがリニアフェイズスタジオモニターiLoud Precisionを発売!
●3種類のモデルをラインナップ!
iLoud Precisionは、3種類のモデルからお選びいただけます。
Precision 5
5″ ウーファー + 1.5″ ツイーターの2ウェイ
Precision 6
6.5″ ウーファー + 1.5″ ツイーターの2ウェイ
Precision MTM
2 x 5″ ウーファー + 1.5″ ツイーター
iLoud MTMによるイマーシブスピーカー体験コーナーも!
さらに会場にはiLoud MTM Immersive Bundle 11 による Dolby Atmos 7.1.4の体験コーナーも用意されていました。こちらはマイクスタンドで設置できる仕様で、導入しやすい価格で小規模のスタジオにてDolby Atmosセットを組めるバンドルとして、注目を集めています。
会場に詰めかけた多くのクリエイターやエンジニアがDolby Atmosシステムを体験していました。
記事内に掲載されている価格は 2022年10月21日 時点での価格となります。
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